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14章
350話 別れは唐突に
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「独立しようと思います!」
「おう、分かった」
いつもの射撃場で銃をばしばし撃っている間にポンコツから一声掛かる。
で、まあ、そこまで悩んで返事をするわけでも無いので軽く返事をして撃ち切った薬莢をじゃらじゃらと落として新しい銃弾を詰め直す。
「え、あれ、いいの?」
「なんだ、止めてほしかったのか」
ふいーっと大きく息を吐き出して使っていた銃を机の上に置いて葉巻を取り出すと共に火を付けて、机にもたれかかる。
「んー、まあ、分かっていたけど、あっさりだなぁって」
「クランを変えても関係性まで壊れる訳ではないだろう?いつか私のクランだって誰も居なくなるかもしれんしな」
葉巻の煙を射撃場に漂わせながらしばしの沈黙。ポンコツが「いや」とか「まあ」なんて言いながらいまいちパッとしない顔をしてこっちをちらちら見つつ、私の様子を伺い続ける。まあそれはさておきという様に葉巻の紫煙を大きく吐き出す。
「どうしたいわけ?引き留めてほしい?それとも思いっきり別れさせて欲しいのか?」
「そういうわけじゃないけど、もうちょっとなんかあるかなーって」
やっぱり不満げな顔でうーんうーんと唸っているポンコツを見てから、また大きくため息と共に紫煙を吐いて、インベントリを開く。
「まあ、自分の力で何かをやろうってのは良い事だよ」
センターヘッドを取り出してからポンコツに投げ渡す。投げ渡されたのをバタバタと落としそうになっているのをくつくつと笑い、落ち着くまで暫く待つ。
「やるよ、それを使いこなせるくらいに強くなったら戻ってくれって頭下げてやる」
「……それって使いこなせないって思てるって事じゃ」
「何の事やら」
葉巻を咥え直してから、置いてあった銃を手に取り、また射撃場の的に構えて的当てを再開する。
「もぉー、見てろよー!ボスがこの時に『やっぱ引き留めておけば良かった』って思わせてやるからあ!」
「出来るもんならやってみ、待ってるから」
「お世話になりましたぁー!」
しっかりCHを持ったまま、ぷりぷりと怒ったように射撃場を後にし、強めに扉を閉める。
退出したのを見て一旦構えを解いてから、大きく紫煙を吸い、思いっきり吐き出す。
「頑張れよ、ももえ」
にぃーっとギザ歯を見せるくつくつとした笑みを浮かべつつ、暫く射撃場で時間を潰す。
ポンコツが抜けてから少し経った後、いつもの様にクランハウスの2Fでやる事を考えているとメッセージが飛んでくる。基本的に自分の事を知っている奴なら、直接連絡を取ってくるから珍しいと思っていたら、運営からの次回イベントとそれに付随してのアップデート内容だ。
ここの運営ってソシャゲかってくらいに短めのイベント期間と頻度を提供してくれるのはなかなか悪くない。それにイベント参加できなくてもそこまで大きい問題も起こらないし、古参と新規が掛けた時間の差はあれど、追いつけないって事も無いのは本当に良い所。最近は課金ですぐに強くなって、大したプレイスキルも無いのに足引っ張りまくて地獄絵図なんてゲームも結構見てきたので、そこは信用できる。
「して、イベント内容はっと……」
ざっくりと読み確認、数日後にイベント開始、それが終われば少し大きめのアップデートが入って、人口増加とマップ関係にテコ入れがまた入るらしい。
「まあログインしているのが全員同一サーバーに詰め込まれてるんだから、人口が増えた分、広くしたりなんだりはあるか」
何だかんだでゲームをやるための環境に金がかかるし、ちょっとハードルが高いゲームだから、一気に100万ユーザー同時ログイン!何て事はないだろうから徐々にかな。
「ユーザーが増えてもうちのクランは出ていくのが多いからなあ」
なんだったら髭親父の奴も酒造クランに出向いているから、クラン所属って状態じゃない。一応三姉妹に許可したプレイヤーだけは自動でクランに再加入できるようにはしているが。
「結構出入り多いのよねえ」
クランの出入りしたのも三姉妹にメッセージを送ってもらっているが、全体的に出入りが多い。髭親父、金髪エルフ、猫耳、トカゲ、この辺はちょいちょい出ていってそれぞれの生産クランにいったりきたりしているし、バトルジャンキーと紫髪も別のクランに呼ばれて出たり入ったり。
「いつか私一人だけになったりして」
葉巻を揺らしつつ、新しい銃を取り出して磨いていると隣にはシオンがしっかりと待機して此方を見てくる。こう考えると1人になっていてもこうしてNPCがいるし、別にクランで縛る必要も無いから問題なさそうだ。
「と、言っても今クランハウスを解体したら突っ込んだ金がもったいないから引退するまではないなあ」
灰皿、という様に葉巻を持って少し横に出すと、シオンが灰皿で葉巻の灰を受け止める。
「アカメ様がいなくなりますと、私達も居なくなってしまいますので」
「分かってる分かってる、そう心配するなって」
葉巻の火を消して、立ち上がってからシオンの頭をわしゃわしゃと撫でてから共有ボックスから銃弾を取り出してガンベルトに詰め、今日のレアメタル採掘に向かう。
トカゲの奴にも教えて定期的にとりには行っているのだが、採れる数が少ないし、安定供給するためにはログインしてFWSのクールタイムが終わったタイミングで向かう様にしている。もうちょっと楽な所で手に入ればいいのだが、今の所はないので楽に突破出来る時に突破してひたすら採掘し、飽きたら帰って、合金作って試作してを繰り返している。
「そのうち合金繊維おり込んだスーツでも作らせるかな」
とりあえずいつもの日課をしながら、開始されるっていうイベントまで下準備を進めないと。
「おう、分かった」
いつもの射撃場で銃をばしばし撃っている間にポンコツから一声掛かる。
で、まあ、そこまで悩んで返事をするわけでも無いので軽く返事をして撃ち切った薬莢をじゃらじゃらと落として新しい銃弾を詰め直す。
「え、あれ、いいの?」
「なんだ、止めてほしかったのか」
ふいーっと大きく息を吐き出して使っていた銃を机の上に置いて葉巻を取り出すと共に火を付けて、机にもたれかかる。
「んー、まあ、分かっていたけど、あっさりだなぁって」
「クランを変えても関係性まで壊れる訳ではないだろう?いつか私のクランだって誰も居なくなるかもしれんしな」
葉巻の煙を射撃場に漂わせながらしばしの沈黙。ポンコツが「いや」とか「まあ」なんて言いながらいまいちパッとしない顔をしてこっちをちらちら見つつ、私の様子を伺い続ける。まあそれはさておきという様に葉巻の紫煙を大きく吐き出す。
「どうしたいわけ?引き留めてほしい?それとも思いっきり別れさせて欲しいのか?」
「そういうわけじゃないけど、もうちょっとなんかあるかなーって」
やっぱり不満げな顔でうーんうーんと唸っているポンコツを見てから、また大きくため息と共に紫煙を吐いて、インベントリを開く。
「まあ、自分の力で何かをやろうってのは良い事だよ」
センターヘッドを取り出してからポンコツに投げ渡す。投げ渡されたのをバタバタと落としそうになっているのをくつくつと笑い、落ち着くまで暫く待つ。
「やるよ、それを使いこなせるくらいに強くなったら戻ってくれって頭下げてやる」
「……それって使いこなせないって思てるって事じゃ」
「何の事やら」
葉巻を咥え直してから、置いてあった銃を手に取り、また射撃場の的に構えて的当てを再開する。
「もぉー、見てろよー!ボスがこの時に『やっぱ引き留めておけば良かった』って思わせてやるからあ!」
「出来るもんならやってみ、待ってるから」
「お世話になりましたぁー!」
しっかりCHを持ったまま、ぷりぷりと怒ったように射撃場を後にし、強めに扉を閉める。
退出したのを見て一旦構えを解いてから、大きく紫煙を吸い、思いっきり吐き出す。
「頑張れよ、ももえ」
にぃーっとギザ歯を見せるくつくつとした笑みを浮かべつつ、暫く射撃場で時間を潰す。
ポンコツが抜けてから少し経った後、いつもの様にクランハウスの2Fでやる事を考えているとメッセージが飛んでくる。基本的に自分の事を知っている奴なら、直接連絡を取ってくるから珍しいと思っていたら、運営からの次回イベントとそれに付随してのアップデート内容だ。
ここの運営ってソシャゲかってくらいに短めのイベント期間と頻度を提供してくれるのはなかなか悪くない。それにイベント参加できなくてもそこまで大きい問題も起こらないし、古参と新規が掛けた時間の差はあれど、追いつけないって事も無いのは本当に良い所。最近は課金ですぐに強くなって、大したプレイスキルも無いのに足引っ張りまくて地獄絵図なんてゲームも結構見てきたので、そこは信用できる。
「して、イベント内容はっと……」
ざっくりと読み確認、数日後にイベント開始、それが終われば少し大きめのアップデートが入って、人口増加とマップ関係にテコ入れがまた入るらしい。
「まあログインしているのが全員同一サーバーに詰め込まれてるんだから、人口が増えた分、広くしたりなんだりはあるか」
何だかんだでゲームをやるための環境に金がかかるし、ちょっとハードルが高いゲームだから、一気に100万ユーザー同時ログイン!何て事はないだろうから徐々にかな。
「ユーザーが増えてもうちのクランは出ていくのが多いからなあ」
なんだったら髭親父の奴も酒造クランに出向いているから、クラン所属って状態じゃない。一応三姉妹に許可したプレイヤーだけは自動でクランに再加入できるようにはしているが。
「結構出入り多いのよねえ」
クランの出入りしたのも三姉妹にメッセージを送ってもらっているが、全体的に出入りが多い。髭親父、金髪エルフ、猫耳、トカゲ、この辺はちょいちょい出ていってそれぞれの生産クランにいったりきたりしているし、バトルジャンキーと紫髪も別のクランに呼ばれて出たり入ったり。
「いつか私一人だけになったりして」
葉巻を揺らしつつ、新しい銃を取り出して磨いていると隣にはシオンがしっかりと待機して此方を見てくる。こう考えると1人になっていてもこうしてNPCがいるし、別にクランで縛る必要も無いから問題なさそうだ。
「と、言っても今クランハウスを解体したら突っ込んだ金がもったいないから引退するまではないなあ」
灰皿、という様に葉巻を持って少し横に出すと、シオンが灰皿で葉巻の灰を受け止める。
「アカメ様がいなくなりますと、私達も居なくなってしまいますので」
「分かってる分かってる、そう心配するなって」
葉巻の火を消して、立ち上がってからシオンの頭をわしゃわしゃと撫でてから共有ボックスから銃弾を取り出してガンベルトに詰め、今日のレアメタル採掘に向かう。
トカゲの奴にも教えて定期的にとりには行っているのだが、採れる数が少ないし、安定供給するためにはログインしてFWSのクールタイムが終わったタイミングで向かう様にしている。もうちょっと楽な所で手に入ればいいのだが、今の所はないので楽に突破出来る時に突破してひたすら採掘し、飽きたら帰って、合金作って試作してを繰り返している。
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