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16章
426話 先に言っとけっていつも言っただろ
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「で、ボス、弾持ってない?全部撃っちゃってさ」
「ああ、もう、だからお前はポンコツなんだよ!」
銃受けでキメラの攻撃をいなしてはいるが1発も撃ってないのを見ると、弾切れか。他のパーティから貰ったりなんだりできるだろうに。
「パーティは」
「組んでたけど、ぜーんぜんダメ、1人で立ち回った方が良いからぬけちった」
マイカとバイオレットに揉まれてるせいで下手な仲間じゃ付いていけないのか。って言うか私も付いていけないと思う。ガンナーを長くやっているからこそ他のプレイヤーよりも先に進んでいる……様に見えて実の所戦闘力は高くないし、ガチでやったら普通にももえに負けると思うわ。
「パーティに入ってあいつ倒すなら銃弾分けてやる」
「とか言って、入んなくても分けてくれるでしょー」
ねー?と言った感じにこっちに顔を向けて笑みを浮かべる。こいつも今度締めてやらんとダメか。ただ、まあカットインしてくれたおかげで立ち直れる状況になったのは良い。手早くパーティ申請を送るとすぐに受理、その間にポーションで回復をいれ、あいんつとアホが合流。
「あー、ポンコツピンクちゃんねるの人だ」
「知ってるのか」
「ガンナー界隈じゃ有名なんよ、アカさんどういう関係?」
「元上司」
あいんつがこっちのカバー、アホがももえのカバーに入っている間に事情説明、さくっと紹介を済ませた後に手早く陣形の整理、HPMPの立て直し、各々の立ち回りを指示してキメラと改めて対峙。それにしても4人で前後を組めるようになると安定性が増す。
「って、先に弾ちょーだい弾!」
「弾込めてやるから後ろにマグ飛ばせ」
「もぉー!そうやってすぐ無茶ぶりするんだから!」
「あいんつ、ももえに弾の込めた銃を、アホはカバーだ、しくじるなよ」
3人とも返事をするなり言われた通りの行動を始める。私はと言うとももえの少し後ろに回って、マガジンを受け取り、ちゃりちゃりと弾を込める。
「まあ器用にやるもんだ」
キメラを正面に捉えたまま、マガジン一杯になるまで弾を詰めるのだが、その間前衛をしている百恵の奴はうまいことキメラの爪やら体当たり、ビームを捌いて立ち回っている。なんか思っている以上に強くなってる。何か出来るようになってるのがちょっとムカついたので、軽く声を掛けてからマガジンを強めに投げてやったらそのまま銃で受けてリロード完了。なんともまあ、器用な事を。
そしてやっぱりと言うか当たり前だけど、がんがん前に出てヘイトを稼ぎながらガンカタで近接戦闘が様になっている。独立したのもあるし、あいつはあいつで動き方を研究していったんだろう。元々センスはあったしな。
「やっぱボスの元で戦うのがストレスフリー」
気持ちよく格闘と銃撃を織り交ぜてキメラに肉薄していくももえを眺めつつ、避けきれないだろうって攻撃の時にはこっちから攻撃を入れて援護、弾を使い切ったらあいんつが装填済みの銃を投げ渡し、撃ち切ったらすぐにキメラにぶん投げ、アホは普通の援護射撃、何と言うか急造のパーティの割には良い連携が出来ている。
「それにしてもあいんつがももえの事を知っているのは意外だった」
「そう?アカさんの事知ったのもそこからだしねー」
ああ、なるほど、それは確かに。結構配信しているからその時に知ったのか。表舞台にあまり出てない……とは言い切れない。この間の闘技大会なんてがっつり目立ってた。
ももえの配信もログイン中は何でもかんでも映しまくってたから私があれこれやってるのも分かってるし、クランハウスの中も丸見えか。
「……お前は知って無さそうだ」
「悪いか?」
「知らない事があるのは当たり前だが、人の事を悪く言うのはないな」
案外根に持つんだよね、私って。とは言え、悪口を言うだけあって基本は結構しっかいりしている。さっきは普通の援護射撃だけしか出来ていないと言ったが、逆を言えば普通の援護射撃が出来るって事は悪くはない腕はあるって事だ。このまま良い感じなら名前聞いてみても良いな。
「そろそろ決めるぞ」
その声を聞くと、ももえがキメラの攻撃を滑り込んで避けると共に顎を思い切り蹴り上げる。そういえば昔にもこんな風な立ち回りしたような気がする。
そして上がった顎と言うか頭に向けてあいんつがさらに銃を投げて追撃。そのまま滑りこんだももえは腹の方にまで回り、げしげしと蹴り上げてそのまま蹴り進める。おお、青天井にする気か。そんな事を考えながらもこっちもこっちでアデレラを2丁抜いて浮いている顎に向けて連射。このゲーム、たまーにあるんだけど格闘ゲームのような浮きが状態が発生するんだよね。
「追撃の手緩めない!」
隣にいたアホに発破を掛け、向こうが連射している間にアデレラの装填を済ませる。で、こっちが攻撃を始めたらアホが装填する。うむ、よくわかってるな。やっぱり基本は出来るんだよな、こいつ。
あいんつに関してはある程度好きにさせた方が良いので、隣で銃撃と銃を投げさせている。うーん、やっぱり袖から大量に出るのは客観的に見ると中々に不思議な光景だ。
「ああー、銃ちょうだい、銃!」
「あいんつ、投げてやれ」
「はいよー」
股潜りを成功して後ろに回ったももえが新しいマガジンを使おうとしたが弾切れ、すぐさまあいんつがくるりと回転して遠心力を付けてハンドガンを投げると、ブーメランのように曲がり、キメラの後ろに回り込んだももえにヒット、やっぱポンコツだわ。
「うーん結構ちゃんと投げたはずなんだけど……」
「キャッチミスしただけでしょう!」
「ポンコツだからな」
くつくつと笑いながらアデレラの予備マガジンを使い切ったのでPウサ銃に切り替えて連射。かちあげからの前後での射撃攻撃に手……いや、足か。それも出ずにヒットストップ食らって呻きながら徐々にダメージが増えていく。
「そろそろ、くたばれ!」
5度撃ちでの追撃をかますと共にクリップが弾き飛ぶ。
体勢を崩され、前後で挟みうち、絶え間ない射撃攻撃に耐えられるわけもなくそのままポリゴン状に消失していくのを眺めながら一息。インベントリから煙草……はないんだったな。
「やっぱボスはイイね……煙草は?」
「吸い過ぎで切らしてな」
「しょうがないなあ」
何て事言ったらももえの奴が煙草を取り出して私に手渡してくるので、早速咥えて火を付けて一服。すぱーっと紫煙を燻らせながらその場に座って、銃弾をまとめて取り出して渡す準備。
「それにしても案外手応えの無い奴だったきーがするんけど」
「まー、確かに……案外あっさりだったな」
「キメラ何匹もいるからねー、そのせいじゃない?」
ぽろっと零したももえの一言で私を含めた3人がぴたりと手を止める。
確かに中途半端な強さだったけど、これが複数いるってマジか。まさかのエリア全体ボスエリア、レイドボス複数いますってタイプか?
「それはもうちょっと早く言って欲しいわ」
煙草の先をぴこぴこと唇で器用に揺らしながらどう立ち回るかを考える。
出来る事ならもう1人やっぱり増やして山狩りするのが良いか……まあ、森なんだけど。
「……とりあえずももえ、このエリアは一緒に来てもらうぞ」
インベントリから出した銃弾アイテムのデータを目の前に出すtお、それにすぐさま飛びついてくるので、ぱっと上にそれを持ち上げてじっと見つめる。こういうポンコツはしっかりと躾をしてやらんといかん。
「もー、ボスは心配性なんだから……分かってるって」
「どうせ配信してるんだ、それが証拠にもなろうよ」
その通りで、と言った感じでえへへーっと笑うのを少しばかり眉間に皺を寄せてみるが、元々こんなやつだったな。
「……それじゃあまあ、改めて自己紹介とやれる事、言っとくか」
アホの名前初めて聞くな。
「ああ、もう、だからお前はポンコツなんだよ!」
銃受けでキメラの攻撃をいなしてはいるが1発も撃ってないのを見ると、弾切れか。他のパーティから貰ったりなんだりできるだろうに。
「パーティは」
「組んでたけど、ぜーんぜんダメ、1人で立ち回った方が良いからぬけちった」
マイカとバイオレットに揉まれてるせいで下手な仲間じゃ付いていけないのか。って言うか私も付いていけないと思う。ガンナーを長くやっているからこそ他のプレイヤーよりも先に進んでいる……様に見えて実の所戦闘力は高くないし、ガチでやったら普通にももえに負けると思うわ。
「パーティに入ってあいつ倒すなら銃弾分けてやる」
「とか言って、入んなくても分けてくれるでしょー」
ねー?と言った感じにこっちに顔を向けて笑みを浮かべる。こいつも今度締めてやらんとダメか。ただ、まあカットインしてくれたおかげで立ち直れる状況になったのは良い。手早くパーティ申請を送るとすぐに受理、その間にポーションで回復をいれ、あいんつとアホが合流。
「あー、ポンコツピンクちゃんねるの人だ」
「知ってるのか」
「ガンナー界隈じゃ有名なんよ、アカさんどういう関係?」
「元上司」
あいんつがこっちのカバー、アホがももえのカバーに入っている間に事情説明、さくっと紹介を済ませた後に手早く陣形の整理、HPMPの立て直し、各々の立ち回りを指示してキメラと改めて対峙。それにしても4人で前後を組めるようになると安定性が増す。
「って、先に弾ちょーだい弾!」
「弾込めてやるから後ろにマグ飛ばせ」
「もぉー!そうやってすぐ無茶ぶりするんだから!」
「あいんつ、ももえに弾の込めた銃を、アホはカバーだ、しくじるなよ」
3人とも返事をするなり言われた通りの行動を始める。私はと言うとももえの少し後ろに回って、マガジンを受け取り、ちゃりちゃりと弾を込める。
「まあ器用にやるもんだ」
キメラを正面に捉えたまま、マガジン一杯になるまで弾を詰めるのだが、その間前衛をしている百恵の奴はうまいことキメラの爪やら体当たり、ビームを捌いて立ち回っている。なんか思っている以上に強くなってる。何か出来るようになってるのがちょっとムカついたので、軽く声を掛けてからマガジンを強めに投げてやったらそのまま銃で受けてリロード完了。なんともまあ、器用な事を。
そしてやっぱりと言うか当たり前だけど、がんがん前に出てヘイトを稼ぎながらガンカタで近接戦闘が様になっている。独立したのもあるし、あいつはあいつで動き方を研究していったんだろう。元々センスはあったしな。
「やっぱボスの元で戦うのがストレスフリー」
気持ちよく格闘と銃撃を織り交ぜてキメラに肉薄していくももえを眺めつつ、避けきれないだろうって攻撃の時にはこっちから攻撃を入れて援護、弾を使い切ったらあいんつが装填済みの銃を投げ渡し、撃ち切ったらすぐにキメラにぶん投げ、アホは普通の援護射撃、何と言うか急造のパーティの割には良い連携が出来ている。
「それにしてもあいんつがももえの事を知っているのは意外だった」
「そう?アカさんの事知ったのもそこからだしねー」
ああ、なるほど、それは確かに。結構配信しているからその時に知ったのか。表舞台にあまり出てない……とは言い切れない。この間の闘技大会なんてがっつり目立ってた。
ももえの配信もログイン中は何でもかんでも映しまくってたから私があれこれやってるのも分かってるし、クランハウスの中も丸見えか。
「……お前は知って無さそうだ」
「悪いか?」
「知らない事があるのは当たり前だが、人の事を悪く言うのはないな」
案外根に持つんだよね、私って。とは言え、悪口を言うだけあって基本は結構しっかいりしている。さっきは普通の援護射撃だけしか出来ていないと言ったが、逆を言えば普通の援護射撃が出来るって事は悪くはない腕はあるって事だ。このまま良い感じなら名前聞いてみても良いな。
「そろそろ決めるぞ」
その声を聞くと、ももえがキメラの攻撃を滑り込んで避けると共に顎を思い切り蹴り上げる。そういえば昔にもこんな風な立ち回りしたような気がする。
そして上がった顎と言うか頭に向けてあいんつがさらに銃を投げて追撃。そのまま滑りこんだももえは腹の方にまで回り、げしげしと蹴り上げてそのまま蹴り進める。おお、青天井にする気か。そんな事を考えながらもこっちもこっちでアデレラを2丁抜いて浮いている顎に向けて連射。このゲーム、たまーにあるんだけど格闘ゲームのような浮きが状態が発生するんだよね。
「追撃の手緩めない!」
隣にいたアホに発破を掛け、向こうが連射している間にアデレラの装填を済ませる。で、こっちが攻撃を始めたらアホが装填する。うむ、よくわかってるな。やっぱり基本は出来るんだよな、こいつ。
あいんつに関してはある程度好きにさせた方が良いので、隣で銃撃と銃を投げさせている。うーん、やっぱり袖から大量に出るのは客観的に見ると中々に不思議な光景だ。
「ああー、銃ちょうだい、銃!」
「あいんつ、投げてやれ」
「はいよー」
股潜りを成功して後ろに回ったももえが新しいマガジンを使おうとしたが弾切れ、すぐさまあいんつがくるりと回転して遠心力を付けてハンドガンを投げると、ブーメランのように曲がり、キメラの後ろに回り込んだももえにヒット、やっぱポンコツだわ。
「うーん結構ちゃんと投げたはずなんだけど……」
「キャッチミスしただけでしょう!」
「ポンコツだからな」
くつくつと笑いながらアデレラの予備マガジンを使い切ったのでPウサ銃に切り替えて連射。かちあげからの前後での射撃攻撃に手……いや、足か。それも出ずにヒットストップ食らって呻きながら徐々にダメージが増えていく。
「そろそろ、くたばれ!」
5度撃ちでの追撃をかますと共にクリップが弾き飛ぶ。
体勢を崩され、前後で挟みうち、絶え間ない射撃攻撃に耐えられるわけもなくそのままポリゴン状に消失していくのを眺めながら一息。インベントリから煙草……はないんだったな。
「やっぱボスはイイね……煙草は?」
「吸い過ぎで切らしてな」
「しょうがないなあ」
何て事言ったらももえの奴が煙草を取り出して私に手渡してくるので、早速咥えて火を付けて一服。すぱーっと紫煙を燻らせながらその場に座って、銃弾をまとめて取り出して渡す準備。
「それにしても案外手応えの無い奴だったきーがするんけど」
「まー、確かに……案外あっさりだったな」
「キメラ何匹もいるからねー、そのせいじゃない?」
ぽろっと零したももえの一言で私を含めた3人がぴたりと手を止める。
確かに中途半端な強さだったけど、これが複数いるってマジか。まさかのエリア全体ボスエリア、レイドボス複数いますってタイプか?
「それはもうちょっと早く言って欲しいわ」
煙草の先をぴこぴこと唇で器用に揺らしながらどう立ち回るかを考える。
出来る事ならもう1人やっぱり増やして山狩りするのが良いか……まあ、森なんだけど。
「……とりあえずももえ、このエリアは一緒に来てもらうぞ」
インベントリから出した銃弾アイテムのデータを目の前に出すtお、それにすぐさま飛びついてくるので、ぱっと上にそれを持ち上げてじっと見つめる。こういうポンコツはしっかりと躾をしてやらんといかん。
「もー、ボスは心配性なんだから……分かってるって」
「どうせ配信してるんだ、それが証拠にもなろうよ」
その通りで、と言った感じでえへへーっと笑うのを少しばかり眉間に皺を寄せてみるが、元々こんなやつだったな。
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