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その後の人達
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ー ジョシュア ー
「ようやく見れるようになってきたじゃないか、坊ちゃん。」
「有難う。みんなのおかげだ」
僕はソニアとの婚約解消から領地で生活をしてはや5年。あの時は、今も思い出す度に痛みが襲う。僕はトレニアを傷付けておいて結局トレニアに助けて貰った。
風の便りではトレニアは結婚して夫婦共に活躍しているらしい。トレニアの幸せを願うばかりだ。
僕は領地で暮らすようになった当初、公爵子息が罰の為に送られてきたのだと領民達からそっぽを向かれていた。トレニアはずっと領民と共に過ごしていたと言う話を思い出し、僕も一から出直すため共に生活し、近隣の村々の手伝いから始める事にした。
馬鹿だと笑われていたが、最近ようやく領民達も僕を信じて付いて来てくれるようになってきた。
僕は彼女に今でも感謝している。
ー ルーカス ー
「ここはこの予算で頼む」
「かしこまりました」
「あぁ、セバス。義父上の具合はどうだ?」
「大旦那様は快方に向かわれております。今暫くは静養が必要かと。トレニア様には感謝ですな」
「あぁ。後で礼をしないとな」
先日、義父上は流行り病に倒れ、生死の境を彷徨う程だった。義父上が病で倒れた時、助からないと覚悟してトレニアに連絡をしたのだが、トレニアとターナ君は現在開発中だという薬を持って現れた。
治験者という事でこまめなデータをとりながら薬の投与をしたおかげで義父上の病態は目に見えて良くなってきた。
「ルーカス、ちょっと良いかしら?この南の領地の収穫量と納税額が合っていないようだわ。セバスに確認させて。じゃあ、私は息子達とお茶をしてくるから」
妻のグリシーヌは子供を産んだ後、急激に人として成長したような、落ち着いたような気がする。全く社交界へ姿を見せなくなって久しい。領主の仕事も気が向けば手伝ってくれるようになったのだ。
2人の息子、サイナスとローランはすくすくと育っている。特に長男のサイナスは偶に訪れるトレニアが大好きなようで自分で育てた薬草をトレニアに渡しに行くという名目で薬師棟へ遊びに行っているようだ。
「義父上、具合はどうですか?」
「あぁ、ルーカスか。私はもう大丈夫だ。トレニアのおかげだな」
「そうですね。義父上のデータを元に今度新薬発表があるかもしれませんよ?」
「そうだな。2人とも益々有名になるな」
「そうですね」
ー カイン ー
「貴方!ちょっと!またボーっとしているわよ」
そう妻から指摘されてしまう。
「あぁ、ごめんよ」
僕はトレニアが去ってからすぐに王命により一つ下の公爵令嬢と結婚した。妻は気が強く、僕に群がる令嬢達を蹴散らして行った。不満は無いんだ。
だが、気の強い妻に少し疲れてしまっている。そのせいかトレニアと食事をした事や話が昨日の事のように思い浮かんでくる。きっとこれから肩身の狭い婿養子として過ごして行くだろう。
ー 第二王子ディラン ー
私は現在太公となった。領地も贅沢をしなければ暮らしていける程度だ。
結局、私が愛したエレノア・ナランは私を置いてさっさと幼馴染のロンサム子爵子息と結婚してしまった。
新たに王命で結婚した5つ下のマリーナはお穏やかで気立ての良い令嬢だ。私が過去にしでかしてしまった事でいつも気を使わせてしまっている。
エレノアほどの熱は無いが、生涯マリーナと仲睦まじく過ごせる自信はある。
「マリーナ、いつもありがとう」
「旦那様、私はいつまでも旦那様の事をお慕いしております」
【完】
ーーーーーーーーーーーーーーーー
最後の最後までお読み頂きありがとうございました⭐︎
皆様、良いお年をお迎えくださいね(´∀`)
「ようやく見れるようになってきたじゃないか、坊ちゃん。」
「有難う。みんなのおかげだ」
僕はソニアとの婚約解消から領地で生活をしてはや5年。あの時は、今も思い出す度に痛みが襲う。僕はトレニアを傷付けておいて結局トレニアに助けて貰った。
風の便りではトレニアは結婚して夫婦共に活躍しているらしい。トレニアの幸せを願うばかりだ。
僕は領地で暮らすようになった当初、公爵子息が罰の為に送られてきたのだと領民達からそっぽを向かれていた。トレニアはずっと領民と共に過ごしていたと言う話を思い出し、僕も一から出直すため共に生活し、近隣の村々の手伝いから始める事にした。
馬鹿だと笑われていたが、最近ようやく領民達も僕を信じて付いて来てくれるようになってきた。
僕は彼女に今でも感謝している。
ー ルーカス ー
「ここはこの予算で頼む」
「かしこまりました」
「あぁ、セバス。義父上の具合はどうだ?」
「大旦那様は快方に向かわれております。今暫くは静養が必要かと。トレニア様には感謝ですな」
「あぁ。後で礼をしないとな」
先日、義父上は流行り病に倒れ、生死の境を彷徨う程だった。義父上が病で倒れた時、助からないと覚悟してトレニアに連絡をしたのだが、トレニアとターナ君は現在開発中だという薬を持って現れた。
治験者という事でこまめなデータをとりながら薬の投与をしたおかげで義父上の病態は目に見えて良くなってきた。
「ルーカス、ちょっと良いかしら?この南の領地の収穫量と納税額が合っていないようだわ。セバスに確認させて。じゃあ、私は息子達とお茶をしてくるから」
妻のグリシーヌは子供を産んだ後、急激に人として成長したような、落ち着いたような気がする。全く社交界へ姿を見せなくなって久しい。領主の仕事も気が向けば手伝ってくれるようになったのだ。
2人の息子、サイナスとローランはすくすくと育っている。特に長男のサイナスは偶に訪れるトレニアが大好きなようで自分で育てた薬草をトレニアに渡しに行くという名目で薬師棟へ遊びに行っているようだ。
「義父上、具合はどうですか?」
「あぁ、ルーカスか。私はもう大丈夫だ。トレニアのおかげだな」
「そうですね。義父上のデータを元に今度新薬発表があるかもしれませんよ?」
「そうだな。2人とも益々有名になるな」
「そうですね」
ー カイン ー
「貴方!ちょっと!またボーっとしているわよ」
そう妻から指摘されてしまう。
「あぁ、ごめんよ」
僕はトレニアが去ってからすぐに王命により一つ下の公爵令嬢と結婚した。妻は気が強く、僕に群がる令嬢達を蹴散らして行った。不満は無いんだ。
だが、気の強い妻に少し疲れてしまっている。そのせいかトレニアと食事をした事や話が昨日の事のように思い浮かんでくる。きっとこれから肩身の狭い婿養子として過ごして行くだろう。
ー 第二王子ディラン ー
私は現在太公となった。領地も贅沢をしなければ暮らしていける程度だ。
結局、私が愛したエレノア・ナランは私を置いてさっさと幼馴染のロンサム子爵子息と結婚してしまった。
新たに王命で結婚した5つ下のマリーナはお穏やかで気立ての良い令嬢だ。私が過去にしでかしてしまった事でいつも気を使わせてしまっている。
エレノアほどの熱は無いが、生涯マリーナと仲睦まじく過ごせる自信はある。
「マリーナ、いつもありがとう」
「旦那様、私はいつまでも旦那様の事をお慕いしております」
【完】
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最後の最後までお読み頂きありがとうございました⭐︎
皆様、良いお年をお迎えくださいね(´∀`)
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