貴族の家に転生した俺は、やり過ぎチートで異世界を自由に生きる

第四章：転生者ウェルガ 初等部編

知らず知らずのうちに…

そして割と平和な学園生活を送っているのだが…

「おっはよ～…あれ？」

今日も元気良く登校してきたイルマが、教室を見て首を傾げていた。

「おぅ、イルマ…やっぱりなんか人が少なく見えるよな？」

「うん…来るの早かった？いつも通りだよね？」

「いつもと一緒…です。」

「あぁ、ボクも同じだったよ。あれだね…ウェルガ君の言う通りになったね。 」

「そうだな。調べてみたらこのクラスは12人減ってた。」

「「12人!?」」

そう、入学式の時点でこのクラスは50人いたのだが、今日までに38人になっていたのだ。

「ちなみに全クラスで合計146人いたのが、今日までに121人に減ってる。3クラスでそれぞれ38:42:41って感じ」

「に、25人も減ってんのか…」

「どんだけ問題児が多いのよ…」

まあ理由は言うまでもなく、問題児共の大量ギルティだな。
ちなみに貴族だけではなく、大きな商会の娘や町長の息子などの平民もいるのだが、中には学園のこの分校に通うのを拒否して別の分校がある領地に行った子もいる。まあ逆に別の分校から来た子も隣のクラスとかにいるけど。

「それだけこの国に悪辣な貴族や商人が多いってことだよ。ボクの兄様に聞いたらこの国じゃ割とよくあるらしくて、毎年同じくらい生徒が入学して、そのうち何割かは問題を起こしたり親の都合で辞めていくらしい」

ちなみに、国が学園の運営費をある程度負担するので、初等部は義務教育で無償で通えるのだが…それでもここにいないということは、よっぽどのことがあったということだ。

「な、なんか怖いです…」

「ようは親も子も問題を起こさなければいいってことだ。もっとヤバいところだと、没落した親が自分の子を借金奴隷にして奴隷商に売って逃げたりしてるらしいぞ。逃げ切れたかは知らないけど」

「ひぃぃ…」

「ちょ、怖いこと言わないでよね！」

「…俺ん家、マジでまともな家でよかった…」

「うん、両親に感謝だね…」

ちなみにルシアちゃんだが、彼女は俺に突っかかってきただけで父親の厳重注意で済んでいる。今も俺らのかなり後ろの方で凹んでいて、親しい子達が彼女を励ますためなのか話しかけているようだ。

「アイツの…アイツのせいで私はパパ上に…」

俺のチート聴力でしっかりと聞こえていたのだが、これを凹んでいると捉えるか闇落ちしたと捉えるかは…どうなんだろうな。
というかパパ上って…もしかしてファザコンなのかな？

そんなことをしていたら、ブダゴリラン先生が入ってきたようだ。

「お前ら席に着けー。朝礼始めるぞー。多分薄々気づいてるだろうが、どのクラスも何人か人がいなくなっている」

あら、朝っぱらからその話題なのか。まあ確かに知らない間に人がいなくなってたら不安になるか。

「まあこれは毎年よくある事でな。ここ数週間で問題を起こしたり、親の都合で来られなくなるんだ。知ってるだろうが、この国は他の国よりも悪い貴族なんかがいっぱいいるからな」

ちなみに入学初日に騒いでたあの2人も色々あっていなくなったから、巻き込まれた子達は皆ホッとした顔をしているようだ。うん、良かった良かった。