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第四章:転生者ウェルガ 初等部編

2人の未来は大変明るいようです

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プログラムが進んで、第3回戦。
アルカナ校がいつも通りの快勝をしたが、こちらも負けてはいない。

3回戦はディストール子爵領のディストール校。

「あれだな…ルシアが消化不良になりそうだし、ルシアいってみようか」

「なんだ、その仕方ないから出番あげようみたいなノリは…」

「まぁ、何もしないのも落ち着かないだろう?」

そんな感じで、ルシアにも活躍させるとする。
相手は有力な魔術師を多く排出した学校だからか、見事に魔術師のみという編成だ。

「さて…私は将来的にどれくらい強いのか…」

審判が開始の合図をし、相手が詠唱に入った数秒の間に、ルシアは身体強化系スキルを複数発動させて魔術師達との距離を積めた。

「な…!」

「は、早い!」

「ちょ、まだ詠唱が…!」

「はあぁぁぁぁ!」

ルシアは一瞬で1人を薙ぎ払い、さらに近くにいたもう1人を無力化。そして状況に付いていけてない残りの1人も軽くしたら、試合が終わってしまった…

「うん…全く危なげがないね…」

「そうでないと逆に困るぞ。俺が加護と稽古をつけたんだから」

試合終了を審判が宣言したとき、試合を見ていたエルレインは面白くなさそうな顔をしていたが、余計なことをしないことを祈りたいねぇ。

「わ、私は将来あのくらい強くなるのか…」

「あくまで真面目に訓練したら、だけどな」

「でも僕も感じたけど、逆に毎日鍛練したくなってしまうね。近い未来にあんな魔法が使えると分かると」

試合後に2人はそんなことを言っていたが…

「いや、所詮初等部同士なんだから、まだ本気なんて出してないだろ?あれよりさらに強くなるんだよ、お前らは」

そう、2人の将来の実力なんてこんなもんじゃない。
ルシアはその辺の兵士なんて纏めて相手できるし、ゼクトも上位の広範囲魔法をポンポン繰り出せる位は強くなるのだ。

「そうか…もっとか…」

「夢が膨らむねぇ…」

うんうん、その気持ちを忘れずに日々を過ごしてもらいたい。


トーナメント表の都合上、アルカナ校はあと1回で優勝となり、俺達は次の試合と、最後にアルカナ校を破れば優勝になるな。

「さて、次からは俺1人で相手をするから、お前達は念のため互いに不測の事態に動けるように用心だけしとけ」

「あぁ」

「うん、了解」

相手って誰だったっけな?あ、ローレンス伯爵領のローレンス校か。

実はローレンス伯爵領は母さんのパパン…つまり俺のジィジが今でも治めている領地だ。
つまり母さんの母校との対戦なのだ。

「へぇ…次は君の母君の母校なんだね」

「確か、あそこは近年教育に力を入れていると聞いたことがあるぞ」

「らしいね。母さんから特に何も言われなかったけど、たぶん余裕で勝てちゃうな…あ、あれのお披露目でもしようかな?」

「あれって…」

「あれ…だよねぇ?」

出所というか作り方とか漏れたら面倒だと思ったけど、考えてみたら作成自体無理だし、俺以外が使おうとしてもセキュリティブロックされて使えないから、別に見せても問題なかったりするんだよな、あれ。

「ソリッドアームズの初お披露目だ!」

次の試合、〔黒星〕を使って完膚なきまでに叩き潰す!
そうすれば、もう俺を侮る奴はいなくなるだろう…と、思う。まあそれは今後の展開次第だな。
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