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第二章:転生者ウェルガ 3歳

やりたいこといっぱ~い(入浴編)

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さて、実力の一端を解禁したわけだが、正直微妙にやりたいことが決まってない部分は無いでもない。

飯テロ?スキルやギフトがあるから出来なくもないけど、俺、料理したこと無いや。後で調べて、料理番に作り方教えてやらせよう。

新しい衣服でも流行らせるか?いや、飯テロと同じく地の知識がない。化粧品も同様。要調査だな。

ならまずは…。

「ララさんやララさんや」

「…?ウェルガ様、どうかいたしましたか?」

「モニター…ん"!…ちょっとララに試して欲しいことがあるんだ。ちょっと早いけど、一緒にお風呂入ってくれる?」

「お風呂… ですか?構いませんが…何をなさるのです?」

「女性が泣いて喜ぶかもしれない検証。こないだ言ったろ?ちょっと本気出すって」

部屋でメイドのララが部屋を清掃してるのをのんびり眺めながら、俺はそんな事を頼んでみた。あっさりOKか。まあ3歳だもんな、俺。てか3歳で一人で入る方が不自然か。

ララが清掃を終えてメイド長に報告してから、許可を貰って二人で風呂場に行く。
当たり前だが、中世ヨーロッパに酷似したこの世界は、庶民は体を布を濡らして拭くだけ。風呂場を持っている裕福な商人や貴族でも似たような感じだ。前世が日本人の俺にはちょっと違和感があるんだよな。

風呂場に着き、手早く脱ぐのだが、ララはただ素足に腕まくりをしただけだ。

「ララも脱ぐんだよ。試すことがあるんだから」

「えぇ…?」

そう言ってララのメイド服を引っぺがし、タオルを巻かせてある物を〈インベントリ〉から取り出した。

それはノズルが付いた半透明の容器だ。それが色違いで三つ。中には三種類の液体が入っている。
それぞれボディーソープ、シャンプー、コンディショナーが入っているが、100円均一にあった容器に既製のやつを入れただけの物だ。

実はこれ、まんま前世の俺の家にあったやつなのだ。俺はギフトの〈異世界の理〉やスキル〈インベントリ〉などを駆使し、女神様も協力して前世の家にあった物品を入れて貰っているのだ。まあすぐ返すんだけど。
異世界のシャンプーとか使ったら、絶対凄いことになるだろうなぁとか考えながら説明する。

「これが体を洗うときに使う液体、これが頭を洗うときに使う液体、これは頭を洗った後に使う液体だよ。これを試してもらいたいんだ」

「ウェルガ様を信じたいですが…何もありませんよね…?大丈夫ですよね?」

「責任は取るから、ささ、使ってみてよ♪」

俺の勧めに心配そうにしながらも、ボディーソープを使ってみるララ。当然タオルに泡立てて使ってもらう。

ボディーソープを流したその後も、シャンプーとコンディショナーをララの茶髪に使ってもらうと、髪の方はすぐに効果が現れた。

「ウ、ウェルガ様!?凄く髪がサラサラになりました!たまにくしに引っ掛かっちゃうこともあるのに!」

大分喜んでくれたようで、この後にララの髪を見た女性陣に速攻で出所を吐かされることになった。
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