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第四章:転生者ウェルガ 初等部編
…クラス委員とか、勘弁なんですけど
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「…昨日は凄かったな…」
「だねぇ。二人を見れば、貴族ってあんなのばっかりじゃないって分かるけどさぁ…」
「…同年代の子を知らないから昨日はビックリしたけど、あんなのが普通なわけ…ないよな?」
翌日、学園に来た俺達は早速昨日の騒ぎについて話していた。
「俺はまぁ、平民や貴族の友達が他にもいるから分かるけどさ、あんなのが普通なわけないだろ?」
「そうだよ。話しかけただけであれはないわぁ…」
「…だよなぁ…」
うん、やっぱり昨日のあれはイレギュラーだったようだ…当たり前だけどさ。
「…ビクビク…ビクビク…怖いですぅ…」
…ネルは昨日の騒ぎで、すっかり人が怖くなったようだ。登校してきただけ偉いと思う。
朝、学校に来て教室を見回してみたけど…昨日より人が少ないな。他の2クラスにも欠席者が相次いでいるようだ。
…当然、貴族より平民の方が多いから、まだ授業ができる程度の人数はいるけどな。
「全く、馬鹿貴族共はホント余計なことをするよなぁ…」
「あぁ。貴族の俺達のイメージが悪くなるってんだ」
「そうだねぇ。何も知らないとそう思っちゃうかも」
「…ウ、ウェルガ様もザイアさんも、悪い貴族さんじゃないですぅ…」
そんなことを話していると、担任のブダゴリラン先生が教室に入ってきた。この人の名前も大概だな。
「お前らぁ、朝礼を始めるぞ~」
ブダゴリランの言葉に、クラスの子達が慌てて思い思いの席につく。この学校、決まった席がないからなぁ。
「よぉし、今日は、このクラスの代表になるクラス委員を決めたいと思う。俺はウェルガがいいと思ったんだがなぁ。誰か他に立候補する奴はいないか?」
先生の話を聞いて、皆がざわざわと近くの友達と話し合っている。
おいおい…勘弁してくれよ。前世でも極力避けてたやつだぞ。メンドイし。
しかも、俺はいろんなギルドに所属していて、ランクも最上位なのだ。
ギルマス達は「在学中は仕事しなくても問題はないよ」なんて言っていたけど、俺はこの人生を1000%楽しみたいから、そっちの方をやりたいんだよねぇ。
「うわ…勘弁してくれ…」
「ん~?俺はいいと思うけどなぁ」
「…お前、俺の肩書き聞きたいか?」
「…肩書?」
「オリハルコン級冒険者、金級薬師、金級鍛冶師、あとは…」
「もういい、もういい!てかお前スゲェな!本当に同い年か?!」
「9歳です」
「いや、絶対9歳じゃないよ…確か金級商人でもあったよね?この学園通う意味…ある?」
…あぁ、そういえば俺、馬鹿みたいに色々と売ってるから、いつの間にか名前が知られてたんだっけな。
「いやぁ、そうでもないよ。ここには友達作りがメインで来てるし。ほら、俺の周りって大人しかいないからさ」
「「あぁ…なるほど…」」
…うん、君達…ちょっとそこでお話ししよっか?
「ウ、ウェルガ様がクラスの代表になれば、レアオル様もお喜びに…」
「いやいや、あの方は俺に嫌なことはさせたくないから。むしろ怒らせかねないな…」
俺が進んでやるならまだしも、乗り気じゃないからな。教壇が吹っ飛ぶくらいならまだ軽いだろう。
「…いないのか?ならばウェルガにクラス委員に…」
「…いやぁ~仕方がないなぁ~!ならばボクが立候補しようじゃないか!」
先生が俺に決めようとしていた時、俺から見て右斜め前の生徒が勢い良く立ち上がった。
「…あぁ?あぁ、ゼクトか」
「そう!そのクラス委員、ボクが引き受けようじゃないか!」
先生もクラスの子達も、いつの間にかその生徒に注目していた。何だ何だぁ?
「だねぇ。二人を見れば、貴族ってあんなのばっかりじゃないって分かるけどさぁ…」
「…同年代の子を知らないから昨日はビックリしたけど、あんなのが普通なわけ…ないよな?」
翌日、学園に来た俺達は早速昨日の騒ぎについて話していた。
「俺はまぁ、平民や貴族の友達が他にもいるから分かるけどさ、あんなのが普通なわけないだろ?」
「そうだよ。話しかけただけであれはないわぁ…」
「…だよなぁ…」
うん、やっぱり昨日のあれはイレギュラーだったようだ…当たり前だけどさ。
「…ビクビク…ビクビク…怖いですぅ…」
…ネルは昨日の騒ぎで、すっかり人が怖くなったようだ。登校してきただけ偉いと思う。
朝、学校に来て教室を見回してみたけど…昨日より人が少ないな。他の2クラスにも欠席者が相次いでいるようだ。
…当然、貴族より平民の方が多いから、まだ授業ができる程度の人数はいるけどな。
「全く、馬鹿貴族共はホント余計なことをするよなぁ…」
「あぁ。貴族の俺達のイメージが悪くなるってんだ」
「そうだねぇ。何も知らないとそう思っちゃうかも」
「…ウ、ウェルガ様もザイアさんも、悪い貴族さんじゃないですぅ…」
そんなことを話していると、担任のブダゴリラン先生が教室に入ってきた。この人の名前も大概だな。
「お前らぁ、朝礼を始めるぞ~」
ブダゴリランの言葉に、クラスの子達が慌てて思い思いの席につく。この学校、決まった席がないからなぁ。
「よぉし、今日は、このクラスの代表になるクラス委員を決めたいと思う。俺はウェルガがいいと思ったんだがなぁ。誰か他に立候補する奴はいないか?」
先生の話を聞いて、皆がざわざわと近くの友達と話し合っている。
おいおい…勘弁してくれよ。前世でも極力避けてたやつだぞ。メンドイし。
しかも、俺はいろんなギルドに所属していて、ランクも最上位なのだ。
ギルマス達は「在学中は仕事しなくても問題はないよ」なんて言っていたけど、俺はこの人生を1000%楽しみたいから、そっちの方をやりたいんだよねぇ。
「うわ…勘弁してくれ…」
「ん~?俺はいいと思うけどなぁ」
「…お前、俺の肩書き聞きたいか?」
「…肩書?」
「オリハルコン級冒険者、金級薬師、金級鍛冶師、あとは…」
「もういい、もういい!てかお前スゲェな!本当に同い年か?!」
「9歳です」
「いや、絶対9歳じゃないよ…確か金級商人でもあったよね?この学園通う意味…ある?」
…あぁ、そういえば俺、馬鹿みたいに色々と売ってるから、いつの間にか名前が知られてたんだっけな。
「いやぁ、そうでもないよ。ここには友達作りがメインで来てるし。ほら、俺の周りって大人しかいないからさ」
「「あぁ…なるほど…」」
…うん、君達…ちょっとそこでお話ししよっか?
「ウ、ウェルガ様がクラスの代表になれば、レアオル様もお喜びに…」
「いやいや、あの方は俺に嫌なことはさせたくないから。むしろ怒らせかねないな…」
俺が進んでやるならまだしも、乗り気じゃないからな。教壇が吹っ飛ぶくらいならまだ軽いだろう。
「…いないのか?ならばウェルガにクラス委員に…」
「…いやぁ~仕方がないなぁ~!ならばボクが立候補しようじゃないか!」
先生が俺に決めようとしていた時、俺から見て右斜め前の生徒が勢い良く立ち上がった。
「…あぁ?あぁ、ゼクトか」
「そう!そのクラス委員、ボクが引き受けようじゃないか!」
先生もクラスの子達も、いつの間にかその生徒に注目していた。何だ何だぁ?
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