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 早朝、宿の女将さんにお礼をして宿を後にする。街の外に出る時に門番さんから「今日も依頼か?」って聞かれたけれど、この国を出る話を伝えた。門番の兵士さんにもしっかりとお礼を言って街道を東に進む。

 流石に街道は整備されているらしく、スライム程度のモンスターは別として大型の魔物は魔除けの杭が使われていて出ないらしい。(冒険者の店の店主談)次の街まで徒歩2日と聞いたし、のんびり行くしかないね。

 生きてきた中でこんなに歩いた事って無いかも。途中で休みをこまめにとりながら歩き続けて既に夕方。初めての野宿だし、早めに寝床を作る事にした。

随所に設けられている街道脇のテント設営場にテントを張る。魔物は出ないとは言え防犯はしっかりとしたい。上級の本に書いてた結界って魔法を唱えてみる。曲がりなりにも私は聖女として召喚されたんだから使えるかも!って思ったのよ。

正解。

テント周りに立派な結界を張る事が出来ました!

マジックバックからパンとベーコンを取り出し口に入れる。慣れていけばキャンプみたいに火を起こして料理が出来るだろうけど、今の私にはこれが限界。疲れた身体を清浄魔法で綺麗にして布団に入る。薄くても良いからマットレス欲しい。次の町に着いたら買いたいなぁ。

 布団に入って虫の声を聞きながら思考に耽る。この世界でようやく時間に余裕が出てきたかもしれない。思い出すのは家族の事。

会いたいな。

妹は元気してるかなぁ。離れた家族の事を考えると涙が出てくる。せめてさよならの一言位言いたかったな。

 それにしても自分で付けた名前とはいえ、ギルド用の名前、ギンコはちょっと酷かったね。イチョウを漢字で書いて銀杏→英語でギンコー→ギンコ。最初からギンキョウで良かったと反省だわ。

 まぁ、名前が決まったから仕方ないね。このままいくしかない。


今日は歩き疲れたし、もう寝よう。
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