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1章

45話 ブツ、売るよ!

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 ひたすらに採掘しSLv5まで上がる。流石に5種類も納品クエストと採掘を進めていれば1つくらいレベルが上がる。また一つ分かった事だが、採掘出来る物は基本的にくず鉄と他の鉱石のセットで、硫黄が取れたりしたのは完全に特殊ポイントみたいだった。
 でも、あまり色んなものを取れても狙えないのを考えれば、移動時間を差し引いても便利と言えば便利だろうか?そのうち転移系の行動とか何かがアンロックされる気もするが、縁はあまりない。
 
 とにかくくず鉄と鉄鉱石を大量に確保、他の鉱石は最低限入手して納品行き。そのうちで作った武器防具も納品済みだ。鍛冶やるの結構大変だったわ。

「ねー、私頑張ったよね?」
「そうじゃの、鬼の形相じゃったが」

 いつもの鍛冶受付の爺さんと話しつつギルドショップを開く。ショップメニューのレシピ項目を確認していくと、武具関係ではなく建材としての鉄パイプのレシピが存在していた。
 まあ、確かに建材ではあるが、これ、考えてみたら私には武器と何ら変わりない。しかしこの鉄パイプよくよく考えるとかなり凶悪な武器になり得るのは私だけの特権だろう。

 しかし問題はGLv3のレシピだけあって中々の高額レシピという点だろうか。とりあえず必要になる額が7,500Z(ゼニー)。こんな大金持った事ねえぞ。どう金策するか考えてみたが金銭確保できるクエストかドロップ品を狙うのが一番だろうか?露店で、と思ったが無人販売の売り上げはない。
 騒ぎになる前提であれば無人販売に黒色火薬をぶち込んだらすぐ売れそうではある。
 グラム1万とかで売れるんじゃないかな?っていうかそれでもかなり安いと思うけど。
 
「金策しにロックラック倒しにいくかな……って思ったけどポーション代も捻出できないんだった」
 
 延々と皮と肉集めるのもありではあるが、そっちはそっちで大変だ。何よりも銃格闘を覚えたからと言って獣とか小さい相手だとあまり効果がない。
 と言うかコンビネーションで攻撃しにくいので効果が薄いだけなのだが、こうなってくると結局地道に小動物を叩きのめしに行くのが良い事になる。
 
「先行投資ってのもありだと思うのよね」

 自分で開設しておいた露店だが、アクセスしやすいというだけの理由で木工ギルドの隣に置いておいたのだが、その露店を回収したうえで、人通りの少ない裏路地の片隅に設置する。表通りからは気にすればちらっと見えるような位置に調整しつつ、木工製品は変わらず。一つ変える点として、黒色火薬を3gだけ売りに入れる。
 よくよく考えれば硝石のデータだったり火薬、爆発騒ぎの原因が知れ渡るようになれば情報が売れる、その情報が売れれば私の懐も潤う。……と、思ったのだが、そもそも鍛冶系の奴に鉄パイプの情報貰った方が早いんじゃないか、そっちの方が安上がりだし。
 
「でもまあ、弾も銃もガンナーじゃないと作れないわけだし、爆薬価値の方が高いか」

 そういえばガンナー特性ってのがあったわ。そもそもの条件をクリアして、なおかつ作れるまでの道のりはかなり厳しいし問題ないか。

「正直今はそんな事より目星の付いた銃を作りたいし」

 g/万なので3gだけでも30,000Z。サクッと売れれば鉄パイプのレシピが手に入る。ネットでも調べればすぐに鉄パイプの製法は出てくるが、だとしても流石に厳しい。
 手動操作でやれるもんじゃないよ。鉄板を丸くちゃんと筒状に手動で出来る気がしねえ。

「まあ、後はさっさと売れてくれりゃいいわ」

 とにかく登録してしばらく様子見しよう。あえてちらちらと見える範囲から表通りに出る。今回仕込んだ露店の場所だが、露店エリアから軽く離れた位置の用事がある奴が通ればちらっと見えるような所だ。で、気になった奴が私の露店を見て火薬を買う、買わないにしろ情報ギルドの露店に行って情報を買う、そして2割が私に落ちる。

「時間潰しで錬金ギルドでポーションの製法確認してみるか」



 
 そうして爆破騒ぎの錬金ギルドに久々に来たわけだが、特に何かが壊れているとかそういうのは一切ない。錬金に関してはギルドレベルを上げる予定は今の所ないので、レシピを確認するだけだ。
 白衣を着ている科学者風の受付に話しかけ、何かしら問題がないか一応聞いてみるが、特に変化無し。爆破騒ぎに関しては事故が起きたというだけで私がやらかしたというのは無かった。
 で、必要な物であるポーションの製法を聞いてみる。

「そうね、錬金の基本だけど、このレシピに書いてあるわ」


レシピ:錬金初級術
詳細:初歩的な錬金術のレシピ詰め合わせ

 
「やっぱり貰える訳か……後はポーションがあればいいんだけど」

 メニューを開いて確認、レシピを選択すればずらっと作れる物が書いてある。で、肝心のポーションに関しては製法が滅茶苦茶楽だった。水と薬草3枚で抽出すればすぐできるという。
 水に関しては生産施設で使う分には問題なく無限に使える。ただ、どこか生産施設の無い場所で生成するとなると用意しなきゃならない、しかも汲める容器も別で手に入れておかないと行けないので結構手間。
 とりあえずそんな与太話をしつつ、さっさと生産施設を使ってポーションを作っていく。
 そういえば採取だけ冒険者ギルドで取得したが、道具を使わない汎用のスキル2枠だからなのか?何だかんだで使うのは錬金周りだし伐採や採掘とセットじゃないのは不思議に思った。
 単純に私みたいに色々と手を出さない人にしてみれば汎用的に取れるものなのだろう。

「ま、それはいいとして」

 早速ポーションを作り始める。もう凄い簡単。水を入れた容器に薬草を入れて煮るだけ。余計な事を一切しないでよし。
 とりあえず手持ちの薬草12個をポーションにして終わり。こんなに簡単なせいで時間潰しにもなってない

「うーむ……緑色の草から赤色の液体が作られるのって恐ろしいな」

 出来上がったHP下級ポーションを眺めながらそんな事を思う。これミントとか入れたら味変わるんだろうか。その辺りの「遊び」に関してももうちょっと余裕が出来たりするなら手を出してみたい。

「もう5本分くらい採取しまわってくるかな……またハーブとか増えちゃうよ」

 もうちょっと時間を潰してから様子を見てみたい。採取してもう少しポーションを量産するというのもありかな?そういえば手を出していない裁縫をやるのもいいかもしれない。フリントロック式の銃を作るとなると細かい部分は細工のレベルで決まりそうなところもある。どっちにしろ時間を潰すにしてもやれることはまだ多い。

「うん、こうなったら裁縫ギルド行くかな、4枠目はガンナーギルドがあれば登録したかったけど」

 今の所見つかってないし、見つけたらその時考えればいい。裁縫と細工もレベルを上げたら彫金とか新しいスキルに派生するかもしれないし、派生していく可能性は高い。銃の装飾とかも浪漫だし?
 







 そうこうしていつもの様にアカメが冒険者ギルドに行って、裁縫ギルドの受付に挨拶しチュートリアルクエストを受けている間、設営していた露店は大騒ぎになっていた。
 変な所にある露店と言うだけで狙い通り見かけた人物がそこに行って露店を見て絶句する。そうしてこそこそと見つからない様にさっさとその場を離れて様子を見るというのが数度ある。
 アカメ本人としてはそんな事どうでもいいからさっさと30,000Zを落とせと思っている節もあるのだが、すぐに購入した人物が一人だけ存在していた。

「ふむ……やはり彼女をスカウトしなければ」

 尻尾を振りながらシェパード顔の獣人が露店の商品を全て購入し裏路地から出てくるのを数人が目撃していた。
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