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第四章:転生者ウェルガ 初等部編

ウェルガフレンズ、野外で実践経験を積む

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30分くらい歩いて、何度かゴブリンやオークと戦わせてみたが、特に危なっかしい点や重要な改善点は無いようだった。

最初は初めて生き物を自分の手で殺す感覚に戸惑ったり吐いたりはしていたものの、流石は現地人。すぐに慣れて訓練通りに動けるようになった。
ルシアはスパスパと魔物を斬り倒し、ゼクトは低級の雷魔法で効率良く攻撃や援護をしている。
ちょっと不安だったザイアも、元気に魔物に突撃しているな。
動きも良いし、意外と戦闘センスが良いのかもしれない。

精神耐性が紙装甲?そうなネルが一番早く慣れたのは驚きだな。死んだ魔物のグロさに無反応だったし。
それを聞いてみたら、自分でも不思議と気持ち悪さを感じなかったらしい。
むしろ楽しいくらいだったとか…アカン。この子意外と頭がアカン子やった…少しずつ調教しよう、うん。

んでもって、肝心の一般人代表とも言えそうなイルマちゃん。
こちらは…うん、全然心配する必要無いね。
オーク数体を、自作のスリングショットやクロスボウで素早くヘッドショットしている。
これはどちらも片腕に着けて撃つ魔道具型の飛び道具で、市井には存在すらしていない。
クロスボウどころか、普通の弓士はロングボウやショートボウでいちいち矢を目一杯引いて撃ってるし、ましてや石や尖った金属片などを飛ばせるスリングショットなど考え付きもしていないだろう。良くてパチンコくらいかな。
あとは刺激物を詰めたボールを投げて相手を撹乱したり、風魔法を付与した魔道具で風の刃を作り出して飛ばして攻撃したりと…もう完全に「アイテム士」だな、ありゃ。
まあ…楽しそうだし、特に問題も無さそうならオジさんは構いませんがね、うん。

こんな感じで…

「いいんじゃね?みんな十分学生としてやっていけそうだな」

「お、ホントか!?」

「やった~!」

「ふむ、頑張って鍛練した結果が出ているということか」

「現役冒険者のウェルガ君が太鼓判を押してくれるなら安心だね」

「う、嬉しいですぅ…」

帰り道に結果を伝えたら、皆嬉しそうな表情をしていた。
何で中坊がそんな鍛えとるん?とお思いだろうが、中等部には野外訓練なるものがあるそうで、うちの貴族組が少しでも恥をかかないように鍛えたいと言って、平民組もついでに巻き込んで鍛えていたというわけだ。

「野宿の練習とかは、中等部の野外活動の授業の時にでもやればいいだろ。俺の野営は規格外だから参考にはなんねぇしな」

「「あぁ…うん」」

…友人達のこんな反応にも慣れました。
まぁ、これで文句言う馬鹿はいないだろうし、いてもシメればいいから大丈夫だろう。
野営だって、普通の学生なら初めてで手付きが覚束ないとか普通だろうしな。逆にテキパキ出来たらそれはそれで凄い。

日が暮れるちょっと前くらいまで続け、成果は5等分にして各自持ち帰ることに。

後日、案の定、各家庭から「うちの子も、それを鍛えた愛し子も凄いな!」とお褒めの言葉を貰ったとさ。
ちなみに、子供達だけで魔物狩りをしたことは特に咎められなかった。「彼がいれば万が一も無いだろう」だってさ…喜んでいいんだよな…これ?
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