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第二章:転生者ウェルガ 3歳

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「分からんなぁ…HP1っていやぁ、石ぶつけられただけでもヤバイんだろ?」

「だからこそ、他の子以上に気をつけているんだ。躓いて転んだだけでも…とな」

あ~、周りに常に人がいたのはその為ね。トイレの時も、使用人がついでとばかりに用を足してたな。

「だとしたら、ヤバくないか?木剣で打ち合うのも命取りなんじゃないか?」

「屋敷には治癒が出来る者もいるから死にはしない。それに…妙なのだ。ここ最近、私の勘がウェルは只者ではないと言っている」

出たよ、パパンの謎の直感。〈直感〉スキルが無いのに妙に鋭いんだよね。

「1歳の時に風魔法らしきものを発したとも聞いているしな。今回も何かしらの事が起こる…そんな気がするのだ」

えぇ、やりますよ?なんなら少し力の一旦を見せてやろうかと思ってるし。
もう能無し期間はおしまいだ。短いお楽しみだったな。これからはあのバカ共の鼻を明かして「ざまぁww」をして楽しむことにする。

「なら、何が出来るか実際に見てみようや。有り得ない事が続いてるんだろ?なら…確かめてみようぜ」

にやりとシモンズが笑って、俺、父さん、マイク兄さん、シモンズ、数人の従者が中庭に移動する。

この日のために色々準備していたようだ。木剣や防具、あれは藁と木で作った人形?魔法も試すのかねぇ…。やってやろうじゃないの。

「まずは走り込みだな」  

中庭は小学校の校庭の4分の1くらいか。大人はともかく、3歳児には十分すぎるくらい広いな。

早速軽く走ってみる。物理ステータスがオール99999の俺は持久力も人間を止めている。

走り初めて2時間…。

「…ま、まだ走れるのか…?」

「有り得ねぇ…一般人どころか、銀級冒険者とかでも途中でバテても良いはずだぞ…なんであんな澄ました顔で…てか、もう小走りじゃなくてマジで走ってねえかあれ?」

「ウェル…君はやっぱり凄い子だったんだね!」

ふむ、そうなのか?全然余裕なんだがね。いつまでも走ってられそうだ。
俺はグングンスピードを上げていき、最終的にはまるでゆっくり走っている残像が見えるくらい走った。もう4桁くらい周回してないか?これ。

チラッと皆を見たら、一部信じられないという顔をして走ってる俺を見ている。まあ、3歳児のやることじゃないよな。軍隊でもやらないだろう。
飽きてきたので、スピードを徐々に緩める。数秒かけて止まってから父さん達の元に駆け寄った。


「父さん、どうだった?」

「…はっ!そ、そうだな…少なくとも持久力は有りそうだな…うん…」

「ジーク!有るなんて次元じゃねぇだろ!何処の世界に三時間も有り得ねぇ速度で持久走する3歳児がいるんだよ!しかも息切れすらしてない!」

「やっぱりウェルは凄い奴だ!あのステータスはやっぱり嘘だったんだ!」

「おぉ、坊っちゃま…逞しくなられて…じぃは…じぃは嬉しいですぞ…」

みんな個性的な反応を示し、セヴァスに至っては泣き出してしまった…。まさに「お前誰やねん」だよな。
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