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第6幕 収監令嬢は学院に入りたい
第3話 大公家の内情もちょっと微妙よね
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「はぁー、肩が凝った!」
大公家との顔合わせが終わり、いよいよ実技試験。
謁見の間から城の南東にある闘技場へと移動する。出入口は北と南の二つあり、私は南の出入り口付近にある控室に案内された。
アイーダ女史とヘレンと私、いつものメンツ。ふうと息をつきながら右肩をグリグリ回す。
「ねぇ、アイーダ女史。今度は大公家以外に上流八家の当主もいるのよね?」
「はい」
私が試験に備えて猛特訓をしている間、アイーダ女史は貴族達の情報を調べてくれていた。学院に入学してくる子息令嬢はどういう人達なのか、とか。
それによると、下流貴族である子爵・男爵家について言えば、特に脅威となる存在はいないらしい。――件のミーア・レグナンドを除いて。
問題は、上流貴族。フォンティーヌ公爵家とプリメイル侯爵家以外の六家の子息令嬢は、聖者学院の生徒として入学することが既に決まっている。
そして当主たちは今から受ける実技試験の試験官でもあるので、事前情報および根回しがどうしても必要だったのよね。
最終的に決断をくだすのは学院長であるディオン様だけど、上流貴族八家の賛同が得られなかった場合、それを押し切ってでも婚約者であるマリアンセイユ・フォンティーヌを入学させてはくれないだろう。
何しろ彼は、未来の大公殿下。将来自分に仕えてくれる上流貴族たちの意向に、ある程度は沿う必要があるから。
……というのが事前の予想だったのだけど、さっきの様子だとディオン様自体が
「何でわざわざ来たんだ」
という感じだったし、ちょっと分が悪いわね。
だけど嫌っている訳ではないと思うし冷静に判断してくれるだろうから、上流貴族八家の過半数の支持が得られればどうにかなるんじゃないかと思うんだけど。
「上流貴族って、ウチと侯爵家二つと伯爵家五つだったっけ?」
「はい。まず、フォンティーヌ公爵と推薦者であるプリメイル侯爵の票は間違いないでしょう」
「お父様、試験会場にいるの?」
「……」
アイーダ女史はゆっくりと首を横に振る。
「ガンディス子爵を代理に立てられました。ガンディス子爵が根気強く説得されたことと推薦してくださったプリメイル侯爵の顔を潰すわけにもいかないということで表立って反対はされませんでしたが、賛成もしない、と」
「……そっか」
頑固だなあ、オトーサマ。ひょっとしてフォンティーヌ公爵も、マリアンセイユは妻を殺した娘、としか思ってないんだろうか。
顔を知らない私ですら、ちょっと淋しい気持ちになる。父親に邪険にされて、幼いマリアンセイユはどう思っただろう。
むー、絶対に見返してやるんだから。
「あとは?」
「ガンディス子爵やザイラ様、そしてプリメイル侯爵が根回ししてくださった結果、アルバード侯爵からは良い返事が貰えたようです。アルバード侯爵家からは令嬢のクロエ様が入学されますが、大公妃がアルバード家のご出身ですから妃候補には入りませんし」
「そうなの?」
「いとこ同士ですから問題ないと言えばないですが、二代続けて同じ家からというのは……」
「あ、そうか。エコヒイキしてるみたいだもんね」
「ええ。それゆえ、シャルル様との婚姻もあり得ません」
「なるほどねぇ」
アルバード侯爵家の子息令嬢はクロエ様だけ。彼女の魔精力がとても優れていたのでアルバート家はそれ以上子供を作らず、彼女が下流貴族から婿を取って家を継ぐことにしたそうだ。今回聖者学院に入学したのも、自分の魔精力を磨くのとお婿さん探しのためらしい。
「あとは、エドウィン伯爵家はまずまずの反応、とのことでした。入学されるのはご子息ですので」
「ふうん。後の四家は令嬢なの?」
「はい。あ、ヘイマー伯爵家はご兄妹で入学となりますが」
「ふうん……」
今回の聖者学院設立の大義名分は『聖なる者』を見つけること。
だけど「あわよくば大公世子の側妃に」という思いもあってか、入学者は圧倒的に令嬢が多いんだそうだ。
また、いまだ婚約者のいないシャルル様の婚活、という側面もあるらしい。シャルル様は魔精力が大きかったために体調を崩すことも多かったようで、あまり表には出てきていなかった。そのため十六になった現在でも婚約者は立てられていなかったらしい。
それが今回、一生徒として学院に入学することになったため、各貴族令嬢が
「大公世子の側妃が無理でも、シャルル様の妃なら!」
というとんでもなく高いモチベーションで入学してくるのだそうだ。
そもそも、大公家に息子が二人いるのは初代リンドブロム大公以来。そのときの習わしに従うなら、シャルル様が結婚した場合は千年ぶりに二つ目の公爵家が立てられることになる。
そしてなぜ二人いるのかといえば、長子であるディオン様の魔精力が弱かったからで……。
つまりひょっとすると、彼は大公子の立場で妃をもらうかもしれない。ディオン様に何かあったときのためなのか、シャルル様が臣下に下るかどうかはまだ決まっていないのだ。婚約者が立てられなかったのも、実はこちらの理由の方が大きいという。
つまり、シャルル様が大公になる可能性はまだ残っているのだ。
うーん、こうしてみると兄弟仲が悪くなるのも無理はなさそうねぇ。アイーダ女史によれば、理知的なディオン様の方が大公の器らしいんだけどやはり魔精力の大きさを重視する一派もいて、貴族の中でも意見の分かれるところらしい。
「それより、本当にそのまま実技試験に臨まれるのですか?」
アイーダ女史が私の姿を上から下まで眺め、渋い顔をしている。
今日の私の出で立ちは、大公陛下に謁見するということで完全装備だった。フレンチ袖のバッスルドレス、両手には肘までの長手袋と羽飾りのついた扇。髪もいつもより高く派手に結い上げて、白と碧のリボンが飾り付けられている。
「マユ様の美しい藤色の髪と碧色の瞳には絶対にこれです!」
とヘレンが力説して着せてくれたのは、エメラルドグリーンを基調とし、装飾に白地に緑のストライプ模様のバッスルを使ったドレス。
今の流行りはレースをふんだんに使い、花の刺繍やリボンを飾りとしてあしらったゴテゴテしたものらしいんだけど、ただでさえ派手な私の顔と身体では逆に鬱陶しいらしい。
リボンは腰の後ろ、バッスルの頂点に結びつけられた大きめのものだけ。裾や袖にレースは施されてはいるものの、最低限だ。
正面は緑のドレスの上に白と緑のストライプ柄の布が一枚覆われていてるような感じで、ミントガムみたいというか、クリームソーダみたいというか、夏らしい爽快感がある。
ベルを半分に切ったような形になっている針金で作られたバッスルは、ドレスのお尻側を膨らませるための器具らしい。
初めて身につけたけど、これはしんどいわ……。
とは言っても、ウォーキングは死ぬほど練習したし、さきほどの謁見の間での立ち振る舞いも完璧だったはずよ。
そして今はと言うと、手袋は外し、髪は崩れないように低めの位置で結い直した形。扇は大仰な羽根付きの物から布地だけの物に変更。ドレスはバッスルを少しいじったものの、見た目はそのまんま。
「勿論よ。段取りは前に説明したでしょ?」
「ですが……」
「ヘレンも大丈夫よね?」
私の後ろでバッスルを実技試験用に調整していたヘレンが顔を上げる。
「はい、こちらも問題ないです」
「魔法の実技試験と言えば、魔導士の正装であるローブを身につけるのが一般的で……」
「だからその固定概念を覆してやるんだってば」
この世界の魔導士の服装は、ストンとしたワンピースにフード付きのローブ。男女共用で魔物の皮や毛が使用されている。これは身体を守るという目的のほか、体内の魔精力を外に漏らさず確実に魔法に変換するための装備。
こちらは杖と違って身につける人間を選ばないので、アイーダ女史は念のためにと私用に一揃い持ってきていた。そのつるりとした布地と私のバッスルドレスを見比べながら
「ですが……」
と諦めきれない様子でいる。
そのとき、遠くからカツンカツンという足音が聞こえてきた。お喋りを止めて息を潜めていると、しばらくして扉から「トントン」というノックの音が鳴る。
「はい」
とアイーダ女史が応じると
「ご準備はよろしいでしょうか?」
という兵士の声が聞こえてきた。
リンドブロム大公宮内の闘技場と言えども城からは少し離れており、安心できない。見張りとして大公宮の兵士が守ってくれているのだ。
アイーダ女史が「これで最後ですよ」という風に魔導士の服を指し示す。
私は首を振ると
「ええ、大丈夫ですわ」
と直接兵士に言葉を返した。そしてアイーダ女史、ヘレンの順に顔を見回す。
「いよいよ晴れの舞台よ。素敵なステージにしましょうね!」
扉の向こうの兵士に聞こえないように、小声で促す。
「お任せください!」
「腹を括るしかないですね、もう」
同じく小声で返す、ヘレンとアイーダ女史。
意気込むヘレンの生き生きした茶色い瞳と溜息をつくアイーダ女史の眉間の皺。
ふふ、これもいつも通りね。
私は満足して満面の笑みで頷いたけど、アイーダ女史はどうにも不安が拭えないらしい。
「ですから舞台ではなく実技試験なのですが……」
と、独り言ちていた。
大公家との顔合わせが終わり、いよいよ実技試験。
謁見の間から城の南東にある闘技場へと移動する。出入口は北と南の二つあり、私は南の出入り口付近にある控室に案内された。
アイーダ女史とヘレンと私、いつものメンツ。ふうと息をつきながら右肩をグリグリ回す。
「ねぇ、アイーダ女史。今度は大公家以外に上流八家の当主もいるのよね?」
「はい」
私が試験に備えて猛特訓をしている間、アイーダ女史は貴族達の情報を調べてくれていた。学院に入学してくる子息令嬢はどういう人達なのか、とか。
それによると、下流貴族である子爵・男爵家について言えば、特に脅威となる存在はいないらしい。――件のミーア・レグナンドを除いて。
問題は、上流貴族。フォンティーヌ公爵家とプリメイル侯爵家以外の六家の子息令嬢は、聖者学院の生徒として入学することが既に決まっている。
そして当主たちは今から受ける実技試験の試験官でもあるので、事前情報および根回しがどうしても必要だったのよね。
最終的に決断をくだすのは学院長であるディオン様だけど、上流貴族八家の賛同が得られなかった場合、それを押し切ってでも婚約者であるマリアンセイユ・フォンティーヌを入学させてはくれないだろう。
何しろ彼は、未来の大公殿下。将来自分に仕えてくれる上流貴族たちの意向に、ある程度は沿う必要があるから。
……というのが事前の予想だったのだけど、さっきの様子だとディオン様自体が
「何でわざわざ来たんだ」
という感じだったし、ちょっと分が悪いわね。
だけど嫌っている訳ではないと思うし冷静に判断してくれるだろうから、上流貴族八家の過半数の支持が得られればどうにかなるんじゃないかと思うんだけど。
「上流貴族って、ウチと侯爵家二つと伯爵家五つだったっけ?」
「はい。まず、フォンティーヌ公爵と推薦者であるプリメイル侯爵の票は間違いないでしょう」
「お父様、試験会場にいるの?」
「……」
アイーダ女史はゆっくりと首を横に振る。
「ガンディス子爵を代理に立てられました。ガンディス子爵が根気強く説得されたことと推薦してくださったプリメイル侯爵の顔を潰すわけにもいかないということで表立って反対はされませんでしたが、賛成もしない、と」
「……そっか」
頑固だなあ、オトーサマ。ひょっとしてフォンティーヌ公爵も、マリアンセイユは妻を殺した娘、としか思ってないんだろうか。
顔を知らない私ですら、ちょっと淋しい気持ちになる。父親に邪険にされて、幼いマリアンセイユはどう思っただろう。
むー、絶対に見返してやるんだから。
「あとは?」
「ガンディス子爵やザイラ様、そしてプリメイル侯爵が根回ししてくださった結果、アルバード侯爵からは良い返事が貰えたようです。アルバード侯爵家からは令嬢のクロエ様が入学されますが、大公妃がアルバード家のご出身ですから妃候補には入りませんし」
「そうなの?」
「いとこ同士ですから問題ないと言えばないですが、二代続けて同じ家からというのは……」
「あ、そうか。エコヒイキしてるみたいだもんね」
「ええ。それゆえ、シャルル様との婚姻もあり得ません」
「なるほどねぇ」
アルバード侯爵家の子息令嬢はクロエ様だけ。彼女の魔精力がとても優れていたのでアルバート家はそれ以上子供を作らず、彼女が下流貴族から婿を取って家を継ぐことにしたそうだ。今回聖者学院に入学したのも、自分の魔精力を磨くのとお婿さん探しのためらしい。
「あとは、エドウィン伯爵家はまずまずの反応、とのことでした。入学されるのはご子息ですので」
「ふうん。後の四家は令嬢なの?」
「はい。あ、ヘイマー伯爵家はご兄妹で入学となりますが」
「ふうん……」
今回の聖者学院設立の大義名分は『聖なる者』を見つけること。
だけど「あわよくば大公世子の側妃に」という思いもあってか、入学者は圧倒的に令嬢が多いんだそうだ。
また、いまだ婚約者のいないシャルル様の婚活、という側面もあるらしい。シャルル様は魔精力が大きかったために体調を崩すことも多かったようで、あまり表には出てきていなかった。そのため十六になった現在でも婚約者は立てられていなかったらしい。
それが今回、一生徒として学院に入学することになったため、各貴族令嬢が
「大公世子の側妃が無理でも、シャルル様の妃なら!」
というとんでもなく高いモチベーションで入学してくるのだそうだ。
そもそも、大公家に息子が二人いるのは初代リンドブロム大公以来。そのときの習わしに従うなら、シャルル様が結婚した場合は千年ぶりに二つ目の公爵家が立てられることになる。
そしてなぜ二人いるのかといえば、長子であるディオン様の魔精力が弱かったからで……。
つまりひょっとすると、彼は大公子の立場で妃をもらうかもしれない。ディオン様に何かあったときのためなのか、シャルル様が臣下に下るかどうかはまだ決まっていないのだ。婚約者が立てられなかったのも、実はこちらの理由の方が大きいという。
つまり、シャルル様が大公になる可能性はまだ残っているのだ。
うーん、こうしてみると兄弟仲が悪くなるのも無理はなさそうねぇ。アイーダ女史によれば、理知的なディオン様の方が大公の器らしいんだけどやはり魔精力の大きさを重視する一派もいて、貴族の中でも意見の分かれるところらしい。
「それより、本当にそのまま実技試験に臨まれるのですか?」
アイーダ女史が私の姿を上から下まで眺め、渋い顔をしている。
今日の私の出で立ちは、大公陛下に謁見するということで完全装備だった。フレンチ袖のバッスルドレス、両手には肘までの長手袋と羽飾りのついた扇。髪もいつもより高く派手に結い上げて、白と碧のリボンが飾り付けられている。
「マユ様の美しい藤色の髪と碧色の瞳には絶対にこれです!」
とヘレンが力説して着せてくれたのは、エメラルドグリーンを基調とし、装飾に白地に緑のストライプ模様のバッスルを使ったドレス。
今の流行りはレースをふんだんに使い、花の刺繍やリボンを飾りとしてあしらったゴテゴテしたものらしいんだけど、ただでさえ派手な私の顔と身体では逆に鬱陶しいらしい。
リボンは腰の後ろ、バッスルの頂点に結びつけられた大きめのものだけ。裾や袖にレースは施されてはいるものの、最低限だ。
正面は緑のドレスの上に白と緑のストライプ柄の布が一枚覆われていてるような感じで、ミントガムみたいというか、クリームソーダみたいというか、夏らしい爽快感がある。
ベルを半分に切ったような形になっている針金で作られたバッスルは、ドレスのお尻側を膨らませるための器具らしい。
初めて身につけたけど、これはしんどいわ……。
とは言っても、ウォーキングは死ぬほど練習したし、さきほどの謁見の間での立ち振る舞いも完璧だったはずよ。
そして今はと言うと、手袋は外し、髪は崩れないように低めの位置で結い直した形。扇は大仰な羽根付きの物から布地だけの物に変更。ドレスはバッスルを少しいじったものの、見た目はそのまんま。
「勿論よ。段取りは前に説明したでしょ?」
「ですが……」
「ヘレンも大丈夫よね?」
私の後ろでバッスルを実技試験用に調整していたヘレンが顔を上げる。
「はい、こちらも問題ないです」
「魔法の実技試験と言えば、魔導士の正装であるローブを身につけるのが一般的で……」
「だからその固定概念を覆してやるんだってば」
この世界の魔導士の服装は、ストンとしたワンピースにフード付きのローブ。男女共用で魔物の皮や毛が使用されている。これは身体を守るという目的のほか、体内の魔精力を外に漏らさず確実に魔法に変換するための装備。
こちらは杖と違って身につける人間を選ばないので、アイーダ女史は念のためにと私用に一揃い持ってきていた。そのつるりとした布地と私のバッスルドレスを見比べながら
「ですが……」
と諦めきれない様子でいる。
そのとき、遠くからカツンカツンという足音が聞こえてきた。お喋りを止めて息を潜めていると、しばらくして扉から「トントン」というノックの音が鳴る。
「はい」
とアイーダ女史が応じると
「ご準備はよろしいでしょうか?」
という兵士の声が聞こえてきた。
リンドブロム大公宮内の闘技場と言えども城からは少し離れており、安心できない。見張りとして大公宮の兵士が守ってくれているのだ。
アイーダ女史が「これで最後ですよ」という風に魔導士の服を指し示す。
私は首を振ると
「ええ、大丈夫ですわ」
と直接兵士に言葉を返した。そしてアイーダ女史、ヘレンの順に顔を見回す。
「いよいよ晴れの舞台よ。素敵なステージにしましょうね!」
扉の向こうの兵士に聞こえないように、小声で促す。
「お任せください!」
「腹を括るしかないですね、もう」
同じく小声で返す、ヘレンとアイーダ女史。
意気込むヘレンの生き生きした茶色い瞳と溜息をつくアイーダ女史の眉間の皺。
ふふ、これもいつも通りね。
私は満足して満面の笑みで頷いたけど、アイーダ女史はどうにも不安が拭えないらしい。
「ですから舞台ではなく実技試験なのですが……」
と、独り言ちていた。
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