幻燈町の恋模様

斗眞編

あとがき（2022.12）

『幻燈町の恋模様　斗眞編』をお読みくださり
どうもありがとうございました。
大人になってと色々とあった二人のお話でした。

特に斗眞の未練については、
どこかでこうした内容を書きたいと思っていました。
大人になってから、挫折してしまったことを機に
自分自身の好きなことを手放してしまう人を
見かけることがあり、
大きなお世話ながら勿体ないなと思っていたのです。
本当に好きなことというのは、
本来は自分から切り離せないものですから。

斗眞には再起のチャンスというか、
好きなことに対する
前向きな捉え直しをさせてあげたかったので、
こういうお話になりました。
人の心は言われてすんなり変わるものではありませんが、
尺の都合上、駆け足の展開になってしまいました。
幻燈町シリーズが全体的にそうなのですけれど。


少し先の時代に実現しそうなことや、
こうなったらいいなと思う世界観を書くことがありますが、
書いている最中にテレワークが広まったので
多賀幸の働き方は珍しくなくなりました。
多賀幸の仕事は明言しませんでしたが、
元出版社勤務の現フリーライターです。
多賀幸は、人の懐に
ナチュラルに入り込んでいく人でした。

こうなったらいいなといえば、
このお話のなかで流行っている映画『ファントム』ですが、
自分ではミステリー（推理もの）は書けないので、
本当にこういう作品が出てきてくれたら
面白いのにと思っています。
十作も続く作品なので、
黒幕がわかったと思ったら中ボスで、
フィクサーのような真の黒幕がいる展開を
想像しています。
殺された主人公が幽霊になって活躍するミステリー、
見てみたいです。

何気に
伊川夫妻も書いていて楽しかったです。
私が書くお話には
あまり一般的な夫婦が出てこないので、
二人で協力して生活している夫婦は貴重です。
伊川は椿ちゃんと呼びたい、
椿は人前ではやめてほしいという、
どうでもいい裏設定がありました。笑。
二人は同い年のアラフォーです。
斗眞は二十七歳くらい、
多賀幸は三十代前半でした。


これで三組のお話が出揃って、
次は完結編へと繋がります。
完結編はまだ完成していませんので、
公開時期は未定となります。
現在執筆中ではあるのですが、前後編に分けて、
前半が半分ほどしか出来ていない状況です。
完成まで少なくとも二年はかかりそうです。
完結編の前におまけが書ければアップしたいと
思っていますが、どうなるでしょうか…苦笑。
どちらにせよ、気長にお待ちください。

ひとまずは、
ここまでの三作をお読みいただいたことに
感謝いたします。
今年一年お付き合いくださいまして、
どうもありがとうございました。

斗眞編のおまけは近日公開になりますので、
そちらもお楽しみいただければと思います。
それでは、また。