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3部 感謝の宴
未熟な聖女
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お待たせしております。6話分の少ないストックですが、掲載します。゚(゚´Д`゚)゚。
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今日も朝早くから起きて薬草のお世話をはじめる。ジェットはというと、家に帰ってきてから小さなクッションの真ん中で丸まり動かないでいる。死んだのかしら?と突くとふるふるっと動いている。
「ガロン、ジェットは何を食べると思う?」「そうですなぁ。花や野菜をとりあえず食べさせてみてはいかがですかな」
「そうね。」
とりあえず野菜を一口サイズに切り、ジェットの前に置くが食べる様子はない。
「食べないのかしら?ほらっ、食べなさい」
私は手に野菜を乗せてジェットの前に出すとジェットは私の指を舐めてきた。
「可愛いわね。あら、この子。私の魔力を食べているわ。不思議な子ね。良いわよ。魔力は沢山あるから分けてあげるわ」
そう言って指先から魔力を出すとジェットはペロペロと数度舐めると満足したのか眠りについてしまった。可愛い。撫でたい衝動に駆られたが寝ている子どもはそっとしておくべきとガロンに言われたので我慢する事にしたわ。
暫くすると、魔法郵便で母から小包が届いた。同封された手紙を読むと、新しい薬を作ったから試せと書いてある。どうしようかしらね。お母様はお祖母様程危ない薬は作らないと思うけれど、私自身で試すのは嫌なのよね。
そう思っていると来客がきたようだ。
ー ドンドンドンドン ー
「どなた様かしら?」
いつものようにレースアイマスクをして扉を開けると家の前に立っていたのは小さな女の子。
「あら、可愛い女の子ね。私にご用事かしら?」
女の子は私の身体を見ても怖がる素振りも見せない。変わった子だわ。
「森の魔女。私を助けなさい」
とても偉そうな女の子だわ、と思う。
「何故私が貴女を助けなければいけないのかしら?」
クッションで寝ていたジェットは何かを感じたようでピョンと私の肩に飛び乗り、毛を膨らませている。女の子は苛立ったように口を尖らせる。
「魔女だからでしょ!誰のせいでこんな事になったのか知らないとは言わせないわ!」
「ごめんなさいね?全然貴女の話が見えないわ。しっかりと、最初から説明して下さる?」
女の子はこの間滅亡したロード国の聖女だったらしい。たまたま魔物や土地の浄化で国の外れまで来ていたらしく、難を逃れたのだとか。
「それで何故私が貴女を助けなければならないの?」
「貴女が国を滅ぼしさえしなければ私は森を彷徨う事は無かったのよ!」
「ふふっ。可笑しな事を言うものね。貴女聖女なのでしょう?本来なら溢れ出た魔物全て貴女が倒していかないといけないのよ?それに私は国から殺されかけたのよ?攻撃されて反撃しないのは可笑しいわね」
女の子はぐっと言葉に詰まった。
「でも!私は孤児だし、森から1人でここまで歩いて来た。もう頼る人も居ないの!」
目に涙を浮かべながら女の子は大声で言葉を吐き出す。
「ふぅん?それで?ここからだと村まであと少しよ?教会に駆け込めば良いのではないかしら?」
「それが出来れば苦労しないわ。これを見れば分かるでしょう?」
女の子は袖をグッと捲し上げると術式が埋め込まれている。
「あらあら。他国へはいけないように制限されているのねぇ」
ガロンは今まで黙って家の中にいたのにパタパタと女の子の周りを飛び、何かを確認したのか私に耳打ちしてきた。
「そうねぇ。貴女、ここに来るまで1人で野宿していたの?」
「ええ。でも、国が滅んだと知らせがあった時、聖女として未熟だったし、国境付近で足手纏いになると捨てられてたの。そこから1人で野宿をしながらなんとかここまで来たのよ」
「じゃぁ、野宿は大丈夫そうねぇ」
私はそう言いながら魔法でメッセージを飛ばす。
暫くすると光の粒と共に返信が来た。
「良かったわ。貴女を引き取ってくれる人が見つかったわ。これからはその人物の言う事を聞きなさいな。なぁに、悪いことにはならないわ。きっと今よりも何倍も成長出来るわよ?」
女の子は急に決まった事に頭が付いていかないようでぽかんと口を開けていた。
「今から貴女を引き取ってくれる人の元に直接送るから後はその人に全て聞きなさいな」
「私は奴隷となるの?」
女の子は不安そうな顔をしている。
「ふふっ。そうかもね?さぁ、これを持って」
私は指をパチンと鳴らして桶を渡す。女の子は何これ?と不思議そうな顔つきね。ふふふっ。
「彼に宜しくと伝えてね」
そう言って私は錫杖を取り出し、呪文を唱える。シャランと地面を突くと女の子の足元に円陣が浮かび上がり、光の粒と共に女の子は転移した。
「エイシャ様、久々なのにアレを渡すとは。きっとあの方様は今頃地団駄を踏んでおりますぞ」
「ふふっ。私のちょっとした気遣いなのよ?」
さて、私の領分はここまでね。
女の子が転移したせいか肩に乗っていたジェットはまた落ち着きを取り戻して私の首にもふもふくっ付いて来たわ。ふふっ。
可愛いわね。
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今日も朝早くから起きて薬草のお世話をはじめる。ジェットはというと、家に帰ってきてから小さなクッションの真ん中で丸まり動かないでいる。死んだのかしら?と突くとふるふるっと動いている。
「ガロン、ジェットは何を食べると思う?」「そうですなぁ。花や野菜をとりあえず食べさせてみてはいかがですかな」
「そうね。」
とりあえず野菜を一口サイズに切り、ジェットの前に置くが食べる様子はない。
「食べないのかしら?ほらっ、食べなさい」
私は手に野菜を乗せてジェットの前に出すとジェットは私の指を舐めてきた。
「可愛いわね。あら、この子。私の魔力を食べているわ。不思議な子ね。良いわよ。魔力は沢山あるから分けてあげるわ」
そう言って指先から魔力を出すとジェットはペロペロと数度舐めると満足したのか眠りについてしまった。可愛い。撫でたい衝動に駆られたが寝ている子どもはそっとしておくべきとガロンに言われたので我慢する事にしたわ。
暫くすると、魔法郵便で母から小包が届いた。同封された手紙を読むと、新しい薬を作ったから試せと書いてある。どうしようかしらね。お母様はお祖母様程危ない薬は作らないと思うけれど、私自身で試すのは嫌なのよね。
そう思っていると来客がきたようだ。
ー ドンドンドンドン ー
「どなた様かしら?」
いつものようにレースアイマスクをして扉を開けると家の前に立っていたのは小さな女の子。
「あら、可愛い女の子ね。私にご用事かしら?」
女の子は私の身体を見ても怖がる素振りも見せない。変わった子だわ。
「森の魔女。私を助けなさい」
とても偉そうな女の子だわ、と思う。
「何故私が貴女を助けなければいけないのかしら?」
クッションで寝ていたジェットは何かを感じたようでピョンと私の肩に飛び乗り、毛を膨らませている。女の子は苛立ったように口を尖らせる。
「魔女だからでしょ!誰のせいでこんな事になったのか知らないとは言わせないわ!」
「ごめんなさいね?全然貴女の話が見えないわ。しっかりと、最初から説明して下さる?」
女の子はこの間滅亡したロード国の聖女だったらしい。たまたま魔物や土地の浄化で国の外れまで来ていたらしく、難を逃れたのだとか。
「それで何故私が貴女を助けなければならないの?」
「貴女が国を滅ぼしさえしなければ私は森を彷徨う事は無かったのよ!」
「ふふっ。可笑しな事を言うものね。貴女聖女なのでしょう?本来なら溢れ出た魔物全て貴女が倒していかないといけないのよ?それに私は国から殺されかけたのよ?攻撃されて反撃しないのは可笑しいわね」
女の子はぐっと言葉に詰まった。
「でも!私は孤児だし、森から1人でここまで歩いて来た。もう頼る人も居ないの!」
目に涙を浮かべながら女の子は大声で言葉を吐き出す。
「ふぅん?それで?ここからだと村まであと少しよ?教会に駆け込めば良いのではないかしら?」
「それが出来れば苦労しないわ。これを見れば分かるでしょう?」
女の子は袖をグッと捲し上げると術式が埋め込まれている。
「あらあら。他国へはいけないように制限されているのねぇ」
ガロンは今まで黙って家の中にいたのにパタパタと女の子の周りを飛び、何かを確認したのか私に耳打ちしてきた。
「そうねぇ。貴女、ここに来るまで1人で野宿していたの?」
「ええ。でも、国が滅んだと知らせがあった時、聖女として未熟だったし、国境付近で足手纏いになると捨てられてたの。そこから1人で野宿をしながらなんとかここまで来たのよ」
「じゃぁ、野宿は大丈夫そうねぇ」
私はそう言いながら魔法でメッセージを飛ばす。
暫くすると光の粒と共に返信が来た。
「良かったわ。貴女を引き取ってくれる人が見つかったわ。これからはその人物の言う事を聞きなさいな。なぁに、悪いことにはならないわ。きっと今よりも何倍も成長出来るわよ?」
女の子は急に決まった事に頭が付いていかないようでぽかんと口を開けていた。
「今から貴女を引き取ってくれる人の元に直接送るから後はその人に全て聞きなさいな」
「私は奴隷となるの?」
女の子は不安そうな顔をしている。
「ふふっ。そうかもね?さぁ、これを持って」
私は指をパチンと鳴らして桶を渡す。女の子は何これ?と不思議そうな顔つきね。ふふふっ。
「彼に宜しくと伝えてね」
そう言って私は錫杖を取り出し、呪文を唱える。シャランと地面を突くと女の子の足元に円陣が浮かび上がり、光の粒と共に女の子は転移した。
「エイシャ様、久々なのにアレを渡すとは。きっとあの方様は今頃地団駄を踏んでおりますぞ」
「ふふっ。私のちょっとした気遣いなのよ?」
さて、私の領分はここまでね。
女の子が転移したせいか肩に乗っていたジェットはまた落ち着きを取り戻して私の首にもふもふくっ付いて来たわ。ふふっ。
可愛いわね。
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