貴族の家に転生した俺は、やり過ぎチートで異世界を自由に生きる

第四章：転生者ウェルガ 初等部編

あっという間に3年生になり…

それから何やかんや有りつつ2年以上が過ぎ、俺は3年生となった。
この2年は大したことも起きず、かなり平穏というか、過ごしやすい日々を送っている。

未だ、寒さの残る3月…
日本では卒業の季節だが、この世界でもこの季節に卒業式をする。
基本、この世界は日本基準が多いからな。時間や年月の概念とか。

つまり、俺らもいよいよ初等部卒業だ。

まあ、長いかと言われたらそうでもなかったな。
なんというか、小学校を3年くらい体験した気分だ。
実は明日、その卒業式をするわけなんだが…俺は今、自室のベッドでゴロゴロしながら卒業までをぼんやり思い出していた。


結局、対校戦は2回とも俺の参加が原則禁止になった。
あまりにも強すぎて、対校戦にならないからだそうだ。
まあそれでも俺があれこれ手を尽くしたお陰で、ランスロット校は2回ともぶっちぎりの優勝だったけどな。

俺のクラスだけじゃなくて、他の2学年の鍛練にも関わったので、今ランスロット校は無敗記録を更新しまくってる。
そのため、領外からも入学希望が相次いでいるようだが、キャパオーバーになるから仕方なく王都の方に行く子も多いらしい。

アルカナ校を仕方なく…王都の存在意義って…

国王陛下にも「アルカナの学校に人が来ない…」と半泣きされたけど面倒臭くて、頑張ってと応援だけしてやった。

ちなみに馬鹿王子のせいで、王都自体からも人口が若干流出して大変らしい。
「こんな王子がいる町にいたら、俺達も何されるか分からない！」ってことらしい。
王都には第3王女もいて悪評も知られているため、それも人口流出を促した結果らしい。
そのため、王女も更正対象として後宮に送られたっぽい。

王族だけではなく、貴族や平民の生徒にも監査が入り、人格に難がある者は強制的に更正の対象として、王都に新しく作られた更正施設に入れられるらしい。
期間は更正が確認されるまで。
場合によっては、この国の成人年齢である15歳になっても更正施設から出れないらしい。
確かに、野放しにしたら犯罪者予備軍になる可能性が高いからな。

ちなみに、興味本意で俺が暮らすアルカナ国を調べていたら、どうやらかつての悪徳貴族が、死に際に何かしらの方法で厄介な呪いを国全土に放っていたことが判明した。
それがあの「馬鹿貴族増殖」の原因らしい。
今は大陸各地に埋め込んだオーブにその呪いを解く術式を追加したので、徐々にではあるがイカれた貴族が減ってくれるだろう。そのくらい強い呪詛だった。

…あれ？何か俺、中等部入ったらスゲェ面倒なことになる気がしてきたぞ？
まあ、ステータスも少しずつ弄っているから、何かあっても大丈夫とは思うが…よし、中等部に入るまでに調整しておこう。
想定外の事があったら、魔法で時間止めてでもその場で何とかしよう！うん、そうしよう！

「…よし、早速明日から取り組むとするか！」

俺はベッドから勢いよく顔を上げ、決意を新たにした。

中等部…日本じゃ中学校だけど、出来れば穏便に過ぎてくれることを祈りたいね…