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16章
432話 燃え尽き症候群
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「左3、中央2、右4、左旋回からグレネード1」
敢えて口にしながらやる事を言い、騎乗ユニットでもある4脚戦車の上部に設置したガトリング2門を銃操作で掃射しつつ、自分で言った通り左旋回をして薙ぎ払い、左の敵を撃ち抜いたのを見てから旋回中に用意していたグレネードを背面投げ。掃射で足止めした所にグレネードが落ちるとその直後に爆発が起こって吹っ飛ばす。
本来ならポッドで操縦するのだが本体上部で身を晒した状態で、旋回中にぐるりと周りの状態をチェックして、右翼が多少前に出てきているので、其方に向かいつつ湧き地点の方を正面にして横にスライド移動。接近してくるのがいたらそのまま2門掃射でひき肉にし突出してきた右翼に辿り着くなり、アデレラで迎撃。
「左は……塹壕に引っかかっているとして、移動中に撃ち切り装填」
暫く右翼に出てきたのを吹き飛ばし、ある程度落ち着いたら一気に左翼側に機体を滑らせる。遠距離攻撃と手数さえあれば特殊な攻撃してくる虫共以外は問題なく倒せる。スピードの速い狼も機体に乗っていれば振り切れるし、すぐさま倒せるので問題なし、今の所ヤバいのはキメラくらいか。森の中であれこれやってた時は機動力が問題で、どうしても避けきれない事が多かったが、今はそんな事もなく、機体の足回りでどうにでもなる。特殊と遠距離攻撃、結構な耐久力があるキメラ、そんなに数がいないってのが救いか。
そうして右翼を押し込んだ後に、スモーク3本で足止め、ついでに連結グレネードで穴を開けて追加の塹壕を作った後にまた反転。中央は左右の往復の途中にちょっかいを掛け、あまりにも前に出そうなら3種グレネードで考える。
やっていることは自分の機体でカバーできる範囲の横一直線の防衛線を維持し続ける、たったこれだけだ。機体操縦をしつつ、こいつの速度でカバーできる範囲を見極め、左右中央の突出部分を見てどこから攻めるかの判断、使うグレネードの種類、攻撃手段と掃討する動き。ああ、考える事が多いったらない。少しでも気を抜けば自分の戦線が崩壊して稼ぎも悪くなるしで良いことが無い。
「そろそろ、リロードか」
1人でいるからリロード隙を考えなきゃいけないってのも大変だよな。左翼に移動をしている間に中央に射撃して牽制しているが、同時発射しないと火力と弾幕が足りないのは盲点だった。
左翼への移動中に中央への攻撃を続けている半ばにからからと2門共とりあえず機体上部でしゃがみ、ガトのマガジンを移動しながら取り換える。それにしてもガトリングのボックスマガジン、もうちょっとこれも改良するべきだな。ボックス外して新しいのに変えてから、連なってる弾を入れて回してやらないと発射されないって、バイパーの奴にもうちょっと簡易的で使いやすい構造にしろって文句いってやらねえよ。
「ああ、くそ、落ち着け」
ガチャガチャと音を立ててガトリングのリロードを済ませて顔を上げると、モンスター群の方に寄っていたので、慌てて距離を取る所にゴーレム、キメラのダブルビーム攻撃。この4脚戦車、二次元起動は強いけど三次元にまでは手が届かない。
どうせ避けられないし、ぐるりと機体を回転、搭乗ポッドで敢えて受けると爆発が起きて体勢がぐらつくのを制御し回転したまま勢いを殺して撃たれた方に向き直り、ガトで掃射して反撃をしながら左翼にスライド移動をしつつスモーク2本投げて足止め。幸いにもポッドの中で操縦しなくても問題ないので、被害がこれだけってのは集中砲火を貰った割にはいい。
「リロードはもうちょっと考えないと駄目だっての」
機体を制御し、ポッド損傷の弊害が無いかを確認したらさっきの予定通り左翼側に。
ほぼ湧き地点でもあるダンジョンの入口少し手前くらいでやっているので一定数が溜まれば詰まって出てこなくなるの最大限利用している戦法なので、ちょっとでも遅れると湧きとこっちの処理速度が噛み合わなくなる、そもそもダメージを受けちゃいけなかった。
「ちぃ……!」
速度に影響は今の所ないけど、安定性が悪くなったか?半壊しているポッドのせいでちょっとふらつくようになった気がする。が、それくらいならどうにでもなる。多少尻が振られるようになったけど、制御できない程じゃない。そうして左翼側に辿り着くまでの間にふらつく機体を制御し、事前にグレネードで開けておいた塹壕にモンスターが溜まっているのを見つけ、相変わらずのガトリングスライド撃ちで奥にいるのに攻撃を与え、溜まっている所には連結グレネードを放り込んで爆破。
連続した爆発音が響き、ポリゴンを散らしているのを見ている間に塹壕を飛び越え、爆炎の中を突っ切ってくる狼。相変わらずの飛びかかり攻撃を機体を回転、半壊したポッドを叩きつけ横に吹っ飛ばした後、アデレラで追撃。回転しながらの勢いでぐるぐる回りながら一旦距離を離し、正面を向いたらまた掃射。
「悪くない悪くない」
まだ装弾が残っているガトを確認し、MPポーションをがぶ飲みして銃操作で常に消費しているMPを補充し、右翼側にまた移動。戦線の反復横跳びってきつすぎるというか、頭を使いすぎている。
でもあれこれマルチタスクするのはそこまできつくない。なんだったらリアルで運転している時と変わらないくらいのタスク量だ。ここにパーティやクラン、全体の戦場把握まで来たら確実に手はまわってない。
あれこれ考えている間にまた中央に、スモークが結構長い事効果が続くおかげ焚かれてる所は進行が遅くなってはいるが、横から抜けてくるし、スモークから突破してくる奴もいる。視認さえすればこっちに攻撃が飛んでくるのもあるで、油断は出来ない。それに左翼中央右翼と言ってはいるが、長い戦線を私が暫定的に区切っているだけであって別れている訳でもない。塹壕を掘って、グレネードを駆使してまとめてどうにか倒している状態でかなりギリギリだったりする。
「きつい、きついったらありゃしない」
銃撃、爆撃、ビーム発射音、機体がきしむ音。
色々な音を響く中、ギザ歯を見せた高笑いをしてしまう。
「あー、やべ、たのしい」
1発食らえば多分って言うか確実にダメだろうな。
機体がやられてもダメ、弾やアイテムが切れてもダメ、処理に手間取ったら勿論ダメ。この戦闘が始まってずっとギリギリの状態でやってきている、この状況が楽しすぎる。
「ああ、楽しい!」
勿論戦う事よりも勝つ事の方が私としては一番ではあるのだが、別に戦う事が嫌いと言う訳じゃない。こうしてひりついて、手に汗握る状況。自分がミスったら全て台無しになる、かといってミスらなければ全てが上手くいく、この状況。ギリギリすぎて、面白過ぎる。
「吹っ飛べ、クソ共が!」
掃射している間に接近していたオーガに対し、忍者刀を抜いて、機体ごと突撃。相手の顔面に思い切り突き刺し、そのまま押し込みながらガトリングも掃射して視界確保。びゅっと刀を振るって仕舞えばアデレラ、ガトリング、グレネードでひたすらにモンスターを狩り尽くす。
「まだまだ楽しもうじゃないか、なあ」
前方、モンスターが溜まった所にグレネードを放り込み爆破。
爆炎の中突っ切ると共に葉巻に火を付けて咥える。
私はまだまだいけるぞ。
敢えて口にしながらやる事を言い、騎乗ユニットでもある4脚戦車の上部に設置したガトリング2門を銃操作で掃射しつつ、自分で言った通り左旋回をして薙ぎ払い、左の敵を撃ち抜いたのを見てから旋回中に用意していたグレネードを背面投げ。掃射で足止めした所にグレネードが落ちるとその直後に爆発が起こって吹っ飛ばす。
本来ならポッドで操縦するのだが本体上部で身を晒した状態で、旋回中にぐるりと周りの状態をチェックして、右翼が多少前に出てきているので、其方に向かいつつ湧き地点の方を正面にして横にスライド移動。接近してくるのがいたらそのまま2門掃射でひき肉にし突出してきた右翼に辿り着くなり、アデレラで迎撃。
「左は……塹壕に引っかかっているとして、移動中に撃ち切り装填」
暫く右翼に出てきたのを吹き飛ばし、ある程度落ち着いたら一気に左翼側に機体を滑らせる。遠距離攻撃と手数さえあれば特殊な攻撃してくる虫共以外は問題なく倒せる。スピードの速い狼も機体に乗っていれば振り切れるし、すぐさま倒せるので問題なし、今の所ヤバいのはキメラくらいか。森の中であれこれやってた時は機動力が問題で、どうしても避けきれない事が多かったが、今はそんな事もなく、機体の足回りでどうにでもなる。特殊と遠距離攻撃、結構な耐久力があるキメラ、そんなに数がいないってのが救いか。
そうして右翼を押し込んだ後に、スモーク3本で足止め、ついでに連結グレネードで穴を開けて追加の塹壕を作った後にまた反転。中央は左右の往復の途中にちょっかいを掛け、あまりにも前に出そうなら3種グレネードで考える。
やっていることは自分の機体でカバーできる範囲の横一直線の防衛線を維持し続ける、たったこれだけだ。機体操縦をしつつ、こいつの速度でカバーできる範囲を見極め、左右中央の突出部分を見てどこから攻めるかの判断、使うグレネードの種類、攻撃手段と掃討する動き。ああ、考える事が多いったらない。少しでも気を抜けば自分の戦線が崩壊して稼ぎも悪くなるしで良いことが無い。
「そろそろ、リロードか」
1人でいるからリロード隙を考えなきゃいけないってのも大変だよな。左翼に移動をしている間に中央に射撃して牽制しているが、同時発射しないと火力と弾幕が足りないのは盲点だった。
左翼への移動中に中央への攻撃を続けている半ばにからからと2門共とりあえず機体上部でしゃがみ、ガトのマガジンを移動しながら取り換える。それにしてもガトリングのボックスマガジン、もうちょっとこれも改良するべきだな。ボックス外して新しいのに変えてから、連なってる弾を入れて回してやらないと発射されないって、バイパーの奴にもうちょっと簡易的で使いやすい構造にしろって文句いってやらねえよ。
「ああ、くそ、落ち着け」
ガチャガチャと音を立ててガトリングのリロードを済ませて顔を上げると、モンスター群の方に寄っていたので、慌てて距離を取る所にゴーレム、キメラのダブルビーム攻撃。この4脚戦車、二次元起動は強いけど三次元にまでは手が届かない。
どうせ避けられないし、ぐるりと機体を回転、搭乗ポッドで敢えて受けると爆発が起きて体勢がぐらつくのを制御し回転したまま勢いを殺して撃たれた方に向き直り、ガトで掃射して反撃をしながら左翼にスライド移動をしつつスモーク2本投げて足止め。幸いにもポッドの中で操縦しなくても問題ないので、被害がこれだけってのは集中砲火を貰った割にはいい。
「リロードはもうちょっと考えないと駄目だっての」
機体を制御し、ポッド損傷の弊害が無いかを確認したらさっきの予定通り左翼側に。
ほぼ湧き地点でもあるダンジョンの入口少し手前くらいでやっているので一定数が溜まれば詰まって出てこなくなるの最大限利用している戦法なので、ちょっとでも遅れると湧きとこっちの処理速度が噛み合わなくなる、そもそもダメージを受けちゃいけなかった。
「ちぃ……!」
速度に影響は今の所ないけど、安定性が悪くなったか?半壊しているポッドのせいでちょっとふらつくようになった気がする。が、それくらいならどうにでもなる。多少尻が振られるようになったけど、制御できない程じゃない。そうして左翼側に辿り着くまでの間にふらつく機体を制御し、事前にグレネードで開けておいた塹壕にモンスターが溜まっているのを見つけ、相変わらずのガトリングスライド撃ちで奥にいるのに攻撃を与え、溜まっている所には連結グレネードを放り込んで爆破。
連続した爆発音が響き、ポリゴンを散らしているのを見ている間に塹壕を飛び越え、爆炎の中を突っ切ってくる狼。相変わらずの飛びかかり攻撃を機体を回転、半壊したポッドを叩きつけ横に吹っ飛ばした後、アデレラで追撃。回転しながらの勢いでぐるぐる回りながら一旦距離を離し、正面を向いたらまた掃射。
「悪くない悪くない」
まだ装弾が残っているガトを確認し、MPポーションをがぶ飲みして銃操作で常に消費しているMPを補充し、右翼側にまた移動。戦線の反復横跳びってきつすぎるというか、頭を使いすぎている。
でもあれこれマルチタスクするのはそこまできつくない。なんだったらリアルで運転している時と変わらないくらいのタスク量だ。ここにパーティやクラン、全体の戦場把握まで来たら確実に手はまわってない。
あれこれ考えている間にまた中央に、スモークが結構長い事効果が続くおかげ焚かれてる所は進行が遅くなってはいるが、横から抜けてくるし、スモークから突破してくる奴もいる。視認さえすればこっちに攻撃が飛んでくるのもあるで、油断は出来ない。それに左翼中央右翼と言ってはいるが、長い戦線を私が暫定的に区切っているだけであって別れている訳でもない。塹壕を掘って、グレネードを駆使してまとめてどうにか倒している状態でかなりギリギリだったりする。
「きつい、きついったらありゃしない」
銃撃、爆撃、ビーム発射音、機体がきしむ音。
色々な音を響く中、ギザ歯を見せた高笑いをしてしまう。
「あー、やべ、たのしい」
1発食らえば多分って言うか確実にダメだろうな。
機体がやられてもダメ、弾やアイテムが切れてもダメ、処理に手間取ったら勿論ダメ。この戦闘が始まってずっとギリギリの状態でやってきている、この状況が楽しすぎる。
「ああ、楽しい!」
勿論戦う事よりも勝つ事の方が私としては一番ではあるのだが、別に戦う事が嫌いと言う訳じゃない。こうしてひりついて、手に汗握る状況。自分がミスったら全て台無しになる、かといってミスらなければ全てが上手くいく、この状況。ギリギリすぎて、面白過ぎる。
「吹っ飛べ、クソ共が!」
掃射している間に接近していたオーガに対し、忍者刀を抜いて、機体ごと突撃。相手の顔面に思い切り突き刺し、そのまま押し込みながらガトリングも掃射して視界確保。びゅっと刀を振るって仕舞えばアデレラ、ガトリング、グレネードでひたすらにモンスターを狩り尽くす。
「まだまだ楽しもうじゃないか、なあ」
前方、モンスターが溜まった所にグレネードを放り込み爆破。
爆炎の中突っ切ると共に葉巻に火を付けて咥える。
私はまだまだいけるぞ。
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