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1章

31話 計画再始動

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『To The World Roadへようこそ』



 光の輪からT2Wの世界にログインし、読み込ませたメモとリスト確認。しっかりと見れる事と、更新がされているのをチェックしながら歩き出す。
 
 さて、とりあえず一つの目標として考えていたレベリングだが、装備を整えるというのが必要になるわけだし、防具関係のスキルも調べておいた。
 関係あるのはデータベース上で確認したもので裁縫、細工が必要になる。前者は布製品、後者は革製品がメインになる。アクセサリーとかも存在しているがそっちも細工と鍛冶の合わせ技らしい。まあここまで手を出したらもっと頭痛が痛くなるので今はやめておく。とにかく、必要な裁縫と細工を取りに行く。
 勿論詳しい場所は冒険者ギルドに行ってマップにマーカーを打ち込んでもらう。
 こういう時に便利なのが同じようなカテゴリーの物は併設されているか、纏めてあるという点だろう。
 
「利便性が高いってのはゲームの評価が上がるポイントよね」

 裁縫ギルドは普通にあった、細工に関しても裁縫ギルド内にあった。裁縫は縫い針、細工に関してはクラフトツールと言う道具の購入をする事でそれぞれのスキルを覚えられるという。
 しかし「縫い針」と「クラフトツール」の二つで合計2,100Z(ゼニー)もするという事実が一番の問題になった。色々揃っているだけあってクラフトツールが高額だった。結局のところ手持ちで高く売れるものが合わせて1,700Zにしかならなかったので金策する羽目に……。
 
 と、思ったのだが、あの出来の悪い木製品が1個10Z(ゼニー)で雑木の10倍の値段もしてくれやがった。裁縫ギルドの中で木製品を大量生産してる姿は完全に何やってんだって目で見られている。なんやかんやで30個追加で作って40個の粗大ゴミをショップに売り払い、2,100Z(ゼニー)を確保し、無事購入。

  そういえばゴミを残しているが、ただのゴミではなく木材の燃えカスと言うのが引っかかり残している。錬金的に何かしらに使えるかなと言う程度で勿論確証はないし、砕いた木炭的な扱いもできるかな?と言う程度なので処分してもなんら問題ないのだが。

 ああそうだよ、ただの貧乏性だよ。



名前:アカメ 種族:ドラゴニアン

職業:ガンナー
基本Lv:7 職業Lv:7
HP:28/28 MP:14/14 
STR:5 AGI:13 VIT:2 
DEX:12 INT:2  RES:2
SP:残4

【スキル1】
二度撃ちLv1 装填Lv2 調合Lv1 カスタマイズLv2 銃剣Lv3 

【スキル2】
木工Lv2 鍛冶Lv1 錬金Lv2 伐採Lv2 採掘Lv3 採取Lv1
裁縫Lv1 細工Lv1

【装備】
武器:カスタムM2ラビット(残弾0)×1 
その他:銃弾×0 

【持ち物】
鋸 鍛冶ハンマー 錬金窯 伐採斧 採掘つるはし 縫い針 クラフトツール
レーション×12 ゴミ×188 縄×2 ナイフ×2
銅鉱石×2 硫黄×2 木炭(質1)×5 雑木×10
くず鉄延べ棒×4 銅延べ棒×1 歪な鉄×1

所持金:50Z(500Z使用予定)
状態:異常無し 満腹度51%




 見れば見るほど自分のステータスがガンナーやってんのか分からなくなる。どうせこの後防具の為の布素材を集めるためにまた何かしらやる事になるんだよ、うん、もうわかりきってる。
 多分あと数時間たったら採取で麻でも集めて糸作り始めてるよ。

「私もなかなかめんどくさい……ドラゴニアンね」

 あまり気にしていなかった鱗に塗れた尻尾を揺らして苦笑する。まあそこまで種族の補正と言うのは無いので、ビジュアルだけでしかないのだが。

「さて、と……それじゃあとりあえず東エリア2で採掘とレベリングを進めていくか、裁縫用のアイテムはは採取で道すがら入手できれば平行して行けるから……ってもう考えてんじゃん!」

 数時間後とか言った私が恥ずかしい。数時間と言わずに数十秒で思いついたわ。こんな所でも効率求める頭になってるのは完全に持病だよ。

「とにかくしばらく裸でレベリングと採掘は続けないと武器は作れないからしょうがないか」

 と、思ったが別に装備品を強化するにあたってアクティブモンスターの少ないエリアで採掘して鉄なり銅を集めた方がいいかもしれない…と、思ったがそれはそれでレベリングが時間が掛かる、やはり多少無理でも並行作業でレベリングと採掘を進める方に切り替え……るかな?いや、だったら東エリア2の採掘とレベリング中の採取で布服なりの防具を自作する方があとあといいんじゃないか?

「ええい、とりあえず行こう。こんな所でぐるぐる考えるよりも行動してやる!」

 ふんっと気合を入れなおしてから西エリアに進んで行く。
 そこで何で東にいかないのかって思っただろう、誰だってそう思う、普通だったらそう思う。
 何て言ったって今の私に恐れる物はないのだから。




「よし、時短」

 赤い光の輪を放ちながら東エリア1と2の安全地帯へとリスポンする。
 南エリアで戦ってる時、死ななくて本当によかったわ。

「さて、と……破損用の縄とナイフは余裕はあるし、MREはまだ足りるし、あとは経験でいくか」

 もしゃもしゃとMREを貪り、満腹度を回復。絶対一通りできたら料理も手だしてまともな食事にありついてやる。その為にも火薬は早く作らなければいけないし、銃も作らないといけない。まだまだやる事はあるのに新しい事にばかり手を出してしまうのはいけないクセだ。

「とりあえずLv10ね、其れを目途にして採掘と採取しながら東エリア2をマラソンすればいいかな」

 防具も買っていないし、あれから戦闘もしておらず、レベルも上がっていないから、今までの戦闘経験を踏まえた上での戦い方になる。そんなすぐ忘れるような物じゃないから対策的にはできている。基本の受け防御からの反撃で髑髏リスは対応できる、ボアに関しても突進ハメで余裕。

「でもまあ、基本は大事だし、スキル湧くかもしれないから使わないと」

 出てくる髑髏リスを受け防御からの反撃で処理し、出てくるワイルドボアは突進ハメで処理しながら採取を続ける。
 勿論まだまだレベルは低いので、マーカーの出たものは手当たり次第に回収しまくる。狙ったものを採取するなんてまどろっこしい事なんて考えない。とにかく目についた奴は根こそぎだ。


「だからって戦闘が疎かになったらすぐ死にかけるんだけどさぁ!」

 数度目の受け防御でリスの攻撃を耐え反撃。目についた採取ポイントを戦闘中に回収、ああ忙しい、ついでにそれでとれた薬草を貪り回復、そしてまた受け防御からの反撃。

「んふっ、ここ、もうちょっと、プレイヤー、いても、いいんじゃ、んぐっ、いいんじゃないの!」

 薬草を飲み込み、止めの一撃。ポリゴン状に消滅していくリスを見て息を整える。

「戦闘中の採取はやめよう、薬草を狙ってもいいけど……疲れる……!」

 ぶはっと息を吐き出してその場に座る。確かに疲れる戦闘方法ではあるが、隙を見てむしゃつけば一発耐えるくらいのHPは回復できるのでいい手かもしれない。
 ちなみに薬草だが、以前回収したのは完全なイベント品だったので、今回の物は消耗品扱いになる。

名称:薬草 回復量:HP3
詳細:HPポーションの元 直で食べても回復するがまずい クールタイム15秒

 クールタイムはその通り、一回使えば15秒間使用不可の状態になる。終わればまたむしゃついて回復できるというもの。って言うか此処までやって初めて回復アイテム使ったよ。HP下級ポーション?ああ、あの1個100Z(ゼニー)ね。

 とりあえず硫黄の取れた採掘ポイントまで残り4分の1と言った所でHPの回復がてら採取できたアイテムを整理しておく。


名称:麻
詳細:繊維の元

名称:ヨモギ
詳細:食べたり止血したり 様々な用途有り

名称:ミント
詳細:食用医療と様々使える 繁殖力はテロレベル


 ただ回復アイテムは薬草だけで、他の奴に関してはそれなりに、と言った感じに採取できる。そしてその薬草が東エリア2じゃあまり採れない。
 ヨモギ、ミント>麻>薬草
 数量的にはこの順番で採れる。流石と言うべきだろうか、畑にちょっと蒔いたらテロ騒ぎになるのがツートップで採取できている。麻も種類まで詳しく行くと色々とあるわけだが、麻も物によっては中々の繁殖力を誇る。

「これミントとヨモギで薬草とか麻の生態脅かされてるんじゃないの……?」

 たまにしか拾えないと言っても道中でちまちま回復できるようになっただけでも楽にはなっている。ちなみに採取ポイント自体はすぐ復活するが同じ物が採れるとは限らない。あくまでもエリア内の分布に基づいた確率っぽい。もしくはレベルとかでも変わるのだろうか?

「どっちにしろ、ちょっと楽にはなってるのよね」
 
 受け防御出来る様に構えたまま歩き、目につく物を採取しまくる。回復できるようになった分以前よりも進行速度が改善された……と思ったらあまり変わっていなかったのはご愛敬である。

「でもまあ、死に難くはなってるのは事実だけど」
 
 そういいながら虚無顔でもしゃもしゃと薬草を貪り進んで行く。
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