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15章

376話 闘技強烈大武会

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「こんにちは、全国50万ユーザーの皆様!待ちに待った闘技強烈大武会が今日開催されます!実況は情報クラン『障子にメアリー』から私、口から生まれたと言われるアリア!そして解説は運営GMのエルさんが担当致します!」
「はい、宜しくお願いします」
「しかしなぜ自分が抜擢されたのかがわかりません!多分ノリでしょう!」

 ぱーんぱぱーんと花火のような物が闘技場の上で爆ぜる。闘技場での専用イベントなのだが、月1の大きい大会になる。形式はバトロワから始まり、人数が絞れた所でトーナメント、更に人数を絞ったファイナリストでトーナメントを行って優勝者を決める。
 
「と、こんな感じの日程ですが、運営GMとしては注目の選手はおりますか!」
「贔屓と言われるのでそういう事は普段は言えないのですが……こういうイベントは敢えて運営側ではなく、1人のプレイヤーとして答えましょう」
「おお、これで処罰されても私は関係ないですからね!」
「普段対人戦をしない方もイベントのお祭り騒ぎで参加するので、普段の闘技場のランクは意味が無いので、データを見る限りの話にもなるというのも付け加えておきます」
「初戦のバトロワじゃプレイヤー数が多いですからね!こっちから振っておいてなんですが、ファイナリストが揃うまでのお楽しみとしましょう!」

 特設の解説席で喋りたい事を喋りまくり、振っておいてやっぱやめるとやりたい放題やっている放送をBGMの様に扱いながら、バトロワ参加者たちが声を揃えて『やりたい放題うるせえ』と文句を言いながら各々が準備を進めて、それぞれのフィールドに。流石に参加者全員でごちゃ混ぜにやると大変なので、それぞれ一定人数ごとに集められその中の上位がトーナメント進出と言った流れになる。

「さあ、始まりました、まずは予選のバトルロワイヤルです!実力のある人を狙い結託して潰すのか、それともひたすらに倒しまくるのか、戦略が分かれる所ですね!」
「そうですね、予選と言うのもありますが勝ち上がると言うならばルールの範囲内でやり切った方が良いでしょう」
「ほほう、例えばどんな事でしょうか!」
「裏切りや不意打ちは勿論の事、漁夫の利も大事ですね、逆に隠密系のスキルがあるのならずっと隠れて手の内を隠すというのもありかな、と」
「運営とは思えない程に外道な戦い方がぽこぽこ出てきました!ああ、それと流石に人数も人数なのでバトロワの実況に関してはやめておこうと思います!」



 雑な実況と運営のわりにそこまで言っていいのかと言う解説を交えながらあっと言う間にバトロワの勝者が次のステージに行き、トーナメントの進出者が決まっていく。
 
「さあバトロワもあっという間に終わっていきますね!何かやったんですか!?」
「今回のバトロワは人数を分散させたのもありマップを狭くしています、なので必然的に時短にかつ戦闘が起こりやすくしていますね」
「全員ぶちこんで殴り合いはやめたんですね!賢明です!」
「イベント期間が短いので暫定的な処置です、この辺りの人数やマッチの調整は随時していきたいと思っています」
「ちゃんと運営してるってのは良い運営!それにしても今回の闘技大会ですが、運営から見てレベルは高いんですか!?」
「サービス開始2か月ほどですが、概ね運営の想定しているレベルなのでこうなるとは予想していますね」
「ほうほう、なるほど!」

 実況は分かって喋ってんのかと、言われているがそんな事も知らずにスケジュールは順調に消化され、あっという間に最後のトーナメント、20人が選出される。

「さあ、ようやくファイナリストが出揃いました!此処まで来るのがクッソ長くて退屈でしたが、ようやく本番ですね!」
「人数が多いので仕方がないので、この辺りも次回以降改善しようと思います」
「はい!期待しておきましょう!それでは選手紹介です!」




「全てにおいて紳士的、突破できるか最高の防御力、誰が呼んだかあだ名は犬紳士!ガウェイン!」
「V極型の騎士職ですね、いかに高HP防御を突破できるかが鍵でしょう」

「何でも出来るが何にもできない!ミスター平凡、山田太郎!」
「均等振りでスキルも満遍なくですね、何でも使えるというのは刺さる人が多いかもしれません」

「火魔法の使い手、辺り一面燃やしまわり、付いた名前が炎上女王!本人は至って普通のルクル!」
「2属性兼用が多いですが1属性に特化はあまり見ないタイプですね、炎上効果には気を付けたい所です」

「速さとは強さ、強さとは速さ!誰も私に追いつけない!バトルジャンキー、マイカ!」
「好きにさせてしまうと厄介だろうと予想されますね、いかに捉える事が出来るかがポイントになるかと」

「武器と防具は装備しないと効果が出ないぜ!RPGの基本を教えてくれる、村人A!」
「普通の剣士タイプのようですが、隠し玉がありそうですね」

「闘技場ランク1位のランカーがここに来て登場!力こそパワー!ドワイト!」
「パワータイプの戦士職ですね、矛盾対決が期待されます」

「こちらも闘技場ランカー、戦う生産者!デカいは浪漫!鍛冶クランマスター、カコル!」
「自力で素材を取りに行く生産系プレイヤーは多いので、どこまで戦えるかが注目ですね」

「赤い眼光、一撃必殺の銃撃が火を噴くのか!絶滅危惧種ガンナー、アカメ!」
「どういう戦闘スタイルのガンナーなのか、そこが攻略のポイントですね」

「古のMMOから弄り倒されたネタネームが参戦!聖天使癒猫!」
「ヒーラーのようでガチ前衛と言うのが面白いですね」

「全ての魔法を使いたい!属性相性?知ったこっちゃねえ!賢者ベスタ!」
「4属性に派生魔法、相手をする人は下手な立ち回りでは苦戦するでしょう」

「遠距離攻撃は俺に任せろ、狙い撃つぜ!アーチャー、ビッグアップル!」
「いかに接近戦に持ち込めるかが戦うコツでしょう」

「闘技場ランカーがまたしても登場!お手製ガトリングでハチの巣を量産するか、バイパー!」
「ガンナーの技術発展は運営の想定よりもペースが早いのでどんなものが飛び出すか楽しみです」

「やる時はやるぞ、今日の配信はポンコツとは言わせない!ももえ!」
「ガンカタ使いの珍しいタイプのガンナーですね、遠近両用で立ち回れるのが強みでしょう」

「朝から晩まで喋りっぱなし、口も煩きゃ動きも煩い!忍者一二三四五六七八九〇!」
「より戦闘向けなのが特徴ですね、何処まで忍術を使うかが気になるところです」

「出るか必殺の一撃!全てを貫き穿つ槍使い、グングニル!」
「突き一本の特化型ですね、受けるのはかなり危険じゃないかと」

「最初から最後まで遊び通す!ふざけているのに実力派!遊び人、盛り蕎麦!」
「トリッキータイプですね、自分のペースを崩されると非常に厄介かな、と」

「1+1は2?そんな常識は現実だけで良い!魔法付与師、マリオン!」
「自己バフでの強化タイプですか、長期戦よりも短期戦で決着をつけたい所ですね」

「卑怯とは言わせない!これが俺の戦い方だ!テイマー、鬼畜眼鏡!」
「相手に合わせて出せるモンスターを変えられるのは強みですが、プレイヤー狙いをどうするかがポイントですね」

「使える魔法はただ一つ、肉体言語!マッスル武田!」
「純粋な格闘職ですね、立って良し寝て良しの総合格闘タイプのようです」

「最後も闘技場ランカー、特殊魔法マニア!普通の魔法には興味なし!フォーゼ!
「派生魔法縛りとは、また珍しい事をしていますね……流石に条件等含めてあまり言えませんがなかなか面白いですよ」



「さあ、選手紹介も終わった所で、最後のトーナメントの開催です!実況は引き続き私アリアと」
「解説は運営GMのエルでお送りいたします」
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