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その後、少しグリークス神官長と話をしてから子供たちの所へ向かった。
「ナーニョ様、今、彼らは文字の勉強中です」
「カシュール君はこの時間何をしているの?」
部屋の外で待機していたカシュール君に案内されながら聞いてみた。
「私は魔法円の書き取りです。これがまた難しくて……」
カシュール君はへにゃりと眉を下げている。
「それはそうよ? 私やローニャだって何年もかかったわ。毎日基本の円を描くの。
私は八歳の時から練習していたわ。今でも練習を欠かさず行っている。
大丈夫、カシュール君なら出来るようになるわ。それにカシュール君は私達獣人とは違って指輪を付けなくても魔法が使える。
詠唱の言葉を覚えれば使えるの。それはとても素晴らしい事よ?」
「ナーニョ様は今もやっているんだ。私はまだまだ未熟で指輪がないと上手に魔法も使えないのです。ナーニョ様に追いつけるように頑張ります」
カシュールはナーニョの言葉にフッと笑みを浮かべた。彼は彼なりに思い悩む事も沢山あるのだろう。
そして最近になって知ったのだけれど、私達獣人は魔力が体外に出せないから指輪を使っている。
グリークス神官長やカシュール君は人間なので指輪を使わなくても詠唱だけで魔法を使える事が出来るのに指輪を使っているのだ。
最初の理由は指輪に魔力の意識を持っていきやすいというのが一番だ。
今まで自分に魔力があるという事を意識していなかった人達にとって指輪を通して魔力が吸われる感覚が分かる事で自分の魔力に気づき魔力を循環させる練習に入る事が出来る。
どうやらカシュール君の話ではして使いたい魔法を想像してから魔力を使うとイメージに似た魔法が使えるのだとか。
本来の魔法は詠唱や指輪に固定されずに使える万能なものなのかもしれない。
けれど、初心者には指輪を使うことで使う魔法のイメージを持ちやすくしている効果があるのだろう。
そしてぼんやりとイメージするよりもしっかりとしたイメージを持つ事でより魔法の効果も大きく上がり、魔力消費もすくないのだとか。
そのため指輪を使う方がいいのだと判断してグリークス神官長は今も指輪をしているようだ。
「ナーニョ様!!」
ノーヨゥルの街で連れてきた子供たちは私に気づき立ち上がった。どの子も一生懸命に文字を練習しているようだった。
「みんな元気そうで良かったわ。不自由な事はないかな?」
「神殿の人達は優しいし、しっかりとご飯が食べられるし、勉強は難しいけれど、魔法が使えると思うと楽しくて仕方がないです。
それに文字の勉強が出来るから嬉しい。
上手く魔法が使えなくても文字を覚えるだけで将来仕事も沢山あるからね!
でも僕は将来魔法使いになって街と王都を人が行き来できるようにしたいんだ!」
俺も、私もと皆が話をしてくれる。
「こら! 五月蠅い。ナーニョ様が見てくれているんだ。しっかり良いところを見せろ」
「えーっ。カシュール様はさっきまでナーニョ様と話をしていたんでしょう?
それにローニャ様と毎回王宮で一杯勉強しているんだし、私達だってナーニョ様と一杯話がしたいし、魔法の事を知りたいわ!」
そうだそうだ! と声を上げる子供たちにカシュール君はぷりぷりと怒っていた。
子供たちとのやり取りを見ていると、普段からしっかりと勉強を教えたりしているようだ。とても好かれている様子にホッと胸を撫でおろす。
それから一人一人の勉強を見た後、私はお城へ戻った。そして従者に聖女服と呼ばれるような服を準備してほしいと頼むと、すぐに準備してくれると言っていた。
とはいえ、出来るのは巡視に戻った後のようだ。もしかしたら今週末には着られるかなぁと思っていたけれど、甘かったようだ。残念。
迎えた当日。
朝から私達は侍女達に磨き上げられていた。
「ナーニョ様、今、彼らは文字の勉強中です」
「カシュール君はこの時間何をしているの?」
部屋の外で待機していたカシュール君に案内されながら聞いてみた。
「私は魔法円の書き取りです。これがまた難しくて……」
カシュール君はへにゃりと眉を下げている。
「それはそうよ? 私やローニャだって何年もかかったわ。毎日基本の円を描くの。
私は八歳の時から練習していたわ。今でも練習を欠かさず行っている。
大丈夫、カシュール君なら出来るようになるわ。それにカシュール君は私達獣人とは違って指輪を付けなくても魔法が使える。
詠唱の言葉を覚えれば使えるの。それはとても素晴らしい事よ?」
「ナーニョ様は今もやっているんだ。私はまだまだ未熟で指輪がないと上手に魔法も使えないのです。ナーニョ様に追いつけるように頑張ります」
カシュールはナーニョの言葉にフッと笑みを浮かべた。彼は彼なりに思い悩む事も沢山あるのだろう。
そして最近になって知ったのだけれど、私達獣人は魔力が体外に出せないから指輪を使っている。
グリークス神官長やカシュール君は人間なので指輪を使わなくても詠唱だけで魔法を使える事が出来るのに指輪を使っているのだ。
最初の理由は指輪に魔力の意識を持っていきやすいというのが一番だ。
今まで自分に魔力があるという事を意識していなかった人達にとって指輪を通して魔力が吸われる感覚が分かる事で自分の魔力に気づき魔力を循環させる練習に入る事が出来る。
どうやらカシュール君の話ではして使いたい魔法を想像してから魔力を使うとイメージに似た魔法が使えるのだとか。
本来の魔法は詠唱や指輪に固定されずに使える万能なものなのかもしれない。
けれど、初心者には指輪を使うことで使う魔法のイメージを持ちやすくしている効果があるのだろう。
そしてぼんやりとイメージするよりもしっかりとしたイメージを持つ事でより魔法の効果も大きく上がり、魔力消費もすくないのだとか。
そのため指輪を使う方がいいのだと判断してグリークス神官長は今も指輪をしているようだ。
「ナーニョ様!!」
ノーヨゥルの街で連れてきた子供たちは私に気づき立ち上がった。どの子も一生懸命に文字を練習しているようだった。
「みんな元気そうで良かったわ。不自由な事はないかな?」
「神殿の人達は優しいし、しっかりとご飯が食べられるし、勉強は難しいけれど、魔法が使えると思うと楽しくて仕方がないです。
それに文字の勉強が出来るから嬉しい。
上手く魔法が使えなくても文字を覚えるだけで将来仕事も沢山あるからね!
でも僕は将来魔法使いになって街と王都を人が行き来できるようにしたいんだ!」
俺も、私もと皆が話をしてくれる。
「こら! 五月蠅い。ナーニョ様が見てくれているんだ。しっかり良いところを見せろ」
「えーっ。カシュール様はさっきまでナーニョ様と話をしていたんでしょう?
それにローニャ様と毎回王宮で一杯勉強しているんだし、私達だってナーニョ様と一杯話がしたいし、魔法の事を知りたいわ!」
そうだそうだ! と声を上げる子供たちにカシュール君はぷりぷりと怒っていた。
子供たちとのやり取りを見ていると、普段からしっかりと勉強を教えたりしているようだ。とても好かれている様子にホッと胸を撫でおろす。
それから一人一人の勉強を見た後、私はお城へ戻った。そして従者に聖女服と呼ばれるような服を準備してほしいと頼むと、すぐに準備してくれると言っていた。
とはいえ、出来るのは巡視に戻った後のようだ。もしかしたら今週末には着られるかなぁと思っていたけれど、甘かったようだ。残念。
迎えた当日。
朝から私達は侍女達に磨き上げられていた。
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