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「お待ちしておりました。どうぞこちらへ。グリークス神官長がお待ちです」
若い神官が神殿の入り口で待っており、ナーニョ達を見つけるとすぐに案内する。
ローニャは初めての大きな建物にキョロキョロしながら興奮しっぱなしだ。
神殿内は沢山の参拝客と神官が行き来している。
王都の神殿だけあってとても人が多くて圧倒されるわ。
「ナーニョ様、ローニャ様、こちらです」
そうして神官のみが入る事の許されている通路を案内されて進んでいく。
どこか別の建物に向かうようだ。
連絡通路には絨毯が敷かれ、両側の窓は大きくとられ、光が差し込みとても荘厳な雰囲気を醸し出している。連絡通路のその先に一つの扉。
かちゃりと開くと今まで目にしたこともない緻密な絵が天井と足元に広がっている。
……凄い。
息を呑む私とローニャ。
私達の反応を他所に案内する神官は二人を気にする事もなくスタスタと歩いていく。
そして一番奥の部屋に到着すると、神官が扉をノックした後、扉は開かれた。
「ようこそナーニョ様、ローニャ様、首を長くして待っておりました」
先ほどの荘厳な作りとはまた違い、柄の無いカーテンをはじめとして大きな机やソファなどが置かれており、贅沢を味わうというより仕事をするような部屋になっていた。
そして中央の机に居たのはグリークス神官長その人だった。
「グリークス神官長、こんにちは。今日は教会の日という事で教会に来ました」
彼はすぐに立ち上がり、入り口まで来て私達をエスコートするように手を取ってソファに座らせた。
「今日は一日教会に時間を取って頂き感謝しかありません。時間が惜しい。すぐに取り掛かりましょう」
神官長はそう言うと侍女に持ち物の確認をしている。
「まず何からはじめますか?」
「この間、私に魔力があるとナーニョ様は仰っておりましたが、お聞きしたい事がいくつかあります」
私もローニャも彼の言葉に軽く頷く。
グリークス神官長付きの神官は私達に木の実とお茶を出すと、ローニャはすぐに木の実を頬張り喜んでいる。
「まず、今まで怪我をした騎士達の中に魔力を持つ者はいましたか?」
「いえ、居なかったです」
「ローニャも居なかったよー」
彼は二人の言葉に何か考えを頭に浮かべている様子。
「魔力を持つ者と持たない者はどうやって見分けているのですか?」
「感覚的なものなのですが、私達獣人は皆大小の違いはあれど魔力を持っています。
治癒魔法を流すと魔力は相手の身体に流れ始めるんです。
魔力が多いほど流れるのに抵抗があります。ただ、これは元気な方に限りますが。
流す相手との魔力の相性、瀕死の重症や魔力が少ない方は魔力の抵抗なく治療が出来ます。
私が感じたこちらの世界の方は魔力が無いためコップに水を入れるような状態と言えば分かりやすいでしょうか。
抵抗が全くないのです。グリークス神官長に回復魔法を掛けた時、微弱ながら抵抗がみられたので魔力があると思いました」
「ローニャもお姉ちゃんが言ったみたいな感じだよ」
「魔力の抵抗があれば治療は出来ないのでしょうか?」
「いえ、相手の持っている魔力の形に合わせるように形を変えて行います。
古傷など治療する時はそうしています。ただ、私の感覚でそう思っているだけかもしれません」
「お姉ちゃんそうなの? だから治療が上手なんだ。私は全体をぐるぐるって包む感じで魔力を出していたから細かなところが上手く出来ていなかったんだ。聞いて良かった!」
ローニャの話を聞いてナーニョも納得する。
やはり感覚は人によって違うため治療にも効果の違いが出るのはそのせいなのだろうと。
「なるほど。魔力を持っている人間はかなり少ないのかもしれませんね。
で、本題なのですが、魔力を持っている私も治療魔法を使いたいと思っています。教えていただいても構いませんか?」
「もちろんかまわないです。あれですよね? この間研究所の人が試作品を作った時の指輪が必要なのですよね?」
神官長が侍女に話していたのは指輪の事だった。
侍女はタイミング良く指輪の入った小さなケースをテーブルの上に置いてケースを開けた。
先日私が触って確認していた指輪がそこにはあった。
「どの指輪が良さそうですか?」
正直なところ不安しかない。
私達の感覚は純粋な人間とは違うのかもしれないと。
でも、魔力を持っている以上やる価値はある。
ナーニョは自分が一番使いやすかった指輪をケースから取り出してグリークス神官長に差し出した。
「これは私が一番使いやすいと思った指輪です。この金色の指輪は上位魔法を使うのに適している感じですが、最初に魔力を外に出す練習としてこれは良いのかもしれません」
「……なるほど。これを嵌めて『ヒエロス』と唱えれば良いのでしょうか?」
「はい」
グリークス神官長は最初に使いやすかった指輪をつけて近くに居た神官を呼び、神官に向けて魔法を唱えた。
が、光らない。
何度か試してみるが変わらない様子。
指輪を金で出来たものに変えて唱えてみる。
が、何も起こらない。
だが彼は金色の指輪をつけて何か感触があったようで何度か唱えた時に神官が一瞬光った。
「!!! 一瞬ですが、光りましたね!」
「私も見えた~! 凄いね。私が神父様から指輪を貰った時はこんなにすぐに魔法が使えなかったよ?」
「ローニャ様、そうなのですか?」
「うん。最初は魔力が分からなくって指輪が使えなかったんだ。ずっと嵌めて力を入れてみたり、念じてみたり色々したよ。それである瞬間に上手く出来てあ、これだ! って思ったの。そこからは早かったかな」
若い神官が神殿の入り口で待っており、ナーニョ達を見つけるとすぐに案内する。
ローニャは初めての大きな建物にキョロキョロしながら興奮しっぱなしだ。
神殿内は沢山の参拝客と神官が行き来している。
王都の神殿だけあってとても人が多くて圧倒されるわ。
「ナーニョ様、ローニャ様、こちらです」
そうして神官のみが入る事の許されている通路を案内されて進んでいく。
どこか別の建物に向かうようだ。
連絡通路には絨毯が敷かれ、両側の窓は大きくとられ、光が差し込みとても荘厳な雰囲気を醸し出している。連絡通路のその先に一つの扉。
かちゃりと開くと今まで目にしたこともない緻密な絵が天井と足元に広がっている。
……凄い。
息を呑む私とローニャ。
私達の反応を他所に案内する神官は二人を気にする事もなくスタスタと歩いていく。
そして一番奥の部屋に到着すると、神官が扉をノックした後、扉は開かれた。
「ようこそナーニョ様、ローニャ様、首を長くして待っておりました」
先ほどの荘厳な作りとはまた違い、柄の無いカーテンをはじめとして大きな机やソファなどが置かれており、贅沢を味わうというより仕事をするような部屋になっていた。
そして中央の机に居たのはグリークス神官長その人だった。
「グリークス神官長、こんにちは。今日は教会の日という事で教会に来ました」
彼はすぐに立ち上がり、入り口まで来て私達をエスコートするように手を取ってソファに座らせた。
「今日は一日教会に時間を取って頂き感謝しかありません。時間が惜しい。すぐに取り掛かりましょう」
神官長はそう言うと侍女に持ち物の確認をしている。
「まず何からはじめますか?」
「この間、私に魔力があるとナーニョ様は仰っておりましたが、お聞きしたい事がいくつかあります」
私もローニャも彼の言葉に軽く頷く。
グリークス神官長付きの神官は私達に木の実とお茶を出すと、ローニャはすぐに木の実を頬張り喜んでいる。
「まず、今まで怪我をした騎士達の中に魔力を持つ者はいましたか?」
「いえ、居なかったです」
「ローニャも居なかったよー」
彼は二人の言葉に何か考えを頭に浮かべている様子。
「魔力を持つ者と持たない者はどうやって見分けているのですか?」
「感覚的なものなのですが、私達獣人は皆大小の違いはあれど魔力を持っています。
治癒魔法を流すと魔力は相手の身体に流れ始めるんです。
魔力が多いほど流れるのに抵抗があります。ただ、これは元気な方に限りますが。
流す相手との魔力の相性、瀕死の重症や魔力が少ない方は魔力の抵抗なく治療が出来ます。
私が感じたこちらの世界の方は魔力が無いためコップに水を入れるような状態と言えば分かりやすいでしょうか。
抵抗が全くないのです。グリークス神官長に回復魔法を掛けた時、微弱ながら抵抗がみられたので魔力があると思いました」
「ローニャもお姉ちゃんが言ったみたいな感じだよ」
「魔力の抵抗があれば治療は出来ないのでしょうか?」
「いえ、相手の持っている魔力の形に合わせるように形を変えて行います。
古傷など治療する時はそうしています。ただ、私の感覚でそう思っているだけかもしれません」
「お姉ちゃんそうなの? だから治療が上手なんだ。私は全体をぐるぐるって包む感じで魔力を出していたから細かなところが上手く出来ていなかったんだ。聞いて良かった!」
ローニャの話を聞いてナーニョも納得する。
やはり感覚は人によって違うため治療にも効果の違いが出るのはそのせいなのだろうと。
「なるほど。魔力を持っている人間はかなり少ないのかもしれませんね。
で、本題なのですが、魔力を持っている私も治療魔法を使いたいと思っています。教えていただいても構いませんか?」
「もちろんかまわないです。あれですよね? この間研究所の人が試作品を作った時の指輪が必要なのですよね?」
神官長が侍女に話していたのは指輪の事だった。
侍女はタイミング良く指輪の入った小さなケースをテーブルの上に置いてケースを開けた。
先日私が触って確認していた指輪がそこにはあった。
「どの指輪が良さそうですか?」
正直なところ不安しかない。
私達の感覚は純粋な人間とは違うのかもしれないと。
でも、魔力を持っている以上やる価値はある。
ナーニョは自分が一番使いやすかった指輪をケースから取り出してグリークス神官長に差し出した。
「これは私が一番使いやすいと思った指輪です。この金色の指輪は上位魔法を使うのに適している感じですが、最初に魔力を外に出す練習としてこれは良いのかもしれません」
「……なるほど。これを嵌めて『ヒエロス』と唱えれば良いのでしょうか?」
「はい」
グリークス神官長は最初に使いやすかった指輪をつけて近くに居た神官を呼び、神官に向けて魔法を唱えた。
が、光らない。
何度か試してみるが変わらない様子。
指輪を金で出来たものに変えて唱えてみる。
が、何も起こらない。
だが彼は金色の指輪をつけて何か感触があったようで何度か唱えた時に神官が一瞬光った。
「!!! 一瞬ですが、光りましたね!」
「私も見えた~! 凄いね。私が神父様から指輪を貰った時はこんなにすぐに魔法が使えなかったよ?」
「ローニャ様、そうなのですか?」
「うん。最初は魔力が分からなくって指輪が使えなかったんだ。ずっと嵌めて力を入れてみたり、念じてみたり色々したよ。それである瞬間に上手く出来てあ、これだ! って思ったの。そこからは早かったかな」
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