51 / 89
第四章:転生者ウェルガ 初等部編
うわぁ…めんどくせぇ…
しおりを挟む
翌日、いつものように実技の授業をしていたのだが…ルシアがまたしても「勝負しろ!」とうるさかった。
なので、いつものメンバーと一緒に、授業の邪魔にならないように運動場の隅に移動して相手をしてやることにした。
「はぁ…前に一回やったじゃん…」
「あんな卑怯な試合は勝負ではない!あれでは私の気が済まん!」
「…アイツ、ウェルに威圧されて気絶してたのにな」
「失禁もね」
「ウェルガ様…頑張って下さい、です!」
「…ここまで来ると、いっそ逞しいねぇ…」
ルシアは木剣、俺は素手と、前回とほとんど一緒。
だって、武器なんて使ったらオーバーキルなんだもの。下手すると肉片も残らないんだもん☆
「…てかお前、俺がオリハルコン級冒険者だって知っててやってんの? …って、聞くまでもないか」
「そんなもの、どうせ嘘に決まっている! 」
「うん、言うと思った」
…そうだった。この子、そういう子でしたね。
「んじゃ。いつでもどうぞ?それともビビってんのか?ん?」
「き…貴様ぁ…!」
軽く挑発しただけで、ルシアは木剣を構えてこちらに突っ込んできた。
ちなみに彼女は、今は残念な悪癖が目立っているものの、普段は全体的に優等生だ。
親が騎士団長なので剣の腕はいいし、むしろ同年代ではかなり強い方だ。
ただ…
「今回は相手が悪かったねぇ…」
「…っぐ!?」
俺は向かってきた木剣を手でペシッと弾き、ルシアの顔面に拳を寸止めさせる。
「おんやぁ?どうしたぁ?全然大したことないんだがねぇ?」
「な、舐めたことを…!」
「んじゃあお言葉に甘えて、少し本気を出してやろうか」
俺はルシアの後ろに一瞬で回り込み、〔黒星〕で作ったダガーを彼女の右の首筋に突き付けた。
「…な…何だ…一体何が起こって…」
「…お前こそオリハルコン級冒険者舐めてんじゃねぇぞ?オリハルコンは金とコネで手に入るほど安かねぇんだよ」
ルシアは俺とのあまりの実力差に、顔を真っ青にして立ちすくんでいるようだが…まだ終わりじゃないんだぜ?。
俺は瞬時に元の場所に戻り、右手を翳して奴の周囲に無数のバレーボール位の大きさの〈ファイアーボール〉を出現させた。
「あ…ああ…ああ…」
「ただのボンボンにこんなこと出来るってぇか?じゃあ是非やってみて欲しいもんだ。なぁ、ゼクト君?」
「…ルシア君、参考までに言うけど…こんな芸当、高等部の先輩方でも不可能だよ?」
「だな。うちの親父でもあれは無理」
既に戦意喪失して青い顔でペタンと座り込んだルシアに、ゼクトとザイアも俺の言葉を受けて補足してくれた。
「お~、凄いねぇ~♪」
「凄いです!あぁ…神様…」
どうやら、イルマ達から見ても凄い事のようだ。
普通なんて、母さんの子宮の中に全部置いてきたからなぁ。
「…で、まだやるか?それとも、もう少しボコったらショック療法で目が覚めんのか?」
「い、いや…分かった…私が悪かった…もうやめてぇ…!」
相手が降参したので、俺はルシアの周りにある火球をフッと消失させた。
「全く…めんどくせぇ事させやがって」
「お疲れ~…ってほど疲れてねぇか」
「ふん、当然!」
「あれだけやったんだから、もう絡まれないよね!」
「流石はウェルガ様ですぅ!」
「これで、君の実力が証明されたわけだね」
彼らは俺の実力を全く疑っていないようだ。その一端をもう既に見せてるからかな。
威圧だって、本来は見えるものじゃないんだけど…あれを見たら普通は察するはずなんだよなぁ。
「強いんだな…お前は…何もさせて貰えなかった…」
「…それ、前絡んだ時点で感じて欲しかったわ」
俺は立ち上がったルシアにそんな事を言われた。
…てか、いつの間にかクラスのみんなが集まって、まるで見世物みたいになっていた。
「あぁ…やっぱウェルガってスゲェんだなぁ…」
「う、動きが全然見えなかった…」
「これが…オリハルコン級の実力…」
「キャー!ウェルガ様~!」
「さすウェル~!」
…なんかまた変な声援が聞こえるんだが…
今回も俺、何故か大人気…もう勘弁してくれ~ぃ…
なので、いつものメンバーと一緒に、授業の邪魔にならないように運動場の隅に移動して相手をしてやることにした。
「はぁ…前に一回やったじゃん…」
「あんな卑怯な試合は勝負ではない!あれでは私の気が済まん!」
「…アイツ、ウェルに威圧されて気絶してたのにな」
「失禁もね」
「ウェルガ様…頑張って下さい、です!」
「…ここまで来ると、いっそ逞しいねぇ…」
ルシアは木剣、俺は素手と、前回とほとんど一緒。
だって、武器なんて使ったらオーバーキルなんだもの。下手すると肉片も残らないんだもん☆
「…てかお前、俺がオリハルコン級冒険者だって知っててやってんの? …って、聞くまでもないか」
「そんなもの、どうせ嘘に決まっている! 」
「うん、言うと思った」
…そうだった。この子、そういう子でしたね。
「んじゃ。いつでもどうぞ?それともビビってんのか?ん?」
「き…貴様ぁ…!」
軽く挑発しただけで、ルシアは木剣を構えてこちらに突っ込んできた。
ちなみに彼女は、今は残念な悪癖が目立っているものの、普段は全体的に優等生だ。
親が騎士団長なので剣の腕はいいし、むしろ同年代ではかなり強い方だ。
ただ…
「今回は相手が悪かったねぇ…」
「…っぐ!?」
俺は向かってきた木剣を手でペシッと弾き、ルシアの顔面に拳を寸止めさせる。
「おんやぁ?どうしたぁ?全然大したことないんだがねぇ?」
「な、舐めたことを…!」
「んじゃあお言葉に甘えて、少し本気を出してやろうか」
俺はルシアの後ろに一瞬で回り込み、〔黒星〕で作ったダガーを彼女の右の首筋に突き付けた。
「…な…何だ…一体何が起こって…」
「…お前こそオリハルコン級冒険者舐めてんじゃねぇぞ?オリハルコンは金とコネで手に入るほど安かねぇんだよ」
ルシアは俺とのあまりの実力差に、顔を真っ青にして立ちすくんでいるようだが…まだ終わりじゃないんだぜ?。
俺は瞬時に元の場所に戻り、右手を翳して奴の周囲に無数のバレーボール位の大きさの〈ファイアーボール〉を出現させた。
「あ…ああ…ああ…」
「ただのボンボンにこんなこと出来るってぇか?じゃあ是非やってみて欲しいもんだ。なぁ、ゼクト君?」
「…ルシア君、参考までに言うけど…こんな芸当、高等部の先輩方でも不可能だよ?」
「だな。うちの親父でもあれは無理」
既に戦意喪失して青い顔でペタンと座り込んだルシアに、ゼクトとザイアも俺の言葉を受けて補足してくれた。
「お~、凄いねぇ~♪」
「凄いです!あぁ…神様…」
どうやら、イルマ達から見ても凄い事のようだ。
普通なんて、母さんの子宮の中に全部置いてきたからなぁ。
「…で、まだやるか?それとも、もう少しボコったらショック療法で目が覚めんのか?」
「い、いや…分かった…私が悪かった…もうやめてぇ…!」
相手が降参したので、俺はルシアの周りにある火球をフッと消失させた。
「全く…めんどくせぇ事させやがって」
「お疲れ~…ってほど疲れてねぇか」
「ふん、当然!」
「あれだけやったんだから、もう絡まれないよね!」
「流石はウェルガ様ですぅ!」
「これで、君の実力が証明されたわけだね」
彼らは俺の実力を全く疑っていないようだ。その一端をもう既に見せてるからかな。
威圧だって、本来は見えるものじゃないんだけど…あれを見たら普通は察するはずなんだよなぁ。
「強いんだな…お前は…何もさせて貰えなかった…」
「…それ、前絡んだ時点で感じて欲しかったわ」
俺は立ち上がったルシアにそんな事を言われた。
…てか、いつの間にかクラスのみんなが集まって、まるで見世物みたいになっていた。
「あぁ…やっぱウェルガってスゲェんだなぁ…」
「う、動きが全然見えなかった…」
「これが…オリハルコン級の実力…」
「キャー!ウェルガ様~!」
「さすウェル~!」
…なんかまた変な声援が聞こえるんだが…
今回も俺、何故か大人気…もう勘弁してくれ~ぃ…
11
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
どうも、賢者の後継者です~チートな魔導書×5で自由気ままな異世界生活~
ヒツキノドカ
ファンタジー
「異世界に転生してくれぇえええええええええ!」
事故で命を落としたアラサー社畜の俺は、真っ白な空間で謎の老人に土下座されていた。何でも老人は異世界の賢者で、自分の後継者になれそうな人間を死後千年も待ち続けていたらしい。
賢者の使命を代理で果たせばその後の人生は自由にしていいと言われ、人生に未練があった俺は、賢者の望み通り転生することに。
読めば賢者の力をそのまま使える魔導書を五冊もらい、俺は異世界へと降り立った。そしてすぐに気付く。この魔導書、一冊だけでも読めば人外クラスの強さを得られてしまう代物だったのだ。
賢者の友人だというもふもふフェニックスを案内役に、五冊のチート魔導書を携えて俺は異世界生活を始める。
ーーーーーー
ーーー
※基本的に毎日正午ごろに一話更新の予定ですが、気まぐれで更新量が増えることがあります。その際はタイトルでお知らせします……忘れてなければ。
※2023.9.30追記:HOTランキングに掲載されました! 読んでくださった皆様、ありがとうございます!
※2023.10.8追記:皆様のおかげでHOTランキング一位になりました! ご愛読感謝!
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間
北きつね
ファンタジー
バスの事故で異世界に転生する事になってしまった高校生21名。
神を名乗る者から告げられたのは「異世界で一番有名になった人が死ぬ人を決めていいよ」と・・・・。
徐々に明らかになっていく神々の思惑、そして明かされる悲しい現実。
それらに巻き込まれながら、必死(??)に贖い、仲間たちと手を取り合って、勇敢(??)に立ち向かっていく物語だったはず。
転生先でチート能力を授かった高校生達が地球時間7日間を過ごす。
異世界バトルロイヤル。のはずが、チート能力を武器に、好き放題やり始める。
全部は、安心して過ごせる場所を作る。もう何も奪われない。殺させはしない。
日本で紡がれた因果の終着点は、復讐なのかそれとも・・・
異世界で過ごす(地球時間)7日間。生き残るのは誰なのか?
注)作者が楽しむ為に書いています。
誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめてになります。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる