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第三章:転生者ウェルガ 5歳

転生者でも関係ない!

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「ウェル…何故今まで黙ってたんだ?」

「前から鑑定の儀が終わったら言うつもりだったのさ。この世界の事はある程度聞いてたから」

「じ、じゃあ、1歳の時の風も魔法だったのね…」

「ああ。ついでに歩いたのも、母さんを驚かせたかったからさ」

「3歳にしてはやたらと流暢に喋ったり、本の内容を理解してたのも、前世の影響か…」

「そう、ちなみに死んだのは29の時だったなぁ…」

「では…精神年齢は34歳?マイク様よりも年上なのですね…」

まあ、計算したらね…俺はもっと低いと思うけど。

「前世じゃ、転生した子供を気味悪がったりするような物語もあったもんだけどね」

「それはないな」

「えぇ。私がお腹を痛めて産んだ子供ですもの。例え精神がオジサンでも、よっぽどのことがなければ私の子よ!」

「そうだね。精神年齢が明らかに僕より年上でも、僕の弟さ!今は学園に行っているハンナも、多分同じ気持ちだと思うよ?」

「そうですな…坊っちゃまは坊っちゃまですから」

他の使用人達も同感らしく、大きく頷いたり口々に俺を擁護する言葉をくれる。

「そっかぁ…まあ生まれもある程度指定してたけどさ」

「「そうなの!?」」

「うん。ピッタリだったのがこの家だったみたい。まさに奇跡だね。」

そういう意味では、俺にして見れば必然でも、他の人にして見れば奇跡の出会いだったね…みたいな?

でも、それだけじゃないな…前世でも味わったことのないこの感覚…
…あぁ…分かった、何かやたら愛されてるなぁって感じだ。

前世の家族もそれなりに悪くはなかったけど…母さんの溺愛のボディータッチが多かったり、父さんの「私に任せておけ!」的な頼もしさが前世の父親よりあったり、今世の兄姉も可愛がってくれたり…執事も使用人も先生?もいい人が沢山いる。

生まれは多少指定しても他はさほど指定してないから、今思えばかなり恵まれてるんだよなぁ。

「…うん…俺、この家に生まれてよかったよ」

「「…ウェル…!」」

「…坊っちゃま…!」

「「…ウェルガ様…!」」

つい思ったことが口に出てしまったが…あれ?何人か泣きそうになってる?
父さんはそうかそうかと目を閉じて頷いてるし、母さんは嬉し泣きして抱きついてくるし、兄さんや他の人達も嬉しそうだ。そんなに感情揺さぶられる?俺が精神的にちょっと枯れてんのかな?中身おっさんだもんな。


「…あぁ、そうだ。色々と説明しとかないとね」

「「説明?」」

いい雰囲気のところ悪いけど、俺の力をまだ説明してないや。
ここにいる人達には、ある程度聞いてもらわないといけないこともあるんだろうしね。

「ステータス見てみなよ。理解不能なのばっかりだろ?」

「「…あぁ…」」

皆さんようやく展開に追い付いたっぽいしね。

「見て分かる通り、俺のステータスは異常だ。能力値もスキルもね。何でこうなったか、教えてあげるよ」
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