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「ご注文の品お待たせしました! お熱いのでお気をつけ下さいね♪」

 ちょうど店員さんが元気よく料理を運んできた。

「お姉ちゃん、美味しそうだよ」
「そうね、お祈りをしましょう」

 お祈りをした後、三人で料理を食べ始める。

「ここではお邸で習ったようなマナーは必要ないのですね」
「うん。ここは平民が多いお店だからね。美味しく食べられればそれでいいんだよ」
「ん~おいしぃっ。お魚が美味しいよ! こんなに美味しいお魚食べたことない」
「ローニャ、はしたないわ。詰め込み過ぎよ。ゆっくり食べなさい」
「はぁぁい。あまりに美味しくてつい興奮しちゃった」
「ほらっ、顔にソースが付いているわ」

 私がローニャの口の周りを拭いているとエサイアス様は微笑んでいた。

「エサイアス様、はしたなくてごめんなさい」
「いや、全然かまわないよ。二人とも仲が良いんだなって思って。二人とも料理は美味しいかい?」
「うん! とっても美味しいよ! エサイアス様連れてきてくれてありがとう」

 ローニャの言葉にナーニョも頷く。

 ナーニョの注文した料理はどんなものがくるのだろうかと思っていたら野菜の煮込みだった。

 丸い野菜がゴロリと入っていて見たこともない野菜だったが、フォークを刺すとホロリと崩れ、口に入れると口当たりがよくて驚いた。

 少し酸味の効いたスープにロティを浸して食べていく。

「ナーニョ嬢、どうかな?」
「とっても美味しいです。このお野菜がホクホクしていて口に入れるとふわぁっと溶けていく感じが好きかも。エサイアス様、連れてきてくれてありがとうございます」
「ナーニョ嬢、喜んでくれて私も嬉しい。またみんなで食べに来よう」

 私達は初めての王都の街の散策で刺激を沢山受けたわ。

 ローニャは邸に帰ってからも興奮しっぱなしでずっと話をしていたもの。

 マーサは相槌を打ちながら止まることのないナーニョとローニャの会話を聞いていた。
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