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21章
567話 落ちた先
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「……棚から自分が落ちる」
どこまで落ちたのか分からんけどどうやら生きているらしい。流石に結構な高さから落ちたから落下ダメージで終わると思ってたんだけど、何で生きてんのやら。
「気が付いたか?」
寝たままの状態で声を掛けられた方に目線を動かす。体を動かそうとしたけど、しっかりダメージが入ってるようで、気が付けば状態異常、この場合だと重症で骨折なり低HPなりってのでめちゃめちゃ警告メッセージが目に飛び込んでくる。で、声の主はと言うと自分の後ろ側にいるのでどんなのか全く持って分からない。
「とりあえず回復してほしいかな」
「ふむ、それじゃあちょっと待ってろ」
そう言われると、足を持たれてずりずりと引っ張られる。扱い雑すぎんか。
「ちょっと、もう少し運び方ってのが……!」
「あんたはデカすぎる、ちょっと我慢しろ」
足の持ち上げ方から、そこまで相手が高身長じゃないのはよくわかる。って言うか、普通に回復アイテムなり魔法なり使ってほしいんだけど?いや、使えないならしょうがないけど、それにしても雑過ぎる。そのまま暫く抗議しながらずりずりと引きずられ、ぴたりと止まると荷台に放り込まれてまた変な体勢に。放り込まれたら変な声も出るしで散々。
「死んだらどーするのよ」
「まだ生きてるから大丈夫だろう?」
そういわれたらそうなんだけど……だとしてもちょっと雑な扱いは変わらない。荷台からずり落とされ、ちらりと見ると、結構な規模の集落、いや街?上から下に広がっている崖に住んでいる感じで、昇降機なんか使ってる。
「……うん?」
昇降機って色々動力があったりするけど、多分こんな地下でどうやって動かしてんだ?そもそも光源が火じゃない。明らかに人工的な光を発しているんだけど。そんな事を考えつつずりずりと引きずられて行けば初見の物が目白押し。明らかに電気を使っている物、動力が合って動く機械、細かい金属加工品……私の求めていたところは此処らしい。
「此処って何?」
相変らず引きずられながらそんな事を投げかける。一瞬足が止まり、こっちをちらりと見てからため息混じりに説明をし始める。NPCってこうも不愛想なもんかね。
「見りゃわかんだろ、ドワーフの街だ」
「種族ごとの街なんて初耳なんだけど」
「そりゃあ、随分な田舎もんだな!」
げらげらと笑っているドワーフに若干バカにされつつ、暫く。ようやく止まったかと思えば硬いベッドの上に転がされてから回復魔法……ではなく、ポーションをぶっかけられる。当たり前だけど、HPは回復するが重傷ステータスは回復しない。
「あんた、この子何処から拾ってきたの」
「大穴から落ちてきたんだ、面白いだろ」
「だったら怪我人なんだからもうちょっと丁寧に扱いな!」
結構でかめの衝撃音が響くと私を引きずってきたドワーフが頭を抱えて唸っている。手の出し方がわんぱく坊主をしかりつけるって感じ。客人扱いって言うなら確実に私の扱いが悪いし、殴られても当たり前よ。
「あんた、暫く動けないだろうし、此処で休んでいきな!」
「なんか悪いね」
「いーのいーの、久々の客人だし、ゆっくりしな」
そう言うと毛布をばさっと掛けられて寝ときな!と豪快かつ丁寧に扱われる。なんかこれはこれでちょっとむず痒いって言うか、退屈ではある。
「そういえば、あの街頭何で動いてるの?」
「ん?あれは電気だ、地上にはねえだろ」
得意げに説明をしてくれると、あれはどうだ、これはどうだと求めてないのに説明をしっかりしてくれる。
「機械工学みたいなのってある?」
「なんだそれ」
「ああいう街灯とか、昇降機の仕組みとか……」
「あー、あれか、教えてやるぞ」
とは言え、まだ寝たきりなので後で教えてもらうことにして。
「ドラゴンに吹っ飛ばされた時はどうかと思ったけど、良い事あるね」
どこまで落ちたのか分からんけどどうやら生きているらしい。流石に結構な高さから落ちたから落下ダメージで終わると思ってたんだけど、何で生きてんのやら。
「気が付いたか?」
寝たままの状態で声を掛けられた方に目線を動かす。体を動かそうとしたけど、しっかりダメージが入ってるようで、気が付けば状態異常、この場合だと重症で骨折なり低HPなりってのでめちゃめちゃ警告メッセージが目に飛び込んでくる。で、声の主はと言うと自分の後ろ側にいるのでどんなのか全く持って分からない。
「とりあえず回復してほしいかな」
「ふむ、それじゃあちょっと待ってろ」
そう言われると、足を持たれてずりずりと引っ張られる。扱い雑すぎんか。
「ちょっと、もう少し運び方ってのが……!」
「あんたはデカすぎる、ちょっと我慢しろ」
足の持ち上げ方から、そこまで相手が高身長じゃないのはよくわかる。って言うか、普通に回復アイテムなり魔法なり使ってほしいんだけど?いや、使えないならしょうがないけど、それにしても雑過ぎる。そのまま暫く抗議しながらずりずりと引きずられ、ぴたりと止まると荷台に放り込まれてまた変な体勢に。放り込まれたら変な声も出るしで散々。
「死んだらどーするのよ」
「まだ生きてるから大丈夫だろう?」
そういわれたらそうなんだけど……だとしてもちょっと雑な扱いは変わらない。荷台からずり落とされ、ちらりと見ると、結構な規模の集落、いや街?上から下に広がっている崖に住んでいる感じで、昇降機なんか使ってる。
「……うん?」
昇降機って色々動力があったりするけど、多分こんな地下でどうやって動かしてんだ?そもそも光源が火じゃない。明らかに人工的な光を発しているんだけど。そんな事を考えつつずりずりと引きずられて行けば初見の物が目白押し。明らかに電気を使っている物、動力が合って動く機械、細かい金属加工品……私の求めていたところは此処らしい。
「此処って何?」
相変らず引きずられながらそんな事を投げかける。一瞬足が止まり、こっちをちらりと見てからため息混じりに説明をし始める。NPCってこうも不愛想なもんかね。
「見りゃわかんだろ、ドワーフの街だ」
「種族ごとの街なんて初耳なんだけど」
「そりゃあ、随分な田舎もんだな!」
げらげらと笑っているドワーフに若干バカにされつつ、暫く。ようやく止まったかと思えば硬いベッドの上に転がされてから回復魔法……ではなく、ポーションをぶっかけられる。当たり前だけど、HPは回復するが重傷ステータスは回復しない。
「あんた、この子何処から拾ってきたの」
「大穴から落ちてきたんだ、面白いだろ」
「だったら怪我人なんだからもうちょっと丁寧に扱いな!」
結構でかめの衝撃音が響くと私を引きずってきたドワーフが頭を抱えて唸っている。手の出し方がわんぱく坊主をしかりつけるって感じ。客人扱いって言うなら確実に私の扱いが悪いし、殴られても当たり前よ。
「あんた、暫く動けないだろうし、此処で休んでいきな!」
「なんか悪いね」
「いーのいーの、久々の客人だし、ゆっくりしな」
そう言うと毛布をばさっと掛けられて寝ときな!と豪快かつ丁寧に扱われる。なんかこれはこれでちょっとむず痒いって言うか、退屈ではある。
「そういえば、あの街頭何で動いてるの?」
「ん?あれは電気だ、地上にはねえだろ」
得意げに説明をしてくれると、あれはどうだ、これはどうだと求めてないのに説明をしっかりしてくれる。
「機械工学みたいなのってある?」
「なんだそれ」
「ああいう街灯とか、昇降機の仕組みとか……」
「あー、あれか、教えてやるぞ」
とは言え、まだ寝たきりなので後で教えてもらうことにして。
「ドラゴンに吹っ飛ばされた時はどうかと思ったけど、良い事あるね」
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