116 / 622
4章
110話 私は天才だぁ
しおりを挟む
『To The World Roadへようこそ』
ゲーム内時間1/23の8時、風呂と飯を済ませてなんだかんだでリアル20時だ。
リアルじゃ5日と半日だけど、ゲーム内じゃ3週間ちょいか、流石に運営が想定している以上に私の進行が早いと言わざるを得ない。ガチ勢の本気を舐めたのが運営の運の尽きってところだな。
「さーてと、樽作り始めて、ジャガイモに水撒いて、そしたら硝石丘の材料を集めて……って所か。そういえばいつもの様に計画立てるの忘れてたな」
ログインしてから予定建てた方が時間の流れも違うからやりやすいのよね。
「まあ、あんまし順繰りやるほどじゃないから……っと」
メニューからいつも通りやる事リストを開いていつも通りに計画表を立てていく。まあそこまでやる必要のあるものってないんだけどな。言ってしまえば銃弾関係も自前で取りに行かなきゃいけないものはどうしてもあるわけだし。今作ろうとしてるアルコールと硝石以外はどうやっても取りにいかないとだめだ。特に水銀。
「何にしても何かしら目標が欲しいわね……とりあえず手持ちのアイテムで雷管もろもろ作っとくかなあ……」
で、さくっと雷管50個を作成、で、ここからいつも通りに薬莢と雷管用のカップ、鉛玉50個ずつ作り、150g分の火薬を詰めて絞りを入れて落ちない様に固定。さくっと完成する銃弾50発。
「ああ、そうだマガジン作ろうとしたんだった……忘れてたなあ」
構造的には金属の筒に銃弾を詰めて、上に押し出すために底にバネを入れるわけだ。うん、まあいう限りではすげえ楽なんだけど。G4に合うマガジンって話になるとまた変わってくると思う。銃弾と同じように「マガジン」という括りで、装弾出来る数が違うってだけなら互換性はあると思うけど……その銃ごとの規格のマガジンだった場合はお手上げだな。
そこまで厳密性はないと思いたい。ドラムマガジン付けたハンドガンとか頭悪いの通り越して気が狂ってるレベルだろうけどさ。そういえばスコープと銃口をたくさんつけれるガンアクションRPGなんてあったな。どっちにしろマガジンの規格が一緒なのであれば元のマガジンより長くても飛び出すのを我慢すれば入れる事はできるはずだ。
「マガジンはマガジンでめんどくさいから後でいいよなあ……まあしばらくはいいや、これ」
出来上がった銃弾をガンベルトに。これでガンベルトがフル装填。やっぱり全部入ってる時の充実感半端ないな。ちなみにだがステータスにマイナス補正が掛かるわけだが、銃弾10発以上、銃1丁につき1ずつさがる。なので完全に撃ちきったG4を抜いてる状態で、Dボアと銃弾10発以上いれてあるのでマイナスは2だけと言う事になる。
「とにかく畑だなあ……うん、なんたら物語みたいな感じ、いやバレーとかファクトリーとかのほうか」
戦闘もあるし、農業もあるし、後者だな。とりあえず当面の事を考えたしやる事やったし、ジャガイモに水やってこよ。ああ、そうだスプリンクラーとか農業関係の道具とかも開発するの考えてたんだった。ジョウロとかもなんか改良とかできるのかね。
「バケツに水汲んでおいて無くなったら都度その場で補充するっていうのも手か……バケツの量産はすぐだし、意外と使い道多いんじゃね、これ」
蓋は出来ないけどそのままインベントリに突っ込んでおけば保管できるし、クラフトとかする四角い世界でもマグマだったり水を汲んだまま仕舞えるし一緒よ一緒。
水問題は良いとしてとにかくジョウロでジャガイモに水を撒いていく。多分こんなに水撒かなくてもいいんだろうけど、この辺はゲームだから細かい事気にしなくてもいいんだろう。
「それにしても苗50個はやりすぎじゃね?」
ずらっと並んで敷き詰められたジャガイモ畑を見ながら、我ながらやりすぎたと思う。こんだけ水撒いて世話したら農業のSLvも3にあがるわ。そういえばスキル2枠のSLv上限って知らないな、あのゴリマッチョが裁縫Lv10とかだったし、私のキャットスーツが7くらいで作れるってのを考えれば最大20くらいはあるのか。
「いうてもまだ、ゲーム開始して5日ゲーム内時間で3週だし流石にカンストしてる奴はいないか……生産系は上げるの時間食うし」
生産品の材料が店買いできるものでかつ、経験値と生産品の店売りが高くて、さくさく作れるものを自動生産で大量に作るとかそういう事をしているのもあったが、そういうのも出来ないしなあ。なんならよくある材料選択してしゅいーんと速攻でアイテムが作られるわけでもない。T2Wではレシピで簡易作成ができるとはいえ、一応選んで作るまでの動作は必須になるから大量生産に向いてないのがネックか。
「さーてと……これで畑仕事は終わりっと……樽でも作ってみるか」
相変わらず煙草に火を付けて一服しつつ、畑から自宅に戻って木工と鍛冶場を併設した庭にやってくる。それにしても庭って言うか工房。既にいっぱいいっぱいで手狭になってきたし拡張も考え……ても無駄だな、そもそも2、3回くらいしか使ってないのにもう拡張って頭悪すぎだろ。
「で、とりあえず調べた感じの物を作るわけだけど……意外と工業製品に近いのよねぇ……」
まずは蓋の部分を作るわけだが、5枚の板材を半分にカットして半板のものを10枚用意。
板の両側面に穴をあけて連結出来る様にし、木の棒を刺しこみ5枚重ねた上で圧を掛けてがっちりとはめ込む。で、その連結した5枚の板を円形にカットし、それを2枚作る。
ここからさらに切った周りの部分を綺麗にするわけだが、とりあえずそれをやるのはいいとして、もう8枚分を作っておく
その次は側面を作るわけだが、板材を放射状に並べていってから鉄枠の中に立てていくのが良いらしいのだがまずその鉄枠を作らないといけない。
3歩で隣の鍛冶炉の中に鉄延べ棒を突っ込んでさっき言った通り円形の窪みが出来た鉄の土台を作るのだが、これがまあ大変。
鍛冶とは言え、武器とか防具のように形が決まってるものではないのでもう私個人の感覚的な所になる。まあ勿論だけどゲーム処理と自動成形で形にはなるのだが、延べ棒数個をダメにした。でもなんだかんだで作れちゃう辺り、私って天才だわ。
「ふーい、ここだけで結構なカロリー使うわ、うん、まあいい出来じゃない?」
四角い鉄板の中央に円形に溝を掘って板材を刺しこめるようにしてある。問題は立てられるかどうかだけど、よくこんな形に作れるもんだな。自分でもびっくりしてる。
で、溝に合わせて放射状に置いてある板材の中央に置いて、一つずつ立てていっていって、ばらけない様に固定……するためのものがいる。ネットで探した限りでは金属輪か紐とか縄だから、そのまま鍛冶でそういう物を作ろう……と、思ったんだが針金使って固定しよう。
「ちょっとだけ形になってきたな」
で、ここからひっくり返して蒸気を当てるらしいのだが、とりあえずバケツに水汲んでそれをガンガン熱くして蒸気を出すのがいいかな?っていうか蒸気を当てる意味が分からないんだよなあ……木材に水分を含ませて多少なりと膨張させて隙間を埋めるとかそういう効果か?
「まー、やってみるか……ん、しょっと」
畑に水を撒くために設置してある水道からバケツで水を汲んで、ひっくり返した樽のそばに持ってくる。さて、問題は此処からどうするのかって話になる、一気に高熱の物で蒸気を出した方が良いと言う事なら方法としては。
「がんがんに熱した鉄とか石をバケツにぶち込んで一気に過熱、蒸発させたところに被せる。うん、合理的?」
一応ネットで見た作り方をなぞりながらやってはいるけど、これもっと簡単に樽作れる方法ある気がする。で、鉄延べ棒とそこら辺に落ちている石を鍛冶炉でがんがんに熱して、真っ赤になった所で水の入ったバケツに投入、すぐさま樽をかぶせて蒸気を当てる。
「やっぱ理由が分からんな」
しゅうしゅうと熱気が樽から漏れるのを眺めながら次の工程の準備。針金の仮留めじゃなくて本留めに使う金属のフープを作る。
鍛冶と木工の場所、隣通しにしておいて良かったな、木工製品って結構金属パーツを使う事多いし。
で、これも鉄延べ棒を使ってフープを作っていく。鍛冶メニューで叩いて伸ばして丸めてわっかにするように何度か試作して、とりあえず5本
「で、これを樽にはめて、がっちり固定っと」
蒸気を当てていた樽を持ち上げ、針金で固定していた部分にはめ込み、金属土台を外してこっちも同じように輪を入れる。そこからさらに中を焼くらしい。この工程をする事でウィスキーの味が変わるとかどうとか。作ろうとしているのは焼酎なので多分味はちぐはぐになるね。
まあ、いい酒作ろうってのはあの髭親父に手伝わせるから、とりあえず樽さえ作れればレシピ開発、そこから簡易製作でさくさくと作れるはず。
とにかく焚火を作ってその上に樽をかぶせて内部を焼く。ネットで見る限りでは火柱が立つほどだったし、何か火力の上げる物……木炭とかぶちこんでみるか。
傍からみたら樽の中に何かを投げ入れ、火柱やら煙を上げさせつつ、ばたばたと走り回っている私の姿があるわけだが、大分滑稽だろな。
「これをもっと大量につくるんだから機械って偉大だわ」
焚火が燃え尽きるまでしばらく待ち、内部を覗く。真っ黒になった樽の内側だが、これで正解っていうんだから不思議な物だ。そうしてさっき作った板材をかけ合わせて作った丸材を合わせて確認、うん、縁周りを綺麗にするのって大事だな。
作った樽に合わせて縁の部分を削り綺麗にして、はめ込む。
さらにここから鉄帯を付けて完成。これも鉄延べ棒をそこそこ消費したが、作れたので良し。で、此処で樽自体の横側中心に穴をあけて、合わせて余った木材で蓋を作って完成。
名称:洋樽(質2)
詳細:醸造や酒造に使われる樽 赤い配管工を倒すための物ではない
「あとは、水を入れて漏れがないか確認、か」
水撒き用の所からバケツで水を汲み、横穴から流しいれて一杯にしていく。
……見よう見まねで雑に作ったわりにはしっかりできてるんじゃない?
ごんごんと樽自体を叩いてみるが問題なし。しっかり水は保持されてるし、結構な量の水を入れる事が出来てる。これ全部アルコールになるって考えたらすごくない?
「やっぱ私天才じゃんっ!」
蓋の部分を上からばしっと叩く。と、共に「ボン」と樽が爆発と言うか留金が吹っ飛んで辺り一面に水をまき散らす。勿論近くにいた私はそれをもろ被りだし、庭は水浸しだし、樽は作り直しだ。
「訂正、努力型だわ」
ゲーム内時間1/23の8時、風呂と飯を済ませてなんだかんだでリアル20時だ。
リアルじゃ5日と半日だけど、ゲーム内じゃ3週間ちょいか、流石に運営が想定している以上に私の進行が早いと言わざるを得ない。ガチ勢の本気を舐めたのが運営の運の尽きってところだな。
「さーてと、樽作り始めて、ジャガイモに水撒いて、そしたら硝石丘の材料を集めて……って所か。そういえばいつもの様に計画立てるの忘れてたな」
ログインしてから予定建てた方が時間の流れも違うからやりやすいのよね。
「まあ、あんまし順繰りやるほどじゃないから……っと」
メニューからいつも通りやる事リストを開いていつも通りに計画表を立てていく。まあそこまでやる必要のあるものってないんだけどな。言ってしまえば銃弾関係も自前で取りに行かなきゃいけないものはどうしてもあるわけだし。今作ろうとしてるアルコールと硝石以外はどうやっても取りにいかないとだめだ。特に水銀。
「何にしても何かしら目標が欲しいわね……とりあえず手持ちのアイテムで雷管もろもろ作っとくかなあ……」
で、さくっと雷管50個を作成、で、ここからいつも通りに薬莢と雷管用のカップ、鉛玉50個ずつ作り、150g分の火薬を詰めて絞りを入れて落ちない様に固定。さくっと完成する銃弾50発。
「ああ、そうだマガジン作ろうとしたんだった……忘れてたなあ」
構造的には金属の筒に銃弾を詰めて、上に押し出すために底にバネを入れるわけだ。うん、まあいう限りではすげえ楽なんだけど。G4に合うマガジンって話になるとまた変わってくると思う。銃弾と同じように「マガジン」という括りで、装弾出来る数が違うってだけなら互換性はあると思うけど……その銃ごとの規格のマガジンだった場合はお手上げだな。
そこまで厳密性はないと思いたい。ドラムマガジン付けたハンドガンとか頭悪いの通り越して気が狂ってるレベルだろうけどさ。そういえばスコープと銃口をたくさんつけれるガンアクションRPGなんてあったな。どっちにしろマガジンの規格が一緒なのであれば元のマガジンより長くても飛び出すのを我慢すれば入れる事はできるはずだ。
「マガジンはマガジンでめんどくさいから後でいいよなあ……まあしばらくはいいや、これ」
出来上がった銃弾をガンベルトに。これでガンベルトがフル装填。やっぱり全部入ってる時の充実感半端ないな。ちなみにだがステータスにマイナス補正が掛かるわけだが、銃弾10発以上、銃1丁につき1ずつさがる。なので完全に撃ちきったG4を抜いてる状態で、Dボアと銃弾10発以上いれてあるのでマイナスは2だけと言う事になる。
「とにかく畑だなあ……うん、なんたら物語みたいな感じ、いやバレーとかファクトリーとかのほうか」
戦闘もあるし、農業もあるし、後者だな。とりあえず当面の事を考えたしやる事やったし、ジャガイモに水やってこよ。ああ、そうだスプリンクラーとか農業関係の道具とかも開発するの考えてたんだった。ジョウロとかもなんか改良とかできるのかね。
「バケツに水汲んでおいて無くなったら都度その場で補充するっていうのも手か……バケツの量産はすぐだし、意外と使い道多いんじゃね、これ」
蓋は出来ないけどそのままインベントリに突っ込んでおけば保管できるし、クラフトとかする四角い世界でもマグマだったり水を汲んだまま仕舞えるし一緒よ一緒。
水問題は良いとしてとにかくジョウロでジャガイモに水を撒いていく。多分こんなに水撒かなくてもいいんだろうけど、この辺はゲームだから細かい事気にしなくてもいいんだろう。
「それにしても苗50個はやりすぎじゃね?」
ずらっと並んで敷き詰められたジャガイモ畑を見ながら、我ながらやりすぎたと思う。こんだけ水撒いて世話したら農業のSLvも3にあがるわ。そういえばスキル2枠のSLv上限って知らないな、あのゴリマッチョが裁縫Lv10とかだったし、私のキャットスーツが7くらいで作れるってのを考えれば最大20くらいはあるのか。
「いうてもまだ、ゲーム開始して5日ゲーム内時間で3週だし流石にカンストしてる奴はいないか……生産系は上げるの時間食うし」
生産品の材料が店買いできるものでかつ、経験値と生産品の店売りが高くて、さくさく作れるものを自動生産で大量に作るとかそういう事をしているのもあったが、そういうのも出来ないしなあ。なんならよくある材料選択してしゅいーんと速攻でアイテムが作られるわけでもない。T2Wではレシピで簡易作成ができるとはいえ、一応選んで作るまでの動作は必須になるから大量生産に向いてないのがネックか。
「さーてと……これで畑仕事は終わりっと……樽でも作ってみるか」
相変わらず煙草に火を付けて一服しつつ、畑から自宅に戻って木工と鍛冶場を併設した庭にやってくる。それにしても庭って言うか工房。既にいっぱいいっぱいで手狭になってきたし拡張も考え……ても無駄だな、そもそも2、3回くらいしか使ってないのにもう拡張って頭悪すぎだろ。
「で、とりあえず調べた感じの物を作るわけだけど……意外と工業製品に近いのよねぇ……」
まずは蓋の部分を作るわけだが、5枚の板材を半分にカットして半板のものを10枚用意。
板の両側面に穴をあけて連結出来る様にし、木の棒を刺しこみ5枚重ねた上で圧を掛けてがっちりとはめ込む。で、その連結した5枚の板を円形にカットし、それを2枚作る。
ここからさらに切った周りの部分を綺麗にするわけだが、とりあえずそれをやるのはいいとして、もう8枚分を作っておく
その次は側面を作るわけだが、板材を放射状に並べていってから鉄枠の中に立てていくのが良いらしいのだがまずその鉄枠を作らないといけない。
3歩で隣の鍛冶炉の中に鉄延べ棒を突っ込んでさっき言った通り円形の窪みが出来た鉄の土台を作るのだが、これがまあ大変。
鍛冶とは言え、武器とか防具のように形が決まってるものではないのでもう私個人の感覚的な所になる。まあ勿論だけどゲーム処理と自動成形で形にはなるのだが、延べ棒数個をダメにした。でもなんだかんだで作れちゃう辺り、私って天才だわ。
「ふーい、ここだけで結構なカロリー使うわ、うん、まあいい出来じゃない?」
四角い鉄板の中央に円形に溝を掘って板材を刺しこめるようにしてある。問題は立てられるかどうかだけど、よくこんな形に作れるもんだな。自分でもびっくりしてる。
で、溝に合わせて放射状に置いてある板材の中央に置いて、一つずつ立てていっていって、ばらけない様に固定……するためのものがいる。ネットで探した限りでは金属輪か紐とか縄だから、そのまま鍛冶でそういう物を作ろう……と、思ったんだが針金使って固定しよう。
「ちょっとだけ形になってきたな」
で、ここからひっくり返して蒸気を当てるらしいのだが、とりあえずバケツに水汲んでそれをガンガン熱くして蒸気を出すのがいいかな?っていうか蒸気を当てる意味が分からないんだよなあ……木材に水分を含ませて多少なりと膨張させて隙間を埋めるとかそういう効果か?
「まー、やってみるか……ん、しょっと」
畑に水を撒くために設置してある水道からバケツで水を汲んで、ひっくり返した樽のそばに持ってくる。さて、問題は此処からどうするのかって話になる、一気に高熱の物で蒸気を出した方が良いと言う事なら方法としては。
「がんがんに熱した鉄とか石をバケツにぶち込んで一気に過熱、蒸発させたところに被せる。うん、合理的?」
一応ネットで見た作り方をなぞりながらやってはいるけど、これもっと簡単に樽作れる方法ある気がする。で、鉄延べ棒とそこら辺に落ちている石を鍛冶炉でがんがんに熱して、真っ赤になった所で水の入ったバケツに投入、すぐさま樽をかぶせて蒸気を当てる。
「やっぱ理由が分からんな」
しゅうしゅうと熱気が樽から漏れるのを眺めながら次の工程の準備。針金の仮留めじゃなくて本留めに使う金属のフープを作る。
鍛冶と木工の場所、隣通しにしておいて良かったな、木工製品って結構金属パーツを使う事多いし。
で、これも鉄延べ棒を使ってフープを作っていく。鍛冶メニューで叩いて伸ばして丸めてわっかにするように何度か試作して、とりあえず5本
「で、これを樽にはめて、がっちり固定っと」
蒸気を当てていた樽を持ち上げ、針金で固定していた部分にはめ込み、金属土台を外してこっちも同じように輪を入れる。そこからさらに中を焼くらしい。この工程をする事でウィスキーの味が変わるとかどうとか。作ろうとしているのは焼酎なので多分味はちぐはぐになるね。
まあ、いい酒作ろうってのはあの髭親父に手伝わせるから、とりあえず樽さえ作れればレシピ開発、そこから簡易製作でさくさくと作れるはず。
とにかく焚火を作ってその上に樽をかぶせて内部を焼く。ネットで見る限りでは火柱が立つほどだったし、何か火力の上げる物……木炭とかぶちこんでみるか。
傍からみたら樽の中に何かを投げ入れ、火柱やら煙を上げさせつつ、ばたばたと走り回っている私の姿があるわけだが、大分滑稽だろな。
「これをもっと大量につくるんだから機械って偉大だわ」
焚火が燃え尽きるまでしばらく待ち、内部を覗く。真っ黒になった樽の内側だが、これで正解っていうんだから不思議な物だ。そうしてさっき作った板材をかけ合わせて作った丸材を合わせて確認、うん、縁周りを綺麗にするのって大事だな。
作った樽に合わせて縁の部分を削り綺麗にして、はめ込む。
さらにここから鉄帯を付けて完成。これも鉄延べ棒をそこそこ消費したが、作れたので良し。で、此処で樽自体の横側中心に穴をあけて、合わせて余った木材で蓋を作って完成。
名称:洋樽(質2)
詳細:醸造や酒造に使われる樽 赤い配管工を倒すための物ではない
「あとは、水を入れて漏れがないか確認、か」
水撒き用の所からバケツで水を汲み、横穴から流しいれて一杯にしていく。
……見よう見まねで雑に作ったわりにはしっかりできてるんじゃない?
ごんごんと樽自体を叩いてみるが問題なし。しっかり水は保持されてるし、結構な量の水を入れる事が出来てる。これ全部アルコールになるって考えたらすごくない?
「やっぱ私天才じゃんっ!」
蓋の部分を上からばしっと叩く。と、共に「ボン」と樽が爆発と言うか留金が吹っ飛んで辺り一面に水をまき散らす。勿論近くにいた私はそれをもろ被りだし、庭は水浸しだし、樽は作り直しだ。
「訂正、努力型だわ」
10
お気に入りに追加
906
あなたにおすすめの小説
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる