最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

文字の大きさ
422 / 625
16章

392話 世界は広い

しおりを挟む
 あーだこーだと考えていたらそこら中から発砲音が響き、そこそこの距離からモンスターを倒し始める。そんな事はと言う様に、高所に1人でいるのもあるし、戦闘も開始したからスキンケア券使って容姿を変えておく。ウルフカットの赤髪にして、宇宙猫Tを着て置いたら私だって分からんだろうよ。

「おー、やってるやってる」

 迫りくるモンスター群にそこら中から銃声が響き、えらい勢いで処理されていくのを眺めながらこのイベントの立ち回り方を考える。拠点を防衛するというのは大前提として多分段階的に敵の強さが上がっていくと思う。タワーディフェンス然りウェーブ系の防衛物って大体そうだからって理由なので、その法則で言えば序盤は小手調べだろうよ。

「それにしても結構面白い物使ってるのが多いな、後で聞いてみるか」

 射撃系の職なら高所取るのは基本だけど、普通に低所で撃ちまくってる。まあ、横並びで撃ちまくるってのも制圧射撃としては優秀だけど、装填する時にもたつくと手薄な所が突破されやすいんだよな、あれ。
 隙を無くして断続的にってなると三段撃ちかな、あれも本当はあんなんじゃなかったとか言われてたけど、そんな事はどうでも良くて、使えるか使えないかって所が大事だよな。

 そんな平撃ちしている連中の中に、長物にスコープ付けているのだったり、やけに遠距離射撃で当てているのが居たり、私いつも使ってる装填よりも手早く弾を入れ直しているのと、見た事も無いスキルらしきものやアタッチメントを付けているのがいる。
 やっぱりこういう時じゃないと他のガンナーってよく見ないんだよな。近場で見てたガンナーって、トカゲ、ポンコツだけだったし、その他で言えばパチモン、ポニテ、カウボーイだけってのを考えると私の交友関係狭すぎるな。

「そりゃまあ、私以外にもガンナーがいるんだし、当たり前か」

 いつも通り煙草を取り出し、咥えると共に火を付けて戦況を確認。特に私が攻撃参加しなくても良さそうだし、初回はどんなものかを見る事に徹しよう。で、ついでにあの珍しいアタッチメントだったりスキルの話をそれとなく聞いて、これから取得するかどうかを考えるかな。
 やっぱ不遇でめんどくさい上に安定させるまでの難度が高いだけあって、今もガンナーをやり続けているのって頭おかしい連中だよな。その難度の高くて面倒くさい事をやり続けてきた生粋の変態共って事か……ちょっと面白い。

「流石に火力だけ見ればゲーム最強クラスだから、制圧射撃するとまあーみるみる倒せていくわ」

 とりあえず小手調べと言う様に出てきたモンスター群はあっと言う間に制圧されていく。数もそこそこだったし、運営の感じを読むってのは好きじゃないけど「こういうイベントだよ」って軽めのジャブを打ち込んできたってとこだな。

「ふーむ、定期的にやって来るモンスターを倒しつつ、それ以外でも出張って倒す……なんて簡単なイベントだったら2日もやらねえよな」

 お、下にいるガンナー、レバーアクションライフル持ってる。いいなあ、あれ……じゃこじゃこ動かすだけでも楽しいし、スピンコックは憧れるんだけど、実用性はないんだよな。ショートバレルにしてレバー部分を改良で回転をスムーズにして……ああ、こういう弄り方をするってのも面白いのか。
 
「さてと、とりあえず斥候に出て何処からポップしてくるかチェックするのと、転移が可能なのか、リスポン地点を見て、ああその前に砦の中を見ないとか」

 情報っての武器だから、ここでどこまでやれるかがポイントか。とりあえず砦内の施設なり構造も確認しないと駄目か。あー、確認とか調べない事いっぱいあって大変だなあー。
 そうして、これからの事を考えていたら1回目の襲撃が終わったのか襲撃が終わり、一息付けれたのか自分の砦からの銃声が鳴り止む。遠くの方ではまだ音が響いてるので別の砦はまだやっているみたいだ。
 流石に戦力集中って事はないだろうから、全体的にある程度均一にしているとは思うんだけど、使っている得物によっては交戦距離も変わるだろうし、処理速度もまちまちってのが原因か。

「1砦200人くらいか?結構いるな」

 高台から降りて砦内部を歩き回り、大体の人数をチェック。それぞれが撃ち切ったマガジンに弾を込めて次の戦闘に備えているのや、音頭を取ってチームを組み始めている。
 
「とりあえず全員協力しよう!ここで仲違いしても仕方がないぞ!」

 おー、血気盛んだなあ……でもまあ言ってる事は悪くない、協力すれば良い所に行くし、全体的なランクも上がっていくだろうし?それに低レベルから高レベルまでいるから、まとまって行動するってのもいい作戦だ。
 
「そうね、ここでバラバラに動いても仕方がないし、協調しましょう?」
「何が使えるか話し合って動き方を決めた方が良いんじゃないか!」
「銃種で纏まってバランス良く配置ってのはどうだ?」

 凄いなあ、ああやって大人数で相談するって……私だったら私の理想の動きをさせるために死ぬほど人を使って無茶ぶりしまくるから、あんなことできんわ。なんだったら持ってる銃なんて関係ないからモンスターをぶちのめせって言うよ。そうやって盛り上がっている所をするっと抜けて砦の外に。
 
「とりあえず次の襲撃までは時間があるだろうし、隣の砦とモンスターの湧いてきた方を見に行くか」

 襲撃の間隔は全部一緒だろうから、まだ猶予はあると思うし、今の内に集められる情報なりは手早く揃えておきたい。

「んじゃー、まあ、走るとしますか……」

 えっほえっほと走り始める。
 砦同士の間隔がそこそこあるからさっさと行かないと大変だろうしな。




「っと、到着」

 特にモンスターも出ず、ただただそれなりな距離を走って来るだけで隣の砦に到着。
 中に入る事は……余裕で出来る、構造も一緒、特に変わった事も無いので配置くらいか?浅いとはいえ「W」の谷部分だから人数が少ない?

「……なんか人数少ないと思うんだけど、どうしたの?」

 手頃にその辺にいた奴に声を掛けてみる。

「ん?ああ、さっきの襲撃が終わってから砦の先にもう1つ陣を張ろうって言いだしたのがいたんだよ、それに同調したのが出ていったからだよ」
「何であんた達は残ったの?」
「低~中レベルや生産メインなんだ、俺もガンスミスであんまり戦闘はな」

 はっはっはと楽しそうに笑うのを見て少し呆れながらも小さく笑みを返す。

「なるほどねえ……撃ち漏らしや援護メインを後ろにしたって事か」
「そういう事よ、で、あんたはどうするんだ?」
「そーねー……前の前まで行く予定かな」
「前の前?」
「そ、前の前」

 結構砦ごとに戦略を変えているのは面白いな。私が割り振られた所はとりあえず全員揃って砦で迎撃って形だし、こっちは前衛と後衛をきっちり分けての戦い方とは。それにしてもやっぱ人を集めて何か出来る奴って結構いるんだな。日本人ってそういうタイプ少ないってのに。

「ふーむ?まあ、何にせよ気を付けてな」
「はいはい、あんがとね」

 手をぷらぷらと振ってその砦を後にし、煙草を咥えて少し考える。
 もう1つくらい他の砦を調べてから拠点がどういうものかを見てから、モンスターの進行ルートを調べるって感じで行くか。

「あー、これから忙しいぞー」

 ギザ歯をにぃーっと見せる笑みを浮かべつつ、拠点に向かってまた走り出す。
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...