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第三章:転生者ウェルガ 5歳

貴重な魔法のしょうもない無駄遣い

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「既存だけど、知られてない魔法もあるよ?」

俺は失伝された魔法〈時魔法〉の〈時間停止〉を使う。サンタナとの模擬戦に使って瞬殺したアレね。

俺は時が止まってる間に、パメラのロングスカートを捲ってパンツを確認。元に戻して時間を進める。

「…パメラの今日のパンツは白か…」

「…な!?何故それを…!?」

「分からなかった?さっき俺、パメラのスカートを捲って確認していたんだよ」

少年時代に有りがちな、好きな女子にイタズラする子がするやつね。面白味はないけど。

「…な、なんてくだらない…」

全くだね、母さん。

「…ウェル~?女の子にそんなことしちゃダメよ?」

「いや、分かってるよ…母さん」

「…本当に…このようなことに失伝魔法の〈時魔法〉を使わずとも…」

「なんか咄嗟に思い付いちゃって…ゴメンね」

まあ、年頃の娘さんに使うもんじゃないな。あれはお互い幼いからギリギリ許されるんだし。

「…〈時魔法〉…時間の概念が全く分からなくて使われなくなった魔法よね」

「そんなに理解できないもんかなぁ…?前の世界では事ある毎に確認してたからかな」

「…恐らくはそうでしょうね…」

この世界では、時計なんて自宅に気軽に置いておけるものじゃないしね。朝、昼、晩に時計塔から鐘は鳴るんだけどさ。

「こんなことも出来るよ」

俺は右の掌を上に挙げて魔法を発動させる。すると俺の前方に、空から稲妻が何本も降り注いだ。

「「ヒィっ!」」

「失伝じゃないけど、〈雷魔法〉の〈サンダーボルト〉だね。」

〈雷魔法〉を空から降らせるといった災害のような現象も、人間には出来ない。いや、使用MPが膨大すぎて使えないだけなんだけど。

「雷も出せちゃうのね…」

「そもそもみんなが使ってる〈雷魔法〉は、俺からしたらただの強めの放電だからね。モノホンの雷ってのはこうなんだ!ってのを見せてやりたいよ」

「「ほうでん?」」

…え?そっからか…まあ電化製品の代わりが魔導具だから、科学自体あんまり馴染みがないもんなぁ…

「電気っていう弱い雷みたいなのを放出することだよ。」

俺は先生じゃないから、何となくでしか教えられないんだけどね。

「そうなのね…」

「チキュウという世界には、魔法が無いのでしょうか?」

「魔力の代わりが電気みたいなもんだしね。俺たち人間にも弱いけど流れてるんだよ?」

「「へぇ~…」」

「こんなことも出来る」

パメラの頭上に静電気を発生させる。当然、セットされた髪の毛が徐々に逆立っていく。

「わわわっ!」

「コラ、ウェル!」

「ははは、ゴメンって」

静電気を消すと、パメラがササッと髪を整える。

「…凄いことをしてるはずなのに、やっていることは年相応なのね…なんだか安心しちゃうわ」

「ウェルガ様は、いつも大人びていらっしゃいますからね」

…そうなんだろうか…?割と自由にやって困らせたりもするんだけどな。

「気持ちはオジサンだからね。5歳児をやるってのがむしろ大変だよ」

…いや、ていうか今さら無理だし。前世のときの5歳って何してたっけ?バカやって遊んでた感じしか思い出せないんだけど…
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