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4章 三浦幸子28歳 母としての戦い

39話 保育園と理学療法(1)

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37話38話『乳児期』
退院した柚は小さいながらに少しずつ成長していた。しかし柚は大人し過ぎる性格でおむつが汚れても、母乳を飲まなくても一切泣かない赤ちゃんだった。
ゆっくりな柚に不安を持ちつつ、病院の月一診察と区の健診にいき柚の成長を見守っていく。
12月25日、第一子の誠一の誕生日に約束通り骨壷を抱え出かけた三人は小さな花束を供え手を合わせる。
離乳食が始まり、遅かった寝返りをし、初めて大泣きし、1歳の誕生日を迎えた柚は成長していた。
そして柚は保育園に入園し、幸子は仕事復帰する事となる。


一 現在 一
倒れた誠は病院に運ばれCT検査を受ける。「くも膜下出血」と診断され、命が危ぶまれる状況だと分かる。
再出血を止める為の手術を受け、無事に終わるが次出血したら命は危ないと言われている。
そして恐れられていた再出血を起こし誠は再手術を受けている。

登場人物

三浦 誠(現在)  55歳の普通の会社員。
ある日、妻に離婚要求をされるが誠はその理由が分からない。
それから1ヶ月後、「くも膜下出血」で倒れてしまい生死の境を彷徨う。死んだと思い、人生の悔いとして妻の離婚要求の理由を知りたいと願う。
神に離婚要求の理由を教えてやろうと言われ、過去の妻の記憶に魂を植え付けてもらい、過去の妻目線で過去の自分とのやり取りを見ている。
おしゃべりでおちゃらけている。

妻が仕事に家事で毎日疲れていると身を持って知る。
自分の母親が幸子をいびっていた事を知りショックを受ける。また、自分も幸子に酷い事をしていた事を目の当たりにして考えを変えていく。
今では完全に幸子の味方であり、過去の自分に悪態をついている。
妊娠している幸子と同じ時間を過ごし、亡くなった息子の出産まで身を持って経験した。
二度目の妊娠も経験し、切迫早産からの安静生活、帝王切開まで経験する。

三浦 誠(過去)
口数が少なく最低限の事しか話さない。亭主関白。妻から不妊治療について話されるのを過度に嫌がっている。そして、精液検査の結果から不妊体質だと知りそれが受け入れられない。その為に子供を作り自分が不妊体質ではないとしている。
実は優しい性格。
幸子の妊娠を知り凄く喜んでいたが死産となり幸子を支える。
二度目の妊娠で早産しかけた幸子を支え、どんな子供でも受け入れると決意する。
可愛い柚にデレデレしていており、無表情無口な性格から現在のような明るい性格になったのは娘のおかげだったと分かる。元々、無表情無口になったのは幼少期の記憶が関係していると分かる。

三浦幸子(現在)
誠の妻。誠に離婚要求しているが理由は話していない。

三浦幸子(過去)
化粧品販売員で百貨店で勤めている。家事を一人でこなしている。大人しい性格。実は、姑にいびられていた。
夫婦仲は良く亭主関白の夫を立てている。
幸子は姑に殴られる事もあったが誠にその事を話していない。
念願の妊娠をするが、浮かれず慎重に考えている。
悪阻に苦しんだが何とか乗り越え、出産を控えていた。しかし、残念ながら子供は死産となり亡くなった息子を出産した。
仕事復帰し少しずつ立ち直っていたが姑に、孫が死んだのはお前のせいだと言われ苦しむ。
現在、第二子を妊娠中。しかし破水をしてしまい、安静生活を余儀なくされる。
安静生活三週間、陣痛が始まり出産をする。
柚にどんな障害があっても育てると決意している。
柚を保育園に預け、仕事復帰した。

三浦 柚
妊娠26週、891gで生まれて来た。保育器に入っていた。成長を重ね、退院となる。
大人しい性格でおむつが汚れてもお腹が空いても泣かない。成長が少し遅れている。よく笑う。

誠の母親
子供を産むように誠や幸子に強く言っている。そして誠が知らない所で嫁の幸子をいびっていた。
実は不妊の原因は誠ではないかと考えており、それが事実だと知る。幸子が誠に話したと勘違いし、幸子を殴る。
幸子の妊娠を知ると、自分に話さないのは嫌味だとか悪阻で入院した事を非難。男の子じゃないと孫として認めないとまで言っている。
死産した幸子に次を産む事を勧め、拒否すると孫が死んだのは幸子のせいだと言い帰る。
何故、そこまでして孫が欲しいのだろうか?

早産しかけた幸子に、障害がある子供を産むのは許さない、離婚しなさいと迫ってくる。

神様
誠を過去の妻の記憶に魂を植え付け妻の人生を疑似体験させている。
誠や幸子を以前から知っていたらしい。「ある人物」に頼まれ、誠に幸子の気持ちを教えようとしている。


―――――――――――――――――――――――――

39話 保育園と理学療法(1)




一 柚1歳5ヶ月 修正1歳2ヶ月 8月 一


「うわああああん!」

「柚ごめんね、すぐお迎えに来るからね。」

幸子はアタフタする。


「お母さん、大丈夫ですよ。お仕事頑張ってねーって送り出そう柚ちゃん。」

そう言う保育士は表情一つ変えない。さすがプロ、子供が泣いたぐらいでは動じない。


「……すみません、お願いします。」


幸子は駅に向かい走って行く。毎日の保育園での送迎風景だ。入園して4ヶ月、柚は変わらず別れの時に泣きじゃくる。まだ1歳の幼児、仕方がないのだが胸が締め付けられる思いだった。

柚が入園したのは区の認定保育園。当時は今の時代ほど入園希望者は多くなく、なんとか第一希望に入園出来た。

お昼寝布団、通園鞄、給食袋、紐付きタオル、カッパ、着替え多数など入園準備が多く大変だったが幸子が一人で終わらせた。現在の誠が過去の自分に「お前も手伝え」と悪態をついたのは言うまでもない。


幸子は柚を預け、電車に乗る。仕事に行く為だ。


(……疲れた……、今から仕事?もう仕事はやり遂げただろう?)


化粧品販売員としての仕事はまだ始まってもいない……。ただ誠が疲れているのは理由がある。

幸子は育休中は5時半に起きていたが、復帰後は以前と同じ4時45分起きになった。朝食お弁当作り、食器の片付け、自身の準備や化粧、それに加え柚の世話と保育園の準備まである。

当然全て出来る訳なく洗濯物は夜回して部屋干し、朝に外に干すようにしている。そして柚の着替え、おむつ交換、離乳食を食べさせるのは誠がやっている。

実は意外と育児は出来る男だった……。


(世話もだけど保育園の準備しろよ!準備物多くて大変なんだよ!食器ぐらい洗えよ!母乳出せよ!)

現在の誠は変わらず不満たっぷりだ。役割分担したつもりだったが、明らかに幸子の負担の方が多かったと幸子になってみて気付く。しかし母乳が出せないのは仕方がない。


幸子は時短勤務にしてもらっていた。本来なら10時から7時までなのだが、退勤時間は5時。2時間の短縮だ。化粧品会社だけあって女性が多い職場、産休育休時短勤務などの福利厚生は充実していた。


「お先に失礼します。」

「はーい、お疲れ様。」


幸子は更衣室で着替えて走って帰る。5時帰りでも以前と同じだった。これから電車に乗り、自宅の最寄駅に降りて保育園まで走る。その時間45分、6時前に保育園に迎えに行き、保育士さんと話し、帰ると6時15分を越している。

(……疲れた……、腰が……。柚、また重くなったんじゃないか?)

保育園への送迎はベビーカーを使わずに抱っこ紐でしている。出勤時に邪魔になるからだ。保育園にベビーカー置き場はあるが場所はギリギリだ。柚は比較的軽い子の為、抱っこ紐でいける間は抱っこ紐送迎と決めたのだ。


「うわああああん!」

抱っこから降ろされた柚がまた泣く。

(柚、泣かないでくれよ。ご飯作らないといけないんだよ。)

「はいはい、『ちゅうちゅう』だよね。」

幸子は授乳する。出産し1年5ヶ月、授乳を終わらせていた時期もあり殆ど出ていないが柚が求める為にしている。柚も空腹より、精神安定の為に求めている感じだ。幸子もそれを理解し受け入れている。

柚は哺乳瓶が嫌いで絶対飲まなかったが、離乳食が始まり色々な味があると覚えるとストロー付きコップでお茶や果汁を飲み始めた。初めは嫌がっていたが、誘惑に負けたという表情でゴクゴク飲んでいた。それからは離乳食の合間にミルクを飲むようになり、九ヶ月で「フォローアップミルク」と呼ばれる九ヶ月から飲める栄養価の高いミルクを飲むようになり卒乳していた。

しかし保育園に行くようになり、柚はまた母乳を求めるようになった。幸子はミルクの入ったストロー付きコップを渡すが柚は怒り大泣きする。まるで低月齢時期に泣いて訴えなかったのを取り戻そうとするように……。

幸子は保育士に相談した。そしたら、それは甘えているだけ、今は飲ませてあげて良いとの事だった。だから保育園から帰って来た時と、土日の仕事から帰って来た時は飲ませていた。


柚は母乳を飲み落ち着く。

「じゃあご飯作ってくるね。」

幸子は洗濯物の回収を行い、台所に行く。柚はその姿を見ながらにっこり笑い一人おもちゃで遊んでいる。


新婚時代と変わらず、前日や休みの日に仕込んでいた物を料理し1時間かけ、軟飯、ほうれん草とトマトのオムレツ、コーンスローのサラダ、玉ねぎとにんじんの野菜スープを出す。大人のご飯と一緒に作っているのだ。当然、柚のは味付け控えめ、細やかに刻んでいる。

「いただきます。」

二人は手を合わせ食べ始める。以前は誠の帰りを待っていたが、柚の離乳食が1日3食となり幸子と一緒に食べた方が良いとなり7時半頃に一緒に食べるようになったのだ。


8時、一緒にお風呂に入る。当然、柚はまだ自分で洗えない為に幸子が洗い、自分も一緒に洗う。柚はまだ立ち上がれない為座って待っていてくれるが何をするか分からない。シャンプーなどが手が届かないようにしているがあまり目は離せずに慌ただしい。そして、寒くないようにシャワーをかけたりして気が抜けないのだ。

そしてお風呂に浸かりリラックス。……出来る訳なく常に柚を見ていないといけない。そしてお風呂から上がろうとすると大泣きするのだ。

なんとか宥めお風呂から上がるが、立てない柚を抱っこして体を拭き、幸子は殆ど拭けずリビングに寝かせる。柚の体を綺麗に拭き、おむつを履かせパジャマを着せお茶を飲ませ、やっと幸子は自分の体を拭いてパジャマを着られるのだ。

大人二人居るとお風呂に入れる担当、外で服を着せる担当と分けられ負担も減るが、一人だと全て自分でやらないといけないから大変だ。親は自分の服より子供を先に着せないといけないから……。

今はまだ暖かくなって来ていたから良いが、冬の季節は保湿クリームを塗ったり、湯冷めしないように何枚も着せないといけないから余計に時間がかかり幸子が風邪を引いてしまう事もあった。



9時になり誠が慌てて帰って来る。


「おかえりなさい。」

柚もにっこり笑う。


「……ああ。ほら、柚寝るぞ。」

「柚おやすみ。」


誠が柚を抱っこし寝かしつけに行き、その間に幸子が夕飯の準備をする。誠が料理は出来ないから寝かせる役が良いと名乗り出たのだ。


……しばらくし誠が寝室から出て来る。

「ありがとう、ご飯よ。」

「……ああ。」

誠は食卓に座りテレビを見る。その間に幸子は食器を洗い、乾いた洗濯物を畳み、回しておいた洗濯物を干し、誠が食べた食器を片付け、明日の仕込みをする。

(おい、お前呑気に風呂入って晩酌している暇があったら手伝えよ!そんなんだから離婚要求されるんだぞ!)

……誠は達観し始めて物事を見始めている。


12時になりベッドで眠る。今から寝ても5時間も寝られない。柚が生まれる前からそうだったが幸子は万年の睡眠不足だ。


だから……。


「ゴホゴホ……。」


幸子は熱を出す。仕事復帰をして三ヶ月、丁度疲れが出る時期だ。入園直後は柚が風邪をもらってきて寝込む、看病をしていた幸子に風邪が移り寝込むが一連の流れであり仕事に殆ど行けない仕事復帰後あるあるを経験していた。最近落ち着いており安心していたら幸子が熱を出したのだ。


「ごめんなさい……。」

「良いから寝てろ。保育園送って行くから。」

「……あ、準備……。」


「……あ。」

二人は黙り込む。

「ほ、保育園のしおりを見る!確かボードに貼ってあったな。」

誠は準備表を見て固まる。準備物が多いからだ。


「えっと、タオル、エプロン、ストロー付きコップ……。どこだ?」

誠はもたつきながら準備する。


「……確認してくれ……。」

柚の保育園用の鞄を持って来る。


「……あ……、うん、大丈夫、用意するから。」


幸子は手慣れたように用意し始める。

(おい!全然違うじゃないか!タオルは紐付きじゃないと駄目なんだよ!エプロンは保育園ではうさぎのじゃないと柚が泣くんだよ!ストロー付きコップなんてストローの部分が付いていないじゃないか!これじゃあ飲めずに柚がチュウチュウし続けるだろう!)


幸子はお昼寝布団とお昼寝用パジャマも準備をする。

(それにしおりに書いてあるだろう!今日は月曜日なんだよ!金曜日に布団とパジャマは持ち帰り洗濯し、月曜日に持って行く!基本中の基本だろうが!)


誠はすっかり育児が板についている。しかし過去の誠も頑張っており、柚の世話をそつなくこなす。


「じゃあ行ってくるから寝とけよ!」

「……ありがとう……。」

二人はバタバタ出て行く。誠は抱っこ紐の使い方が分からない、仕方がなく今日はベビーカーを置かせてもらうと決める。


幸子は9時半に職場に電話し休ませてもらう旨を伝え一日ゆっくり休む。娘の迎えの時間が6時の為5時に目指し時計をセットしながら。






「かぁー、かぁー。」

「……え?」


幸子を柚が起こす。

「え!」

幸子は慌てて起きる。時刻は夜7時、迎えの時間が過ぎていた。


「ああ!!」

柚が一人で帰って来れる訳ない。当然、誠が迎えに行ってくれたのだ。


「ごめんなさい!」

「……別についでだ。それより具合はどうだ?」


「……あ、だいぶ楽になってる。」

「そうか。」


「仕事は!」

「一時間早めに帰らせてもらった。迎えに行くと電話しても出なかったから……。」

「あ、気付かなかった……。ごめんなさい……。」


誠はレジ袋からスポーツドリンク、栄養ドリンク、お粥、うどん、ヨーグルト、アイスを出す。

「……好きなのを食べろ。」

「柚を連れて買い物に行ったの?」


「ついでだ。」

「ありがとう……。」


柚は幸子の服をめくりいつも通り、「チュウチュウ」をしようとする。

「あー!今日はだめ!薬飲んだのー!!」

「うわああああん!!」

「今日は我慢してくれ!」


誠が柚を抱っこし宥める。しかし柚は精神安定が無く泣き続ける。


「……仕方がない、柚!お父さんのを飲みなさい!」

誠がブラウスを脱ぐ。



……柚は泣き止み、幸子はポカンとする。


こうして、一家の大黒柱としての威厳と引き換えに娘は泣き止んだ。








誠は卵かけご飯、幸子はアイス、柚は幸子が用意しておいた幼児食を解凍させ誠が食べさせる。


「……柚はいつもああなのか?」

「え?」


「保育園でいつも泣いているのか?」

「……あ、うん、送り出す時はね。でもその後は先生に抱っこしてもらってご機嫌みたい。でもお友達が一人ずつ帰っていくとまた泣き出すみたいで……。」


柚のお迎えは6時、殆どの子達が帰っていく。その姿を見て迎えが恋しくなるようだ。

「……そうか……。」

誠は黙る。

「どうしたの?」


「……あ、いや。……惣菜が食べたい。」

「惣菜?どこの?」


「スーパーだ。6時とかだったら安くなったりしているだろう?ほら、色々あるだろうレトルトとか!幼児食だって売っていた!それで良いだろう!……柚、ごちそうさまだな。全部食べてえらいぞ。」

誠は食器を回収し片付け始める。


(はぁー、だから言うのが下手なんだって!「毎日ごめんな、熱は疲れからだよな?これからは惣菜やレトルトを買ったりして負担を減らしてくれ!」なんでそう言えないんだよ?)


過去の誠は今日初めて送迎をし柚が泣きじゃくる姿を目の当たりにした。仕事をして疲れているのに迎えに行って、泣いている柚を宥めながら買い物をする大変さも。これから帰って食事作り……、ぞっとしたのだ。その時、幸子の大変さに気付いたようだ。


(新婚時代も大変だったぞ。鈍ちんめ!……いや、今の俺もこいつが新婚時代大変だった事に今気付いたからな……。同類か……。)

同じ人間なのだから同類に決まっている……。


「……いいの?」

幸子は誠に聞く。少し考え、誠の優しさだと気付いたようだ。

「ああ、値下げの惣菜の方が安いからな!」

(余計な事言うな!)


幸子は笑い、ありがとうと話す。

「さあ、風呂だ!風呂!」

誠はお風呂を洗いに向かう。



『意外と気もきくじゃないか。』

神は誠に話しかける。

(神様。……今さら遅いですよ……。もっと早く気付けよ、まったく!)


幸子はこの日以降、惣菜やレトルトを活用し始める。買い物の時間がある為、完全な時短にはならないが一番良かったのは気が楽になった事だった。明日の食事を考え、前日の仕込みがとにかくしんどかった為だいぶ負担が減った。また料理をすると食器洗いが増える、それも軽減したのだ。

幸子が誠の提案に甘えられたのは姑が来ないから。柚が退院し一年、一度も家に来ないのだ。障害のある孫は受け入れない……、そうゆう事なのだろう。

しかし幸子は気にしない、自分が責任を持って育てると決めているからだ。









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