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6章

175話 ひりついた戦いよりも安定した戦い

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 銃声を響かせ、ポリゴン状になっていくモンスターを見つめながら一息ついて、すぐに走り出す。
 とにかく止まると余計な戦闘が入るし、さっさと移動して銃声で釣られたアクティブとかち合わない様に移動すると言うのが銃弾とHP、ついでにMPを節約する鍵となる。
 勿論その間に採掘ポイントの有無を確認しつつ、先に進んでいくって大変すぎじゃね。まあ、出来るっちゃ出来るけど、私の労力が高いわ。
 まあ、とりあえず北東エリア1-1を突破したうえで、あの火山にまで進められればもう少し展望が見えるのだが、そこまで突破するのにすげえガチよ。

 所謂環境適応モンスターってのが強敵揃いで中々苦戦を強いられている。戦っていて苦戦するけど勝てるってのは確かにゲームをする上では楽しいんだが、それが連戦ってなると普通に疲れるって。
 
 とにかく北東エリア1-1はコボルトとオークがとにかくいる。
 数が多く単体はそこまで強くないコボルトと数は少ないが一体が強いオークがエリアに満載してる上に各地点に拠点を置いて勢力争いの様な事をしている。
 さらにここでめんどくさいのが第三勢力にドレイク、またトカゲじゃねえかって思ったけど、中規模勢力のもろ火属性ですって感じの敵がうろちょろしてる。

 
北東エリア1-1
Lv25 レッドコボルト(剣)
Lv26 レッドコボルト(弓)
Lv28 ファイアドレイク
Lv30 オーク(赤)
Lv31 オーク(黒)


 双眼鏡って本当に便利だった、遮蔽物が岩くらいしかないのでそれに隠れながら辺りを確認しつつ、モンスターの生態を見ながら火山側に進んできたんだが、いつも通りだよ、いつも通り。
 余計な戦闘は控えつつ、迂回したり待ちをしたり、あー、こんな事やるなんて久々だよ。

「収穫0で帰るってのも癪なのよねぇ……えーっと、あそこの拠点はコボルトで……」

 別ゲームやってる感じだな。でもモンスター同士の勢力争いみたいな事って普通に考えたらあり得る話だし、要素として、そういう背景があるってのも面白いんだけど。今ここでは遭遇したくなかったと言うのが正直な話。

 そういう訳で、ちょっとした攻略と言うか、侵攻方法が、モンスターをモンスターに擦り付けると言う手法がメインになる。
 何度か死にかけて発見しただけあって、結構有用だったのは感動したよ。

 あと以前に会ったオークの時よりも私自身の防御力も上がっているので受け防御一発貰っただけで瀕死になる事はなくなったのだが、それでも一撃はかなり重い。2発確が3発確になったってくらいなんだけど。

 やっぱり鉄砲玉を誘って此処に連れてきた方が良かったんじゃないかな、だったらあいつ、尻尾振ってあのモンスターの拠点全滅させながら先に進めたかもしれん。

 とにかくこのマップの攻略方法もゆっくりだが進んできてるし、後はもう不意打ちさえ気を付けていれば、問題なしよ。

「って、思ったんだけどね」

 勢力争いをしているって事は、斥候の役割をしているモンスターもいるのだが、其れと合わせて第三勢力のドレイクが結構動き回っているので、其れの擦り付け的な事もしなきゃならないのだが、挟まれている状態であればガチらなければならない。

 ファイアドレイクって種族と言うかモンスター単体なのだが、まー、傍から見たらトカゲよりなトカゲ人間。うちのトカゲがここに来たら間違ってぶん殴るくらいには似ている。
 そういやちらっと聞いた話では魚顔の奴もどこかにいるらしい。

 って言うかそこそこのレベルの相手って武器を持ってるってるのがデフォになりつつあるな。曲刀というか、よく海賊映画とかで見る幅広の反りがある剣を振るってくるのがドレイクなのだが、盾も持ってるあたりやらしいわ。

 ぶんぶんと剣を振るってくるのは軽く後ろに下がって、避けながら捌きつつ、攻撃に合わせてカウンターで突き攻撃を繰り出すのだが、しっかり盾で防いでくる。
 やっぱり多少のごり押しして突破をするのは最初だけって事か。

 盾で弾かれた銃剣の攻撃を素早く引き戻して距離を取る為にバックステップをするのだが、それに合わせて火を吹く遠距離攻撃まで持っている。
 
 流石にその攻撃を返すことも受ける事も出来ないのでコートで視界が防がれないようにするだけで精いっぱい、魔法ダメージらしく受けるダメージも大きいので慌てるわ、これ。
 正直ぶつくさ言いながらゲームをしている時はまだ余裕があるのだが、現状ではかなり集中してるからそんな余裕すらない。
 この間見つけた炎上効果は流石に入らなかったが、其れでも結構厳しい相手よ。こんなのをガンガン倒せるレベルってどれくらいなんだろうか、それとも倒せるほどのスキルや装備が揃ってるって事になるんか。

 火吹き攻撃はとりあえず相手の足が止まり、剣と盾を構えずに横に持ってるだけなのでカウンターの銃撃。鳴き声を漏らしてその攻撃を受けると共に、また前進してこっちに剣を振り回しながら突っ込んでくる。
 
 このくらいの単調な攻撃ならいい、まだ受けられるから物凄い大きいダメージは貰わない、なんだったら切り返してのカウンター攻撃で少しずつでもダメージを与え、隙あらば銃撃をする。
 あんまり銃声を響かせての長期戦はヤバいから仕留めたいのだが、直撃ウサ銃の銃撃と数回の突き攻撃で沈まない辺りHPは100くらいは確実にあるな。

 やっぱり火山にいるとか、近くにいる敵って一段階強くなるのは定番なんだろうか。

 とにかくドレイクと何度か殴り合い、銃撃を交わし、ようやくマウントを取って突き刺している所にオークとコボルトが視界にちらっと見える。

 あ、やべ、これは死ぬわ。
 逃げ道の事考えるの忘れてたうえに、連戦で流石にガス欠が過ぎる。銃声問題も此処でさらに浮き彫りになってきたな。

「あー、クソ、覚えてろよ」

 片付けたドレイクの消滅を見つつ、飛んでくるオークの攻撃までは受け切れずにそのまま吹っ飛ばされ、視界が真っ白になる。




 そういえばこの間のイベントと違って普通に死んだらデスペナ食らうんだよな。

「久々に死んだわけだけど……やっぱ銃弾揃えて再突入するか」

 よし、今決めたわ、意地でもあの火山突破してやる。
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