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16章
403話 足りない
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『前!』
『ああ!』
そう言うと共に、一歩踏み込んで前転し攻撃を回避、攻撃隙をこっちが受け持って銃撃でダメージを稼ぐ。ようやく形になってきたというか、あんなにも狂犬のくせに、こっちがちゃんと指示してやったらしっかり動くもんだから、一気に扱いやすくなった。やっぱりがつがつ前に出るよりは人を使った戦場コントロールの方が向いてるわ。
『良し、いい子だな』
『子供扱いしてんじゃ、ねえ!』
リボルバーの連射音をさせると共に咆哮が来るので2人揃って弾き飛ばされる。何度か食らっているが、この攻撃のダメージは殆どないので、距離を取らせたり、一旦の仕切り直しと言った感じだ。ただ、そんなに頻繁に使って来ないし、何だったらその場で横に高速回転する回転斬りの方が脅威度は高い。
『距離を保てば飛びかかりと爪、突進からの薙ぎ払いが速くてきついって所か』
『どっちにしろ撃ちまくって倒すしかねえだろうが!』
『ま、そうだな……さっき立てたタワーシールドの所まで引くから、そこの少し前で戦えるか?』
『誰に言ってんだよ!』
減らず口は相変わらずだがリボルバーを軽やかに装填し、射撃をしつつ距離を測り、しっかりボス狼の攻撃を見極めようとしている。言う事聞くし、言われた事は意識してやろうとするし、無理してキャラ作ってるんじゃないのか、あいつ。
まあ、それは良いとして、少し前線から下がって障害物として設置しておいたタワーシールドの所に、ダンジョンから抜ける時に使ったガトリングを取り出してシールドの上部にがちゃがちゃと固定。
『さーて、そろそろ終わりにしようや』
ボス狼の攻撃をどうにかこうにか捌き、避けているシャールに合図を出して、ガトリングの射線上に誘導してもらう。こういうやりたい事を把握して何かしら行動に移せる奴ってのはよく見てる証拠だ。いまのうちに囲んでおいて、障害にならない様に取りこんどくか。
『おい、さっさと撃て!』
『分かってるって』
ボスの攻撃を銃で受け、そのまま横に吹っ飛ばされているのを見ながら、射線が開いたのでハンドルを回して射撃開始。断続的に銃声が響き、狼に向けて弾幕を張っていく。ああー、この撃ちまくれるのはガトリングならではだよなあ……やばいくらい脳汁出るわ、これ。
『何で持って撃たねえんだよ!』
『重くて持てないのよ』
ヒットストップシステムって優秀だよね、当たるたびにびくびく動いて攻撃の初動を潰せているから、弾切れまでは持つとは思うが。
『サンダース、アオメ!まだか!』
『アオメさん、先に行ってください、ここは自分が!』
『分かりましたアカメさんの方に行きます』
そんな事を言っていたらカチカチと弾切れの音がするのでさっさとその場を離れる。その瞬間にお馴染みの飛ぶ斬撃がタワーシールドとガトリングを吹っ飛ばしていく。やっぱり斬撃出来る武器や攻撃って何かしらの遠距離攻撃を持たせているみたいだ。威力はそこまでだけど、吹き飛ばしの方メインなのか?そう思ってたら連打で2連で飛ばしてくるので、前足で2回って事か。
流石に2撃目の飛んでくる攻撃は避けきれないので忍者刀は……間に合わないので、アデレラを抜いて斬撃と自分の間にねじ込んで少しでもダメージを減らすが吹き飛ばされてごろごろと毎度のごとく転がっていく。
『あー、いて、剣士とガンナー装備別々だった頃思い出す』
『それ、別ゲーですよね』
『回復入れるまで援護宜しく』
転がりぐったり動けない状態の所を横を走り抜け、ARでボスに向けて撃ちながらひきつけを開始するアオメ、その反対側から回復しなおしたシャールがこっちに向けてポーションを投げてから、ボスに向けて接近戦を始める。
『良い動きしてるわ、ほんと』
銃声、咆哮、たまに聞こえる喧嘩の声をBGMにしつつ投げられたポーションを使い回復を入れるが、吹っ飛ばされたおかげで骨折している。この状態異常、ポーション飲んでも治るまでに時間掛かるんだよな。吹き飛ばし系の攻撃って衝撃もそうだけど地面との激突ダメージもあるのすっかり忘れてたよ。
「大丈夫ですか!」
「まあ、なんとかなあ」
動けない私の近くにサンダースが来ると、中型の狼を迎撃。動けない状態でボスから距離を取ったからターゲットされたか。それにしても近くでSMGとか撃ってほしくないな。私の体に思いっきり空薬莢当たりまくってるし。もうちょっと配慮ってもんをだな……。
「勝てると思うか?」
「そうですね、あの二人ならいけるかと!」
情報屋なだけあって人を見る目があるわ。
確かに突っ込み過ぎるシャール、しっかり中衛の仕事が出来るアオメで、性格があまりにも噛み合っていないが、互いに言い合いしてる相手が強いってのも分かってるから大丈夫だろう。
『仕掛けますから、合わせてください』
『ああ!?てめえが合わせろや!』
相変わらず元気に喧嘩してるから大丈夫だな。
「……やっぱり駄目だな、私」
「何か言いましたか!」
撃ち切ったマガジンを入れ替えている下で、状態異常も治ったので立ち上がり、煙草を咥えて火を付けると共に、近づいてきた中型狼にアデレラを1発かまして撃退。
クランもやめて、1人であれこれ作って、銃操作を覚えたりなんだりしたってのに、詰めが甘い。最後まで避けきってしっかり戦うなら戦うって事を出来ないのは、情けなさすぎる。
「よし、片付けましたよ!」
「……行くぞ、まだ終わってない」
「はい!」
突き刺しておいたPウサ銃を銃操作で手元に引き寄せつつ、ボスに撃ちまくっている2人にサンダースと一緒に合流するために駆け出す。
何か新しい事や、決め手になるような事をやっぱり見つけないと駄目だ。銃操作や忍者刀、色々と出来るようになったのは事実だが、あくまでも今まで足りなかった事を補う為に覚えたりしたわけだが、こんな事じゃ何一つダメだ。もっと研ぎ澄まして、持てる手を使ってあいつを確実に葬るような動きや、他のガンナーと違う、何かを見つけないと。
「……大丈夫ですか?」
「ああ、まずはあいつだ」
そろそろあいつにも引導を渡してやらないと。
『ああ!』
そう言うと共に、一歩踏み込んで前転し攻撃を回避、攻撃隙をこっちが受け持って銃撃でダメージを稼ぐ。ようやく形になってきたというか、あんなにも狂犬のくせに、こっちがちゃんと指示してやったらしっかり動くもんだから、一気に扱いやすくなった。やっぱりがつがつ前に出るよりは人を使った戦場コントロールの方が向いてるわ。
『良し、いい子だな』
『子供扱いしてんじゃ、ねえ!』
リボルバーの連射音をさせると共に咆哮が来るので2人揃って弾き飛ばされる。何度か食らっているが、この攻撃のダメージは殆どないので、距離を取らせたり、一旦の仕切り直しと言った感じだ。ただ、そんなに頻繁に使って来ないし、何だったらその場で横に高速回転する回転斬りの方が脅威度は高い。
『距離を保てば飛びかかりと爪、突進からの薙ぎ払いが速くてきついって所か』
『どっちにしろ撃ちまくって倒すしかねえだろうが!』
『ま、そうだな……さっき立てたタワーシールドの所まで引くから、そこの少し前で戦えるか?』
『誰に言ってんだよ!』
減らず口は相変わらずだがリボルバーを軽やかに装填し、射撃をしつつ距離を測り、しっかりボス狼の攻撃を見極めようとしている。言う事聞くし、言われた事は意識してやろうとするし、無理してキャラ作ってるんじゃないのか、あいつ。
まあ、それは良いとして、少し前線から下がって障害物として設置しておいたタワーシールドの所に、ダンジョンから抜ける時に使ったガトリングを取り出してシールドの上部にがちゃがちゃと固定。
『さーて、そろそろ終わりにしようや』
ボス狼の攻撃をどうにかこうにか捌き、避けているシャールに合図を出して、ガトリングの射線上に誘導してもらう。こういうやりたい事を把握して何かしら行動に移せる奴ってのはよく見てる証拠だ。いまのうちに囲んでおいて、障害にならない様に取りこんどくか。
『おい、さっさと撃て!』
『分かってるって』
ボスの攻撃を銃で受け、そのまま横に吹っ飛ばされているのを見ながら、射線が開いたのでハンドルを回して射撃開始。断続的に銃声が響き、狼に向けて弾幕を張っていく。ああー、この撃ちまくれるのはガトリングならではだよなあ……やばいくらい脳汁出るわ、これ。
『何で持って撃たねえんだよ!』
『重くて持てないのよ』
ヒットストップシステムって優秀だよね、当たるたびにびくびく動いて攻撃の初動を潰せているから、弾切れまでは持つとは思うが。
『サンダース、アオメ!まだか!』
『アオメさん、先に行ってください、ここは自分が!』
『分かりましたアカメさんの方に行きます』
そんな事を言っていたらカチカチと弾切れの音がするのでさっさとその場を離れる。その瞬間にお馴染みの飛ぶ斬撃がタワーシールドとガトリングを吹っ飛ばしていく。やっぱり斬撃出来る武器や攻撃って何かしらの遠距離攻撃を持たせているみたいだ。威力はそこまでだけど、吹き飛ばしの方メインなのか?そう思ってたら連打で2連で飛ばしてくるので、前足で2回って事か。
流石に2撃目の飛んでくる攻撃は避けきれないので忍者刀は……間に合わないので、アデレラを抜いて斬撃と自分の間にねじ込んで少しでもダメージを減らすが吹き飛ばされてごろごろと毎度のごとく転がっていく。
『あー、いて、剣士とガンナー装備別々だった頃思い出す』
『それ、別ゲーですよね』
『回復入れるまで援護宜しく』
転がりぐったり動けない状態の所を横を走り抜け、ARでボスに向けて撃ちながらひきつけを開始するアオメ、その反対側から回復しなおしたシャールがこっちに向けてポーションを投げてから、ボスに向けて接近戦を始める。
『良い動きしてるわ、ほんと』
銃声、咆哮、たまに聞こえる喧嘩の声をBGMにしつつ投げられたポーションを使い回復を入れるが、吹っ飛ばされたおかげで骨折している。この状態異常、ポーション飲んでも治るまでに時間掛かるんだよな。吹き飛ばし系の攻撃って衝撃もそうだけど地面との激突ダメージもあるのすっかり忘れてたよ。
「大丈夫ですか!」
「まあ、なんとかなあ」
動けない私の近くにサンダースが来ると、中型の狼を迎撃。動けない状態でボスから距離を取ったからターゲットされたか。それにしても近くでSMGとか撃ってほしくないな。私の体に思いっきり空薬莢当たりまくってるし。もうちょっと配慮ってもんをだな……。
「勝てると思うか?」
「そうですね、あの二人ならいけるかと!」
情報屋なだけあって人を見る目があるわ。
確かに突っ込み過ぎるシャール、しっかり中衛の仕事が出来るアオメで、性格があまりにも噛み合っていないが、互いに言い合いしてる相手が強いってのも分かってるから大丈夫だろう。
『仕掛けますから、合わせてください』
『ああ!?てめえが合わせろや!』
相変わらず元気に喧嘩してるから大丈夫だな。
「……やっぱり駄目だな、私」
「何か言いましたか!」
撃ち切ったマガジンを入れ替えている下で、状態異常も治ったので立ち上がり、煙草を咥えて火を付けると共に、近づいてきた中型狼にアデレラを1発かまして撃退。
クランもやめて、1人であれこれ作って、銃操作を覚えたりなんだりしたってのに、詰めが甘い。最後まで避けきってしっかり戦うなら戦うって事を出来ないのは、情けなさすぎる。
「よし、片付けましたよ!」
「……行くぞ、まだ終わってない」
「はい!」
突き刺しておいたPウサ銃を銃操作で手元に引き寄せつつ、ボスに撃ちまくっている2人にサンダースと一緒に合流するために駆け出す。
何か新しい事や、決め手になるような事をやっぱり見つけないと駄目だ。銃操作や忍者刀、色々と出来るようになったのは事実だが、あくまでも今まで足りなかった事を補う為に覚えたりしたわけだが、こんな事じゃ何一つダメだ。もっと研ぎ澄まして、持てる手を使ってあいつを確実に葬るような動きや、他のガンナーと違う、何かを見つけないと。
「……大丈夫ですか?」
「ああ、まずはあいつだ」
そろそろあいつにも引導を渡してやらないと。
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