327 / 622
11章
303話 やる気の出る事
しおりを挟む
確かにしっかりと状態異常耐性が付いているのは確かだけど、それでも魔法防御に関してはそこまで高いと言う訳ではないの普通にがんがん魔法ダメージは通ってくる。
吸い切った葉巻をぷっと吐き捨てながら、木の裏に隠れて相手の様子を見つつ、CHの排莢をしてすぐに弾を装填して一息入れる。
何度か撃ち合い、殴り合いをしている上で改めて仕様を把握する事が出来たのも大きい所。まあ、私の持っている物で言えば、ファイアエンチャントになるわけだけど、これの仕様はあくまでも付与するって魔法になるわけだから、無属性から火属性に切り替わるのではなく、無属性+火属性になるので、置き換えじゃなくてあくまでも追加効果扱いになる。
だから属性の付いていない攻撃に対して耐性の持っている死霊にはエンチャント分のダメージしか入らない、属性武器に関しては元々が無属性じゃなく何かしらの属性がベースにあるから、がんがん殴ってもダメージが出るからそういう相手に対して強いって事だ。
そういえば忘れてたけど幽霊退治のスキル、あまりにも効果が微妙過ぎると言うか、記念スキルみたいな物なので効果が大して実感できる程じゃないので除外。
で、此処までやってきた結論としてLv40近い相手に対してとにかく低威力の魔法を連打するって力業が一番有効になる。貫通弾だったり、特殊な弾頭を開発する前にしっかりとした属性弾を作る事の方が急務になってきたわ、これ。
『ねえトカゲ、前に貫通弾作ったけど、属性系の弾って出来たっけか』
『属性付与の出来る素材が希少で量産が出来ないから頓挫してるって言ったろ』
『あー、そういやそうだった……だから魔法に手出したんだったわ』
がっつり望み薄な要素だったから忘れていたわ、そんな事。もうちょっと詳しくどう覚えていったらいいかメカクレの奴に聞いておけばよかった。いや、聞いたけど回数こなせって話にしかならなかったっけか。
『ポンコツは属性必須の時どうしてん』
『ん、あー、そんときは火炎瓶投げてるかな、あれ火属性扱いだから』
『……そりゃそうか』
完全に頭からすっぽ抜けてたわ、確かに火がついて炎上するわけだから有効打になりうるのか。やっぱりうちの酒造は全部武器に変換しよう、そうしよう。
『属性絡みはきついよねぇ、弱くてもあった方が便利だしぃ』
『攻撃職が4属性揃えるのは基本よ、おねーさん』
うるさいぞ、バトルジャンキー組。そんな事分かってるから一応の手段で魔法を4種揃えたんだっての。全く……と、思っていたら隠れていた木が吹っ飛ぶ。死霊の魔法攻撃、結構連打されていたか。
『武器を用意できる他職と比べるなっての』
次の木に走り出しつつ、辺りを索敵。余計な敵がいないのを一度確認してから木の裏に隠れ、MPポーションで回復を入れてから指で銃の形を作ると共にファイアボールと。指向性を持たせて詠唱さえすれば発射されるって事だし、CH含めて銃を構えて銃口向けた状態ならそこから発射されたりするんかな。色々あれこれ手を出しているけど、結局やっていないって事も多いし、気が付かない事がまだまだあるもんだ。
で、撃ちだしたファイアボールは火の軌跡を描きながらまともに炸裂。叫び声なのか鳴き声なのか分からない、ハウリングの様な音が発されると反射的に耳を押さえてしまう。うーん、派手に当たったわりにはダメージが低い。やっぱり魔法弾を覚えたとしてもその攻撃計算の方法がInt依存だったら意味がないか。そうなってくるとボマーと炎上効果でダメージの出せる火炎瓶の方がよっぽど有効的だな、こりゃ。
「火炎瓶、炎上、爆発……グレネードランチャーでも作って焼夷弾、爆破弾あたり出来れば属性相手も立ち回れそうだな……アタッチメント開発の前にそっち作らせりゃ良かった」
出来るかどうか分からないが、試してみる価値はありそうだ。
……と、言いたい所なのだが、今はこの死霊を倒さなきゃならんって話。
「何だけど、もうこうなったらノーガード殴り合いでやった方が手っ取り早いわ」
もう、こうなったら簡単だよ、ひたすらファイアボールを撃ちまくり、魔法攻撃を貰ってダメージを受けてきたらポーションで回復、打ち合いを繰り返してとにかくごり押し。
ぶっちゃけもうなりふり構わないと言うか、倒せばギルドクエストは完了するわけだから、あれこれ考えるより先にさくっと倒してギルドレベル上げて、クラン資金の使い込みしてやるんだ。
「雑魚相手にも辛勝ばっかりだなあ……」
折角状態異常耐性も上げてるので呪詛ばっかりぶっぱしてくれたほうが楽なのでそこは御祈りしつつ、そりゃもう泥仕合で撃ち合い。周囲に他のモンスターもプレイヤーも居なくて本当に良かった。
「こんなゲームに必死になってどうしたのって言われそう」
手持ちのポーションは無くなるわ、MREはもう1つ食べる羽目になるわ、倒してぐったりした所で蛇に襲われて死にかけて、必死こいて逃げて戻ってくる事になるわでいつも通り。デスペナ貰った所で痛くはないと言えば痛くないのだが、それはそれで負けた気分になるので無し。
そういや帰還アイテムってのも売っていたっけか。アイテム欄ももう一度しっかり見直してみるのもいいかな。ポーションを全部使い切ったし、そろそろ中級ポーションに手を出すか。
『うちの地下にある酒、火炎瓶にしてもいい?』
『駄目だ、今回のはいい出来だからあまり使いこみしたくない』
しょうがないなあ……だとしたら露店にいた酒造クランの奴を問い詰めるとしよう。
ついでにクラン資金引き出して露店の商品買い占めちまおうっと。クラン資金は私の財布と直結しているからいくら使おうが誰にも文句は言わせねえ。文句を言って良いのは秘書連中だけよ。
してこのゲーム、いちいち先の街にもいかなくても、そこまで到達したって実績があればエルスタンでも購入できるのはとってもいい。中級のHPとMPポーション、ついでに初めて目にする帰還アイテムを購入。これで回復頻度と必死こいて逃げる必要も無くなるから良し。
そうして必要な物を買い揃えてから露店に向かい、MREの礼と酒造クランが経営している所へ。
「もうちょっと食べやすくしてくれたら売れると思うんだけど、何でやんねーの?」
「趣味と実益は別の話だからな、して、どうだった?」
「味さえ目を瞑れば1個数万でも売れるくらいには強力、あとMREって事隠すってのも大事だけど」
「なるほど」
「狙い撃ちで耐性上げられるならいらんけど、そういう準備をするの大変だって身に染みたからなあ……うちのクランで一山当てない?」
「あまり興味が無いから、気が向いたらでいいか」
趣味だけでやっている相手にはあんまり無理強い出来ないな。高額で売り付けて一儲けしてやろうと思ったのに、流石にダメか。
「じゃあ、気が向いたらよろしくー」
手をぷらぷらと振って、その場を後に。次は酒造クランでやっているであろう露店だな。
大体この手の露店ってよっぽどの事が無い限りは自分の気に入った所で開いているんだが、その例に漏れず、この間と同じ位置だったのであっさり見つけて早速物色。
「あ、いらっしゃい」
早速と言う様にメニューを開いて在庫と個数を確認。
料理と違って酒はポーションと同じ個数制限があるってのは盲点だったけど、とりあえず上から下まで……購入する前に聞いておくか。
「たしか酒造クランだったっけ?」
「趣味の集まりですけど、それが何か」
「あんたの所で商品にもならないアルコール品ってないかな、こういうバフ掛かったりするような物じゃなくてさ」
「あー、いっぱいありますけど、欲しいんですか?」
「大量にあると嬉しいなあー」
ふむ、と軽く考えこんでからちょっと待っててと言われるので暫く葉巻を揺らしながら周りの露店も物色。ぷらぷら何かあるかと歩き回っていたら声を掛けられる、どうやら話がついたみたいだ。
「味が悪いから出したくないとは言ってますけど、其れでも良ければ」
「んじゃ、此処に20万あるからその分今取って来てくんない?」
「……人使いが荒い!」
先払いで20万Zの硬貨データを渡してから近くのベンチに座って一息。さっさと取りに行けと軽く睨んでやるとばたついて動き始めるので、それを見てうんうん頷く。
さて、後はガンナーギルドのレベルを上げていって、銃器を揃えて……。
『To The World Roadをプレイ中の皆様にご連絡を致します。
本日オーラモンスターの討伐数が一定数を超えたので襲撃イベントを開始します。
概要は公式インフォメーションに詳細を記載していますが
一定期間の間、第一~第四の街へランダムでオーラモンスターが襲撃してきます。
それを各自防衛をしていただく形になります。
全体の防衛成功数、討伐モンスターの数により報酬が変わりますので奮ってご参加ください』
「イベント、みたいですね」
「先に進むほど強いモンスターなんだろうけど、雑魚で数を稼ぐことできんのかなぁ」
「どうですかね……はい、これ」
20万Z分の酒を受け取り、目の前で錬金窯を出すとどばどばとそこに酒を開けていって、容赦なく蒸留してアルコール生産。そういや地味にスキル2枠の必須アイテムがいらなくなったってのも良いアプデ、相変わらず良い道具に関しては装備しなきゃいけないってのはあるが、ゲームのしやすさを追求している運営は良い運営。
「あ、定期的に酒もってきてくんない?」
「え、もう全部使ったんですか!?」
「うちクランってアルコールの消費量がロシア人より多いからな」
葉巻の紫煙を大きく吸い、吐き出してにんまり笑うと共に、出来上がったアルコールをインベントリに放り込んでいく。
「いやぁ、イベント楽しみだなあ」
肝心の武器の新調はまだできていないんだけど、何度かの襲撃でコツを掴んだらでいいかもしれんな。
『お知らせいたします。
第一の街エルスタンにてオーラモンスターの襲撃が予測されています。
襲撃予定時間は告知からゲーム内時間2時間後になります』
「早くないですかね、これ」
「そうねぇ……忙しくなるわよ」
どうしようどうしようって感じで狼狽えているのを葉巻を揺らしながら楽しみ、ぐいーっと伸び一つ。
まだ全然準備は出来てないけど、準備しながら終了に合わせて仕上げていけばいいか。
「見切り発車はいつもの事だし、ま、いつも通りだな」
紫煙を吐きだしながらにぃっと口角を上げて街の外側の方へと視線を向ける。
吸い切った葉巻をぷっと吐き捨てながら、木の裏に隠れて相手の様子を見つつ、CHの排莢をしてすぐに弾を装填して一息入れる。
何度か撃ち合い、殴り合いをしている上で改めて仕様を把握する事が出来たのも大きい所。まあ、私の持っている物で言えば、ファイアエンチャントになるわけだけど、これの仕様はあくまでも付与するって魔法になるわけだから、無属性から火属性に切り替わるのではなく、無属性+火属性になるので、置き換えじゃなくてあくまでも追加効果扱いになる。
だから属性の付いていない攻撃に対して耐性の持っている死霊にはエンチャント分のダメージしか入らない、属性武器に関しては元々が無属性じゃなく何かしらの属性がベースにあるから、がんがん殴ってもダメージが出るからそういう相手に対して強いって事だ。
そういえば忘れてたけど幽霊退治のスキル、あまりにも効果が微妙過ぎると言うか、記念スキルみたいな物なので効果が大して実感できる程じゃないので除外。
で、此処までやってきた結論としてLv40近い相手に対してとにかく低威力の魔法を連打するって力業が一番有効になる。貫通弾だったり、特殊な弾頭を開発する前にしっかりとした属性弾を作る事の方が急務になってきたわ、これ。
『ねえトカゲ、前に貫通弾作ったけど、属性系の弾って出来たっけか』
『属性付与の出来る素材が希少で量産が出来ないから頓挫してるって言ったろ』
『あー、そういやそうだった……だから魔法に手出したんだったわ』
がっつり望み薄な要素だったから忘れていたわ、そんな事。もうちょっと詳しくどう覚えていったらいいかメカクレの奴に聞いておけばよかった。いや、聞いたけど回数こなせって話にしかならなかったっけか。
『ポンコツは属性必須の時どうしてん』
『ん、あー、そんときは火炎瓶投げてるかな、あれ火属性扱いだから』
『……そりゃそうか』
完全に頭からすっぽ抜けてたわ、確かに火がついて炎上するわけだから有効打になりうるのか。やっぱりうちの酒造は全部武器に変換しよう、そうしよう。
『属性絡みはきついよねぇ、弱くてもあった方が便利だしぃ』
『攻撃職が4属性揃えるのは基本よ、おねーさん』
うるさいぞ、バトルジャンキー組。そんな事分かってるから一応の手段で魔法を4種揃えたんだっての。全く……と、思っていたら隠れていた木が吹っ飛ぶ。死霊の魔法攻撃、結構連打されていたか。
『武器を用意できる他職と比べるなっての』
次の木に走り出しつつ、辺りを索敵。余計な敵がいないのを一度確認してから木の裏に隠れ、MPポーションで回復を入れてから指で銃の形を作ると共にファイアボールと。指向性を持たせて詠唱さえすれば発射されるって事だし、CH含めて銃を構えて銃口向けた状態ならそこから発射されたりするんかな。色々あれこれ手を出しているけど、結局やっていないって事も多いし、気が付かない事がまだまだあるもんだ。
で、撃ちだしたファイアボールは火の軌跡を描きながらまともに炸裂。叫び声なのか鳴き声なのか分からない、ハウリングの様な音が発されると反射的に耳を押さえてしまう。うーん、派手に当たったわりにはダメージが低い。やっぱり魔法弾を覚えたとしてもその攻撃計算の方法がInt依存だったら意味がないか。そうなってくるとボマーと炎上効果でダメージの出せる火炎瓶の方がよっぽど有効的だな、こりゃ。
「火炎瓶、炎上、爆発……グレネードランチャーでも作って焼夷弾、爆破弾あたり出来れば属性相手も立ち回れそうだな……アタッチメント開発の前にそっち作らせりゃ良かった」
出来るかどうか分からないが、試してみる価値はありそうだ。
……と、言いたい所なのだが、今はこの死霊を倒さなきゃならんって話。
「何だけど、もうこうなったらノーガード殴り合いでやった方が手っ取り早いわ」
もう、こうなったら簡単だよ、ひたすらファイアボールを撃ちまくり、魔法攻撃を貰ってダメージを受けてきたらポーションで回復、打ち合いを繰り返してとにかくごり押し。
ぶっちゃけもうなりふり構わないと言うか、倒せばギルドクエストは完了するわけだから、あれこれ考えるより先にさくっと倒してギルドレベル上げて、クラン資金の使い込みしてやるんだ。
「雑魚相手にも辛勝ばっかりだなあ……」
折角状態異常耐性も上げてるので呪詛ばっかりぶっぱしてくれたほうが楽なのでそこは御祈りしつつ、そりゃもう泥仕合で撃ち合い。周囲に他のモンスターもプレイヤーも居なくて本当に良かった。
「こんなゲームに必死になってどうしたのって言われそう」
手持ちのポーションは無くなるわ、MREはもう1つ食べる羽目になるわ、倒してぐったりした所で蛇に襲われて死にかけて、必死こいて逃げて戻ってくる事になるわでいつも通り。デスペナ貰った所で痛くはないと言えば痛くないのだが、それはそれで負けた気分になるので無し。
そういや帰還アイテムってのも売っていたっけか。アイテム欄ももう一度しっかり見直してみるのもいいかな。ポーションを全部使い切ったし、そろそろ中級ポーションに手を出すか。
『うちの地下にある酒、火炎瓶にしてもいい?』
『駄目だ、今回のはいい出来だからあまり使いこみしたくない』
しょうがないなあ……だとしたら露店にいた酒造クランの奴を問い詰めるとしよう。
ついでにクラン資金引き出して露店の商品買い占めちまおうっと。クラン資金は私の財布と直結しているからいくら使おうが誰にも文句は言わせねえ。文句を言って良いのは秘書連中だけよ。
してこのゲーム、いちいち先の街にもいかなくても、そこまで到達したって実績があればエルスタンでも購入できるのはとってもいい。中級のHPとMPポーション、ついでに初めて目にする帰還アイテムを購入。これで回復頻度と必死こいて逃げる必要も無くなるから良し。
そうして必要な物を買い揃えてから露店に向かい、MREの礼と酒造クランが経営している所へ。
「もうちょっと食べやすくしてくれたら売れると思うんだけど、何でやんねーの?」
「趣味と実益は別の話だからな、して、どうだった?」
「味さえ目を瞑れば1個数万でも売れるくらいには強力、あとMREって事隠すってのも大事だけど」
「なるほど」
「狙い撃ちで耐性上げられるならいらんけど、そういう準備をするの大変だって身に染みたからなあ……うちのクランで一山当てない?」
「あまり興味が無いから、気が向いたらでいいか」
趣味だけでやっている相手にはあんまり無理強い出来ないな。高額で売り付けて一儲けしてやろうと思ったのに、流石にダメか。
「じゃあ、気が向いたらよろしくー」
手をぷらぷらと振って、その場を後に。次は酒造クランでやっているであろう露店だな。
大体この手の露店ってよっぽどの事が無い限りは自分の気に入った所で開いているんだが、その例に漏れず、この間と同じ位置だったのであっさり見つけて早速物色。
「あ、いらっしゃい」
早速と言う様にメニューを開いて在庫と個数を確認。
料理と違って酒はポーションと同じ個数制限があるってのは盲点だったけど、とりあえず上から下まで……購入する前に聞いておくか。
「たしか酒造クランだったっけ?」
「趣味の集まりですけど、それが何か」
「あんたの所で商品にもならないアルコール品ってないかな、こういうバフ掛かったりするような物じゃなくてさ」
「あー、いっぱいありますけど、欲しいんですか?」
「大量にあると嬉しいなあー」
ふむ、と軽く考えこんでからちょっと待っててと言われるので暫く葉巻を揺らしながら周りの露店も物色。ぷらぷら何かあるかと歩き回っていたら声を掛けられる、どうやら話がついたみたいだ。
「味が悪いから出したくないとは言ってますけど、其れでも良ければ」
「んじゃ、此処に20万あるからその分今取って来てくんない?」
「……人使いが荒い!」
先払いで20万Zの硬貨データを渡してから近くのベンチに座って一息。さっさと取りに行けと軽く睨んでやるとばたついて動き始めるので、それを見てうんうん頷く。
さて、後はガンナーギルドのレベルを上げていって、銃器を揃えて……。
『To The World Roadをプレイ中の皆様にご連絡を致します。
本日オーラモンスターの討伐数が一定数を超えたので襲撃イベントを開始します。
概要は公式インフォメーションに詳細を記載していますが
一定期間の間、第一~第四の街へランダムでオーラモンスターが襲撃してきます。
それを各自防衛をしていただく形になります。
全体の防衛成功数、討伐モンスターの数により報酬が変わりますので奮ってご参加ください』
「イベント、みたいですね」
「先に進むほど強いモンスターなんだろうけど、雑魚で数を稼ぐことできんのかなぁ」
「どうですかね……はい、これ」
20万Z分の酒を受け取り、目の前で錬金窯を出すとどばどばとそこに酒を開けていって、容赦なく蒸留してアルコール生産。そういや地味にスキル2枠の必須アイテムがいらなくなったってのも良いアプデ、相変わらず良い道具に関しては装備しなきゃいけないってのはあるが、ゲームのしやすさを追求している運営は良い運営。
「あ、定期的に酒もってきてくんない?」
「え、もう全部使ったんですか!?」
「うちクランってアルコールの消費量がロシア人より多いからな」
葉巻の紫煙を大きく吸い、吐き出してにんまり笑うと共に、出来上がったアルコールをインベントリに放り込んでいく。
「いやぁ、イベント楽しみだなあ」
肝心の武器の新調はまだできていないんだけど、何度かの襲撃でコツを掴んだらでいいかもしれんな。
『お知らせいたします。
第一の街エルスタンにてオーラモンスターの襲撃が予測されています。
襲撃予定時間は告知からゲーム内時間2時間後になります』
「早くないですかね、これ」
「そうねぇ……忙しくなるわよ」
どうしようどうしようって感じで狼狽えているのを葉巻を揺らしながら楽しみ、ぐいーっと伸び一つ。
まだ全然準備は出来てないけど、準備しながら終了に合わせて仕上げていけばいいか。
「見切り発車はいつもの事だし、ま、いつも通りだな」
紫煙を吐きだしながらにぃっと口角を上げて街の外側の方へと視線を向ける。
10
お気に入りに追加
908
あなたにおすすめの小説
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
僕の召喚獣がおかしい ~呼び出したのは超上級召喚獣? 異端の召喚師ルークの困惑
つちねこ
ファンタジー
この世界では、十四歳になると自らが呼び出した召喚獣の影響で魔法が使えるようになる。
とはいっても、誰でも使えるわけではない。魔法学園に入学して学園で管理された魔方陣を使わなければならないからだ。
そして、それなりに裕福な生まれの者でなければ魔法学園に通うことすらできない。
魔法は契約した召喚獣を通じて使用できるようになるため、強い召喚獣を呼び出し、無事に契約を結んだ者こそが、エリートであり優秀者と呼ばれる。
もちろん、下級召喚獣と契約したからといって強くなれないわけではない。
召喚主と召喚獣の信頼関係、経験値の積み重ねによりレベルを上げていき、上位の召喚獣へと進化させることも可能だからだ。
しかしながら、この物語は弱い召喚獣を強くしていく成り上がりストーリーではない。
一般よりも少し裕福な商人の次男坊ルーク・エルフェンが、何故かヤバい召喚獣を呼び出してしまったことによるドタバタコメディーであり、また仲間と共に成長していくストーリーでもある。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる