72 / 88
放課後 ~後日談~
バレンタイン・こぼれ話
しおりを挟む
※バレンタイン後の様子を、ちょっと。
――――――――――――――――――――――――
「ただいまぁ……」
13日の木曜日、夜10時過ぎ。玄関からぐったりと疲れた様子の莉子の声が聞こえてきた。
今日は俺が車で送るから、と透からは聞いていたが、それにしても随分と遅い。
(受験勉強も追い込みだし、大変なのね)
玲香はそう思い、温かく迎えてあげようとパタパタとスリッパの音をさせて玄関に向かった。
「お帰りなさ……あら?」
そこには、赤とピンクのチューリップの花束を抱え、頬が上気したままの莉子の姿が。
「どうしたの、それ?」
「え、あの……新川センセー、が……」
莉子はそう言いながら右手で自分の襟元をギュッと握りしめる。玲香と一切目を合わせようとしない。
何か様子がおかしいわね、と思いながら玲香は重ねて聞いてみる。
「バレンタインだから?」
「うん……」
――まさか。
玲香はごくり、と唾を飲み込んだ。
莉子ちゃんのこの後ろめたそうな様子。うっすらと桃色に染まった頬。心ここにあらずとばかりに泳ぐ瞳。自分の体を庇うように回した腕。疲労困憊と言わんばかりにフラつく足元。
――まさか透くん、莉子ちゃんを……っ!
「受験前の大事な時に、何てこと!」
「……は?」
急に叫びだした玲香に、莉子は何度も目をパチクリさせた。
玲香は両手の拳を握りしめ、両肩をプルプル震わせている。
「それだけは……それだけは堪えてくれると思ってたのにぃ!」
「れ、玲香さん? どうしたんですか?」
「莉子ちゃん、大丈夫? 身体は辛くない? ああもう、男って本当にどうしようもないわね!」
「んがっ……」
どうやら勘違いされたらしいと気づいた莉子が、ますます真っ赤になる。
それを見た玲香がますます慌ててポケットからスマホを取り出す。
「これは保護者として黙ってられないわ!」
「ちが、玲香さん、違います――!!」
……結局その後、莉子は余韻に浸る暇もなくすべて玲香に報告する羽目になる。
何でこんなダブルで辱めを……と、莉子は心の中で大泣きするのだった。
* * *
「新川先生! 私、第一志望に合格しました!」
14日の金曜日。梨花は光野予備校に訪れて自分の入試結果を報告していた。
「そうか。良かったな」
「はい、これで無事に春から女子大生です。指定校推薦を外れたときは投げ出したくなったけど、諦めずに頑張ってよかったー」
「そうだな」
「あ、で、これ。バレンタインなので、感謝チョコです」
「ありがとう。……あ、そうだ」
チョコを見て思い出したのか、透は「耳を貸せ」というようにちょいちょいと梨花を手招きした。
珍しいなあ、と思いながら梨花が至近距離に近づくと、透が誰にも聞こえないような小声で
「莉子と会ったんだって?」
と問いかける。
「あ、はい。ちょっとしたアドバイスを……」
「ありがとう」
そう言う透の顔は、なぜか満面の笑み。
梨花は「ん?」と首を傾げた。
どうして新川先生からお礼を言われるんだろう。それに、仁神谷さんが私のことをわざわざ新川先生に言うとは思わなかったな。
何かアクシデントでもあったのかな。気になるなあ……。
梨花がひそかに気を揉んでいると、予備校のチャイムが1階職員室に響き渡った。慌てて教室に入る生徒、プリントをトントンと揃えて立ち上がる教師……授業開始の合図に、辺りがざわつき始める。
「次、授業だからこれで。小林、合格おめでとう。それじゃまたな」
「あ、はい」
透は机の上に用意してあった教材を抱えて立ち上がり、颯爽と歩いて行ったが――目尻はデレッと下がり、右手を口元に当てながらニヤニヤと思い出し笑いをしている。
すべてを知っているという気安さだろうか。それでもあの一件以来、透が梨花の前で予備校講師の仮面を外すことはなかったのだが。
これはよっぽどのことがあったに違いない、と梨花は考えた。透のゴキゲンが莉子のゴキゲンに繋がるとは限らないということを、彼女は漠然と悟っている。
(仁神谷さん、大丈夫だったのかしら……)
一抹の不安を覚えた梨花は、受験勉強の邪魔をしても、と葛藤しつつも……その日の夜、莉子に電話をした。
電話の向こうの莉子は、三度の辱めに
「あ、あの、大バカ者が――!」
と、絶叫するのだった。
* * *
玲香には洗いざらい話す羽目になり、梨花にもつつかれ――莉子はすっかり疲れ果ててしまった。
恵に愚痴ってスッキリしてしまおうと考え、莉子は土曜日、久しぶりに恵の家に行った。
事の顛末を一通り話すと、恵は手を叩いて大笑いした。
「あは、あははは――!」
「笑い事じゃないから!」
「いや、だってさあ……莉子って的確にスイッチを押すよねー!」
笑いが止まらない恵は、涙まで浮かべている。
莉子はむうう、と唇を尖らせた。
「スイッチ?」
「モジモジしながらそんないじらしいこと言われたら、そりゃ押し倒したくもなるでしょ!」
「いじらしい? 私はただ懺悔を……」
「いやー、可愛らしい懺悔だ。私だってギュッとしたくなるもん」
恵が手をワキワキさせながら莉子ににじり寄る。やめてよ!と莉子が真っ赤な顔をしてその手を振り払うが結局はあらがえず、恵に熱烈なハグをされてしまった。
そうしてしばらくじゃれ合っていたが、どうにか落ち着きを取り戻した恵は
「……で? 花言葉は調べたの?」
と莉子に聞いてみた。
莉子はやや頬を染めながらこくんと頷いた。
「調べた。赤が『真実の愛』でピンクが『誠実な愛』だった」
「ふうん」
「全然、誠実じゃないよね!」
「いやー?」
恵はスマホを取り出すと、国語辞書で『誠実』を検索する。その画面を莉子にも見せると、ぷぷっと小さく笑った。
「ほら、真心を持って接してるんだから『誠実』ではあるよね」
「私利私欲をまじえず、でしょ、『誠実』は!?」
「欲のスイッチを押したのは莉子だからねぇ……自業自得?」
「何でそうなるのよ!」
莉子のクレームはそのまま聞き流し、恵は無料占いサイトを検索した。
「まぁまぁ、せっかく誕生日と血液型もわかったんだし、相性占いでもしてみる?」
「え……」
「普通は小学生ぐらいで通る道なんだけどねぇ。えーと、莉子は魚座のB型で、新川センセーが牡牛座のAB型……と」
スマホを操作する恵にピタリと寄り添い、莉子がその手元をじっと覗き込む。何だかんだ言っても、結果は気になるらしい。
『相性:46% 分かりあえない相手
牡牛座AB型の彼の考えに「何でそうなるわけ?」と疑問続出の魚座B型の彼女。分かり合えないことに腹立ちを覚えやすい相性』
「ぶふ――っ! さ、最高!」
「もう、最悪だよ!」
大ウケする恵の隣で、莉子は傍に置いてあったクッションにバフッと突っ伏してしまった。
――――――――――――――――――――――――
テキトーに決めた莉子ちんと新川透の誕生日と血液型。
まさかこんな占い結果になるとは……(実話)。( ̄▽ ̄;)
――――――――――――――――――――――――
「ただいまぁ……」
13日の木曜日、夜10時過ぎ。玄関からぐったりと疲れた様子の莉子の声が聞こえてきた。
今日は俺が車で送るから、と透からは聞いていたが、それにしても随分と遅い。
(受験勉強も追い込みだし、大変なのね)
玲香はそう思い、温かく迎えてあげようとパタパタとスリッパの音をさせて玄関に向かった。
「お帰りなさ……あら?」
そこには、赤とピンクのチューリップの花束を抱え、頬が上気したままの莉子の姿が。
「どうしたの、それ?」
「え、あの……新川センセー、が……」
莉子はそう言いながら右手で自分の襟元をギュッと握りしめる。玲香と一切目を合わせようとしない。
何か様子がおかしいわね、と思いながら玲香は重ねて聞いてみる。
「バレンタインだから?」
「うん……」
――まさか。
玲香はごくり、と唾を飲み込んだ。
莉子ちゃんのこの後ろめたそうな様子。うっすらと桃色に染まった頬。心ここにあらずとばかりに泳ぐ瞳。自分の体を庇うように回した腕。疲労困憊と言わんばかりにフラつく足元。
――まさか透くん、莉子ちゃんを……っ!
「受験前の大事な時に、何てこと!」
「……は?」
急に叫びだした玲香に、莉子は何度も目をパチクリさせた。
玲香は両手の拳を握りしめ、両肩をプルプル震わせている。
「それだけは……それだけは堪えてくれると思ってたのにぃ!」
「れ、玲香さん? どうしたんですか?」
「莉子ちゃん、大丈夫? 身体は辛くない? ああもう、男って本当にどうしようもないわね!」
「んがっ……」
どうやら勘違いされたらしいと気づいた莉子が、ますます真っ赤になる。
それを見た玲香がますます慌ててポケットからスマホを取り出す。
「これは保護者として黙ってられないわ!」
「ちが、玲香さん、違います――!!」
……結局その後、莉子は余韻に浸る暇もなくすべて玲香に報告する羽目になる。
何でこんなダブルで辱めを……と、莉子は心の中で大泣きするのだった。
* * *
「新川先生! 私、第一志望に合格しました!」
14日の金曜日。梨花は光野予備校に訪れて自分の入試結果を報告していた。
「そうか。良かったな」
「はい、これで無事に春から女子大生です。指定校推薦を外れたときは投げ出したくなったけど、諦めずに頑張ってよかったー」
「そうだな」
「あ、で、これ。バレンタインなので、感謝チョコです」
「ありがとう。……あ、そうだ」
チョコを見て思い出したのか、透は「耳を貸せ」というようにちょいちょいと梨花を手招きした。
珍しいなあ、と思いながら梨花が至近距離に近づくと、透が誰にも聞こえないような小声で
「莉子と会ったんだって?」
と問いかける。
「あ、はい。ちょっとしたアドバイスを……」
「ありがとう」
そう言う透の顔は、なぜか満面の笑み。
梨花は「ん?」と首を傾げた。
どうして新川先生からお礼を言われるんだろう。それに、仁神谷さんが私のことをわざわざ新川先生に言うとは思わなかったな。
何かアクシデントでもあったのかな。気になるなあ……。
梨花がひそかに気を揉んでいると、予備校のチャイムが1階職員室に響き渡った。慌てて教室に入る生徒、プリントをトントンと揃えて立ち上がる教師……授業開始の合図に、辺りがざわつき始める。
「次、授業だからこれで。小林、合格おめでとう。それじゃまたな」
「あ、はい」
透は机の上に用意してあった教材を抱えて立ち上がり、颯爽と歩いて行ったが――目尻はデレッと下がり、右手を口元に当てながらニヤニヤと思い出し笑いをしている。
すべてを知っているという気安さだろうか。それでもあの一件以来、透が梨花の前で予備校講師の仮面を外すことはなかったのだが。
これはよっぽどのことがあったに違いない、と梨花は考えた。透のゴキゲンが莉子のゴキゲンに繋がるとは限らないということを、彼女は漠然と悟っている。
(仁神谷さん、大丈夫だったのかしら……)
一抹の不安を覚えた梨花は、受験勉強の邪魔をしても、と葛藤しつつも……その日の夜、莉子に電話をした。
電話の向こうの莉子は、三度の辱めに
「あ、あの、大バカ者が――!」
と、絶叫するのだった。
* * *
玲香には洗いざらい話す羽目になり、梨花にもつつかれ――莉子はすっかり疲れ果ててしまった。
恵に愚痴ってスッキリしてしまおうと考え、莉子は土曜日、久しぶりに恵の家に行った。
事の顛末を一通り話すと、恵は手を叩いて大笑いした。
「あは、あははは――!」
「笑い事じゃないから!」
「いや、だってさあ……莉子って的確にスイッチを押すよねー!」
笑いが止まらない恵は、涙まで浮かべている。
莉子はむうう、と唇を尖らせた。
「スイッチ?」
「モジモジしながらそんないじらしいこと言われたら、そりゃ押し倒したくもなるでしょ!」
「いじらしい? 私はただ懺悔を……」
「いやー、可愛らしい懺悔だ。私だってギュッとしたくなるもん」
恵が手をワキワキさせながら莉子ににじり寄る。やめてよ!と莉子が真っ赤な顔をしてその手を振り払うが結局はあらがえず、恵に熱烈なハグをされてしまった。
そうしてしばらくじゃれ合っていたが、どうにか落ち着きを取り戻した恵は
「……で? 花言葉は調べたの?」
と莉子に聞いてみた。
莉子はやや頬を染めながらこくんと頷いた。
「調べた。赤が『真実の愛』でピンクが『誠実な愛』だった」
「ふうん」
「全然、誠実じゃないよね!」
「いやー?」
恵はスマホを取り出すと、国語辞書で『誠実』を検索する。その画面を莉子にも見せると、ぷぷっと小さく笑った。
「ほら、真心を持って接してるんだから『誠実』ではあるよね」
「私利私欲をまじえず、でしょ、『誠実』は!?」
「欲のスイッチを押したのは莉子だからねぇ……自業自得?」
「何でそうなるのよ!」
莉子のクレームはそのまま聞き流し、恵は無料占いサイトを検索した。
「まぁまぁ、せっかく誕生日と血液型もわかったんだし、相性占いでもしてみる?」
「え……」
「普通は小学生ぐらいで通る道なんだけどねぇ。えーと、莉子は魚座のB型で、新川センセーが牡牛座のAB型……と」
スマホを操作する恵にピタリと寄り添い、莉子がその手元をじっと覗き込む。何だかんだ言っても、結果は気になるらしい。
『相性:46% 分かりあえない相手
牡牛座AB型の彼の考えに「何でそうなるわけ?」と疑問続出の魚座B型の彼女。分かり合えないことに腹立ちを覚えやすい相性』
「ぶふ――っ! さ、最高!」
「もう、最悪だよ!」
大ウケする恵の隣で、莉子は傍に置いてあったクッションにバフッと突っ伏してしまった。
――――――――――――――――――――――――
テキトーに決めた莉子ちんと新川透の誕生日と血液型。
まさかこんな占い結果になるとは……(実話)。( ̄▽ ̄;)
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
桜吹雪と泡沫の君
叶けい
BL
4月から新社会人として働き始めた名木透人は、高校時代から付き合っている年上の高校教師、宮城慶一と同棲して5年目。すっかりお互いが空気の様な存在で、恋人同士としてのときめきはなくなっていた。
慣れない会社勤めでてんてこ舞いになっている透人に、会社の先輩・渡辺裕斗が合コン参加を持ちかける。断り切れず合コンに出席した透人。そこで知り合った、桜色の髪の青年・桃瀬朔也と運命的な恋に落ちる。
だが朔也は、心臓に重い病気を抱えていた。
ドクタースイサイド
多谷昇太
ライト文芸
天国への階段を上って行く主人公の林満(ハヤシミツル)。まわりは雲のカーテンで何も見えません。いくばくもなく上り切った先にはどういうわけか一軒の精神科医院があらわれ、‘超’美人の看護婦が入口で待っています。なぜ自分が精神科にかからなければならないのか、いっかなわからぬままに医院の中へと…。やがて医師(ドクタースイサイド)があらわれ、林は世にも不思議な、かつ空前絶後の治療を受けることとなります…。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
中山紡希
恋愛
父の再婚後、絶世の美女と名高きアイリーンは意地悪な継母と義妹に虐げられる日々を送っていた。
実は、彼女の目元にはある事件をキッカケに痛々しい傷ができてしまった。
それ以来「傷モノ」として扱われ、屋敷に軟禁されて過ごしてきた。
ある日、ひょんなことから仮面舞踏会に参加することに。
目元の傷を隠して参加するアイリーンだが、義妹のソニアによって仮面が剥がされてしまう。
すると、なぜか冷徹辺境伯と呼ばれているエドガーが跪まずき、アイリーンに「結婚してください」と求婚する。
抜群の容姿の良さで社交界で人気のあるエドガーだが、実はある重要な秘密を抱えていて……?
傷モノになったアイリーンが冷徹辺境伯のエドガーに
たっぷり愛され甘やかされるお話。
このお話は書き終えていますので、最後までお楽しみ頂けます。
修正をしながら順次更新していきます。
また、この作品は全年齢ですが、私の他の作品はRシーンありのものがあります。
もし御覧頂けた際にはご注意ください。
※注意※他サイトにも別名義で投稿しています。
コミュニティーサバイバル 〜生き延びた先に待つコミュニティーで追放されぬよう、本日も強制労働に心臓を捧げる日々〜
アモーレ ポン太
ライト文芸
主人公ベルシュタインは3年間、家に引きこもり、ゲーム漬けの毎日をおくる生粋のニートだった。
そんな彼の日常はある日を境に崩れ去った。 日々ゲームをしていた彼の生まれ育った街に未知なる生物が現れたのである。
そんな未知なる生物はカラダに角が生えるかのようにして、なんとカラダに飛び道具を生やしていた。 弓なり、銃なり、レーザー銃なりを生やしたその生物は、手足の感覚と同じようにそれらを使いこなし、人間を襲った。
たちまちやつらの出現で街は崩壊。ベルシュタインはその後、とあるコミュニティーへと身を寄せることになる。
しかしそこで待っていたのは、強制労働。 本人の意思は度外視され、そのコミュニティーの共同体としての存続のため、彼は嫌々汚れ仕事を押し付けられてしまう。 そんな理不尽な仕打ちをしてくるコミュニティーでも追放されたくない彼は今日も1日、16時間労働をする。
※ 小説家になろうでも掲載している作品です。
小説家になろう
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3879gu/
婚約破棄王子は魔獣の子を孕む〜愛でて愛でられ〜《完結》
クリム
BL
「婚約を破棄します」相手から望まれたから『婚約破棄』をし続けた王息のサリオンはわずか十歳で『婚約破棄王子』と呼ばれていた。サリオンは落実(らくじつ)故に王族の容姿をしていない。ガルド神に呪われていたからだ。
そんな中、大公の孫のアーロンと婚約をする。アーロンの明るさと自信に満ち溢れた姿に、サリオンは戸惑いつつ婚約をする。しかし、サリオンの呪いは容姿だけではなかった。離宮で晒す姿は夜になると魔獣に変幻するのである。
アーロンにはそれを告げられず、サリオンは兄に連れられ王領地の魔の森の入り口で金の獅子型の魔獣に出会う。変幻していたサリオンは魔獣に懐かれるが、二日の滞在で別れも告げられず離宮に戻る。
その後魔力の強いサリオンは兄の勧めで貴族学舎に行く前に、王領魔法学舎に行くように勧められて魔の森の中へ。そこには小さな先生を取り囲む平民の子どもたちがいた。
サリオンの魔法学舎から貴族学舎、兄セシルの王位継承問題へと向かい、サリオンの呪いと金の魔獣。そしてアーロンとの関係。そんなファンタジーな物語です。
一人称視点ですが、途中三人称視点に変化します。
R18は多分なるからつけました。
2020年10月18日、題名を変更しました。
『婚約破棄王子は魔獣に愛される』→『婚約破棄王子は魔獣の子を孕む』です。
前作『花嫁』とリンクしますが、前作を読まなくても大丈夫です。(前作から二十年ほど経過しています)
桜井優子は、陶芸に夢中!
ひかるたまご
ライト文芸
桜井優子は入学早々陶芸部員による強引な部活の勧誘に合い、仕方なく陶芸部の部活動見学をすることに。そこで粘土が魔法のように形を変えるのを見て桜井優子は、入部をけついする。
桜井優子とその友人達の青春ドタバタコメディが今始まる!
Cocktail Story
夜代 朔
ライト文芸
「カクテル言葉」をテーマにした作品。
朗読・声劇の台本としてもご使用頂けます。
許可取り不要 自作発言禁止。
使用報告頂けたら嬉しいです。
使用時は作者名の表記をお願いします。
※表示画像には五百式カクテルメーカーで作成させて頂いたものを使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる