203 / 623
6章
190話 優秀な人材×2
しおりを挟む
「何でメイドロボにしたんだ」
「んー?趣味もあるけど、それよりもロボって所がポイントでしょ」
いつも通り自宅……ではなくクランハウスの1Fでトカゲの奴とガンナーの二次職のすり合わせ中。
ガンスミスだから銃は貰えなかったらしいのだが、代わりに手に入れたのがリローディングマシンってどういう事なんだろうか。
「あんたが貰った物も合わせて考えていくと、やっぱり機械工学が存在していると思うのよ」
「その根拠が俺が貰ったアイテムと、メイドロボって事か」
正解、と言う様に指をさしてにぃっと笑う。
種族からしてこういうのがいるって事は何かしらの機械が存在していると思うんだけど、説明書きにも有った通り、NPCが何かしらのスキルをくれたり、ヒントをくれたりと言う事は一切ない。
って言うかプレイヤーに対して有利になる事をNPCがぽこぽこ教えてくれるとか、導いてくれるってそれはもう介護よ。
「作り直しが基本出来ないゲームで初期選択で出てこないロボ種族がいるってのがやっぱり気になったのよね」
「キャラの作り直しは課金アイテムだったな」
「で、流石に気になったから作り直しアイテムの課金してみたんだけど、やっぱ選択肢にロボ系の種族はないんだよねえ」
ちなみにキャラ作り直しアイテム1つで500円、無駄にはなっていないが、結局使ってもいないのでただのお布施になったが収穫はあった。
他にも課金アイテムとして、重ね着が出来るようになるもの、武器スキンだったりと、どちらかと言えば容姿関係が課金アイテムだった。
この辺は国内のゲームじゃあんまりやらない手法だな、どちらかと言えばMOBA系や、キャラ自体が固定しているゲームで見られる物だ。
「だからクエストでアンロックする特殊な物だと思うのよね、すっごい単純に考えてだけどそれだけじゃ、労力として弱いから、おのずと機械工学もあるんじゃないかなーって」
「ゲーム進行度に合わせてのアンロックで容易に作り直しが出来ないって問題は」
「機械工学はスキルだろうからどの職業でも良いとして、キャラ作り直しの方はその種族アンロックの時に課金アイテムが1つくらい配布される気はするわ、折角アンロックしたのに課金しろってのは不親切っしょ」
まあキャラの作り直し云々は良いとして、その種族アンロックがされるかどうかがポイントなのよ。
「ゼイテから8方向に進めるってのを考えると、基本4方向以外の所に何かしらの村や町、アンロック要素が隠されているって事だと思うのよ」
「真っすぐ進んでアンロックしていってくれている前線組は助かるけど、寄り道しないと分からん所が多いのは確かだな」
「とにかく、機械工学があれば銃器開発の道もさらに開けると思うわけだし、ちょっとした確認も含めてあのメイドロボにしたわけ」
そのメイドロボはと言うと、相変わらずクランハウスの入口でぴしっと立ったままで辺りを眺めたりしている。
10万も払ったのに何もさせてないって随分と勿体ない使い方しているわ、現状じゃ思いっきり金持ちの道楽って感じ。
「あの猫耳に商品棚と看板作ってくれって頼んだけど、まだ暫く掛かるみたいだし、暫くは店として使えないわ」
「口は悪いが腕はいいな、あいつ」
「その口が悪いせいでどこも引き取れなかったってのがまた面白ポイントなのよ」
そりゃそうだな、と、お互いでくすくすと笑う。
俺様職人で拘りが強すぎる上に自信過剰、ついでに言えばちょっとめんどくさいって言うんだから、どこも引き取ってくれるわけないわな。勿論うちは実力主義だから誘ったしな。
「まあ、腕はいいから結構仕事あるみたいだし、いいんじゃないかしらねえ」
「あのメイドロボが受付してくれるとかはないのか」
「その発想はなかった。多分やってくれるんじゃないかな……サイオン」
声を掛けると入口で待機していたサイオンが此方の方にすたすたと歩いてくる。
机と椅子くらい持って来ればよかったな。
「お呼びですか、マスター」
「個人依頼の受付をあんたが代行してできない?」
「はい、可能です。代行をしたいプレイヤーが私にどういう物かを指定していただく形になります」
「優秀だったわ、うちのサイオンちゃん」
軽く会釈をして私の傍で待機し続ける。
物凄い高度なAIが搭載されているって訳ではないけど、NPCとして命令できることが多いと言う感じかな。
「あんた、マニュアルみたいな物は無いの?」
「はい、メニュー画面のヘルプを参照していただくか、冒険者ギルドで説明を受ける事が可能です」
「個人的に欲しくなる優秀さだ」
「流石に10万払って無能だと運営に文句の1つや2つ言いたくなるしな」
優秀と言われたのを恐縮ですと返事をしてから会釈してまた待機状態に。
うむ、出しゃばらないNPCって素敵だな。
「して、何で此処に呼んだんだ」
「ああ、そうそう、その理由言うの忘れてたわ……前に入れてくれって言われたピンク髪なんだけど、そいつに呼ばれたのよね」
「それが俺と何の関係があるんだ」
「そのピンク髪にうちのクラン入るための条件として銃弾を作って見せろって言ったんだけど、どうやら目処が立ったみたいでね、ガンナーのあんたを呼んだのよ」
なるほどと言った感じに頷き、クランハウスの1Fゆったりと待つのだが……。
流石に立ちっぱなしってのは良くない気がしてきた、寛げるスペースも確保しないといけないわ、これ。
あー、何だろう、コンビニ作ったり、遊園地作ったり、そういった経営シミュレーション的にあれこれ考え始めてきた。
そうして暫くトカゲと一緒にサイオンのマニュアルを見たり、性能を確かめていると、大きく扉を開けてくるのが1人。
ピンク髪が特徴の普通のヒューマンが私ら3人を眺めてから目の前に歩いてくる。
「銃弾できたよ!」
「じゃ、見せて貰おうかしらね」
「確かにそれは俺も見ておくべき案件だな」
ガンナー2人でそのピンク髪が銃弾を作る様を眺め、しっかりと出来ているのを確認すると共に、後ろでその様子を見ていたサイオンが両手を胸の前で合わせてパチパチと拍手している。
うんうん、うちのメイドロボは可愛い奴だ。
『うちのクランで初めての志願者が来たわよ』
『ガンナー配信者のももえでーす!』
『頭悪そうだけど、一応私の言った事はクリアしてるから馬鹿じゃないわよ』
『また変な奴が増えたな』
『変な奴ってぇ?』
『全員ってとこじゃな』
『それはまあ、違いないわねぇ、仲良くすんのよ、あんた達』
何だったら変人しかいないな、うちのクラン。
「んー?趣味もあるけど、それよりもロボって所がポイントでしょ」
いつも通り自宅……ではなくクランハウスの1Fでトカゲの奴とガンナーの二次職のすり合わせ中。
ガンスミスだから銃は貰えなかったらしいのだが、代わりに手に入れたのがリローディングマシンってどういう事なんだろうか。
「あんたが貰った物も合わせて考えていくと、やっぱり機械工学が存在していると思うのよ」
「その根拠が俺が貰ったアイテムと、メイドロボって事か」
正解、と言う様に指をさしてにぃっと笑う。
種族からしてこういうのがいるって事は何かしらの機械が存在していると思うんだけど、説明書きにも有った通り、NPCが何かしらのスキルをくれたり、ヒントをくれたりと言う事は一切ない。
って言うかプレイヤーに対して有利になる事をNPCがぽこぽこ教えてくれるとか、導いてくれるってそれはもう介護よ。
「作り直しが基本出来ないゲームで初期選択で出てこないロボ種族がいるってのがやっぱり気になったのよね」
「キャラの作り直しは課金アイテムだったな」
「で、流石に気になったから作り直しアイテムの課金してみたんだけど、やっぱ選択肢にロボ系の種族はないんだよねえ」
ちなみにキャラ作り直しアイテム1つで500円、無駄にはなっていないが、結局使ってもいないのでただのお布施になったが収穫はあった。
他にも課金アイテムとして、重ね着が出来るようになるもの、武器スキンだったりと、どちらかと言えば容姿関係が課金アイテムだった。
この辺は国内のゲームじゃあんまりやらない手法だな、どちらかと言えばMOBA系や、キャラ自体が固定しているゲームで見られる物だ。
「だからクエストでアンロックする特殊な物だと思うのよね、すっごい単純に考えてだけどそれだけじゃ、労力として弱いから、おのずと機械工学もあるんじゃないかなーって」
「ゲーム進行度に合わせてのアンロックで容易に作り直しが出来ないって問題は」
「機械工学はスキルだろうからどの職業でも良いとして、キャラ作り直しの方はその種族アンロックの時に課金アイテムが1つくらい配布される気はするわ、折角アンロックしたのに課金しろってのは不親切っしょ」
まあキャラの作り直し云々は良いとして、その種族アンロックがされるかどうかがポイントなのよ。
「ゼイテから8方向に進めるってのを考えると、基本4方向以外の所に何かしらの村や町、アンロック要素が隠されているって事だと思うのよ」
「真っすぐ進んでアンロックしていってくれている前線組は助かるけど、寄り道しないと分からん所が多いのは確かだな」
「とにかく、機械工学があれば銃器開発の道もさらに開けると思うわけだし、ちょっとした確認も含めてあのメイドロボにしたわけ」
そのメイドロボはと言うと、相変わらずクランハウスの入口でぴしっと立ったままで辺りを眺めたりしている。
10万も払ったのに何もさせてないって随分と勿体ない使い方しているわ、現状じゃ思いっきり金持ちの道楽って感じ。
「あの猫耳に商品棚と看板作ってくれって頼んだけど、まだ暫く掛かるみたいだし、暫くは店として使えないわ」
「口は悪いが腕はいいな、あいつ」
「その口が悪いせいでどこも引き取れなかったってのがまた面白ポイントなのよ」
そりゃそうだな、と、お互いでくすくすと笑う。
俺様職人で拘りが強すぎる上に自信過剰、ついでに言えばちょっとめんどくさいって言うんだから、どこも引き取ってくれるわけないわな。勿論うちは実力主義だから誘ったしな。
「まあ、腕はいいから結構仕事あるみたいだし、いいんじゃないかしらねえ」
「あのメイドロボが受付してくれるとかはないのか」
「その発想はなかった。多分やってくれるんじゃないかな……サイオン」
声を掛けると入口で待機していたサイオンが此方の方にすたすたと歩いてくる。
机と椅子くらい持って来ればよかったな。
「お呼びですか、マスター」
「個人依頼の受付をあんたが代行してできない?」
「はい、可能です。代行をしたいプレイヤーが私にどういう物かを指定していただく形になります」
「優秀だったわ、うちのサイオンちゃん」
軽く会釈をして私の傍で待機し続ける。
物凄い高度なAIが搭載されているって訳ではないけど、NPCとして命令できることが多いと言う感じかな。
「あんた、マニュアルみたいな物は無いの?」
「はい、メニュー画面のヘルプを参照していただくか、冒険者ギルドで説明を受ける事が可能です」
「個人的に欲しくなる優秀さだ」
「流石に10万払って無能だと運営に文句の1つや2つ言いたくなるしな」
優秀と言われたのを恐縮ですと返事をしてから会釈してまた待機状態に。
うむ、出しゃばらないNPCって素敵だな。
「して、何で此処に呼んだんだ」
「ああ、そうそう、その理由言うの忘れてたわ……前に入れてくれって言われたピンク髪なんだけど、そいつに呼ばれたのよね」
「それが俺と何の関係があるんだ」
「そのピンク髪にうちのクラン入るための条件として銃弾を作って見せろって言ったんだけど、どうやら目処が立ったみたいでね、ガンナーのあんたを呼んだのよ」
なるほどと言った感じに頷き、クランハウスの1Fゆったりと待つのだが……。
流石に立ちっぱなしってのは良くない気がしてきた、寛げるスペースも確保しないといけないわ、これ。
あー、何だろう、コンビニ作ったり、遊園地作ったり、そういった経営シミュレーション的にあれこれ考え始めてきた。
そうして暫くトカゲと一緒にサイオンのマニュアルを見たり、性能を確かめていると、大きく扉を開けてくるのが1人。
ピンク髪が特徴の普通のヒューマンが私ら3人を眺めてから目の前に歩いてくる。
「銃弾できたよ!」
「じゃ、見せて貰おうかしらね」
「確かにそれは俺も見ておくべき案件だな」
ガンナー2人でそのピンク髪が銃弾を作る様を眺め、しっかりと出来ているのを確認すると共に、後ろでその様子を見ていたサイオンが両手を胸の前で合わせてパチパチと拍手している。
うんうん、うちのメイドロボは可愛い奴だ。
『うちのクランで初めての志願者が来たわよ』
『ガンナー配信者のももえでーす!』
『頭悪そうだけど、一応私の言った事はクリアしてるから馬鹿じゃないわよ』
『また変な奴が増えたな』
『変な奴ってぇ?』
『全員ってとこじゃな』
『それはまあ、違いないわねぇ、仲良くすんのよ、あんた達』
何だったら変人しかいないな、うちのクラン。
10
お気に入りに追加
965
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています


もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。

仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる