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3章

95話 私の装填は革命だ

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 相変わらずこそこそと周りを歩きながら山頂の方、ダンジョンの奥へと進んで行く。
 大分上にまで来たし、もうそろそろ最奥、ボスの所に行けるだろう。

「ガンベルトもサクッと作るか……やっぱり雑多に入れてる所からよりも取り出しやすくなってるのって大事だし」

 休憩がてらに細工で革細工を作っていく。
 とは言えこの間の様にとにかく使えそうなものと言う訳でもないし、まったく何一つ分からない想像ではないし、作る難易度自体はそこまで高くはないはずだ。
 いつもと変わらずに細工メニューを開いて形の指定をしていく、とりあえずガンベルトを作るわけだが左右に拳銃がマウント出来る様に、前面の腰回りには銃弾をマウントできるようだ。
 
「それにしてもゲーム処理すげえ都合いいよね」

 材料はまあいろいろあるけど、それに合わせて簡単に作ってくれるし、完成するしで都合いい。って言うか製法とか正しい手順まで正確にあったら多分銃弾とか作れねえし……手抜きする部分は手抜きするの、すげえ好き。
 
「とは言え銃弾販売と素材の割引掛かるのは意外だったなあ……しかもこれ個人単位だし」

 常に素材集めて常に作り続けるってくらいの覚悟決めてたしまさかのヌルゲーになるとは思ってなかった。いや、そもそもどこで販売されてるかも分からないし、5,000Z(ゼニー)木炭がどこまで割引掛かるのかって話にもなる。いやそもそも銃弾切れる前に材料取りに来たら全部タダじゃね?
 銃弾の売買は出来ないけど素材とか材料は売れるし、なんならレシピすら私が握ってるともいえる。この情報で情報クランの財政破綻させてやろう。

「本格的にマイハウス手に入れないとなあ、壁一面に銃とか武器並べたり、防具のマネキンとか揃えてるとかそれだけでそそるなー」

 手に三角のフォースを持つ勇者のゲームでも家は持てるけどコレクション出来ないのがすげえ不満要素だったな。
 そんな事を言い思いながらあっという間にガンベルトが完成。それなりにいい出来じゃね?細工のレベルが低いから見た目が結構がたがただけど、とりあえず形にはなっている。ポーチ付きベルトばらしてそのベルトを改造するだけだから難易度低かったわ。


名称:ガンベルト 防具種:アクセサリー
必要ステータス:無し
防御力:0
効果:銃弾20発、拳銃2丁マウント可 全マウント使用時AGI-3
詳細:銃弾と銃を下げる事が出来る専用ベルト


「っと、これで良し」

 コートを一度脱いでからベルト腰に回してインベントリから銃弾を20発、左右の腰から腹部側へと左右で10発ずつ揃える。指で押し込んで戻してを繰り返し、どんなものかを具合を確かめた上で頷く。
 リボルバー向けと言うのは否めないが、ポーチからがさがさと数発手に取って出すよりはマシか。

「……これ後ろ腰にポーチ付けるってのもありか? いや重量かさむからAGIのマイナス補正をこれ以上食らうのはちょっときついな」

 未だに敵のこなさそうな所でひっそり作って用意し続ける。戦闘準備って大事だよな。ああでも準備してたものが徒労に終わるって事もあるからなあ……序盤にやたらと麻痺と毒とか状態異常繰り出してくるのに対して少ない序盤の金を使って対処したらしたでちょっと進んだら状態異常してこなくなるとかマジでいらっとしたわ、あれ。

「さてと、とりあえず手に入れたハンドガンはっと」


名称:Dボア 武器種:短銃
必要ステータス:STR5 DEX10
攻撃力:+15 命中:+10 命中時固定ダメ:25
効果:セミオート 装弾数6発 金属薬莢 振出回転式 DA
付属品:無し サイトのみ装着可
詳細:銃口部をなぞる様に「God bless you」と書かれた回転式拳銃

名称:G4シュバルベ 武器種:短銃
必要ステータス:STR DEX
攻撃力:+10 命中:+15 命中時固定ダメ:15
効果:セミオート 装弾数12発 金属薬莢 マガジン 自動式 
付属品:無し
詳細:マガジン式の自動拳銃 コンパクトで取り回しがしやすい


「装填して装備しておくか」

 インベントリからDボアをまず取り出してシリンダーを横に振り出す。そのまま銃弾を6発取り出してちゃりちゃりと入れて振出部分を戻す。

「ああ、そうか……自動拳銃はマガジン式だからマガジンを作らないと行けないのか」

 完成品のマガジンを模倣して作成すればいけるかね。構造的には下から押し上げて一発ずつ装填出来る様にすればいいけど、作成難易度は高いだろうなあ。
 って言うかよくよく考えればDボアと鳳仙花に関しては直接銃弾を装填出来るってメリットがあったか。

「私もまだまだよねえ」

 右腰にDボアを仕舞ってから、G4を取り出してマガジンを抜いて一発ずつ入れていく。それにしても銃弾が共通規格として使えるの本当に優秀って言うかいいバランスだった気がする。これマジで弾薬の大きさまでばらばらだったら本気で心折れてたよ。
 12発の銃弾をマガジンに入れて、本体に戻してからコッキング。チャンバー内に1発入れてからマガジンを抜いて1発入れなおす。

「こういうのは知ってる人にとっちゃ知ってる技ね」

 他のFPSとかTPS系のゲームじゃ30発マガジンとチャンバー内に1発入るから、残弾がある時にリロードすると31発とかになる。よく映画とかでもあるよね、撃ちきってマガジン抜いてからの反撃で1発だけ撃てるとか。
 と言うか新しい事をする為にはまた新しい物を作らなきゃいけないっていうのが堂々巡りしている気がする。マガジン自体は普通に繰り返し使う物だから、ゲームの様にぽいぽい捨てていくものではない。容器はたくさん、中身は使い切り、そんな感じだ。

「と……これで良しっと」

 左腰の方へと仕舞いこみ、これで2丁拳銃よ。ただ同時に使うってのは命中精度が落ちるだろうし、消耗やばそうだから安定するまでは封印だな。持ち替えるだけで装填隙を減らせれるんだからそれだけでもメリットが大きい。
 ゲームとかじゃ大体切り替え先がハンドガンとかサブ武器だからそっちで立ち回るより、ロード中をどうにかやり過ごしてメイン武器で立ち回るって事ばっかりしてたけど。

「よくもまあそれでK/D2以上とか出せてたよ」

 だとしてもなんでもかんでも器用にゲームこなせるって才能よね。

「準備は万全だけど、銃剣使えないってのがやっぱりネックになるんだよなあ」

 いくらぶっ放せるようになったからといって色々と撃ちまわるのは避けたいし、さらに言えばHP下級ポーションも最低でも2本使わないと即死圏内から抜け出せないから、やっぱり余計な戦闘は避け続けたい。

「やってる事は変わらずねぇ……複数個の銃を持つときのデメリットってのを忘れてたわ」

 別々の弾と言う訳ではない共通規格のデメリットってのが露呈されてるよね。一応あと28発分はフリーで使えるからダメージの高い鳳仙花をメインにし、他2丁は牽制とヒットストップ狙いでの使い方が妥当か。G4に関してはマガジンへの装弾とマガジンごとの装弾なのかが問題になる。
 多分アクティブ装填は後者だと思う。マガジンへの装填からマガジン交換ってなったら2回動作が入るわけだから流石に適用外のはず。
 
「そう考えてくると装填スキルって結構制限多いなあ……瞬時にリロードできるから上げたけど、やっぱり考えなしにがんがんスキル上げるのやめるべきだったか」

 最大レベルがいくつでSP貰えるイベントとか今後あるのであれば振り方をもうちょっと考えておかないとダメっぽいな。

「まあ、とりあえずはここのボスでも拝んで倒したら考えるか」

 相変わらずトラッカーと自前潜伏で山頂に辿り着くわけだが。
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