白樺夢日記

からから

文字の大きさ
上 下
1 / 1

白樺家の父

しおりを挟む
我が家の父を紹介する。

うちの父はマサヨシ。
『正義』と書いてマサヨシと読む。


大きな柴犬か、シェパードを思わせる
知性と優しさのある風貌。

少し身体が大きくて、頼り甲斐のありそうなサイズ感。
参観日などは、周りの母親たち父親たちから頭ひとつ出ているので
ちょっと自慢だったりする。



見た目では悪くはない、と評価できる父だが、
誰しも欠点の一つや二つはある。



つい先日、妹と話していて知ったことだが、
父と私と妹とで作っているグループラインで事件があった。らしい。
いわゆる誤爆である。


前後で海外旅行の打ち合わせをしていたのだが、
旅行代理店への予約の確認を私から問いかけた後に、事件が起きた。



「姉ちゃん、これ。見た?」


十月。
母と娘二人での川越旅行前。
浦和の駅のホームで光る妹のスマホ画面。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私:HIS予約したの? 何時ごろ?

父:笑顔の絵文字x3
  ディナーの予約19:00からだよ!
  ホテルもバッチリ予約したよ💕
  楽しみだね💖

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「……………」

「……………」

「……………」






「……っぷ! あははははははっは!」


駅のホームで吹き出した私と母。
ニヤリと笑った妹は、ゴミクズの写真でも見るように
スマホをつつく。


妹「いやー、ついうっかり通知が溜まってたから開いたら、コレだったんだよ~。
 咄嗟にスクショしてしまった。(軽蔑)」


私「私の場面では、送信取り消しが二個ついて、普通に会話進んでる!(爆)」


妹「そうそう。パパも既読1 がついてびっくりしたじゃろうね。
 私も既読つけちまったーって焦ってスクショしたわ。
 もう、何も言わん。と思って放っておいたら、姉ちゃんが普通に返信するから
 姉ちゃん、見てないんじゃなぁっと思って。(苦笑)」


私「そいやあ、あんた、この後全然話に参加してこないかったよね~(笑笑)」


母「咄嗟にスクショしたのが偉いわー。ママはそこまで気が回らんで、
 写真なんか残ってないもん。(悔)」


妹「気色悪~。何誤爆しとんねん!
 これは二人に見せねばと保存してしまったわ。一人では抱えきれんもん。(苦笑)」





その後、わいわいと父の新しい春に歓喜した元妻と二人の娘たち。

とんでも誤爆をする父は、柴犬でもシェパードでもなくハスキーさんだったかと
ハスキーさんにも失礼な確認をしあった朝のホーム。




ーー我が白樺家の父は、そんなおバカ犬のような男である。




しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

処理中です...