131 / 623
4章
125話 金で時間は買える
しおりを挟む
ゼイテの街のまま、一旦自宅に戻って考える。
あの口の悪い猫耳団子に聞いた限りでは樽の質を3以上にすれば水圧に耐えられる物が出来るという。若干の眉唾な情報ではあるが、あそこまで大見得切って言っているわけだしな。
一応木工的にもプライドがあるみたいだし、嘘とかは言わないだろう。そこは信用できる。
どうでもいいような相手なら適当にあしらい、さらに合わせて雑な情報だったり説明をしてサクッと終らせる。
ただ、本気で知りたいとかやってみると言うのであればまた別の話になる。
私だってそういう本気の奴に適当に返すほど落ちぶれてはいない、もしもガンナーを私の様にガチでやりたいっていうなら何でも教えてやる気持ちはある。……そんな奴がいればの話になるんだが。
「で、それはそれとして樽をどうするかって所よね」
酒造するにあたって単純に調べたら樽ってだけで密閉容器なのであれば問題ないんじゃないか?
問題はその密閉容器って話になるんだが。
「木製品じゃないって言えば一斗缶とかドラム缶の金属系か、溶接は金属薬莢作る時にやった事あるけど、大きいのは試してないしなあ」
試してないから何とも言えない要素その1、鉄パイプですら底を潰すって苦肉の策で切り抜けたわけだし、出来る要素とイメージが全く沸かない。
鉄板を筒状にして、上下を蓋をするってだけの構造ってのは分かる、でもその筒にする時とか蓋をするとかどうすんだって話になる。
加工しやすいレベルの薄い鉄板を割らずにそれぞれを繋げる。
難易度を想像するだけで頭痛くなるわ、もう。
「やっぱ金属加工ってハードル高いわ、近代技術である銃器を使っている私が言うもんでもないけどさ」
まあ、その銃弾がないからただの鉄筒の状態になってる場合が多いんだけどなー。
それももうちょっとしたら解消されるし、その鉄筒から銃身として意味のある様にするためにも、樽と酒なんだし。
「何より、現実じゃ出来ない酒造をして売っても捕まらないってのがいいわよね、ゲーム最高」
アルコールさえ作れればいいとは最初思っていたが、作るんなら味にもこだわってみたいのが性分なんだからしょうがないね。それに忘れていると思うけど、私って一応料理スキルも持っている料理人だからね。
「で、まあ樽かあ……作り方が甘いから精度を上げる、材料を良くする、とかだけど……うーん、どうすりゃいいかな。オーク材があれば一応現実と同じように作れるはずだし」
予めメモしておいたデータを確認しながら一唸り。
雑木よりもいい材料使えばそれだけで質が上がるし、多分一番楽なのはこれだ。
もう面倒くさいから木工ギルドで材料直買いでいいや、プレイヤーズショップ……てか露店に行ったら木材くらい売ってるだろ。
「まあ、結局金なのよね」
自宅からゼイテに戻り、一旦ショップでジャガイモ200個売却、10,000Z也。
で、すぐさまエルスタンに戻ってから、先にジャガイモ苗50個また購入、4,000Zも残っていれば雑木よりいい木材くらいは買えるだろう。
雑木で角材1本、角材1本で板材5本。板材5本で丸材2枚。
つまり丸材2枚は角材1本だからとりあえず名前付きの木材10本を購入出来れば足りるだろ。
「頭の悪い計算してるわー」
こういう計算するのほんと苦手、金庫の金数えるのは好きだけど。
とりあえず露店の品揃えを確認しながら髭親父に連絡を入れる。
『あー、いる?』
『なんだ?』
『樽問題が解決しそうだから、例のブツを作ろうと思うのよね』
『ほお……では儂もそっちに戻るか、ゼイテか?』
『いや、エルスタン、露店ってこっちほうが品揃えあるから』
『わかった、そっちに行く』
『着いたら教えて、私の自宅に入れるわ』
これで樽が完成すれば、仕込んで終わりだな。
うむ、終わりが見えてきたぞ。
さくっと露店を回り、たまたま見つけた雑多に色んなものをぶち込んでいた露店を発見する。たまにいるのよね、とにかく手に入れた不用品の使わないアイテムを露店に並べて掃けるのを待つタイプの奴。ただまあ、オーク材がご都合主義的に手に入る訳もないので、ネーム付きの木材を選ぶ。
そういうわけで手に入れたのは杉、10本1,000Zで投げ売りにも程がある。
合わせて露店で鉄延べ棒も購入、やっぱベースが安いだけあって1本100Z。これも20本購入しておく。
で、残額1,000Z。あっという間に金がなくなるけど、金の力ってすげーわ、すぐそろったもん。
『着いたぞ』
『転移地点で待ってて、今行く』
連絡を貰ったのでさっさと露店から引きあげて、合流。
自宅への招待だが、フレンド登録したうえで許可をしないと転移許可が下りない。
そういう訳で合流し、自宅への転移許可をフレンドリストから髭親父に許可をする。
「いいわ、転移地点増えた?」
「うむ、大丈夫なようだ」
「じゃあ先行ってるから」
で、さくさくっと自宅に戻ってからすぐさま杉を加工して、角材、板材、丸材へと加工。
この辺の動作とかに関しては一度やってるし、レシピもあるから材料選択でサクッと作りこむだけだ。
名称:角材(杉)
詳細:製材した木材
名称:板材(杉)
詳細:角材をさらに加工し、板にしたもの
名称:丸材(杉)
詳細:板材を束ねて円形にした板材
ひっくるめて同じような物、と言う事にはならない辺りは親切。
で、あれこれと樽の材料を準備していたら、自宅の前に髭親父がやってきて、私の手元を見始める。
さくさくと作っている様子を見て「ほう」と感嘆の声を漏らすのだが、私、そういうのを聞くの好きよ。
板材の準備は完了したので、次に留金。
前回は針金を使ったが、今回はしっかり金属輪を作ってがっちりと固定しよう。今回は流石に本気度が違う「これで完成させる」その気持ちってかなり重要だよ。
鉄延べ棒4本を加工して留金として使える物を4本作製、金属製のフラフープみたいなもんよ。
何だかんだで鍛冶のレベルもそろそろ10になるし、結構高くなってきてるのよね。
下手なレシピとか簡単な物だったらサクサクっと作れるようになったけど、成長しているわ、私。
「上手なもんだな」
「もっと褒めてくれても構わないわよ」
で、材料は全部用意できたので、あの猫耳団子からもらったレシピを確認したうえで準備する。
レシピ名:洋樽
詳細:板材×30 丸材×2 留め具×(X)
:用途は人次第、主に酒造
後は材料の選択をしたうえで作成する。
レシピ判明している物なので、余計な動作が入ったりもせず、すぐさま「ドン」っと樽が出来上がる。
ああ、やっぱりゲーム処理って最高!
名称:洋樽(質4)
詳細:醸造や酒造に使われる樽 赤い配管工倒すための物ではない
出来上がった樽を二人で見つめつつ、私は頷く。いい出来だってね。
一応だけど水を汲み入れて一杯になった所で、ごんごんと軽く叩いたりしながら確認する。
おー、すげえな、あいつの言う通り水漏れとか一切しないわ。
完璧だよ完璧、やっぱり私って天才だったわ。
「よし、樽は出来たわ、とりあえず地下室に持っていくから付いてきて」
「見事な物だな」
「でしょ」
インベントリに水入りの樽を仕舞い、二人で地下室に降り、また水入り樽をインベントリから取り出して地下室の片隅に設置する。材料に余裕があればもう少し大量生産できたのだが、実験の意味合いが強いので、とりあえずはこれでいいだろう。
「じゃ、こっからはあんたの仕事ね」
「任された」
とは言え、分量とかは二人ともさっぱりなのでネットで拾ってきた作り方を参考にしているだけだ。
手順としては、まず麹と酵母と水での一次仕込み、その後、主原料(芋、麦、米)を加えてもろみを造る、二次仕込み
そして、できたもろみを蒸留器に入れ、高温の蒸気を当てて沸騰させ、アルコールを含んだ蒸気を冷却する「蒸留」作業。
私に重要な所は一番最後の所で、蒸留を繰り返してアルコール濃度を高めていくと言う事だ。髭親父に関してはその前までが重要になる。
「基本、待つのよね、これって」
「そうだな、とりあえずある程度の許可をくれれば儂の方でやるが」
「ふむ……じゃあ地下室だけはとりあえず好きに使っていいように許可しておくわ」
これの設定がまあ手間。自宅の配置換えとかできるメニューからフレンドのみ許可とか、全員に許可とか、個別に設定していくのって大変だわ。
……まあ、私は天才なのですぐに出来るけど。
「よしっと……地下室だけ許可したから、好きに来て、様子見て頂戴」
「うむ、助かる」
「これで酒造の軌道が乗るようだったら樽増やしてやってもいいわね」
「日本酒に焼酎、ウイスキー、ワイン、酒飲みには理想の環境だ」
「葡萄とか米までは栽培する予定ないからね」
「分かってる。材料はこっちで、場所と道具はそっちで」
「いい取引ね」
仕込みの始まった樽の上部をごつんと叩いてにぃっと笑う。
あの口の悪い猫耳団子に聞いた限りでは樽の質を3以上にすれば水圧に耐えられる物が出来るという。若干の眉唾な情報ではあるが、あそこまで大見得切って言っているわけだしな。
一応木工的にもプライドがあるみたいだし、嘘とかは言わないだろう。そこは信用できる。
どうでもいいような相手なら適当にあしらい、さらに合わせて雑な情報だったり説明をしてサクッと終らせる。
ただ、本気で知りたいとかやってみると言うのであればまた別の話になる。
私だってそういう本気の奴に適当に返すほど落ちぶれてはいない、もしもガンナーを私の様にガチでやりたいっていうなら何でも教えてやる気持ちはある。……そんな奴がいればの話になるんだが。
「で、それはそれとして樽をどうするかって所よね」
酒造するにあたって単純に調べたら樽ってだけで密閉容器なのであれば問題ないんじゃないか?
問題はその密閉容器って話になるんだが。
「木製品じゃないって言えば一斗缶とかドラム缶の金属系か、溶接は金属薬莢作る時にやった事あるけど、大きいのは試してないしなあ」
試してないから何とも言えない要素その1、鉄パイプですら底を潰すって苦肉の策で切り抜けたわけだし、出来る要素とイメージが全く沸かない。
鉄板を筒状にして、上下を蓋をするってだけの構造ってのは分かる、でもその筒にする時とか蓋をするとかどうすんだって話になる。
加工しやすいレベルの薄い鉄板を割らずにそれぞれを繋げる。
難易度を想像するだけで頭痛くなるわ、もう。
「やっぱ金属加工ってハードル高いわ、近代技術である銃器を使っている私が言うもんでもないけどさ」
まあ、その銃弾がないからただの鉄筒の状態になってる場合が多いんだけどなー。
それももうちょっとしたら解消されるし、その鉄筒から銃身として意味のある様にするためにも、樽と酒なんだし。
「何より、現実じゃ出来ない酒造をして売っても捕まらないってのがいいわよね、ゲーム最高」
アルコールさえ作れればいいとは最初思っていたが、作るんなら味にもこだわってみたいのが性分なんだからしょうがないね。それに忘れていると思うけど、私って一応料理スキルも持っている料理人だからね。
「で、まあ樽かあ……作り方が甘いから精度を上げる、材料を良くする、とかだけど……うーん、どうすりゃいいかな。オーク材があれば一応現実と同じように作れるはずだし」
予めメモしておいたデータを確認しながら一唸り。
雑木よりもいい材料使えばそれだけで質が上がるし、多分一番楽なのはこれだ。
もう面倒くさいから木工ギルドで材料直買いでいいや、プレイヤーズショップ……てか露店に行ったら木材くらい売ってるだろ。
「まあ、結局金なのよね」
自宅からゼイテに戻り、一旦ショップでジャガイモ200個売却、10,000Z也。
で、すぐさまエルスタンに戻ってから、先にジャガイモ苗50個また購入、4,000Zも残っていれば雑木よりいい木材くらいは買えるだろう。
雑木で角材1本、角材1本で板材5本。板材5本で丸材2枚。
つまり丸材2枚は角材1本だからとりあえず名前付きの木材10本を購入出来れば足りるだろ。
「頭の悪い計算してるわー」
こういう計算するのほんと苦手、金庫の金数えるのは好きだけど。
とりあえず露店の品揃えを確認しながら髭親父に連絡を入れる。
『あー、いる?』
『なんだ?』
『樽問題が解決しそうだから、例のブツを作ろうと思うのよね』
『ほお……では儂もそっちに戻るか、ゼイテか?』
『いや、エルスタン、露店ってこっちほうが品揃えあるから』
『わかった、そっちに行く』
『着いたら教えて、私の自宅に入れるわ』
これで樽が完成すれば、仕込んで終わりだな。
うむ、終わりが見えてきたぞ。
さくっと露店を回り、たまたま見つけた雑多に色んなものをぶち込んでいた露店を発見する。たまにいるのよね、とにかく手に入れた不用品の使わないアイテムを露店に並べて掃けるのを待つタイプの奴。ただまあ、オーク材がご都合主義的に手に入る訳もないので、ネーム付きの木材を選ぶ。
そういうわけで手に入れたのは杉、10本1,000Zで投げ売りにも程がある。
合わせて露店で鉄延べ棒も購入、やっぱベースが安いだけあって1本100Z。これも20本購入しておく。
で、残額1,000Z。あっという間に金がなくなるけど、金の力ってすげーわ、すぐそろったもん。
『着いたぞ』
『転移地点で待ってて、今行く』
連絡を貰ったのでさっさと露店から引きあげて、合流。
自宅への招待だが、フレンド登録したうえで許可をしないと転移許可が下りない。
そういう訳で合流し、自宅への転移許可をフレンドリストから髭親父に許可をする。
「いいわ、転移地点増えた?」
「うむ、大丈夫なようだ」
「じゃあ先行ってるから」
で、さくさくっと自宅に戻ってからすぐさま杉を加工して、角材、板材、丸材へと加工。
この辺の動作とかに関しては一度やってるし、レシピもあるから材料選択でサクッと作りこむだけだ。
名称:角材(杉)
詳細:製材した木材
名称:板材(杉)
詳細:角材をさらに加工し、板にしたもの
名称:丸材(杉)
詳細:板材を束ねて円形にした板材
ひっくるめて同じような物、と言う事にはならない辺りは親切。
で、あれこれと樽の材料を準備していたら、自宅の前に髭親父がやってきて、私の手元を見始める。
さくさくと作っている様子を見て「ほう」と感嘆の声を漏らすのだが、私、そういうのを聞くの好きよ。
板材の準備は完了したので、次に留金。
前回は針金を使ったが、今回はしっかり金属輪を作ってがっちりと固定しよう。今回は流石に本気度が違う「これで完成させる」その気持ちってかなり重要だよ。
鉄延べ棒4本を加工して留金として使える物を4本作製、金属製のフラフープみたいなもんよ。
何だかんだで鍛冶のレベルもそろそろ10になるし、結構高くなってきてるのよね。
下手なレシピとか簡単な物だったらサクサクっと作れるようになったけど、成長しているわ、私。
「上手なもんだな」
「もっと褒めてくれても構わないわよ」
で、材料は全部用意できたので、あの猫耳団子からもらったレシピを確認したうえで準備する。
レシピ名:洋樽
詳細:板材×30 丸材×2 留め具×(X)
:用途は人次第、主に酒造
後は材料の選択をしたうえで作成する。
レシピ判明している物なので、余計な動作が入ったりもせず、すぐさま「ドン」っと樽が出来上がる。
ああ、やっぱりゲーム処理って最高!
名称:洋樽(質4)
詳細:醸造や酒造に使われる樽 赤い配管工倒すための物ではない
出来上がった樽を二人で見つめつつ、私は頷く。いい出来だってね。
一応だけど水を汲み入れて一杯になった所で、ごんごんと軽く叩いたりしながら確認する。
おー、すげえな、あいつの言う通り水漏れとか一切しないわ。
完璧だよ完璧、やっぱり私って天才だったわ。
「よし、樽は出来たわ、とりあえず地下室に持っていくから付いてきて」
「見事な物だな」
「でしょ」
インベントリに水入りの樽を仕舞い、二人で地下室に降り、また水入り樽をインベントリから取り出して地下室の片隅に設置する。材料に余裕があればもう少し大量生産できたのだが、実験の意味合いが強いので、とりあえずはこれでいいだろう。
「じゃ、こっからはあんたの仕事ね」
「任された」
とは言え、分量とかは二人ともさっぱりなのでネットで拾ってきた作り方を参考にしているだけだ。
手順としては、まず麹と酵母と水での一次仕込み、その後、主原料(芋、麦、米)を加えてもろみを造る、二次仕込み
そして、できたもろみを蒸留器に入れ、高温の蒸気を当てて沸騰させ、アルコールを含んだ蒸気を冷却する「蒸留」作業。
私に重要な所は一番最後の所で、蒸留を繰り返してアルコール濃度を高めていくと言う事だ。髭親父に関してはその前までが重要になる。
「基本、待つのよね、これって」
「そうだな、とりあえずある程度の許可をくれれば儂の方でやるが」
「ふむ……じゃあ地下室だけはとりあえず好きに使っていいように許可しておくわ」
これの設定がまあ手間。自宅の配置換えとかできるメニューからフレンドのみ許可とか、全員に許可とか、個別に設定していくのって大変だわ。
……まあ、私は天才なのですぐに出来るけど。
「よしっと……地下室だけ許可したから、好きに来て、様子見て頂戴」
「うむ、助かる」
「これで酒造の軌道が乗るようだったら樽増やしてやってもいいわね」
「日本酒に焼酎、ウイスキー、ワイン、酒飲みには理想の環境だ」
「葡萄とか米までは栽培する予定ないからね」
「分かってる。材料はこっちで、場所と道具はそっちで」
「いい取引ね」
仕込みの始まった樽の上部をごつんと叩いてにぃっと笑う。
10
お気に入りに追加
965
あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
うどん五段
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる