88 / 89
第五章:転生者ウェルガ 学園騒乱編(仮称)
やり過ぎチート転生者の規格外な検証
しおりを挟む
「俺もレアオル様寄りの思考だから、あんまし教会にいい感情が…ねぇ…」
「申し訳ありません…私では上の方々はどうにも…」
「あぁ、気にしないで。そんな無茶は期待してないから」
そんな話をしながら、俺達は広めの礼拝所らしき場所へ移動した。
大体数十人ってとこかな?無数の長椅子の先にある大きなレアオル像に向かって、信者達が静かに祈りを捧げている。
「おぉ、意外と信心深い人いるんだねぇ」
「そりゃあもう!レアオル様は尊い御方で、しかもその存在はあの出来事でも証明されていますから!」
…あぁ、俺の鑑定の儀のアレね。
確かに当時を知る信者達からしてみれば、あれほど女神の存在を証明するものはないだろうなぁ。王都にまで話が伝わってるのは想定外だけど。
「さっきはああ言ったけど、自分を信じてる人たちに関してはしっかり見てるらしいから、安心してね」
「は、はい!はぁ…良かったぁ…」
レアオル様のイメージをこれ以上下げるのもあれだから、一応フォローもしておく。
どうやら上手くいったようで、それを聞いた神官さんは嬉しそうに返事を返してくれた。
「さて…じゃあ前からやりたかった事、やっちゃいますか~♪」
「…前からやりたかった事…?」
「ちょっとした検証さ」
そう、今回はただの挨拶だけで済ます気は全くない。俺の規格外スペックで試したいこともあったからだ。
「お姉さんは、薄汚れた心の人間がこの世からいなくなったらいいと思う?」
「そ、そりゃあ…一人でもいない方が、世の中は平和だとは思いますが…」
「なら、やってみようじゃあないか…クックック…」
「…え?」
タイトルをつけるなら…「検証!人間のクズが世の中から抹殺されたらどうなる!?」ってやつだ。
クズを改心させたってどうせ元のクズに戻るんだから、いっそ綺麗サッパリ汚れを落としてみようと思ったのだ。
検証の内容としては、救いようの無いクズのみを対象にして、俺のやり過ぎ浄化魔法でこの世界の全てのクズを抹殺してみる、というものだ。
少しでも良識のある者は対象外にしているので、困る人もおそらくは最小限だろう。
何かあったときのアフターケアも考えてはあるし、何よりちょっとやってみたい。
…胸糞悪い奴らがいない世界…ちょっと想像がつかないな…
「どうなるか楽しみだ…よし…」
俺は神官のお姉さんと一緒に礼拝所を出て、なるべく人が来ない場所に案内してもらった。
「いくぜぇ…〈滅悪〉!」
俺はオリジナル聖魔法の〈滅悪〉を発動させた…名前に関しては突っ込まないでほしい。
この魔法は本来、対象の悪意を綺麗サッパリ取り除くものなのだが、今回は俺の魔力と聖気と神力…神の力的なものをしこたまぶち込んで、世界全土を対象にした「クズ殺し」の魔法として使わせてもらう。
「…きゃあ!」
神官さんの悲鳴と共に俺の体は眩い光に包まれ、その光も数秒程度でフッと収まった。
「…な、何も起こっていないように見えますが… 」
「…ま、すぐには分からないかもな…」
試しに教会内を歩いてみたが、特に変わった様子はないようだった。
「…失敗…でしょうか…?」
「…俺も不安になってきたぞ…」
…考えてみれば、世の中には完璧な善人もいなければ、完璧な悪人もいないのだ。不発に終わっても不思議じゃない。
「検証結果は…不発かねぇ?」
仕方ないので、当初の目的である偉い人へのご挨拶に行くことにした。
この世界では教皇が聖国においての最高権力だが、各教会においての最高権力は司祭の上の大司祭なので、人の良さそうな白髪のお爺さん大司祭に簡単な挨拶をしてその日は帰った。
…犯罪が一時的になくなったのと、大量の行方不明者が出たというニュースが世界中に広まったのは、俺が学園に復帰して約1か月後の事だった。
「申し訳ありません…私では上の方々はどうにも…」
「あぁ、気にしないで。そんな無茶は期待してないから」
そんな話をしながら、俺達は広めの礼拝所らしき場所へ移動した。
大体数十人ってとこかな?無数の長椅子の先にある大きなレアオル像に向かって、信者達が静かに祈りを捧げている。
「おぉ、意外と信心深い人いるんだねぇ」
「そりゃあもう!レアオル様は尊い御方で、しかもその存在はあの出来事でも証明されていますから!」
…あぁ、俺の鑑定の儀のアレね。
確かに当時を知る信者達からしてみれば、あれほど女神の存在を証明するものはないだろうなぁ。王都にまで話が伝わってるのは想定外だけど。
「さっきはああ言ったけど、自分を信じてる人たちに関してはしっかり見てるらしいから、安心してね」
「は、はい!はぁ…良かったぁ…」
レアオル様のイメージをこれ以上下げるのもあれだから、一応フォローもしておく。
どうやら上手くいったようで、それを聞いた神官さんは嬉しそうに返事を返してくれた。
「さて…じゃあ前からやりたかった事、やっちゃいますか~♪」
「…前からやりたかった事…?」
「ちょっとした検証さ」
そう、今回はただの挨拶だけで済ます気は全くない。俺の規格外スペックで試したいこともあったからだ。
「お姉さんは、薄汚れた心の人間がこの世からいなくなったらいいと思う?」
「そ、そりゃあ…一人でもいない方が、世の中は平和だとは思いますが…」
「なら、やってみようじゃあないか…クックック…」
「…え?」
タイトルをつけるなら…「検証!人間のクズが世の中から抹殺されたらどうなる!?」ってやつだ。
クズを改心させたってどうせ元のクズに戻るんだから、いっそ綺麗サッパリ汚れを落としてみようと思ったのだ。
検証の内容としては、救いようの無いクズのみを対象にして、俺のやり過ぎ浄化魔法でこの世界の全てのクズを抹殺してみる、というものだ。
少しでも良識のある者は対象外にしているので、困る人もおそらくは最小限だろう。
何かあったときのアフターケアも考えてはあるし、何よりちょっとやってみたい。
…胸糞悪い奴らがいない世界…ちょっと想像がつかないな…
「どうなるか楽しみだ…よし…」
俺は神官のお姉さんと一緒に礼拝所を出て、なるべく人が来ない場所に案内してもらった。
「いくぜぇ…〈滅悪〉!」
俺はオリジナル聖魔法の〈滅悪〉を発動させた…名前に関しては突っ込まないでほしい。
この魔法は本来、対象の悪意を綺麗サッパリ取り除くものなのだが、今回は俺の魔力と聖気と神力…神の力的なものをしこたまぶち込んで、世界全土を対象にした「クズ殺し」の魔法として使わせてもらう。
「…きゃあ!」
神官さんの悲鳴と共に俺の体は眩い光に包まれ、その光も数秒程度でフッと収まった。
「…な、何も起こっていないように見えますが… 」
「…ま、すぐには分からないかもな…」
試しに教会内を歩いてみたが、特に変わった様子はないようだった。
「…失敗…でしょうか…?」
「…俺も不安になってきたぞ…」
…考えてみれば、世の中には完璧な善人もいなければ、完璧な悪人もいないのだ。不発に終わっても不思議じゃない。
「検証結果は…不発かねぇ?」
仕方ないので、当初の目的である偉い人へのご挨拶に行くことにした。
この世界では教皇が聖国においての最高権力だが、各教会においての最高権力は司祭の上の大司祭なので、人の良さそうな白髪のお爺さん大司祭に簡単な挨拶をしてその日は帰った。
…犯罪が一時的になくなったのと、大量の行方不明者が出たというニュースが世界中に広まったのは、俺が学園に復帰して約1か月後の事だった。
11
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
どうも、賢者の後継者です~チートな魔導書×5で自由気ままな異世界生活~
ヒツキノドカ
ファンタジー
「異世界に転生してくれぇえええええええええ!」
事故で命を落としたアラサー社畜の俺は、真っ白な空間で謎の老人に土下座されていた。何でも老人は異世界の賢者で、自分の後継者になれそうな人間を死後千年も待ち続けていたらしい。
賢者の使命を代理で果たせばその後の人生は自由にしていいと言われ、人生に未練があった俺は、賢者の望み通り転生することに。
読めば賢者の力をそのまま使える魔導書を五冊もらい、俺は異世界へと降り立った。そしてすぐに気付く。この魔導書、一冊だけでも読めば人外クラスの強さを得られてしまう代物だったのだ。
賢者の友人だというもふもふフェニックスを案内役に、五冊のチート魔導書を携えて俺は異世界生活を始める。
ーーーーーー
ーーー
※基本的に毎日正午ごろに一話更新の予定ですが、気まぐれで更新量が増えることがあります。その際はタイトルでお知らせします……忘れてなければ。
※2023.9.30追記:HOTランキングに掲載されました! 読んでくださった皆様、ありがとうございます!
※2023.10.8追記:皆様のおかげでHOTランキング一位になりました! ご愛読感謝!
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!
神桜
ファンタジー
小学生の子を事故から救った華倉愛里。本当は死ぬ予定じゃなかった華倉愛里を神が転生させて、愛し子にし家族や精霊、神に愛されて楽しく過ごす話!
『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!』の番外編を『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!番外編』においています!良かったら見てください!
投稿は1日おきか、毎日更新です。不規則です!宜しくお願いします!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる