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22章
575話 新しい試みは新しい装いで
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「銃器の開発は?」
「順調、工学スキルの幅が広くて、今までできなかったことが出来るしな」
「自分で全部作ってた時と比べて便利過ぎるわ」
そんな事を言いつつ、手を広げて直立不動。その状態で2人程ぺたぺたと体を触る。いや触るというか測っている。
「その工学スキルでミシンとか作ってくれなぁい?」
「どの程度かによるけど、できるとは思う」
「ふふ、それじゃあ待ってるわぁ♪」
会話を横で聞きつつ、あっという間に体を測られ、次々に布を当てられどれが良い、あれが良いと考えられる。それにしても、毎回新しいのを作る時はこういう感じになっている気もするけど、今回ばかりはちょっと趣向が違うのでいつもよりもきっちりとなっている。そもそもゲーム中のキャラサイズってのは自分で弄らない限り不変なのであんまり意味ない気もするのだが、こういうのはしっかりやりたいとの事。
「さて……アカメちゃん、黒髪だから白にしようかしらぁ……でも目の色を生かしたいってのもぉ……」
「黒いのばっかりだし、白にしよう、白に」
「一色だとデザイン凝るようになるけど良い?」
「動くと映える感じが良いなあ」
「りょーかい♪」
ばちこーんと大き目な効果音が出そうなウインクを受けながら採寸完了。デザインやら配色の感じは全てお任せなのは変わらない。
「さて、こうなってくると相手が必要だなあ」
「ももえやマイカは?」
「ポンコツピンクに至っては優雅さが足りんな、バトルジャンキーの方は速すぎる」
するっといつものスーツに着替え直してから指折りしつつ考える。適度に相手になって強い奴ってなかなかにいない。闘技場の方はちょっと毛色が違うし、大々的に見せて映える相手。
「適度に攻撃して防御してすぐ死なない奴って難しくない?」
「いるじゃない、強くて死なない人、ほら、ガウェインちゃんが」
「相手する分には良いが、ガチンコだと相性が悪すぎる、もうちょっと手ごろな方は」
そのほかに色々と候補が出てくる、どれもこれも一度私とパーティを組んだり、顔見知りの話を二人で広めていくが、やっぱりと言ったところで。
「いや、ガウェインにしよう、このゲームが始まってからアイツより目立つ奴いないし」
「どうなっても知らんぞ、俺は」
「武器は任せる、ハンドガンとショットガンが良いかな、長物は相性悪いし」
そうして武器の編成相談を続けつつ、メッセージ一つ。折角あれこれとお見せするし、ちょっとこじゃれた感じ……ってのが招待状風にする辺り、あんまりセンスないな。
「どのくらいあったら揃えられそう?」
「完全オリジナルじゃないなら明日にでも」
「こっちは2日くらいほしいわねぇ」
「じゃ3日後にやるか」
サクッと日時の指定まで入れてメッセージ一つぴこんと送る。そしてしばらく、ちょっとした後に返信一つ。
「OKだってさ、場所は闘技場のオープン場、タイマンでがっつり」
ふふんと機嫌よく鼻を鳴らしてメッセージを眺める。
「兄さん、何か?」
「私の素敵な片思いの相手からダンスの招待です」
「……どういう事で」
「かいつまんで言えば……闘技場でタイマンしようって事ですね」
メッセージを見ながら振ってくる隕石を盾で受けて堪える。また、それと同時に飛んでくる火球を切り払って一息。体制を立て直してから目の前にいるボスモンスターを見据えてにんまりと口角を上げる。
「やはりこういうボスモンスターよりも人の方が味はありますね」
「まずは目の前のに集中してほしいんだけどなあ」
「十分引き付けてるじゃないですか、それにうちの火力班は優秀ですから」
攻撃を引き付けている間、ちらりと横を見ればクラン員が良い感じに攻撃を与えているし、後ろでは弟が回復をしてくれる。優秀なメンバーが揃っているが、ダンスの誘いをしてくれた人はこれより手ごわいって言うんだから、面白い。
「それにしても公開でタイマンするとありますし……うちもあの技術を使いますか」
「秘匿して独占してるのに、すぐよこせって言われるだけじゃ」
「デート代にしては、高いですかね?」
ボスモンスター、今回は4つ足のライオンの様な相手だが、前足を思い切り振り下ろし攻撃してくるのを盾で受け、すぐに横に逸らしてから抜刀し斬撃。最近ようやく実用化出来てきた新武器の具合は悪くない。
「うちの技術班も良い仕事しますね」
「ファンタジー作品のはずなんだけど、おかしくなってきた気がする」
「それ、大きい勘違いだと思いますね、あくまでもファンタジー、中世辺りからスタートしているだけで何でもできたのは最初からですよ」
そもそもそういうファンタジー作品を貫くなら銃器なんて出すわけがない、剣と魔法のファンタジー作品にしては自由度が高いし、現代的な部分が多い。魔法で片付くようなことが物理的に存在してるというのもある。
「やればやるだけ現代、未来に行けるゲームと言う事です、よっ」
軽く攻撃を受けて、反撃。攻勢が強くなれば前に出て全部受けて後ろに任せる。この繰り返しで暫くやっていればポリゴン状に消えていく。
「お疲れ様、回復はこっちでー」
ぴょこぴょこしながら手を振って回復を入れている弟を見てから、大きめに息を吐きだして一息。あまりHPもMPの消費せず、安定している戦い過ぎた。レベルも上がり切り、転生もしているのでステータスも高い、上げ過ぎた特化ステータスのせいでひりつく戦いも暫くしていない。
「……薫に連絡して、スーツくらい新調しておきますか」
ふふっと笑いながらメッセージ一つ。
「順調、工学スキルの幅が広くて、今までできなかったことが出来るしな」
「自分で全部作ってた時と比べて便利過ぎるわ」
そんな事を言いつつ、手を広げて直立不動。その状態で2人程ぺたぺたと体を触る。いや触るというか測っている。
「その工学スキルでミシンとか作ってくれなぁい?」
「どの程度かによるけど、できるとは思う」
「ふふ、それじゃあ待ってるわぁ♪」
会話を横で聞きつつ、あっという間に体を測られ、次々に布を当てられどれが良い、あれが良いと考えられる。それにしても、毎回新しいのを作る時はこういう感じになっている気もするけど、今回ばかりはちょっと趣向が違うのでいつもよりもきっちりとなっている。そもそもゲーム中のキャラサイズってのは自分で弄らない限り不変なのであんまり意味ない気もするのだが、こういうのはしっかりやりたいとの事。
「さて……アカメちゃん、黒髪だから白にしようかしらぁ……でも目の色を生かしたいってのもぉ……」
「黒いのばっかりだし、白にしよう、白に」
「一色だとデザイン凝るようになるけど良い?」
「動くと映える感じが良いなあ」
「りょーかい♪」
ばちこーんと大き目な効果音が出そうなウインクを受けながら採寸完了。デザインやら配色の感じは全てお任せなのは変わらない。
「さて、こうなってくると相手が必要だなあ」
「ももえやマイカは?」
「ポンコツピンクに至っては優雅さが足りんな、バトルジャンキーの方は速すぎる」
するっといつものスーツに着替え直してから指折りしつつ考える。適度に相手になって強い奴ってなかなかにいない。闘技場の方はちょっと毛色が違うし、大々的に見せて映える相手。
「適度に攻撃して防御してすぐ死なない奴って難しくない?」
「いるじゃない、強くて死なない人、ほら、ガウェインちゃんが」
「相手する分には良いが、ガチンコだと相性が悪すぎる、もうちょっと手ごろな方は」
そのほかに色々と候補が出てくる、どれもこれも一度私とパーティを組んだり、顔見知りの話を二人で広めていくが、やっぱりと言ったところで。
「いや、ガウェインにしよう、このゲームが始まってからアイツより目立つ奴いないし」
「どうなっても知らんぞ、俺は」
「武器は任せる、ハンドガンとショットガンが良いかな、長物は相性悪いし」
そうして武器の編成相談を続けつつ、メッセージ一つ。折角あれこれとお見せするし、ちょっとこじゃれた感じ……ってのが招待状風にする辺り、あんまりセンスないな。
「どのくらいあったら揃えられそう?」
「完全オリジナルじゃないなら明日にでも」
「こっちは2日くらいほしいわねぇ」
「じゃ3日後にやるか」
サクッと日時の指定まで入れてメッセージ一つぴこんと送る。そしてしばらく、ちょっとした後に返信一つ。
「OKだってさ、場所は闘技場のオープン場、タイマンでがっつり」
ふふんと機嫌よく鼻を鳴らしてメッセージを眺める。
「兄さん、何か?」
「私の素敵な片思いの相手からダンスの招待です」
「……どういう事で」
「かいつまんで言えば……闘技場でタイマンしようって事ですね」
メッセージを見ながら振ってくる隕石を盾で受けて堪える。また、それと同時に飛んでくる火球を切り払って一息。体制を立て直してから目の前にいるボスモンスターを見据えてにんまりと口角を上げる。
「やはりこういうボスモンスターよりも人の方が味はありますね」
「まずは目の前のに集中してほしいんだけどなあ」
「十分引き付けてるじゃないですか、それにうちの火力班は優秀ですから」
攻撃を引き付けている間、ちらりと横を見ればクラン員が良い感じに攻撃を与えているし、後ろでは弟が回復をしてくれる。優秀なメンバーが揃っているが、ダンスの誘いをしてくれた人はこれより手ごわいって言うんだから、面白い。
「それにしても公開でタイマンするとありますし……うちもあの技術を使いますか」
「秘匿して独占してるのに、すぐよこせって言われるだけじゃ」
「デート代にしては、高いですかね?」
ボスモンスター、今回は4つ足のライオンの様な相手だが、前足を思い切り振り下ろし攻撃してくるのを盾で受け、すぐに横に逸らしてから抜刀し斬撃。最近ようやく実用化出来てきた新武器の具合は悪くない。
「うちの技術班も良い仕事しますね」
「ファンタジー作品のはずなんだけど、おかしくなってきた気がする」
「それ、大きい勘違いだと思いますね、あくまでもファンタジー、中世辺りからスタートしているだけで何でもできたのは最初からですよ」
そもそもそういうファンタジー作品を貫くなら銃器なんて出すわけがない、剣と魔法のファンタジー作品にしては自由度が高いし、現代的な部分が多い。魔法で片付くようなことが物理的に存在してるというのもある。
「やればやるだけ現代、未来に行けるゲームと言う事です、よっ」
軽く攻撃を受けて、反撃。攻勢が強くなれば前に出て全部受けて後ろに任せる。この繰り返しで暫くやっていればポリゴン状に消えていく。
「お疲れ様、回復はこっちでー」
ぴょこぴょこしながら手を振って回復を入れている弟を見てから、大きめに息を吐きだして一息。あまりHPもMPの消費せず、安定している戦い過ぎた。レベルも上がり切り、転生もしているのでステータスも高い、上げ過ぎた特化ステータスのせいでひりつく戦いも暫くしていない。
「……薫に連絡して、スーツくらい新調しておきますか」
ふふっと笑いながらメッセージ一つ。
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