26 / 49
26
しおりを挟む
初めて見るサルドア国の王宮はラオワーダとはまた違った造りをしていて驚く事ばかりだ。
今回は親戚に会うという形で形式的な謁見室ではなく、王族専用のサロンへと私達は案内された。王族専用だから煌びやかなのかな?って思っていたけれど、そんな事はなかった。
むしろ裕福な平民が使っていそうな木の机や椅子。よく見てみると贅を凝らした至極の一品だけれど。気づかない人から見れば陳腐な感じにも見える。
私達はエリアス国王が来ると一礼をしてから席に座った。
「遠い所からよく来たね。今日はアインスと横にいる可愛い子だけかい?」
エリアス国王はアインス伯父さんと違ってシュッとした体型でいかにも王様の風格が漂ってくる感じだが、私達と話すと気のいいおじさんのようだ。エリアス国王陛下は従者達に下がるように指示をする。
これで完全に身内だけとなった。
「エリアス国王様、お初におめにかかります。モア・ウルダードです」
「あぁ、シーラから手紙を貰っているよ。モアは『時戻り』をしたんだって?」
「……はい」
「!!どういう事だい?『時戻り』って?」
伯父さんは私の言葉にとても驚いたようですぐに聞いてきた。
「おや、フルムから聞いていないのか?」
「あぁ、フルムのやつ。ダミアン君が理由あってこっちに移住したいから先にモアちゃんをこちらに呼び寄せて母に庇護してもらうと言っていたぞ?」
「まぁ、大体は合っているな。そもそもモアがこの国に移住を決めたのは『時戻り』をしたからだ。そうだな?」
エリアス国王陛下はそう私に確認した。私は一つ頷き口を開く。
「あのおとぎ話は迷信ではなかったのか」
伯父さんが呟く側で私は陛下に返事をした。
「……はい。母からエリアス国王様に宛てた手紙に詳しく書いていたと思うのですが、『時戻り』をする前、ウルダード家は王家により船舶を全て沈没させられて借金を背負わされました。その借金を帳消しにする代わりに私をクリストフェッル家に嫁がせるよう王命があったのです」
「王命を使ってまで、何故だ?」
「クリストフェッル家は王家の闇を担っていると婚姻してから教えられました。私を利用して更に情報を得る事を目的としていたようです。アルロア夫人が、話しておりました」
私は思い出すとやはり言葉が詰まってしまう。けれど、どんな事があっても覚えている事を全て話さなければいけない。
「モアちゃん、どんな事を話していたんだい?覚えている限りを詳しく教えて欲しい」
「……は、い。ですが、何分、私も抵抗したせいで薬を使って眠らされていたので、曖昧な部分も多いと思いますが……」
私は覚悟を決めて息を一つ吐いた後、話し始めた。
「死ぬ間際に言われた夫人の言葉。サルドア国を出し抜く事が出来たと言っていました」
あの後夫人は一人でずっと話していた。確かあの外交官の名前……。
「政治的な事は分からないのでどう出し抜いたのかは私には分からなかったです。ですが、サルドア国の外交官の名前はカルディオン・ヴァルーヒンという名でした」
私の言葉に二人とも顔を合わせて驚いたようだ。
「カルディオンからどう情報を得たのだ?」
「……あ、えっと、その……」
私は泣きたくなった。話さなくては信じて貰えないのは分かっているけれど、不確かな事だし、口に出すことでまた自分に対して嫌悪感が湧いてくる。
「ラオワーダで『紳士クラブ』という所へ連れていったようです。そこで、あの、……、……」
「そこでどうしたんだ?」
「……眠らされた、私を、抱いた、と。母に似た、私を使った、と言って、いました」
私は俯き涙を必死に堪えながらそう告げた。
一瞬、沈黙がサロンを包んだ。国王様もアインス伯父さんもそこから一段と声が低くなりながら話し始める。
「あいつめっ。まだシーラの事を思っていたのかっ」
アインス伯父さんは独り言のように口に出している。
「……そうか。辛い過去を思い出させて済まなかったな。だが、王太后に会った時に遡る前の話を詳しく聞かなければいけない。また辛い思いをさせてしまうだろう。だが、モアやウルダード家はこちらでしっかりと保護をするからその辺は心配しないで欲しい」
「……はい。すみません。私も、お婆様と話す時までにもっと整理して話せるようにしておきます」
「モアちゃん、辛かっただろう」
おじさんは私をギュッと抱きしめて背中をポンポンしている。子供をあやすように。
「こうしてモアが泣いている所を見ると幼いころのシーラを思い出すな。あぁぁぁ~、そう思うとアイツはやっぱり許せん!確か今外交官補佐をしておったな……」
エリアス国王様は何かを考えている。
「モアちゃん、はい、あーん」
伯父さんはテーブルに用意された一口サイズのドライフルーツを私の口に入れた。
「あぁ、やっぱり可愛いね。幼いころのシーラを見ているようだ。これをやるといつもシーラは怒っていたな」
「そうだな。モア、こっちへおいで」
そうして今度はエリアス国王様がクッキーを私の口元へ持ってきて食べる様に促す。毎回こんな事を母にしていたのだろうか?
さっきまでの悲しみがフッと去っていく。
きっと勝気な母は鬱陶しくなって怒っていたのかもしれない。もぐもぐと差し出されるお菓子を食べながら思った。
そこからは伯父さんとエリアス国王様は近況報告のような雑談をした後、侯爵家へと戻る事になった。
エリアス国王様からお婆様の離宮へ向かう時は王宮から馬車で連れていくと言われたわ。
その時に書記官を同席させるとのこと。きっちりと私の『時戻り』について記録を取らなければいけないらしい。
辛い記憶ではあるけれど、まだ私が眠らされている中での出来事だった事が救いだと思う。記憶がはっきりしていれば私はとうの昔に壊れていたに違いないもの。
大丈夫、私はまだ大丈夫よ。
人生のやり直しを今、しているのだもの。大丈夫。自分にそう言い聞かせる。
今回は親戚に会うという形で形式的な謁見室ではなく、王族専用のサロンへと私達は案内された。王族専用だから煌びやかなのかな?って思っていたけれど、そんな事はなかった。
むしろ裕福な平民が使っていそうな木の机や椅子。よく見てみると贅を凝らした至極の一品だけれど。気づかない人から見れば陳腐な感じにも見える。
私達はエリアス国王が来ると一礼をしてから席に座った。
「遠い所からよく来たね。今日はアインスと横にいる可愛い子だけかい?」
エリアス国王はアインス伯父さんと違ってシュッとした体型でいかにも王様の風格が漂ってくる感じだが、私達と話すと気のいいおじさんのようだ。エリアス国王陛下は従者達に下がるように指示をする。
これで完全に身内だけとなった。
「エリアス国王様、お初におめにかかります。モア・ウルダードです」
「あぁ、シーラから手紙を貰っているよ。モアは『時戻り』をしたんだって?」
「……はい」
「!!どういう事だい?『時戻り』って?」
伯父さんは私の言葉にとても驚いたようですぐに聞いてきた。
「おや、フルムから聞いていないのか?」
「あぁ、フルムのやつ。ダミアン君が理由あってこっちに移住したいから先にモアちゃんをこちらに呼び寄せて母に庇護してもらうと言っていたぞ?」
「まぁ、大体は合っているな。そもそもモアがこの国に移住を決めたのは『時戻り』をしたからだ。そうだな?」
エリアス国王陛下はそう私に確認した。私は一つ頷き口を開く。
「あのおとぎ話は迷信ではなかったのか」
伯父さんが呟く側で私は陛下に返事をした。
「……はい。母からエリアス国王様に宛てた手紙に詳しく書いていたと思うのですが、『時戻り』をする前、ウルダード家は王家により船舶を全て沈没させられて借金を背負わされました。その借金を帳消しにする代わりに私をクリストフェッル家に嫁がせるよう王命があったのです」
「王命を使ってまで、何故だ?」
「クリストフェッル家は王家の闇を担っていると婚姻してから教えられました。私を利用して更に情報を得る事を目的としていたようです。アルロア夫人が、話しておりました」
私は思い出すとやはり言葉が詰まってしまう。けれど、どんな事があっても覚えている事を全て話さなければいけない。
「モアちゃん、どんな事を話していたんだい?覚えている限りを詳しく教えて欲しい」
「……は、い。ですが、何分、私も抵抗したせいで薬を使って眠らされていたので、曖昧な部分も多いと思いますが……」
私は覚悟を決めて息を一つ吐いた後、話し始めた。
「死ぬ間際に言われた夫人の言葉。サルドア国を出し抜く事が出来たと言っていました」
あの後夫人は一人でずっと話していた。確かあの外交官の名前……。
「政治的な事は分からないのでどう出し抜いたのかは私には分からなかったです。ですが、サルドア国の外交官の名前はカルディオン・ヴァルーヒンという名でした」
私の言葉に二人とも顔を合わせて驚いたようだ。
「カルディオンからどう情報を得たのだ?」
「……あ、えっと、その……」
私は泣きたくなった。話さなくては信じて貰えないのは分かっているけれど、不確かな事だし、口に出すことでまた自分に対して嫌悪感が湧いてくる。
「ラオワーダで『紳士クラブ』という所へ連れていったようです。そこで、あの、……、……」
「そこでどうしたんだ?」
「……眠らされた、私を、抱いた、と。母に似た、私を使った、と言って、いました」
私は俯き涙を必死に堪えながらそう告げた。
一瞬、沈黙がサロンを包んだ。国王様もアインス伯父さんもそこから一段と声が低くなりながら話し始める。
「あいつめっ。まだシーラの事を思っていたのかっ」
アインス伯父さんは独り言のように口に出している。
「……そうか。辛い過去を思い出させて済まなかったな。だが、王太后に会った時に遡る前の話を詳しく聞かなければいけない。また辛い思いをさせてしまうだろう。だが、モアやウルダード家はこちらでしっかりと保護をするからその辺は心配しないで欲しい」
「……はい。すみません。私も、お婆様と話す時までにもっと整理して話せるようにしておきます」
「モアちゃん、辛かっただろう」
おじさんは私をギュッと抱きしめて背中をポンポンしている。子供をあやすように。
「こうしてモアが泣いている所を見ると幼いころのシーラを思い出すな。あぁぁぁ~、そう思うとアイツはやっぱり許せん!確か今外交官補佐をしておったな……」
エリアス国王様は何かを考えている。
「モアちゃん、はい、あーん」
伯父さんはテーブルに用意された一口サイズのドライフルーツを私の口に入れた。
「あぁ、やっぱり可愛いね。幼いころのシーラを見ているようだ。これをやるといつもシーラは怒っていたな」
「そうだな。モア、こっちへおいで」
そうして今度はエリアス国王様がクッキーを私の口元へ持ってきて食べる様に促す。毎回こんな事を母にしていたのだろうか?
さっきまでの悲しみがフッと去っていく。
きっと勝気な母は鬱陶しくなって怒っていたのかもしれない。もぐもぐと差し出されるお菓子を食べながら思った。
そこからは伯父さんとエリアス国王様は近況報告のような雑談をした後、侯爵家へと戻る事になった。
エリアス国王様からお婆様の離宮へ向かう時は王宮から馬車で連れていくと言われたわ。
その時に書記官を同席させるとのこと。きっちりと私の『時戻り』について記録を取らなければいけないらしい。
辛い記憶ではあるけれど、まだ私が眠らされている中での出来事だった事が救いだと思う。記憶がはっきりしていれば私はとうの昔に壊れていたに違いないもの。
大丈夫、私はまだ大丈夫よ。
人生のやり直しを今、しているのだもの。大丈夫。自分にそう言い聞かせる。
229
お気に入りに追加
1,531
あなたにおすすめの小説
欠陥姫の嫁入り~花嫁候補と言う名の人質だけど結構楽しく暮らしています~
バナナマヨネーズ
恋愛
メローズ王国の姫として生まれたミリアリアだったが、国王がメイドに手を出した末に誕生したこともあり、冷遇されて育った。そんなある時、テンペランス帝国から花嫁候補として王家の娘を差し出すように要求されたのだ。弱小国家であるメローズ王国が、大陸一の国力を持つテンペランス帝国に逆らえる訳もなく、国王は娘を差し出すことを決めた。
しかし、テンペランス帝国の皇帝は、銀狼と恐れられる存在だった。そんな恐ろしい男の元に可愛い娘を差し出すことに抵抗があったメローズ王国は、何かあったときの予備として手元に置いていたミリアリアを差し出すことにしたのだ。
ミリアリアは、テンペランス帝国で花嫁候補の一人として暮らすことに中、一人の騎士と出会うのだった。
これは、残酷な運命に翻弄されるミリアリアが幸せを掴むまでの物語。
本編74話
番外編15話 ※番外編は、『ジークフリートとシューニャ』以外ノリと思い付きで書いているところがあるので時系列がバラバラになっています。
戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
【完結】婚約破棄されて処刑されたら時が戻りました!?~4度目の人生を生きる悪役令嬢は今度こそ幸せになりたい~
Rohdea
恋愛
愛する婚約者の心を奪った令嬢が許せなくて、嫌がらせを行っていた侯爵令嬢のフィオーラ。
その行いがバレてしまい、婚約者の王太子、レインヴァルトに婚約を破棄されてしまう。
そして、その後フィオーラは処刑され短い生涯に幕を閉じた──
──はずだった。
目を覚ますと何故か1年前に時が戻っていた!
しかし、再びフィオーラは処刑されてしまい、さらに再び時が戻るも最期はやっぱり死を迎えてしまう。
そんな悪夢のような1年間のループを繰り返していたフィオーラの4度目の人生の始まりはそれまでと違っていた。
もしかしたら、今度こそ幸せになれる人生が送れるのでは?
その手始めとして、まず殿下に婚約解消を持ちかける事にしたのだがーー……
4度目の人生を生きるフィオーラは、今度こそ幸せを掴めるのか。
そして時戻りに隠された秘密とは……
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
【完結】離縁の理由は愛されたいと思ったからです
さこの
恋愛
①私のプライバシー、プライベートに侵害する事は許さない
②白い結婚とする
③アグネスを虐めてはならない
④侯爵家の夫人として務めよ
⑤私の金の使い道に異論は唱えない
⑥王家主催のパーティー以外出席はしない
私に愛されたいと思うなよ? 結婚前の契約でした。
私は十六歳。相手は二十四歳の年の差婚でした。
結婚式に憧れていたのに……
ホットランキング入りありがとうございます
2022/03/27
王命での結婚がうまくいかなかったので公妾になりました。
しゃーりん
恋愛
婚約解消したばかりのルクレツィアに王命での結婚が舞い込んだ。
相手は10歳年上の公爵ユーグンド。
昔の恋人を探し求める公爵は有名で、国王陛下が公爵家の跡継ぎを危惧して王命を出したのだ。
しかし、公爵はルクレツィアと結婚しても興味の欠片も示さなかった。
それどころか、子供は養子をとる。邪魔をしなければ自由だと言う。
実家の跡継ぎも必要なルクレツィアは子供を産みたかった。
国王陛下に王命の取り消しをお願いすると三年後になると言われた。
無駄な三年を過ごしたくないルクレツィアは国王陛下に提案された公妾になって子供を産み、三年後に離婚するという計画に乗ったお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる