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2章
75話 選んだもの
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そうして今後のやる事を決め、まったりほのぼのスローライフを強要された後、6日目の9時。
最初にイベントマップに飛ばされた時の時間から丸5日、って言うかイベント期間がリアル5時間で5日だったけど、これ場合によっちゃぎりぎりの所とかあるんだろうなあ。って普通の奴は思うだろうけど、私としては他グループの奴らなんてしったこっちゃねえ。
そうして終了時間が来ると、リスポンされた時の様に青い光の輪に包まれて転移が始まる。いきなり元に戻るのかね、これ……と、思っていたら何とも無機質な真っ黒い空間にグリッド線だけが描かれている場所に転移される。ああどうやら参加者全員がここに飛ばされたのか。
ざわざわと他のプレイヤーが騒ぎ始めているのを横目にその場に座って何が起きるか待つ。いきなりじゃあまたボス戦です!って事はないだろうし、こういうのは落ち着いて待っているのが吉さ。
くぁっと欠伸の一つをしていると、黒い空間にスクリーンが映し出される。
《イベント参加ありがとうございます、また参加者の皆様はお疲れさまでした》
《今回、プレイヤーメールにも送信していましたが、貢献度と言う物で順位を付けさせていただきました》
《なので今から結果発表を致します》
たらこ唇の芸人が怒鳴りをいれるあれだと思ったら結構淡々と進めていくのな。
そう言う訳で順位発表をしていく訳だが……正直なところ勝ちを確信しておらず、しかも確実に個人での上位に入れていないというのを分かっているので、テンションは上がらない。
負けの分かっている勝負は燃えないし、そこにつぎ込む労力がもったいない。ぎりぎりまで勝負が分からないっていうのなら全力を出したりするもんだけど。暫定でグループの1位を取った後、狩りにもいかずまったり過ごしていたから順位も落ちてる事だろう。
そうしてあまりテンションが上がらず、足を放りだしていつものだらけ状態の所を話しかけられる。
「アカメさん、せめて立ちましょう?」
「私の嫌いな物にね、負けって物があんのよ」
「それでも全体でも高順位なんですから」
「勝ちを狙うんだったらもっとガチだったわよ」
ふふんと笑いながらスクリーンに出されている映像をだらだらと眺める。
最初に全体のグループ順位を発表されるわけだが、5位から順繰りと発表されていく。
別に見知った顔が他にいるわけでもないし、他人の順位を聞かなきゃならないって苦痛じゃねえのか。
それでグループ順位1位は私たちが座っている周りにスポットが当てられて発表される。いや、これも分かってたから別に驚きもしないよね。
「引くくらい冷めてますねぇ……」
「個人1位かぶっちぎりの勝ちじゃないと燃えないのよねぇ……」
「グループ個人順位はメール添付みたいですね、後は個人全体順位の発表みたいですよ」
これも別に驚く事はなく、あっさりと発表される。どっかで見た事あるシェパード顔の奴にスポットが当てられてる……いや、私は何にも見てない。
……早く報酬寄越して戻してくれないかな。
「改めてアカメさんが非常識人ってわかりましたよ……」
「はいはい……あ、終わったみたいね」
《これで順位発表を終わらせていただきます》
《転移元はそれぞれリスポン位置、もしくはイベント参加時の場所を選択する事が出来ます》
《細かい報酬に付きましては別途プレイヤーメールに送信させていただきます》
「よーし、終わりね、じゃ戻るわ」
「ええ、ちょっとぉ!?」
チェルに軽い挨拶を交わしてからエルスタンへと戻る。
青い光の輪を再度出しながら転移完了、手頃な空いているベンチに座るとメニューからプレイヤーメールを開いて確認する。
『イベント参加ありがとうございます
アカメ様の成績は
全体グループ順位 1位
全体個人順位 12位
グループ個人順位 9位
と、なっております』
うん、大体予想通りだよね。止めさしてないし、狩りとかサボってたから微妙に順位落ちてるのは仕方がない。それでもまあ、貰えるものは貰える順位だろうよ。
『上記の成績から、イベントポイントを付与させていただきます
アカメ様に付与されるポイントは合計で250Pになります
交換できるアイテムに関してはメール下部にある報酬交換タグからお願いいたします
また特殊スキル「ゴーストバスター」のみ、合計ポイントが足りない場合でも取得可能です
ただし合計ポイントが50未満で他の物を交換した場合と取得ポイントが100以上の方はこれに該当しません』
なるほどね、この特殊スキルは参加者プレゼントみたいなものか。順位と言うかポイントが足りなくても記念でスキルはもらえますって事だ。そりゃ順位とポイント持ってる奴ががんがんと良い物交換して次のイベントで差がつかない様にしてるわけだ。
効果的には条件さえ揃えれば手に入りそうなものだが。
その他交換できるアイテムはこんな感じだ。
武器、防具類は一律で30P
消耗品や生産系の職で使うようなアイテムは10P
SP1につき20P
ゴーストバスターの取得が50P
「んー……装備品関係はいらんなあ……そこまで珍しい装備がある訳でもないし、銃はあるけど弾がないからなあ……」
アイテムに銃弾の一つや二つないかなと思ったけど、特に見当たらない、どちらかと言うと生産向けのアイテムが中心になっている。
まあどっちにしろ、スキルを中心に取得する予定だし。
「いや、それでも銃はちょっとほしい……」
中折式水平2連とか超欲しい、リボルバーとかも欲しい。
どっちかっていうとフルオート系の銃よりアナログな感じの銃ってそれだけでそそられる。
「銃弾があるとかないとかそういう事じゃないんだよなあ」
いや、ダメだ、先にとるもの取ってからにしよう。
まずとるのはゴーストバスター、これがあるからって実体のない相手に使えるかって言われるとNOなわけだが、単純にダメージアップになるなら取り得だし。
スキル名:ゴーストバスター(幽霊退治) レベル:1
詳細:【パッシブ】死霊系モンスターへのダメージボーナス
残り200P、SPの確保もしたいのでSP5の分をさらに消費、残り100P。
さて問題は残りをどうするかって話なんだけど、残りを全部SPに突っ込んでやってもいいんだけど、単純にコレクションを増やすってのも全然ありなんだよなあ。
ベンチでメニューを開いたまま頭を抱えて唸り続ける。
うーんとかあーんとか言っているだけで周りから人が離れていく。危ない人ってわけじゃないんだぞ。
「うーん、どうしようかなぁ……こういう時悩むんだよなあ」
カタログとか見て楽しめる側の人間なんだけど、見てると欲しくなるのが本当に困る。
そういえば昔の攻略本とかにはアイテムデータと合わせてものすごい書き込み量の絵があったなあ。3Dモデルも悪くはないんだけど、アナログ絵はアナログ絵で良い物だった。
「あー、悩むわー、悩んだわー」
気が付いたら手元にある、中折式水平2連SGをがっちゃんがっちゃん折っては戻し、折っては戻しとギミックを堪能している。ああー、これ楽しい、上下2連も交換しようかなー、どうしようかなー。
っていうかリボルバー2丁とかもいいんだけどなあ、回転弾倉が横じゃなくて上に展開するあれとか、銃の墓に出てくる厳つい感じのモデルのもあったしなあ。
って言うかマジで弾も無いのに交換してるのはどうなんだろうか。
「でもいいんでーす、このギミックだけですげえ楽しめるし」
がちゃんと音を立ててまた折り、戻す。ああ、これすげえ精神安定……ちょっと落ち着いた。
「で、後70Pをどうしようかなぁ……」
ぼうっと考えていた私の手元に回転式と自動式の拳銃が収まるまでそこまで時間はかからなかった。
最初にイベントマップに飛ばされた時の時間から丸5日、って言うかイベント期間がリアル5時間で5日だったけど、これ場合によっちゃぎりぎりの所とかあるんだろうなあ。って普通の奴は思うだろうけど、私としては他グループの奴らなんてしったこっちゃねえ。
そうして終了時間が来ると、リスポンされた時の様に青い光の輪に包まれて転移が始まる。いきなり元に戻るのかね、これ……と、思っていたら何とも無機質な真っ黒い空間にグリッド線だけが描かれている場所に転移される。ああどうやら参加者全員がここに飛ばされたのか。
ざわざわと他のプレイヤーが騒ぎ始めているのを横目にその場に座って何が起きるか待つ。いきなりじゃあまたボス戦です!って事はないだろうし、こういうのは落ち着いて待っているのが吉さ。
くぁっと欠伸の一つをしていると、黒い空間にスクリーンが映し出される。
《イベント参加ありがとうございます、また参加者の皆様はお疲れさまでした》
《今回、プレイヤーメールにも送信していましたが、貢献度と言う物で順位を付けさせていただきました》
《なので今から結果発表を致します》
たらこ唇の芸人が怒鳴りをいれるあれだと思ったら結構淡々と進めていくのな。
そう言う訳で順位発表をしていく訳だが……正直なところ勝ちを確信しておらず、しかも確実に個人での上位に入れていないというのを分かっているので、テンションは上がらない。
負けの分かっている勝負は燃えないし、そこにつぎ込む労力がもったいない。ぎりぎりまで勝負が分からないっていうのなら全力を出したりするもんだけど。暫定でグループの1位を取った後、狩りにもいかずまったり過ごしていたから順位も落ちてる事だろう。
そうしてあまりテンションが上がらず、足を放りだしていつものだらけ状態の所を話しかけられる。
「アカメさん、せめて立ちましょう?」
「私の嫌いな物にね、負けって物があんのよ」
「それでも全体でも高順位なんですから」
「勝ちを狙うんだったらもっとガチだったわよ」
ふふんと笑いながらスクリーンに出されている映像をだらだらと眺める。
最初に全体のグループ順位を発表されるわけだが、5位から順繰りと発表されていく。
別に見知った顔が他にいるわけでもないし、他人の順位を聞かなきゃならないって苦痛じゃねえのか。
それでグループ順位1位は私たちが座っている周りにスポットが当てられて発表される。いや、これも分かってたから別に驚きもしないよね。
「引くくらい冷めてますねぇ……」
「個人1位かぶっちぎりの勝ちじゃないと燃えないのよねぇ……」
「グループ個人順位はメール添付みたいですね、後は個人全体順位の発表みたいですよ」
これも別に驚く事はなく、あっさりと発表される。どっかで見た事あるシェパード顔の奴にスポットが当てられてる……いや、私は何にも見てない。
……早く報酬寄越して戻してくれないかな。
「改めてアカメさんが非常識人ってわかりましたよ……」
「はいはい……あ、終わったみたいね」
《これで順位発表を終わらせていただきます》
《転移元はそれぞれリスポン位置、もしくはイベント参加時の場所を選択する事が出来ます》
《細かい報酬に付きましては別途プレイヤーメールに送信させていただきます》
「よーし、終わりね、じゃ戻るわ」
「ええ、ちょっとぉ!?」
チェルに軽い挨拶を交わしてからエルスタンへと戻る。
青い光の輪を再度出しながら転移完了、手頃な空いているベンチに座るとメニューからプレイヤーメールを開いて確認する。
『イベント参加ありがとうございます
アカメ様の成績は
全体グループ順位 1位
全体個人順位 12位
グループ個人順位 9位
と、なっております』
うん、大体予想通りだよね。止めさしてないし、狩りとかサボってたから微妙に順位落ちてるのは仕方がない。それでもまあ、貰えるものは貰える順位だろうよ。
『上記の成績から、イベントポイントを付与させていただきます
アカメ様に付与されるポイントは合計で250Pになります
交換できるアイテムに関してはメール下部にある報酬交換タグからお願いいたします
また特殊スキル「ゴーストバスター」のみ、合計ポイントが足りない場合でも取得可能です
ただし合計ポイントが50未満で他の物を交換した場合と取得ポイントが100以上の方はこれに該当しません』
なるほどね、この特殊スキルは参加者プレゼントみたいなものか。順位と言うかポイントが足りなくても記念でスキルはもらえますって事だ。そりゃ順位とポイント持ってる奴ががんがんと良い物交換して次のイベントで差がつかない様にしてるわけだ。
効果的には条件さえ揃えれば手に入りそうなものだが。
その他交換できるアイテムはこんな感じだ。
武器、防具類は一律で30P
消耗品や生産系の職で使うようなアイテムは10P
SP1につき20P
ゴーストバスターの取得が50P
「んー……装備品関係はいらんなあ……そこまで珍しい装備がある訳でもないし、銃はあるけど弾がないからなあ……」
アイテムに銃弾の一つや二つないかなと思ったけど、特に見当たらない、どちらかと言うと生産向けのアイテムが中心になっている。
まあどっちにしろ、スキルを中心に取得する予定だし。
「いや、それでも銃はちょっとほしい……」
中折式水平2連とか超欲しい、リボルバーとかも欲しい。
どっちかっていうとフルオート系の銃よりアナログな感じの銃ってそれだけでそそられる。
「銃弾があるとかないとかそういう事じゃないんだよなあ」
いや、ダメだ、先にとるもの取ってからにしよう。
まずとるのはゴーストバスター、これがあるからって実体のない相手に使えるかって言われるとNOなわけだが、単純にダメージアップになるなら取り得だし。
スキル名:ゴーストバスター(幽霊退治) レベル:1
詳細:【パッシブ】死霊系モンスターへのダメージボーナス
残り200P、SPの確保もしたいのでSP5の分をさらに消費、残り100P。
さて問題は残りをどうするかって話なんだけど、残りを全部SPに突っ込んでやってもいいんだけど、単純にコレクションを増やすってのも全然ありなんだよなあ。
ベンチでメニューを開いたまま頭を抱えて唸り続ける。
うーんとかあーんとか言っているだけで周りから人が離れていく。危ない人ってわけじゃないんだぞ。
「うーん、どうしようかなぁ……こういう時悩むんだよなあ」
カタログとか見て楽しめる側の人間なんだけど、見てると欲しくなるのが本当に困る。
そういえば昔の攻略本とかにはアイテムデータと合わせてものすごい書き込み量の絵があったなあ。3Dモデルも悪くはないんだけど、アナログ絵はアナログ絵で良い物だった。
「あー、悩むわー、悩んだわー」
気が付いたら手元にある、中折式水平2連SGをがっちゃんがっちゃん折っては戻し、折っては戻しとギミックを堪能している。ああー、これ楽しい、上下2連も交換しようかなー、どうしようかなー。
っていうかリボルバー2丁とかもいいんだけどなあ、回転弾倉が横じゃなくて上に展開するあれとか、銃の墓に出てくる厳つい感じのモデルのもあったしなあ。
って言うかマジで弾も無いのに交換してるのはどうなんだろうか。
「でもいいんでーす、このギミックだけですげえ楽しめるし」
がちゃんと音を立ててまた折り、戻す。ああ、これすげえ精神安定……ちょっと落ち着いた。
「で、後70Pをどうしようかなぁ……」
ぼうっと考えていた私の手元に回転式と自動式の拳銃が収まるまでそこまで時間はかからなかった。
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