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19章
528話 削れて尖る
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「アカメさん、良いニュースと悪いニュース、どっちが好きです」
「悪いニュースの方が先」
「そちらの、青髪と赤髪、それと忍者の人、負けたみたいですよ」
「で、良いニュースは」
「こっちの薫さんと一二三さんがやられた、って事ですかね」
何度目かの鍔迫り合いから押しのけ、二人揃って距離を取って息を付いている所に、そんなニュースがガウェインの奴から聞かされる。なんだ、あいつら相打ちまでもっていったのか?どっちにしろこれで勝負としてはイーブンくらいにはなったかな。
「よく倒せたって褒めてやらんとなあ」
「まさか同じ人数まで持ってこられるとは思わなかったですね」
じりじりと削られて私の方が若干不利って感じかな。そんな状態でもまだまだ楽しそうにして余裕のある感じが口ぶりと身振りからわかる。そりゃずっとアオメの奴を狙ってるから、向こうとしては銃弾を弾いてしっかり防御できてる。と思ってるんだろう。
こっちの攻撃はなんだかんだで流れ弾っぽく、アオメに当ててダメージを食らわせてはいるので、そこを考えたらとんとんって感じ。若干こっちの方が不利ってくらいか。
「その割には、ガヘリスの奴が見えないけど」
「それはぴったり私の後ろで隠れているからですね、そういうスキルがあるので」
ああ、もう、そうやって後出し後出しでスキル出しやがって、こちとらありもののスキルでどうにかこうにかしてるってのに。
「どーやったらそんなにスキル覚えるもんかね」
「それはもう、あれこれやりましたから」
「これが終わったらもうちょっと自分を鍛え直すか」
そんな事を言いながら、アオメを狙いつつの射撃と剣戟。なのだが、それもそろそろきついというか、しっかりこっちを張ってくるようになったガウェインの猛攻を凌ぎながら狙うのが厳しくなってきた。こいつ、地味に後ろのガヘリスからバフ掛けて貰ってるな?
「とは言えなあ……」
そもそもアリスと松田の攻撃力が低いってのを考えると、残った3人で私が気張らないと火力が出せないから押し切れない。
『アカメ殿!そろそろ限界ですぞ!』
『もう、すっから、かん』
『どのくらい攻撃した!』
ガウェインの剣を受けながら、また頭の中で計算……していると、アリスと松田の奴がこっちら側に吹っ飛ばされるのでバックステップで避けつつ、抑え込みの射撃をしつつ改めて3人同士で見つめ合う。それにしたって、松田の薬品攻撃をするため、しっかりアリスの奴が防御していたのか、使っていた盾が銃創まみれ、いろいろな傷がついていて、どれだけ負担させてたかがよくわかる。あんまり前に出る子じゃないってのに、無理をさせ過ぎたか。
松田の奴は、なんだかんだでいい相棒と言うか、十分仕事をしてくれている。それぞれに調合ポーションを配り、自分は苦手な投擲で援護していた。それなのに私と来たらどうだ、大したダメージを与えているわけでもなく、倒しているわけでもなく、ただただ戦闘を間延びさせているだけじゃないか?銃操作とガンカタを無理に使ったら負荷が掛かり過ぎて落ちるから、変な無理をしなくなったわけだし、いつまでもこいつと遊んでいるせいだ。
『もうちょっと耐えてくれ』
スモークとグレネードを放り込んで少しだけ時間を稼いでからメニュー画面を開き、購入していた課金アイテムを使用する。装備がぎりぎりだったけど、まあ、どうにでもなるだろう。そしてアイテムを使ったとたんに外れる装備を見つつ、ステータスを振り直し。
「私も覚悟が足りんのかね」
変に射撃重視にしてるから押し切れないわけで、オーソドックスな立ち回りはすでに見られてる。だからこそ、今まで見たことない立ち回りって言うか引き出しを使わないと今後が難しい。
「スキン券以外で私の課金が振り直しばっかだな」
ぽちぽちステータスを振り直し。
使ってる拳銃二つさえ使えれば良いから、それを装備できる最低限のステータスにして、後は思い切りAGIに振って速度特化。銃操作は最低限だからINTは振らない。なので最終的なステータスはこう、STR:10 AGI:57 DEX:15 VIT:1 INT:1 RES:1
Agi極ってのは昔を思い出す。昔は攻撃速度も回避率もAgi依存だったわけだけど、案外こういうのも変わらないな。
『よし、いいぞ』
『ごめん、もう、無理……』
『アリス殿、後はお任せを!』
大きい衝撃音が響くと、アリスが転がってきてポリゴン状に消えていく。
ボロボロになっている松田もいるが、最後に庇ってやられたって感じだな。
『さて、後は二人でランデブーだな』
『相手のガンナーはなかなか強いですなあ』
『私よりもか?』
『……いいや、強いのはアカメ殿ですぞ!』
よーく、わかってらっしゃる。
「悪いニュースの方が先」
「そちらの、青髪と赤髪、それと忍者の人、負けたみたいですよ」
「で、良いニュースは」
「こっちの薫さんと一二三さんがやられた、って事ですかね」
何度目かの鍔迫り合いから押しのけ、二人揃って距離を取って息を付いている所に、そんなニュースがガウェインの奴から聞かされる。なんだ、あいつら相打ちまでもっていったのか?どっちにしろこれで勝負としてはイーブンくらいにはなったかな。
「よく倒せたって褒めてやらんとなあ」
「まさか同じ人数まで持ってこられるとは思わなかったですね」
じりじりと削られて私の方が若干不利って感じかな。そんな状態でもまだまだ楽しそうにして余裕のある感じが口ぶりと身振りからわかる。そりゃずっとアオメの奴を狙ってるから、向こうとしては銃弾を弾いてしっかり防御できてる。と思ってるんだろう。
こっちの攻撃はなんだかんだで流れ弾っぽく、アオメに当ててダメージを食らわせてはいるので、そこを考えたらとんとんって感じ。若干こっちの方が不利ってくらいか。
「その割には、ガヘリスの奴が見えないけど」
「それはぴったり私の後ろで隠れているからですね、そういうスキルがあるので」
ああ、もう、そうやって後出し後出しでスキル出しやがって、こちとらありもののスキルでどうにかこうにかしてるってのに。
「どーやったらそんなにスキル覚えるもんかね」
「それはもう、あれこれやりましたから」
「これが終わったらもうちょっと自分を鍛え直すか」
そんな事を言いながら、アオメを狙いつつの射撃と剣戟。なのだが、それもそろそろきついというか、しっかりこっちを張ってくるようになったガウェインの猛攻を凌ぎながら狙うのが厳しくなってきた。こいつ、地味に後ろのガヘリスからバフ掛けて貰ってるな?
「とは言えなあ……」
そもそもアリスと松田の攻撃力が低いってのを考えると、残った3人で私が気張らないと火力が出せないから押し切れない。
『アカメ殿!そろそろ限界ですぞ!』
『もう、すっから、かん』
『どのくらい攻撃した!』
ガウェインの剣を受けながら、また頭の中で計算……していると、アリスと松田の奴がこっちら側に吹っ飛ばされるのでバックステップで避けつつ、抑え込みの射撃をしつつ改めて3人同士で見つめ合う。それにしたって、松田の薬品攻撃をするため、しっかりアリスの奴が防御していたのか、使っていた盾が銃創まみれ、いろいろな傷がついていて、どれだけ負担させてたかがよくわかる。あんまり前に出る子じゃないってのに、無理をさせ過ぎたか。
松田の奴は、なんだかんだでいい相棒と言うか、十分仕事をしてくれている。それぞれに調合ポーションを配り、自分は苦手な投擲で援護していた。それなのに私と来たらどうだ、大したダメージを与えているわけでもなく、倒しているわけでもなく、ただただ戦闘を間延びさせているだけじゃないか?銃操作とガンカタを無理に使ったら負荷が掛かり過ぎて落ちるから、変な無理をしなくなったわけだし、いつまでもこいつと遊んでいるせいだ。
『もうちょっと耐えてくれ』
スモークとグレネードを放り込んで少しだけ時間を稼いでからメニュー画面を開き、購入していた課金アイテムを使用する。装備がぎりぎりだったけど、まあ、どうにでもなるだろう。そしてアイテムを使ったとたんに外れる装備を見つつ、ステータスを振り直し。
「私も覚悟が足りんのかね」
変に射撃重視にしてるから押し切れないわけで、オーソドックスな立ち回りはすでに見られてる。だからこそ、今まで見たことない立ち回りって言うか引き出しを使わないと今後が難しい。
「スキン券以外で私の課金が振り直しばっかだな」
ぽちぽちステータスを振り直し。
使ってる拳銃二つさえ使えれば良いから、それを装備できる最低限のステータスにして、後は思い切りAGIに振って速度特化。銃操作は最低限だからINTは振らない。なので最終的なステータスはこう、STR:10 AGI:57 DEX:15 VIT:1 INT:1 RES:1
Agi極ってのは昔を思い出す。昔は攻撃速度も回避率もAgi依存だったわけだけど、案外こういうのも変わらないな。
『よし、いいぞ』
『ごめん、もう、無理……』
『アリス殿、後はお任せを!』
大きい衝撃音が響くと、アリスが転がってきてポリゴン状に消えていく。
ボロボロになっている松田もいるが、最後に庇ってやられたって感じだな。
『さて、後は二人でランデブーだな』
『相手のガンナーはなかなか強いですなあ』
『私よりもか?』
『……いいや、強いのはアカメ殿ですぞ!』
よーく、わかってらっしゃる。
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