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2部 生き物達の宴

滅亡する国1

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 朝のひと時、コーヒーを片手に考えていた。素材が足りなくなってきたわ。そろそろ集めに行こうかしら。

・・・と言っても転移でちょっと行って、サクッと狩って、すぐ帰るだけなのよね。私は出かける準備をしていると扉を叩く音が聞こえる。


ードンドンー

「はぁい。どなたかしら?」

扉を開けると冒険者らしき人間が3人ほど立っていた。

「貴殿は魔女殿で合っているだろうか?」

体格の良い剣士らしき男が確認してきた。

「ええ。そうだけど?何か御用かしら?」

男達は武器を構えて殺気を飛ばしてくる。意味が分からないわ。

「何故、武器を構えているのかしら?貴方達とは知り合いでも何でも無いのだけれど?」

「あぁ、俺達はあんたを殺すようにギルド依頼があったからだ。」

ギルド?あらあら。そろそろかと思ってもいたのよね。人間達が魔女を低く見積り喧嘩を売りにくる周期。

ナタクール国では無いと思うのよね。ロード国かサン国か。

「サン国の依頼かしら?」

冒険者達は臨戦態勢のまま答える。

「それは俺達からは言えねぇな!」

「あら。じゃあ、自分で確認しに行かないとね?ふふ。身の程知らずな冒険者さん。」

戦士と魔法使いと召喚師かしら?

暇潰しには丁度良いわ。

「貴方達、本当に私を殺しにきたのかしら?返り討ちに遭っても文句は言えないのだと気づいているかしら。」

戦士が問答無用と言わんばかりに切りかかってきた。

「私が人間如きに傷を負うとでも思っているのかしら?ふふ。楽いわ!良いわ。相手になってあげても。

偶に何かを勘違いして魔女を討伐しにくる人間かいるのよね。こんなにも協力してあげているのに。」

私はそっと戦士の剣を片手で受け止めてみる。

「また人間達に魔女には歯向かってはいけないと教えてあげる時期なのね。」

魔法使いは『グラビティ』魔法を唱える。

「嫌ね。私のお家が壊れちゃうじゃない。」

パチリと指を鳴らし魔法使いに反射させると、魔法使いは途端に重力に押し潰され血を吐いている。

その間に召喚師を召喚している。

『出よ、トレント』

「あら、トレント。今日はそちら側?狩っても宜しくて?」

「魔力で手を貸しているだけだからな。」

本物のトレントが人間の召喚では姿を現す事はないので分体の一部が出ているだけのようだ。トレンドはその場で消え、召喚師は驚いている。

 私はもう片方の手を召喚師に翳し、召喚師を手元に招く。すると、召喚師の体は抵抗しながらも一歩、また一歩と近づいてくる。

「ふふっ。さぁ、どうしようかしら?そうだわ!こうしましょう!」

私はレースアイマスクを取って戦士と召喚師を見る。

すると、2人からの抵抗が無くなり、ダランと手が下がる。虚な目をした2人。

血を吐いていた魔法使いはようやく起き上がったが、戦闘態勢に戻ろうと私の顔を見たその時、戦士達と同様に虚な目で動かなくなる。

『どこのギルドで依頼を受けたの?』

冒険者達に聞く。すると虚ながらも男の1人が「ロード国のヤナタのギルドです。」と答えた。

ふぅん。ロード国ねぇ。

『分かったわ。そのまま眠りなさい』と指示を出すと男達はバタリと倒れ込みながら眠りについた。

「さて、ギルドだったわね。ガロン、ガロンは居る?」

「もちろんですぞ。最初から見ておりましたとも!エイシャ様こやつらを刻みますかな?」

「刻んでも良いけれど、殺してはだめよ?私は今からギルドで依頼した者を探してくるわ。」

私は冒険者達のカードを確認し、レースアイマスクをし直す。ローブを深く被ってからロード国の少し大きな街へ転移する。



 ロード国に来るのは久しぶりだわ。ここ暫くは戦争も無いから街も栄えて来ているのね。そう思いながらギルドへ入って行く。

ギルドは冒険者達で活気付いていた。

「ローブのねぇちゃん!魔法使いか?俺達と任務こなさないか?」

「ごめんなさいね。少し、用事があってきただけなの。」

断りを入れつつ、ギルド受付に聞いてみる。

「すみません。魔女の森の魔女の討伐依頼があったと思うんだけど、あれはどうなったの?」

ギルドの受付の女の人は暫く書類を探した後に答える。

「お待たせしました。あの討伐依頼はS級冒険者のワイルドランカー様のグループが任務遂行中でして、他の方へ受付を止めています。」

私は冒険者のギルドカードを受付に出す。

「彼等は任務失敗したわ。私にその依頼を見せて頂戴。」

受付の女の人はギルドカードを見るなり、青い顔をしながら再度貼り出す用の依頼書を渡してくれた。

「彼等は大丈夫なのでしょうか?」

「さぁ?カードを貰っただけだし。まだ生きてはいるんじゃない?冒険はもう無理だとは思うけれど。それより、この依頼者は誰?」

「この印は王宮ですね。ここだけの話ですが、魔女の森はサン国との中間地点とはいえ、最近森付近の開発を進めていているようですので、その関連での討伐依頼なんじゃないかって話ですよ。

魔女様の森に手をつけようなんて馬鹿げていると私は思うんですけどねぇ。」

ふぅん。王様ね。

 受付の女の人はこの依頼書の事を複雑に感じている様子で私に話をしている。

「有難う。依頼主に詳しく聞いてみるわ。」


そう言って依頼書を片手にギルドの受付からさっと転移する。
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