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4部 心闇の宴
警備兵の男 ゾーンside
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✳︎不快な表現含みます✳︎
「ゾーン!こっちだ。早く」
俺の名はゾーン。ラッカの村の警備兵をしている。
この村は一部を除いてとても穏やかで比較的平和な村。その一部である領主の息子は権力を笠にこの村でやりたい放題をしているのだ。
俺達警備兵は領主の息子であるドルク・ラグナンと村民の間でトラブルにならないように駆り出される事がしょっちゅうある。
いつものように呼び出されたのだと思ったが、同僚達が騒めき現場が騒然としている。そこにはドルク・ラグナンとその仲間達が薄暗い部屋でケラケラと笑いながら裸で酒を飲んでいた。そして麻薬なのか室内には匂いが充満しており、とても普通ではない異様な雰囲気が漂っていた。俺達は急いで窓を開け放ち、部屋を明るくするとその奥に倒れている裸の女が3人程いた。
「大丈夫か!?」
俺は倒れている女達に駆け寄るとそこに居たのは今朝行ってらっしゃいと声を掛けてくれた最愛の彼女だった。
「うわぁぁぁぁ」
俺は狂ったようにドルク・ラグナンとその仲間達を殴りつけた。同僚に止められるまで何度も何度も。
その後、事態を重くみた村長が奴等を牢へ放り込んだ。
彼女は、友人達と3人で買い物に行く途中に無理矢理連れ込まれ、薬を飲まされて乱暴されたらしい。彼女と、もう1人の友人は薬が合わなかったのと襲われたショックで命を落とした。
残った1人は肉体も精神を病み、事情を聞き取るまでに時間を要した。殺してくれ、殺して、死にたいと何度も叫びながら。
どれだけ苦しかったのだろう。
男達は牢の中で領主である父が助けてくれるだろうと笑いながら待っている。
彼女の両親も精神を病み、床に臥せってしまった。
彼女の家の壁には白のレースがあしらわれたワンピースが掛けられていた。来月にはささやかながら俺と結婚式を挙げて、新婚生活を楽しんで、子供が産まれて、たまには喧嘩して、ごめんって謝りながらキスをして…。
描いていた夢が悪夢に引きちぎられていく。
領主はあいつらを助けだすはずだ。
あいつらだけは許せない。
… 殺してやる。
俺は彼女の両親に最後の別れをしようと家を訪れた時、彼女の母から魔女の話を聞いた。呪いなら奴等はもがき苦しませる事が出来ると。
俺は復讐したい一心で魔女の元を訪れた。
魔女は俺の用意した金には興味が無いという。俺は何としてでも奴等に復讐したいと願うと魔女は自分の命を対価に魔物を譲ってくれた。手に巻き付けた時はズルリと嫌な感触が腕を支配したが、痛みも無い。魔女に礼を言って俺は村へと帰った。
彼女の両親に事情を説明すると泣きながら俺の腕を掴んだ。
私達も共に地獄に行くと。
彼女の両親はそのままふらりと外へ出てしまった。
俺は奴等を確実に葬るために牢へ向かい、奴等に直接触れて回った。俺の手からは無数の黒い物が奴等を絡めとっていった。そのまま、様子を見ていると、ドルク・ラグナンは幻覚を見ているのか叫び始めた。他の奴等も同様に。
壁に頭を打ちつけたり、首を掻きむしったりと異常な行動をし始めた。苦しめ。もっとだ。俺は狂気に駆られながらも奴等の様子を数日間にかけて見ていた。ドルク・ラグナン達はついに自ら目を抉り出し、指を噛みちぎり動かなくなっていった。
ようやく奴等を地獄へ落とす事が出来たようだ。
気付くと腕にあった黒い魔物は俺の全身に纏わりついている。
あぁ、俺の命も残り僅かなのか。
俺は牢を出て彼女の家にたどり着いた。彼女の両親はベッドで横たわり力尽きたようだ。俺ももうすぐだ。壁に掛かっていた白のワンピースを抱えて床に座り込む。目が霞んできた。
誰かが俺を呼んでいる。
あぁ、レナ。
君に最後に会えて良かった。
「ゾーン!こっちだ。早く」
俺の名はゾーン。ラッカの村の警備兵をしている。
この村は一部を除いてとても穏やかで比較的平和な村。その一部である領主の息子は権力を笠にこの村でやりたい放題をしているのだ。
俺達警備兵は領主の息子であるドルク・ラグナンと村民の間でトラブルにならないように駆り出される事がしょっちゅうある。
いつものように呼び出されたのだと思ったが、同僚達が騒めき現場が騒然としている。そこにはドルク・ラグナンとその仲間達が薄暗い部屋でケラケラと笑いながら裸で酒を飲んでいた。そして麻薬なのか室内には匂いが充満しており、とても普通ではない異様な雰囲気が漂っていた。俺達は急いで窓を開け放ち、部屋を明るくするとその奥に倒れている裸の女が3人程いた。
「大丈夫か!?」
俺は倒れている女達に駆け寄るとそこに居たのは今朝行ってらっしゃいと声を掛けてくれた最愛の彼女だった。
「うわぁぁぁぁ」
俺は狂ったようにドルク・ラグナンとその仲間達を殴りつけた。同僚に止められるまで何度も何度も。
その後、事態を重くみた村長が奴等を牢へ放り込んだ。
彼女は、友人達と3人で買い物に行く途中に無理矢理連れ込まれ、薬を飲まされて乱暴されたらしい。彼女と、もう1人の友人は薬が合わなかったのと襲われたショックで命を落とした。
残った1人は肉体も精神を病み、事情を聞き取るまでに時間を要した。殺してくれ、殺して、死にたいと何度も叫びながら。
どれだけ苦しかったのだろう。
男達は牢の中で領主である父が助けてくれるだろうと笑いながら待っている。
彼女の両親も精神を病み、床に臥せってしまった。
彼女の家の壁には白のレースがあしらわれたワンピースが掛けられていた。来月にはささやかながら俺と結婚式を挙げて、新婚生活を楽しんで、子供が産まれて、たまには喧嘩して、ごめんって謝りながらキスをして…。
描いていた夢が悪夢に引きちぎられていく。
領主はあいつらを助けだすはずだ。
あいつらだけは許せない。
… 殺してやる。
俺は彼女の両親に最後の別れをしようと家を訪れた時、彼女の母から魔女の話を聞いた。呪いなら奴等はもがき苦しませる事が出来ると。
俺は復讐したい一心で魔女の元を訪れた。
魔女は俺の用意した金には興味が無いという。俺は何としてでも奴等に復讐したいと願うと魔女は自分の命を対価に魔物を譲ってくれた。手に巻き付けた時はズルリと嫌な感触が腕を支配したが、痛みも無い。魔女に礼を言って俺は村へと帰った。
彼女の両親に事情を説明すると泣きながら俺の腕を掴んだ。
私達も共に地獄に行くと。
彼女の両親はそのままふらりと外へ出てしまった。
俺は奴等を確実に葬るために牢へ向かい、奴等に直接触れて回った。俺の手からは無数の黒い物が奴等を絡めとっていった。そのまま、様子を見ていると、ドルク・ラグナンは幻覚を見ているのか叫び始めた。他の奴等も同様に。
壁に頭を打ちつけたり、首を掻きむしったりと異常な行動をし始めた。苦しめ。もっとだ。俺は狂気に駆られながらも奴等の様子を数日間にかけて見ていた。ドルク・ラグナン達はついに自ら目を抉り出し、指を噛みちぎり動かなくなっていった。
ようやく奴等を地獄へ落とす事が出来たようだ。
気付くと腕にあった黒い魔物は俺の全身に纏わりついている。
あぁ、俺の命も残り僅かなのか。
俺は牢を出て彼女の家にたどり着いた。彼女の両親はベッドで横たわり力尽きたようだ。俺ももうすぐだ。壁に掛かっていた白のワンピースを抱えて床に座り込む。目が霞んできた。
誰かが俺を呼んでいる。
あぁ、レナ。
君に最後に会えて良かった。
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