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第二章:転生者ウェルガ 3歳

冒険者ギルドを訪ねてみた

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冒険者ギルドの中に入ってみたけど、昼前だからかあんまり冒険者がいないようだった。
依頼が貼ってある掲示板のような場所にいる人もいないが、何人かは併設された酒場で飲食中だったり、酒を飲んでだべってたりしている。

「まあ混雑するのは、朝方か依頼を終えて帰ってくる夕方くらいだからな」

「そっかぁ…まあ、あんまり見られなくていいけどね」

そんなことを話していたのだが、やはり幼児と元高ランク冒険者がいるのは目立つらしく、ヒソヒソと「ガキ?」「シモンズ?」「なんでガキとシモンズが?」と話の種にされてるようだ。

シモンズはズンズンと受付カウンターみたいなところに近づいているので、テクテクとついていく。

「あら、シモンズさん。引退されたのでは?」

綺麗なお嬢さんが、近づいているシモンズに話しかけている。受付嬢ってやつかな?

「コイツがギルドを見たいっていうんでな。」

「あらぁ、ボクぅ?ギルドに興味あるの?」

「おう、ランスロット伯爵子息によくそんなこと言えるな?すげぇ勇気だ。」

「申し訳ありません失礼しました!どうかお許しを!処刑だけはぁ!」

「変わり身早!?お姉さん貴族をなんだと思ってるの?そんなんで処刑してたら人類が滅びるよ…」

なんだこの愉快な生物。貴族って聞いたらいきなりヤバい顔になって謝罪しだしたよ。貴族のイメージどんだけ悪いんだ。

「そういやぁ、領主に三男坊がいたんだったな…」

「あ~、魔力0のクズだっけ?」

「3歳になっても赤ん坊以下のミソッカスってそいつの兄貴が触れ回ってるあのガキか?」

「あら、可愛い♡」

「育てたいわぁ…♡」

周りも男女で扱いに差が出過ぎじゃない?男性陣よ、カス扱いは勘弁してくれ。女性陣よ、どんな欲望向けてんだ。どんだけモテねぇんだよ。

「で、そのゴミをギルドに入れて何してるんです?ここは廃棄所じゃありませんよ?あ、売りに来たんですか?」

あんたもか、受付嬢よ…

「その言い方止めとけ。後で後悔するぞ?こいつは俺が何人いても敵わないんだからな。」

「またまた~…いくら領主様の息子とはいえ、少々大袈裟ではないですかぁ?」

「お姉さん」

俺は机からひょっこり顔を出してみる。

「何かしら?」

「ちょっと黙ろうか?」

俺は笑顔で濃密な殺気を当ててやった。
受付嬢、股から何か漏らして目を開けたまま気絶。
周囲、一瞬静まり返ってからのザワザワ。

「…へ?」

「…何が起こった?」

「…リコッタちゃん、確か元銀級冒険者だったよな…?」

「…元とはいえ、冒険者を気絶…?あのガキ、一体何したんだ…?」

全く、俺の無能の噂はまだ広まったままなんだよなぁ。あの二人が大いに言いふらして回っていたからな。まあいいもん見れたからいいけどさ。

「…流石ウェルだな…受付嬢にも容赦無しか…」

「ナメた事言ってるからシメただけだよ?」

「…シモンズのお墨付き…」

「…ヤベェお方だ…」

「…ナメたらヤられる…」

皆さん、聞こえてますよ?失礼だな。まだ何もしてないだろうに。あ、してたか。
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