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1章
47話 メイン盾
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「……ステータスどうなってんの、あんた」
「普通のVR型ですよ」
「うげ……超タンク型じゃん」
まさか超タンクのVR型がこいつとは思っていなかった。SADIを完全に捨て、防御とHPを伸ばす事に特化したタイプなのだが、ソロだとかなり泥沼ゲーと化すのでPT前提のステータスだ。騎士としてはかなり強いと言うか守りだけで考えれば最強なのは確かではある。
「まあそういっても装備の関係でSとDも上げてますけどね」
「前線組最強のタンクとか言われてるんだっけか」
「ええ、そうなりますね」
コボルトの攻撃を盾受けしながら軽く返事をしてくる。流石にレベル差とステータス差があるのでダメージは1か0しか貰っていない。こっちとしてはあまり手の内を晒したくないというか、銃撃出来ないのをあまり知られたくないのだが。
「まあ、楽出来るからいいんだけど」
「そういえば何で此処に?」
「口硬いってなら教えてやってもいいわよ」
ガウェインを殴っていたコボルトを横から突き倒してポリゴン状に消失していく様を見てから、一度周りを確認してから構えを解く。
「約束含めて護るのが騎士ですから」
「流石にそんな装備してたら病的な気もするわ」
私が構えを解いたのを見てガウェインも盾を降ろす。それにしてもフルアーマーにまさか、展開型のタワーシールドまで装備しているとは思っていなかった。此処まで来るとかなり病的だよ。
「そもそも何でそんなに防御全振りにしてるのよ」
「面白くないな、と思いましてね。攻撃型は普通に沢山いますから防御型もいいかなと」
「結構捻くれた考えしてるわね」
人の事あまり言えないけど、といった感じではある。私も弱体化してるからってガンナーやめて作り直しは選択しなかったわけだし、ジャンルと言うか思考的には同じ方向性だろう。
「あんたと同じジャンルの人間だとは思わなかったわ」
「捻くれてるわけですね」
犬歯を見せてにいっと笑いながらも洞窟の奥へと進んで行く。流石に盾持ちが前にいるだけあってこっちの被弾は無いが、火力も無いので戦闘時間はそこそこ長い。やっぱり早いところ、銃を作っていきたい。
そうして特に何の危険も無くあっさりと群生地に、ロックラックはまだ遭遇していない。硝石の情報が流れて狩られてるのだろうか? それにしても対応が早過ぎる気がするが。
「奥の方にいって、ロックラックを探すわよ」
「途中に何匹か居たみたいですが、そっちはいいので?」
「検証みたいなもんだから、とりあえずPTは組まなくていいわね」
「経験値吸ってしまうのも申し訳ないですし、それは勿論」
そういえば光源はガウェインが魔法で出している。SPさえあれば魔法は使えるわけだが、防御と便利系ばかりで揃えている徹底ぶりだった。流石前線組と言えるほどに今組んでいる状況では盾役としてこれ以上ないくらいには重宝している。
「それで、何で私の事気に入ってるわけ?」
「うちのクランにスカウトしようかと思いましてね、もう一人のドラゴニアンはよく組むので誘えたんですけど」
「ドラゴニアン趣味なだけじゃない」
2匹目のコボルトを相手に軽口を叩きながら会話を続ける。それだけ聞いたらただのドラゴニアン趣味の獣人でしかないが、それ以外にも理由はあるらしい。相変わらずタワーシールドでがちがちの防御なので、こっちも一度攻撃してからすぐに引けばガウェインが攻撃を受けてくれる。そういえば共闘とかって初めてだけど、私の今の状況であればこの組み合わせは悪くない。微妙にかみ合っているのがちょっと何とも言えない気持ちにもなる。
「いえ、ドラゴニアンを選択してる人は強い人が多いので」
「そのもう一人のドラゴニアンで我慢しなさい」
「おや、振られてしまいましたか……貴女とも気が合うと思ったのですが」
「私はソロの方がやりやすいのよっ!」
数度目のかち合いをしてからコボルトを倒してまた一息。正直この布陣では負ける気がしない。と言うか負ける要素が無い。
「それにしても面白いですね、ガンナーにはそんな動きも出来るとは」
「銃弾切れてるガンナーの唯一の攻撃方法なのよ、他の装備出来ないし」
「ふむ……パワーレベリングとかは?」
「無理ね、装備揃えないとレベルを上げてもLv1の魔法職の殴りにも劣るわよ」
コボルトのドロップを確認するが、特にめぼしい物は拾えていない。動物ってわけでもないし、肉が採れるような相手でもないのでしょうがないのだが。まあそこまで狙う必要のない相手なのでさっさと倒して先に進む。そうして軽口を叩き合いながら以前硝石がドロップした地点までやってくる。
此処からは推測だが、蝙蝠が頭上にいる状態の場所にいるロックラックが硝石をドロップすると考えた。他の所では何もないし、この洞窟での狩りは情報クランがかなり進めていたと聞いたし、この条件下じゃないとダメな気がする。原理的には蝙蝠の糞尿がロックラックに染み込んで、体内に硝石を生成する。と言った感じだろうか。
「そういえばここのボスってどうなってるの?」
「ボスが居ないとは言われていますね、別ルートの最深部であろう場所まで行きましたが何も無かったですし」
「βの時はどうなの?ダンジョンにボスっているもんじゃないの」
「そうですね、何個かボスのいない所もありましたが、基本はいますよ」
じゃあ他の条件があるのか、それとも見つけていないのかのどちらかになる。大体いるのにちょこちょこと居ないというのはどうも腑に落ちない。
「見落としてるだけじゃない?特殊条件下とかだと思うけど」
そういいながら、蝙蝠が大量に群生している所にいるロックラックを指さして攻撃しろと指示する。基本的にどんな事でもいいので一度殴れば戦闘状態になる、持ってる盾で殴らせてヘイトを取らせてからこっちが殴り始める。
相変わらず不毛な殴り合いをしないと倒せないので時間はまあ掛かる。流石に不毛な殴り蹴りをしているのでガウェインもシールドバッシュで援護攻撃もしてくる。
がしがしと殴り、回転攻撃の頻度が下がって来たところでガウェインが盾殴りをやめ、私一人で殴り進める。
そうして片付いたロックラックのドロップを確認すると例のあれ、硝石がドロップしている。
改めて私の仮説が立証されたと言う事だな、この辺は情報クランにも売らないでおこう、あいつらなら自力でたどり着けるだろう。
とりあえず目標は達成したし、もう何度か倒しておきたい。
「うん、目標としては終わったかしらね」
「おや、そうですか……何かドロップ品でしょうか?」
「口外しないのよ、火薬見たから分かるだろうけど、硝石が採れるのよ」
「なるほど……それは確かに口外してはいけない情報ですね」
顎に手を当てて「なるほど」と言いながら納得している。それにしてもよくこんなうま味の無い私に付き合ってくれたのは、まあ感謝するしかないけど。
「まあ、その……助かったわ」
「ええ、お役に立ててなによりです」
軽くお辞儀をしてくる。犬紳士とか言われているのも納得するわ。堅物って所が問題にはなるのだが。
「もう2、3体倒しておきたいわね」
「いいですよ、しばらく前線も停滞してますし、急用もないので」
そして、さらに深部の方へと歩き出す。光源を上に向けろと言い、蝙蝠の状態を確認して、多くいる地点のロックラックを探すというのを繰り返す。
追加で3匹倒したところで松明に火を灯してその場に座って休憩を入れる。ついでにMREを処理して回復も。条件下でのドロップはあるが、やはり確定ではないので追加では一つしか硝石は手に入らなかった。
「前線ねえ……私には縁がないわ」
「せっかくスカウトしに来たのに興味がないって言われましたしね」
「エリア2でひーこら言ってるんだから第二の街すらいけないわよ」
「あまり無理強いして嫌われてしまうのは悲しいですし」
「最初に無理にお茶させたのがどの口きいてんのよ」
まったく、と言いながら立ち上がり松明でぐるりと辺りを見回すが特に何もない。頭上には蝙蝠ばかりだし、それも変わらない。と、思っていたのだがちょっと様子が違う。
松明の光源では天井の詳しい所まで探せないのでガウェインに光源を出せと指示を出して天井を照らしてもらう。
「蝙蝠の群生の仕方ちょっとおかしくない?」
「そうですか?特に変わらない気がしますが」
「多いって言うのはわかるけど、異様に集中してる所あるでしょ」
あっち、という様に指をさして光源を向けさせる。群生と言うか一個の塊と言った感じになっている蝙蝠群がいるわけで、様子がおかしい。
「私遠距離攻撃持ってないんだけど、あれ攻撃できない?」
「そうですね……じゃあとりあえず」
タワーシールドを展開したうえで自分の足元へざくりと地面に差して固定し、手頃な石を拾うとそのまま塊の所へと投げる。投擲スキルも持ってるんだろう、アクティブ釣りとかに便利そうだし。
そうして蝙蝠の塊へと石がぶつかると一斉に蝙蝠が飛びまわり始める。
そもそもここの蝙蝠、バット自体はノンアクティブであり、攻撃を当てたとしても当たった一匹しかこっちに攻撃してこないはず。これは情報クランからもらったデータでも確認したし、以前来た時に軽く一匹手頃にいたのを殴った時も実証してる。
「あれ、群体系のボスって可能性ない?」
「可能性はありますね、それにちょっと気合入れて戦わないと厳しそうですよ」
「興味本位で何でもかんでも手出すのはダメか……前衛頼むわよ」
「了解」
松明を地面に突き刺し、銃剣を構えながら旋回しまわっている蝙蝠群体を見据え、ガウェインの方はタワーシールドを地面から引き抜いて構えつつ左手で光源魔法を使って辺りを照らす。
こんな所でボス戦かどうかは知らないが『アレ』を使うのも検討しておかないと。
「前線組、メインタンクの実力発揮しないと死ぬわよ」
「貴女こそしっかり攻撃してください、流石にPTを組まざるを得ないですね」
「今回だけだからね」
メニューが自動的に開き『PT申請を受けますか?』といった表示が出てくるのでYesを選択して加入する。PTにもう二人加入しているのが見えるんだが?
「あんたね、PT組んでる状態なら先言っときなさい」
「そういう文句は後で、来ますよ!」
PTを組み、戦闘態勢を整えた所で蝙蝠群体が此方に攻撃を開始する。
久々の強敵だ、気合入れていくぞ。
「普通のVR型ですよ」
「うげ……超タンク型じゃん」
まさか超タンクのVR型がこいつとは思っていなかった。SADIを完全に捨て、防御とHPを伸ばす事に特化したタイプなのだが、ソロだとかなり泥沼ゲーと化すのでPT前提のステータスだ。騎士としてはかなり強いと言うか守りだけで考えれば最強なのは確かではある。
「まあそういっても装備の関係でSとDも上げてますけどね」
「前線組最強のタンクとか言われてるんだっけか」
「ええ、そうなりますね」
コボルトの攻撃を盾受けしながら軽く返事をしてくる。流石にレベル差とステータス差があるのでダメージは1か0しか貰っていない。こっちとしてはあまり手の内を晒したくないというか、銃撃出来ないのをあまり知られたくないのだが。
「まあ、楽出来るからいいんだけど」
「そういえば何で此処に?」
「口硬いってなら教えてやってもいいわよ」
ガウェインを殴っていたコボルトを横から突き倒してポリゴン状に消失していく様を見てから、一度周りを確認してから構えを解く。
「約束含めて護るのが騎士ですから」
「流石にそんな装備してたら病的な気もするわ」
私が構えを解いたのを見てガウェインも盾を降ろす。それにしてもフルアーマーにまさか、展開型のタワーシールドまで装備しているとは思っていなかった。此処まで来るとかなり病的だよ。
「そもそも何でそんなに防御全振りにしてるのよ」
「面白くないな、と思いましてね。攻撃型は普通に沢山いますから防御型もいいかなと」
「結構捻くれた考えしてるわね」
人の事あまり言えないけど、といった感じではある。私も弱体化してるからってガンナーやめて作り直しは選択しなかったわけだし、ジャンルと言うか思考的には同じ方向性だろう。
「あんたと同じジャンルの人間だとは思わなかったわ」
「捻くれてるわけですね」
犬歯を見せてにいっと笑いながらも洞窟の奥へと進んで行く。流石に盾持ちが前にいるだけあってこっちの被弾は無いが、火力も無いので戦闘時間はそこそこ長い。やっぱり早いところ、銃を作っていきたい。
そうして特に何の危険も無くあっさりと群生地に、ロックラックはまだ遭遇していない。硝石の情報が流れて狩られてるのだろうか? それにしても対応が早過ぎる気がするが。
「奥の方にいって、ロックラックを探すわよ」
「途中に何匹か居たみたいですが、そっちはいいので?」
「検証みたいなもんだから、とりあえずPTは組まなくていいわね」
「経験値吸ってしまうのも申し訳ないですし、それは勿論」
そういえば光源はガウェインが魔法で出している。SPさえあれば魔法は使えるわけだが、防御と便利系ばかりで揃えている徹底ぶりだった。流石前線組と言えるほどに今組んでいる状況では盾役としてこれ以上ないくらいには重宝している。
「それで、何で私の事気に入ってるわけ?」
「うちのクランにスカウトしようかと思いましてね、もう一人のドラゴニアンはよく組むので誘えたんですけど」
「ドラゴニアン趣味なだけじゃない」
2匹目のコボルトを相手に軽口を叩きながら会話を続ける。それだけ聞いたらただのドラゴニアン趣味の獣人でしかないが、それ以外にも理由はあるらしい。相変わらずタワーシールドでがちがちの防御なので、こっちも一度攻撃してからすぐに引けばガウェインが攻撃を受けてくれる。そういえば共闘とかって初めてだけど、私の今の状況であればこの組み合わせは悪くない。微妙にかみ合っているのがちょっと何とも言えない気持ちにもなる。
「いえ、ドラゴニアンを選択してる人は強い人が多いので」
「そのもう一人のドラゴニアンで我慢しなさい」
「おや、振られてしまいましたか……貴女とも気が合うと思ったのですが」
「私はソロの方がやりやすいのよっ!」
数度目のかち合いをしてからコボルトを倒してまた一息。正直この布陣では負ける気がしない。と言うか負ける要素が無い。
「それにしても面白いですね、ガンナーにはそんな動きも出来るとは」
「銃弾切れてるガンナーの唯一の攻撃方法なのよ、他の装備出来ないし」
「ふむ……パワーレベリングとかは?」
「無理ね、装備揃えないとレベルを上げてもLv1の魔法職の殴りにも劣るわよ」
コボルトのドロップを確認するが、特にめぼしい物は拾えていない。動物ってわけでもないし、肉が採れるような相手でもないのでしょうがないのだが。まあそこまで狙う必要のない相手なのでさっさと倒して先に進む。そうして軽口を叩き合いながら以前硝石がドロップした地点までやってくる。
此処からは推測だが、蝙蝠が頭上にいる状態の場所にいるロックラックが硝石をドロップすると考えた。他の所では何もないし、この洞窟での狩りは情報クランがかなり進めていたと聞いたし、この条件下じゃないとダメな気がする。原理的には蝙蝠の糞尿がロックラックに染み込んで、体内に硝石を生成する。と言った感じだろうか。
「そういえばここのボスってどうなってるの?」
「ボスが居ないとは言われていますね、別ルートの最深部であろう場所まで行きましたが何も無かったですし」
「βの時はどうなの?ダンジョンにボスっているもんじゃないの」
「そうですね、何個かボスのいない所もありましたが、基本はいますよ」
じゃあ他の条件があるのか、それとも見つけていないのかのどちらかになる。大体いるのにちょこちょこと居ないというのはどうも腑に落ちない。
「見落としてるだけじゃない?特殊条件下とかだと思うけど」
そういいながら、蝙蝠が大量に群生している所にいるロックラックを指さして攻撃しろと指示する。基本的にどんな事でもいいので一度殴れば戦闘状態になる、持ってる盾で殴らせてヘイトを取らせてからこっちが殴り始める。
相変わらず不毛な殴り合いをしないと倒せないので時間はまあ掛かる。流石に不毛な殴り蹴りをしているのでガウェインもシールドバッシュで援護攻撃もしてくる。
がしがしと殴り、回転攻撃の頻度が下がって来たところでガウェインが盾殴りをやめ、私一人で殴り進める。
そうして片付いたロックラックのドロップを確認すると例のあれ、硝石がドロップしている。
改めて私の仮説が立証されたと言う事だな、この辺は情報クランにも売らないでおこう、あいつらなら自力でたどり着けるだろう。
とりあえず目標は達成したし、もう何度か倒しておきたい。
「うん、目標としては終わったかしらね」
「おや、そうですか……何かドロップ品でしょうか?」
「口外しないのよ、火薬見たから分かるだろうけど、硝石が採れるのよ」
「なるほど……それは確かに口外してはいけない情報ですね」
顎に手を当てて「なるほど」と言いながら納得している。それにしてもよくこんなうま味の無い私に付き合ってくれたのは、まあ感謝するしかないけど。
「まあ、その……助かったわ」
「ええ、お役に立ててなによりです」
軽くお辞儀をしてくる。犬紳士とか言われているのも納得するわ。堅物って所が問題にはなるのだが。
「もう2、3体倒しておきたいわね」
「いいですよ、しばらく前線も停滞してますし、急用もないので」
そして、さらに深部の方へと歩き出す。光源を上に向けろと言い、蝙蝠の状態を確認して、多くいる地点のロックラックを探すというのを繰り返す。
追加で3匹倒したところで松明に火を灯してその場に座って休憩を入れる。ついでにMREを処理して回復も。条件下でのドロップはあるが、やはり確定ではないので追加では一つしか硝石は手に入らなかった。
「前線ねえ……私には縁がないわ」
「せっかくスカウトしに来たのに興味がないって言われましたしね」
「エリア2でひーこら言ってるんだから第二の街すらいけないわよ」
「あまり無理強いして嫌われてしまうのは悲しいですし」
「最初に無理にお茶させたのがどの口きいてんのよ」
まったく、と言いながら立ち上がり松明でぐるりと辺りを見回すが特に何もない。頭上には蝙蝠ばかりだし、それも変わらない。と、思っていたのだがちょっと様子が違う。
松明の光源では天井の詳しい所まで探せないのでガウェインに光源を出せと指示を出して天井を照らしてもらう。
「蝙蝠の群生の仕方ちょっとおかしくない?」
「そうですか?特に変わらない気がしますが」
「多いって言うのはわかるけど、異様に集中してる所あるでしょ」
あっち、という様に指をさして光源を向けさせる。群生と言うか一個の塊と言った感じになっている蝙蝠群がいるわけで、様子がおかしい。
「私遠距離攻撃持ってないんだけど、あれ攻撃できない?」
「そうですね……じゃあとりあえず」
タワーシールドを展開したうえで自分の足元へざくりと地面に差して固定し、手頃な石を拾うとそのまま塊の所へと投げる。投擲スキルも持ってるんだろう、アクティブ釣りとかに便利そうだし。
そうして蝙蝠の塊へと石がぶつかると一斉に蝙蝠が飛びまわり始める。
そもそもここの蝙蝠、バット自体はノンアクティブであり、攻撃を当てたとしても当たった一匹しかこっちに攻撃してこないはず。これは情報クランからもらったデータでも確認したし、以前来た時に軽く一匹手頃にいたのを殴った時も実証してる。
「あれ、群体系のボスって可能性ない?」
「可能性はありますね、それにちょっと気合入れて戦わないと厳しそうですよ」
「興味本位で何でもかんでも手出すのはダメか……前衛頼むわよ」
「了解」
松明を地面に突き刺し、銃剣を構えながら旋回しまわっている蝙蝠群体を見据え、ガウェインの方はタワーシールドを地面から引き抜いて構えつつ左手で光源魔法を使って辺りを照らす。
こんな所でボス戦かどうかは知らないが『アレ』を使うのも検討しておかないと。
「前線組、メインタンクの実力発揮しないと死ぬわよ」
「貴女こそしっかり攻撃してください、流石にPTを組まざるを得ないですね」
「今回だけだからね」
メニューが自動的に開き『PT申請を受けますか?』といった表示が出てくるのでYesを選択して加入する。PTにもう二人加入しているのが見えるんだが?
「あんたね、PT組んでる状態なら先言っときなさい」
「そういう文句は後で、来ますよ!」
PTを組み、戦闘態勢を整えた所で蝙蝠群体が此方に攻撃を開始する。
久々の強敵だ、気合入れていくぞ。
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