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「ナーニョ様、ローニャ様、おはようございます」
マーサさんはそう言ってカーテンを開ける。
「「マーサさんおはようございます」」
私達はベッドから飛び起き、頭からワンピースを勢いよく着る。
マーサさんはその様子を笑いながらローニャの髪の毛を結ってくれた。ローニャの喜ぶ様子を見て私もしてもらいたくなった。
「マーサさん、私も結って欲しい」
「分かりました」
髪を人に結ってもらえるなんていつぶりだろう。母がしてくれた頃を思い出す。
「お母さんはこうして毎日私達の髪を結ってくれていたわ。マーサさんは私のお母さんみたい」
「ふふっ、こんなに可愛い二人が私の娘だったら嬉しいです」
ローニャはここに来てからすっかりマーサさんに懐いている。
聞くと、マーサさんはエサイアス様と変わらない息子が二人いるのだとか。既に成人して街で働いているそうだ。
「ナーニョ様、ローニャ様、食堂でお食事の準備をしております」
「はぁい!」
私達は食堂へと足を運んだ。食堂からは良い香りが漂ってお腹がぐぅぐぅなり始めた。
この世界の食べ物は私達が食べていた物とさほど変わりはないように思える。
マーサさんの話ではエサイアス様が貴族だからこれだけの食事が食べられるのだとか。
どうやらこの世界は平民と貴族、王族という階級がはっきりとしているようだ。
魔物が闊歩するこの世界は畑が荒らされることも多く、食糧事情はあまりよくないらしい。
私達の世界では空間をすぐに閉じるためこの世界より魔物が少ないのが幸いしているのだろう。
そして王族、貴族は居るが数は少なく、国を纏めるためにいるような感じだと思った。
平民だからといって差別はない。伯父のような選民思想を持つ人はいるのは間違いないが。
部屋に入ると、そこにはエサイアス様がにこにこと笑顔で席に着いていたわ。
「エサイアス様、おはようございます」
「おはよう。さぁ、食事をしようか」
私とローニャは朝のお祈りをしてから食事を頂く。エサイアス様は物珍しそうに見ている。
「君達は食事の時にいつもお祈りをしているの?」
「ええ、教会ではこうして食べる物に感謝し、お祈りをした後に食べるのです」
「教会? 修道女だったのかな?」
「いえ、私達は幼い頃に村が魔物に襲われて私とローニャ以外全滅したのです。国王軍の人達に助けられてからは教会で孤児として育ったんです」
「そうか。辛い過去を思い出させてすまない」
「いえ、昔の話ですから」
そこからは美味しく食事を食べる事ができた。
マーサさんにマナーを教えてもらいながら食べていく。エサイアス様は私達にとても気を使ってくれているのが分かる。
きっとマナーは酷い物なのだと思う。
フォークは私達の世界も使っていた。
木の実やフルーツが主食になっている事もあるけれど、手でむいたりして食べているのが当たり前だったの。
偶に鳥や猪などの動物を村のじいちゃんたちが狩ってお肉を貰った時は火を通した後、フォークで刺して丸かぶりだった。
こちらの世界では上品に、ゆっくりナイフで一口サイズに切り分けて食べるらしい。
この世界に来てから少しずつ練習しているけれど、まだまだ練習は必要だ。
ローニャの方が上手に使えている。
食事を摂った後、ロキアさんが呼びに来た。ついに王宮に向かう時間が来た。
私とローニャは少しオシャレなワンピースとブーツ、帽子を被り玄関ホールに出ると、エサイアス様はいくつも勲章の付いた騎士服を着ている。
とても若いのに偉い人なんだ。
「ナーニョ嬢、ローニャ嬢、いこうか」
「はい」
私達は初めて貴族の馬車に乗ったの。
こんなに高級な馬車に乗ることはなかったからドキドキするわ。
「緊張しているのかな?」
「は、い。幌馬車に乗ったことはあるのですが、こんなに高級な馬車に乗ったことがなくんて」
「大丈夫、すぐ慣れるよ」
ナーニョの緊張した様子とは違いローニャは馬車の窓から見える街の様子に興奮している様子。
「おねえちゃん! 見て! 人間が沢山いるよ! みんな耳や尻尾がないよ」
「そうね。とても密集しているわ」
「ナーニョ嬢が住んでいた世界の街はどんな感じなんだい?」
「私も王都の街には一度しか行ったことがないのですが、獣人が沢山いて露店街や市場があってとっても賑わっていました。
露店は武器や食べ物など色んな物が売っていて市場には食料品が売っていましたよ。
治安は良いとはいえ、私のような田舎者にはぼったくり価格で品物を売りつけられる事もあると言っていました」
「その辺はあまりこちらの世界と変わらないのかもしれないね」
「そうですね」
私達がそう話をしているとローニャはしかめっ面で私を呼んだ。
マーサさんはそう言ってカーテンを開ける。
「「マーサさんおはようございます」」
私達はベッドから飛び起き、頭からワンピースを勢いよく着る。
マーサさんはその様子を笑いながらローニャの髪の毛を結ってくれた。ローニャの喜ぶ様子を見て私もしてもらいたくなった。
「マーサさん、私も結って欲しい」
「分かりました」
髪を人に結ってもらえるなんていつぶりだろう。母がしてくれた頃を思い出す。
「お母さんはこうして毎日私達の髪を結ってくれていたわ。マーサさんは私のお母さんみたい」
「ふふっ、こんなに可愛い二人が私の娘だったら嬉しいです」
ローニャはここに来てからすっかりマーサさんに懐いている。
聞くと、マーサさんはエサイアス様と変わらない息子が二人いるのだとか。既に成人して街で働いているそうだ。
「ナーニョ様、ローニャ様、食堂でお食事の準備をしております」
「はぁい!」
私達は食堂へと足を運んだ。食堂からは良い香りが漂ってお腹がぐぅぐぅなり始めた。
この世界の食べ物は私達が食べていた物とさほど変わりはないように思える。
マーサさんの話ではエサイアス様が貴族だからこれだけの食事が食べられるのだとか。
どうやらこの世界は平民と貴族、王族という階級がはっきりとしているようだ。
魔物が闊歩するこの世界は畑が荒らされることも多く、食糧事情はあまりよくないらしい。
私達の世界では空間をすぐに閉じるためこの世界より魔物が少ないのが幸いしているのだろう。
そして王族、貴族は居るが数は少なく、国を纏めるためにいるような感じだと思った。
平民だからといって差別はない。伯父のような選民思想を持つ人はいるのは間違いないが。
部屋に入ると、そこにはエサイアス様がにこにこと笑顔で席に着いていたわ。
「エサイアス様、おはようございます」
「おはよう。さぁ、食事をしようか」
私とローニャは朝のお祈りをしてから食事を頂く。エサイアス様は物珍しそうに見ている。
「君達は食事の時にいつもお祈りをしているの?」
「ええ、教会ではこうして食べる物に感謝し、お祈りをした後に食べるのです」
「教会? 修道女だったのかな?」
「いえ、私達は幼い頃に村が魔物に襲われて私とローニャ以外全滅したのです。国王軍の人達に助けられてからは教会で孤児として育ったんです」
「そうか。辛い過去を思い出させてすまない」
「いえ、昔の話ですから」
そこからは美味しく食事を食べる事ができた。
マーサさんにマナーを教えてもらいながら食べていく。エサイアス様は私達にとても気を使ってくれているのが分かる。
きっとマナーは酷い物なのだと思う。
フォークは私達の世界も使っていた。
木の実やフルーツが主食になっている事もあるけれど、手でむいたりして食べているのが当たり前だったの。
偶に鳥や猪などの動物を村のじいちゃんたちが狩ってお肉を貰った時は火を通した後、フォークで刺して丸かぶりだった。
こちらの世界では上品に、ゆっくりナイフで一口サイズに切り分けて食べるらしい。
この世界に来てから少しずつ練習しているけれど、まだまだ練習は必要だ。
ローニャの方が上手に使えている。
食事を摂った後、ロキアさんが呼びに来た。ついに王宮に向かう時間が来た。
私とローニャは少しオシャレなワンピースとブーツ、帽子を被り玄関ホールに出ると、エサイアス様はいくつも勲章の付いた騎士服を着ている。
とても若いのに偉い人なんだ。
「ナーニョ嬢、ローニャ嬢、いこうか」
「はい」
私達は初めて貴族の馬車に乗ったの。
こんなに高級な馬車に乗ることはなかったからドキドキするわ。
「緊張しているのかな?」
「は、い。幌馬車に乗ったことはあるのですが、こんなに高級な馬車に乗ったことがなくんて」
「大丈夫、すぐ慣れるよ」
ナーニョの緊張した様子とは違いローニャは馬車の窓から見える街の様子に興奮している様子。
「おねえちゃん! 見て! 人間が沢山いるよ! みんな耳や尻尾がないよ」
「そうね。とても密集しているわ」
「ナーニョ嬢が住んでいた世界の街はどんな感じなんだい?」
「私も王都の街には一度しか行ったことがないのですが、獣人が沢山いて露店街や市場があってとっても賑わっていました。
露店は武器や食べ物など色んな物が売っていて市場には食料品が売っていましたよ。
治安は良いとはいえ、私のような田舎者にはぼったくり価格で品物を売りつけられる事もあると言っていました」
「その辺はあまりこちらの世界と変わらないのかもしれないね」
「そうですね」
私達がそう話をしているとローニャはしかめっ面で私を呼んだ。
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