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第21話 二番弟子、入学前から呼び出しを食らう
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試験から3日が経った朝、俺はマイアさんからもらったペリアレイ魔法学園のパンフレットを読み返していた。
そして、俺はまた1つ、部活動紹介のページで気になったものを発見した。
槍術愛好会だ。
前世の魔法大学なんかでは、1つの「お約束」があった。
それは、名前に槍がつく部活動は「槍サー」すなわち「ヤリサー」の隠語だ、というものだ。
もちろん、全てが全てそうというわけではなく、真面目に槍を練習し、大会に出ていた部もある。
だがそれ以上に、どう見ても槍より酒瓶を握ってる時間の方が長いだろってな団体が横行しまくっていたのだ。
前世だと、槍サーで満足するには相当なトーク力が必要だったが……今の俺なら存在するだけで十分だったりしてな。
って、この歳で入ったら不純異性交遊になってしまうか。
兼部するとしても、高学年からだな。
真面目な部だったら、俺の戦力は青春するには過剰なので遠慮しておこう。
魔物相手に力の差が歴然なのは手放しで良いことだが、部の大会でそれは虚しくなるだけだからな。
そう考えている時だった。
コンコンと、ドアを叩く音がした。
開けると、そこには宿の店主がいた。
「テーラス樹様でお間違いございませんでしょうか」
「はい」
「ペリアレイ魔法学園から、お急ぎの書類が届いております」
そう言って、店主は1つの封筒を俺に差し出した。
そして、それでは、と言って去っていった。
ドアを閉め、封筒を開封する。
要約すると、手紙はこのような内容だった。
『入学前に重要なお話があるので、手紙を取った日以降で午前中の都合が良い時に一度来てください』と。
……やれやれ、入学前から呼び出しを食らうとは。
試験で気功剣を発動したのがまずかったりしたんだろうか。
それとも、俺だけ知ってるダンジョンの入り口がバレでもしたか?
まあいい。とりあえず行ってみるしかないな。
出かける準備をして、俺は宿を後にした。
☆ ☆ ☆
「ユー、よく来てくれたね」
学園に着き、事務員の案内で通してもらった部屋には、あの試験の日にプレートを返した爺さんがいた。
この人、もしかして結構偉い感じの人なのか?
椅子に座るよう促されたので、俺はそこに腰かけた。
そして、早速話を切り出す。
「こんにちは。試験の日以来ですね。本日は、どのような用事で僕をお呼びになったのでしょうか」
「ユー、『黒の覆面更生員』になっちゃいなよ」
「黒の……覆面更生員?」
特待生の次は、今度は得体の知れない役職を薦めてきたか。
一体、何だと言うのだ?
「私から説明いたしましょう」
俺が疑問に思っていると、爺さんの隣にいた、教員と思われる真面目そうな男がそう口にした。
「順を追って、前提からお話ししましょう。通常、教員というものは、いかなる理由があっても学生に体罰を与える事は許されません。何故なら、学園とは教育の場であり、身体的苦痛で無理やり言うことを聞かせるのは教育とは言えないからです」
「そうですね」
「ですが、この『生徒は何をやっても実社会でのようには罰されない』という状況は、時として悪い方向に向かう事があります。不良生徒がつけ上がり、善良な生徒に深刻な悪影響を与えるケースが続出したのです」
「なるほど」
「教育の場にそぐわせる為のルールが、却って教育を阻害する。この事態の改善のため、指定の覆面を被った教員のみ、実力行使によって生徒を取り押さえる事が許されるようになったのです。これが、覆面更生員と呼ばれるものです」
「そうですか。では、『黒の覆面更生員』とは一体、どのようなものでしょうか?」
「黒の覆面更生員は、覆面更生員と同等の権限を持つ生徒の事を指します。指定の覆面の色が、教員のそれと違い黒色である事からその名が定着しました」
「なるほど、分かりました。しかし、何故わざわざ生徒から覆面更生員を選ぶのでしょうか?」
「理由はその時々によってまちまちですが……正直に申し上げますと、今回のは最悪のケースと言わざるを得ませんね。というのも、今回テーラス君を推薦する理由は『教員では手に負えない不良がいるから』ですので」
「……はい?」
教員の歯が立たない奴を、生徒に任せる?
聞き間違いじゃないだろうか。
「勿論、我々はこの推薦の承諾を強制はしません。ですが、テーラス君の実技試験の結果を見る限り、貴方ならあるいは、と思ったのもまた事実です」
「その『教員でも手に負えない不良』というのは、一体どんな奴なのでしょうか?」
聞くと、男の表情は一気に深刻なものとなり、部屋全体の空気が重くなった。
「……該当生徒は、今年度から6年D組の、リューナという者。彼女は実力を認められ、10か月ほど前5年生として我が学園に編入する事となったのですが……事件は、彼女の編入から1か月が経った頃始まりました。当時の風紀委員5人が、皆殺しにされてしまいましてね」
「……え?」
一瞬、言葉を疑った。
皆殺しって、それ不良の範疇軽く超えてんだろ。
「教員も懸命に取り押さえようとしたのですが、その全員が様々な重軽傷を負いましてね。その日以来、6年D組──当時は5年D組でしたが──は立ち入り禁止の、不良の溜まり場となってしまったのです」
「そんな……」
「法規制により治安維持組織の学園への介入が不可能な以上、学園内の実質最高戦力となるであろうテーラス君は実質最後の希望です。良かったら、ご協力頂けませんか?」
マジかよ。
連続殺人とか、前世なら教育機関とかお構い無しに警察がすっ飛んでってたぞ?
「まあ、構いませんが……一応、危険が伴うとのことですし、何かこちら側のメリットは存在するのでしょうか?」
「はい。通常の特待生は授業料が半額となりますが、黒の覆面更生員の場合はそれが全額免除となります」
「ありがとうございます」
「では、承諾なさるという事でよろしいですね?」
そう言って、男は一枚の書類を差し出してきた。
授業料全額免除は、単純にありがたいな。
まあそれが無かったとしても、学園の治安が悪いと青春どころではなくなってしまうので承諾するつもりではいたが。
全ての項目を書き終えて捺印を済ませると、俺は退室を促された。
「では、入学式の日、改めてお会いしましょう。特待生は式中での演説がありますので、内容を考えておいてくださいますよう」
「ユー、待ってるよ」
「それでは失礼します」
挨拶をして、俺は爺さんたちの部屋を後にした。
……とんでもない事になってんな、この学園。
そして、俺はまた1つ、部活動紹介のページで気になったものを発見した。
槍術愛好会だ。
前世の魔法大学なんかでは、1つの「お約束」があった。
それは、名前に槍がつく部活動は「槍サー」すなわち「ヤリサー」の隠語だ、というものだ。
もちろん、全てが全てそうというわけではなく、真面目に槍を練習し、大会に出ていた部もある。
だがそれ以上に、どう見ても槍より酒瓶を握ってる時間の方が長いだろってな団体が横行しまくっていたのだ。
前世だと、槍サーで満足するには相当なトーク力が必要だったが……今の俺なら存在するだけで十分だったりしてな。
って、この歳で入ったら不純異性交遊になってしまうか。
兼部するとしても、高学年からだな。
真面目な部だったら、俺の戦力は青春するには過剰なので遠慮しておこう。
魔物相手に力の差が歴然なのは手放しで良いことだが、部の大会でそれは虚しくなるだけだからな。
そう考えている時だった。
コンコンと、ドアを叩く音がした。
開けると、そこには宿の店主がいた。
「テーラス樹様でお間違いございませんでしょうか」
「はい」
「ペリアレイ魔法学園から、お急ぎの書類が届いております」
そう言って、店主は1つの封筒を俺に差し出した。
そして、それでは、と言って去っていった。
ドアを閉め、封筒を開封する。
要約すると、手紙はこのような内容だった。
『入学前に重要なお話があるので、手紙を取った日以降で午前中の都合が良い時に一度来てください』と。
……やれやれ、入学前から呼び出しを食らうとは。
試験で気功剣を発動したのがまずかったりしたんだろうか。
それとも、俺だけ知ってるダンジョンの入り口がバレでもしたか?
まあいい。とりあえず行ってみるしかないな。
出かける準備をして、俺は宿を後にした。
☆ ☆ ☆
「ユー、よく来てくれたね」
学園に着き、事務員の案内で通してもらった部屋には、あの試験の日にプレートを返した爺さんがいた。
この人、もしかして結構偉い感じの人なのか?
椅子に座るよう促されたので、俺はそこに腰かけた。
そして、早速話を切り出す。
「こんにちは。試験の日以来ですね。本日は、どのような用事で僕をお呼びになったのでしょうか」
「ユー、『黒の覆面更生員』になっちゃいなよ」
「黒の……覆面更生員?」
特待生の次は、今度は得体の知れない役職を薦めてきたか。
一体、何だと言うのだ?
「私から説明いたしましょう」
俺が疑問に思っていると、爺さんの隣にいた、教員と思われる真面目そうな男がそう口にした。
「順を追って、前提からお話ししましょう。通常、教員というものは、いかなる理由があっても学生に体罰を与える事は許されません。何故なら、学園とは教育の場であり、身体的苦痛で無理やり言うことを聞かせるのは教育とは言えないからです」
「そうですね」
「ですが、この『生徒は何をやっても実社会でのようには罰されない』という状況は、時として悪い方向に向かう事があります。不良生徒がつけ上がり、善良な生徒に深刻な悪影響を与えるケースが続出したのです」
「なるほど」
「教育の場にそぐわせる為のルールが、却って教育を阻害する。この事態の改善のため、指定の覆面を被った教員のみ、実力行使によって生徒を取り押さえる事が許されるようになったのです。これが、覆面更生員と呼ばれるものです」
「そうですか。では、『黒の覆面更生員』とは一体、どのようなものでしょうか?」
「黒の覆面更生員は、覆面更生員と同等の権限を持つ生徒の事を指します。指定の覆面の色が、教員のそれと違い黒色である事からその名が定着しました」
「なるほど、分かりました。しかし、何故わざわざ生徒から覆面更生員を選ぶのでしょうか?」
「理由はその時々によってまちまちですが……正直に申し上げますと、今回のは最悪のケースと言わざるを得ませんね。というのも、今回テーラス君を推薦する理由は『教員では手に負えない不良がいるから』ですので」
「……はい?」
教員の歯が立たない奴を、生徒に任せる?
聞き間違いじゃないだろうか。
「勿論、我々はこの推薦の承諾を強制はしません。ですが、テーラス君の実技試験の結果を見る限り、貴方ならあるいは、と思ったのもまた事実です」
「その『教員でも手に負えない不良』というのは、一体どんな奴なのでしょうか?」
聞くと、男の表情は一気に深刻なものとなり、部屋全体の空気が重くなった。
「……該当生徒は、今年度から6年D組の、リューナという者。彼女は実力を認められ、10か月ほど前5年生として我が学園に編入する事となったのですが……事件は、彼女の編入から1か月が経った頃始まりました。当時の風紀委員5人が、皆殺しにされてしまいましてね」
「……え?」
一瞬、言葉を疑った。
皆殺しって、それ不良の範疇軽く超えてんだろ。
「教員も懸命に取り押さえようとしたのですが、その全員が様々な重軽傷を負いましてね。その日以来、6年D組──当時は5年D組でしたが──は立ち入り禁止の、不良の溜まり場となってしまったのです」
「そんな……」
「法規制により治安維持組織の学園への介入が不可能な以上、学園内の実質最高戦力となるであろうテーラス君は実質最後の希望です。良かったら、ご協力頂けませんか?」
マジかよ。
連続殺人とか、前世なら教育機関とかお構い無しに警察がすっ飛んでってたぞ?
「まあ、構いませんが……一応、危険が伴うとのことですし、何かこちら側のメリットは存在するのでしょうか?」
「はい。通常の特待生は授業料が半額となりますが、黒の覆面更生員の場合はそれが全額免除となります」
「ありがとうございます」
「では、承諾なさるという事でよろしいですね?」
そう言って、男は一枚の書類を差し出してきた。
授業料全額免除は、単純にありがたいな。
まあそれが無かったとしても、学園の治安が悪いと青春どころではなくなってしまうので承諾するつもりではいたが。
全ての項目を書き終えて捺印を済ませると、俺は退室を促された。
「では、入学式の日、改めてお会いしましょう。特待生は式中での演説がありますので、内容を考えておいてくださいますよう」
「ユー、待ってるよ」
「それでは失礼します」
挨拶をして、俺は爺さんたちの部屋を後にした。
……とんでもない事になってんな、この学園。
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