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21章
568話 本腰
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ゲーム内時間でちょっと寝たらすぐに起き上れて、ドワーフの街を探索できるようになる。外部に連絡が取れないってのと転移が出来ないから、イベント扱いくさいので、此処はまったり進行しようと思う。
「なんで種族があるのかなって思ったけど、こういう特色のあるイベントを仕込んでいるからかなあ」
竪穴に穴を掘って住居を作り、坑道を掘り進んで鉱物を取り出して、鍛冶……はそこまでしてないけど、何かの動力のようにしている所が見られる。大体この手のファンタジー作品のドワーフって鍛冶やだったり職人気質の場合が多く、性格は豪快、曲がったことが大嫌い。な感じではあるが、このゲームにおけるドワーフはそこまでの感じはない。
「あとはイベントマップだとしてどうやったらここから離脱できるのか……何かしら条件があるんかな」
もしくは、ただただ転移出来ないってだけで、ちゃんとした出入口から出たら問題ない、みたいな?まだどういう状況になっているのかわからんのが問題なんだよね。
「ねえ、どっかに出口ない?」
「ああ?そこのトロッコで上にあがりゃ外に出れるだろ?」
手ごろなドワーフに尋ねてみたらあっさりと答えられる。この辺の事でもうちょっとてこずると思ったんだけど、そんな事はなかった。とりあえず言われた通りトロッコに乗って……どう動かすのか。手元に何かしらの操作レバーはあるのだが、どれを動かせば動き出すのか、ブレーキはどれだとか、分からん。適当に動かして何か失敗するってのはそれでそれで問題行為。こういう時は素直に聞くのが手っ取り早い。
「どう動かすの、これ」
「なんだ、外の奴らはこんなのも動かせねえのか……右のレバーがアクセル、左がブレーキ、前に倒したら効くから急カーブの時は減速しろ、速度上げ過ぎると落ちて死ぬ」
思った以上にシンプルな操作方法。言われた通りに右のレバーを倒してやるとゆっくりと加速し始め、反り起つ壁を回りながら上がっていく。思い切りアクセル倒して、加速しても良いんだろうけど、これはあくまでも立ち上がりの時に使う用っぽい。自動で戻らない辺りがローテクだけど。
そんな事を考えたり、レバーの操作感を確かめつつそのままガタゴトとトロッコに乗りながら徐々に地上に。それにしても大分深い縦穴から落っこちた割にはよく無事だったな。
「おー、たけえたけえ……」
一番下からってのを考えると結構な高さ、東京タワーくらいは余裕ですっぽり収まるだろう。なんて事を考えつつまったりとトロッコの旅……と、思っていた矢先、爆発音が聞こえて目の前の横穴から土煙が噴き出し、落石。
「こういうのは考古学者の仕事だろ!」
咄嗟にブレーキのレバーを思い切り倒す。金属の擦れる音、焼ける匂い、飛び散る火花。それぞれを感じながら進路上に塞がっている岩にぶつかるぎりぎりで後ろに飛び降りて脱出。慣性がしっかり聞いてるゲームって大変だよ。ごろごろと転がってどうにか止まり、その直後に吹っ飛ぶトロッコ。かなり危ない。
「これもイベントかねえ」
体に付いた土を落としながら状況を確認、私がいる所よりも上の場所で何かトラブったらしい。爆発音を聞いたドワーフ達がわらわらと増えて上にも下にも出てきて様子を見ている。
「目の前で土煙噴いたから、此処だと思ったけど……場所は違うっぽいな」
落石したってのを考えれば結構な衝撃もあったし、上の方?もしくは下で揺れてってのもあり得る。どっちにしろどこで爆発が起きてどのくらい影響があったのかが問題になる。
「どっちにしろ……ただで外には出れないって事か」
何か出てくるかもしれないので臨戦態勢には入った状態で近くにいたドワーフ、こいつらいっぱいいるな。に、どこでどういう状況になったか尋ねる。
「上層で落盤、原因はモグラ」
「モグラ?あの穴を掘る」
「儂らはモグラと言うが、バカでかいモンスターさ……あんた冒険者だろ、そこの岩壊してやるから上で様子見てくれねえか」
「……それじゃあ、手早くいきますかね」
ポーチからグレネードを取り出し、周りに人がいないのを確認したらトロッコの進路上にある落石にぽいっと。爆発するまでの間にいつもの棒付きキャンディ……ではなく、煙草を取り出して火を付け、爆発。その様子を見ていたドワーフがぎゃあぎゃあと騒いでいるが、そんな事はどうでも良いというように一服。土煙上がり、岩が崩れる音をBGMにしながらメニュー画面を開いて、容姿を変え、課金アイテムの氏名変更もついでに。
「さーて……面白くなってきたじゃない」
土煙が晴れ、煙草を咥えたまま、ふすーっと煙を吐き出す。
やっぱり私はこの姿と名前が一番よ。
「なんで種族があるのかなって思ったけど、こういう特色のあるイベントを仕込んでいるからかなあ」
竪穴に穴を掘って住居を作り、坑道を掘り進んで鉱物を取り出して、鍛冶……はそこまでしてないけど、何かの動力のようにしている所が見られる。大体この手のファンタジー作品のドワーフって鍛冶やだったり職人気質の場合が多く、性格は豪快、曲がったことが大嫌い。な感じではあるが、このゲームにおけるドワーフはそこまでの感じはない。
「あとはイベントマップだとしてどうやったらここから離脱できるのか……何かしら条件があるんかな」
もしくは、ただただ転移出来ないってだけで、ちゃんとした出入口から出たら問題ない、みたいな?まだどういう状況になっているのかわからんのが問題なんだよね。
「ねえ、どっかに出口ない?」
「ああ?そこのトロッコで上にあがりゃ外に出れるだろ?」
手ごろなドワーフに尋ねてみたらあっさりと答えられる。この辺の事でもうちょっとてこずると思ったんだけど、そんな事はなかった。とりあえず言われた通りトロッコに乗って……どう動かすのか。手元に何かしらの操作レバーはあるのだが、どれを動かせば動き出すのか、ブレーキはどれだとか、分からん。適当に動かして何か失敗するってのはそれでそれで問題行為。こういう時は素直に聞くのが手っ取り早い。
「どう動かすの、これ」
「なんだ、外の奴らはこんなのも動かせねえのか……右のレバーがアクセル、左がブレーキ、前に倒したら効くから急カーブの時は減速しろ、速度上げ過ぎると落ちて死ぬ」
思った以上にシンプルな操作方法。言われた通りに右のレバーを倒してやるとゆっくりと加速し始め、反り起つ壁を回りながら上がっていく。思い切りアクセル倒して、加速しても良いんだろうけど、これはあくまでも立ち上がりの時に使う用っぽい。自動で戻らない辺りがローテクだけど。
そんな事を考えたり、レバーの操作感を確かめつつそのままガタゴトとトロッコに乗りながら徐々に地上に。それにしても大分深い縦穴から落っこちた割にはよく無事だったな。
「おー、たけえたけえ……」
一番下からってのを考えると結構な高さ、東京タワーくらいは余裕ですっぽり収まるだろう。なんて事を考えつつまったりとトロッコの旅……と、思っていた矢先、爆発音が聞こえて目の前の横穴から土煙が噴き出し、落石。
「こういうのは考古学者の仕事だろ!」
咄嗟にブレーキのレバーを思い切り倒す。金属の擦れる音、焼ける匂い、飛び散る火花。それぞれを感じながら進路上に塞がっている岩にぶつかるぎりぎりで後ろに飛び降りて脱出。慣性がしっかり聞いてるゲームって大変だよ。ごろごろと転がってどうにか止まり、その直後に吹っ飛ぶトロッコ。かなり危ない。
「これもイベントかねえ」
体に付いた土を落としながら状況を確認、私がいる所よりも上の場所で何かトラブったらしい。爆発音を聞いたドワーフ達がわらわらと増えて上にも下にも出てきて様子を見ている。
「目の前で土煙噴いたから、此処だと思ったけど……場所は違うっぽいな」
落石したってのを考えれば結構な衝撃もあったし、上の方?もしくは下で揺れてってのもあり得る。どっちにしろどこで爆発が起きてどのくらい影響があったのかが問題になる。
「どっちにしろ……ただで外には出れないって事か」
何か出てくるかもしれないので臨戦態勢には入った状態で近くにいたドワーフ、こいつらいっぱいいるな。に、どこでどういう状況になったか尋ねる。
「上層で落盤、原因はモグラ」
「モグラ?あの穴を掘る」
「儂らはモグラと言うが、バカでかいモンスターさ……あんた冒険者だろ、そこの岩壊してやるから上で様子見てくれねえか」
「……それじゃあ、手早くいきますかね」
ポーチからグレネードを取り出し、周りに人がいないのを確認したらトロッコの進路上にある落石にぽいっと。爆発するまでの間にいつもの棒付きキャンディ……ではなく、煙草を取り出して火を付け、爆発。その様子を見ていたドワーフがぎゃあぎゃあと騒いでいるが、そんな事はどうでも良いというように一服。土煙上がり、岩が崩れる音をBGMにしながらメニュー画面を開いて、容姿を変え、課金アイテムの氏名変更もついでに。
「さーて……面白くなってきたじゃない」
土煙が晴れ、煙草を咥えたまま、ふすーっと煙を吐き出す。
やっぱり私はこの姿と名前が一番よ。
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