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43話 偽装不倫の行方(2)
しおりを挟むガタンゴトン。
大輔と佐和子は電車に揺られる。今日は土曜日、平日のラッシュとは違い比較的人は少ない。
二人は駅に着いた時に手は離し、お互いに黙ってしまう。
「さあ、乗り換えだよ。」
「……うん。」
「ほら……。」
大輔はまた佐和子の手を握る。
「あ、いや、もう大丈夫だから……。これからは一人で乗れるようにならないといけないし、いつまでも怖いなんて言ってられないから。」
「もう嫌がらせには怯えなくて良いよ。……店、辞めるし……。」
「辞めないで……。」
佐和子は大輔を見つめる。
「……佐和子ちゃんが今後も来てくれるならね?」
佐和子は目を逸らし、俯く。
「ごめん、ごめん、困らせるつもりはなかったんだけどね……。さあ、降りよう。」
大輔は佐和子が先に降りられるように、先導せずに見ている。しかし……。
佐和子は俯き、一歩も動けなくなってしまった。
「ほら、降りよう。」
大輔は佐和子の手を握り、下車する。……そして、遠くを見る。
「……ど、どうしたの……?」
佐和子が震えた声で話す。怖いのか、顔が真っ青だった。
「いや、ごめん、早く行こう。」
大輔は手を引き、乗り換え電車に佐和子を乗せる。そしてそのまま黙って二人は窓から見える夜景を見ている。……手を繋いだまま……。
東京の夜の街は街灯でキラキラ光り綺麗だった。
何駅かを過ぎ、次で降車駅に着く前に大輔は話し始める。
「……このままどこかに行かない?」
「どこかってどこ?」
「……遠い街だよ……。」
大輔の表情は真剣で……、本気だった。
「……ありがとう……、でも私は主婦だから夫の元に帰らないと。」
「……帰らなくて良いよ……。」
「だめ。圭介は一人にするとふりかけご飯しか食べないの。土日は平気でご飯抜くし……。だから作って食べてもらわないといけないの。」
そう話している間に降車駅に着く。佐和子は大輔の手を引き二人で電車から降りる。
「帰ろう。」
佐和子は大輔に笑いかける。
「……うん。」
佐和子は大輔から手を離して改札に向かって歩いて行く。そして、改札を抜けてそのままバーの方角に向かう。
「待って!」
大輔が佐和子の歩いている前に立ちはだかり進行を阻む。
「もう一つ付き合って欲しい所がある!」
「……でも……。」
「夜まで帰さないと言ってるだろう!」
「……もう、夜だけど……?」
大輔は空を見る。空は真っ暗で確かに夜だった。
「……付き合ってくれたらバーの閉店考え直すから!」
佐和子は大輔を見て表情が緩む。
「本当!」
「うん!」
「……分かった、もう一度しっかり考えて!あそこが居場所だって人多いと思うの!」
「……そうだね。」
大輔は佐和子の言葉が胸に刺さる。本当は閉店を考え直すつもりはなかった。嘘を吐いてでも佐和子と一緒に行きたい場所があった。
賑やかな繁華街を外れた先に佐和子を連れて行く。
十分程歩いた先に一つの洋食屋があった。老舗のお店であり、この店の売りはふわふわ卵のオムライスだった。
「……あ。ごめんなさい、ここは、圭介と約束しているの……。」
「分かってるよ。だから一緒に来て欲しかったの。」
「どうして?」
「……二年もすっぽかしている旦那に筋なんか通さなくて良いから。」
佐和子は黙り込む。
「……うん、連れて行ってくれる?」
「行こう。」
二人は洋食屋に入って行く。
……圭介は後ろから一連の経緯をただ黙って見ていた……。
「……洋食屋……、イルミネーション……。」
圭介はそう呟く。
二人は年配の女性に案内され席に座る。
「どれも美味しそうだね。」
大輔がメニューを見ながら話す。
「本当、でもやっぱりふわふわ卵のオムライスかな?」
「他にも唐揚げとかポテトもあるよ?一緒に頼まない?」
「あー、オムライスだけでいいかな?」
「そっか……。」
以前二人で出かけた時はサイドメニューも頼んでいたのに……。昼食といい、佐和子はやはり食欲は戻っていなかった。
「ふわふわ卵のオムライス二つ下さい。」
「あいよ。」
年配女性は注文を取って戻って行く。時間が早い為か、他の客はおらず二人だけだった。
しばらくし、また新たな客二人が来る。慣れ親しんだように年配女性と客は話しており、どうやら常連らしい。
「ふわふわオムライス一つね。」
「あれま?一つでいいの?分かった、おおも……。」
「普通でいいから!」
客二人は声を揃えて叫ぶ。
「遠慮しなくていいんだよ。」
年配女性はニコニコしながら戻って行く。
佐和子はその様子を、「仲が良いな」とニコニコ見ているが、大輔は注文を失敗したと悟る。
その大輔の悟りは当たり、二人は唖然とする事となる。
年配女性が持って来たのは、直径30センチのお皿に大盛りに乗せられたオムライスであり、約三人前の量だった。
「ありがとうございます。……すごいボリューム!」
佐和子は取り分けようとするが、取り分け用のお皿やスプーンがなく先程の女性に声をかけようとする。
するとその女性はニコニコしながら、もう一つの大盛りオムライスを持って来る。
佐和子は固まり、大輔は「やっぱり……」と呟く。
「はい、お待たせ。ふわふわ卵のオムライスだよ。」
「……あ……れ?私、大盛りって注文しちゃった!?」
佐和子はまた、ムンクの叫びのような表情と手振りをして叫ぶ。
「……いや、佐和子ちゃんは間違えてないよ……。」
大輔は苦笑いを浮かべる。
「……おや?少なかったかい?分かった、もう一つ用意するからね!」
女性は厨房に戻ろうとする。
「わー!充分です!」
二人は思わず叫ぶ。
「そうかい?」
女性は厨房に戻って行ったかと思えば、唐揚げとポテトをニコニコして持って来る。
「……私、注文したっけ?」
佐和子の声が震える。
「……いや、注文してないよ……。」
大輔はただ笑うしかなかった。
「若いんだから、ちゃんと食べなさい!サービスだからね!少なかったらおかわり作るからね!」
女性は笑って厨房に戻って行く。テーブルは料理で埋め尽くされた。
佐和子は知らなかったが、このお店は昔から客を満腹するをモットーにしており一人前を頼むと三人前持って来る店だった。それを知っている常連はシェアを前提に注文していた。
「……食べきれるかな……。」
「大丈夫だよ、俺食べられるから……。」
二人は手を合わせ食べ始める。
「ふわふわ卵のオムライス」、名前の通り柔らかい半熟の卵がチキンライスが見えないぐらい全面に覆っており、ケチャップが満遍なくかけてある。卵に生クリームが混ざっているのか、卵は濃厚で柔らかい。中のチキンライスも、玉ねぎ鶏肉がたっぷり入っており食べ応えがある。そして卵もチキンライスもバターで焼いているのだろう、バター風味が美味しさを引き立てていた。
「本当にふわふわ……、美味しい!」
「うん!この唐揚げやポテトも美味しいよ!」
唐揚げは大きくジューシーで食べ応えがあり、ポテトはじゃがいもを一口大に切ったのをオーブンでじっくり焼いており出来たてでホクホクだった。
量もさる事ながら、とにかく美味しく二人は喜んで食べていた。しかし……。
やはり半分ぐらいで食べれなくなっていった……。
「……どうしよう……、食べれないよ……。」
佐和子は苦しそうな表情で呟く。
「大丈夫、まだ食べれるから……。」
大輔は必死に食べる。
その姿に佐和子も必死に食べる。
「佐和子ちゃん、無理したらだめだよ。君はまだ病み上がりなんだから。」
「大丈夫だよ、せっかく作ってくれたご飯を残したら申し訳ないから!」
大輔はその言葉に……。
「佐和子ちゃんは本当に良い性格しているね……。」
佐和子に微笑みかける。
「……え?……食い意地張ってるって意味?」
佐和子は大輔から目を逸らし、顔を赤らめる。
「いやいやいや、そうじゃなくて!……無理に食べても悪いし少し休憩しよう。」
「あ、そうだね。」
休憩中に、佐和子はいかにあのバーが大切な場所かを力説する。その一つひとつから佐和子のバーに対する愛を大輔は感じた。
「……ありがとう、ここまで言ってくれるなんて……。」
「本心だよ!私はあそこがなかったら……。」
佐和子は黙る。以前の転勤先で、引きこもりになってしまったとは話せなかった。
「……前の転勤先ではどうしたの?一人で抱えていたんじゃないの?」
「大丈夫だよ。」
佐和子は無理に笑う。
大輔は嘘だと分かる。また知らない土地に行く……、大変な事だと分かっていた。
「……佐和子ちゃん……。あのさ……。」
「大輔さんは?もしバー辞めたら生活とか大丈夫なの?」
佐和子はわざと話を逸らしていると分かる。だけど、大輔は一旦引く。
「うん、貯金あるからね。」
「すごいよね、経営とか大変そうなのに。」
「あー、違うよ。あそこは両親の物を引き継いだだけだよ。だからテナント代ないし、昔からのお付き合いで安くお酒も買える。両親のおかげだよ。』
「え?そうなの?」
「そう、昔は親父とお袋が経営していたんだ。今は隠れ家バーみたいだけど昔は大々的にやっていたしね。親父が酒、お袋がおつまみを作っていたよ。」
「へえ、仲良いんだね。」
「佐和子ちゃん所も家族経営の酒屋さんだろ?佐和子ちゃんが酒屋の娘さんだと聞いた時は運命を……、いや、酒販売免許の事を言っていた事に納得だったな。」
「……そんな差し出がましい事言ってた?ごめんなさい、全然覚えてないな……。」
「初めて会った時だよ。いやいや、ナイスボケだったよ。」
大輔は、佐和子の抜けた性格にタジタジだった事を思い出す。……今では全てが懐かしい。
「でもね、あの場所分かりにくいだろう?だから昔は看板やネットで大々的に宣伝していたんだよ。普通あんな細道の入り組んだ奥地にバーなんてあるなんて思わないからね。……ただ、立地安いんだよね。でもやっぱりあんな場所にあるから年々客足減って、親父が俺を頼ってくれたんだ。元々中古だったし、思い切って改装したよ。……でもね、これからって時に親父の病気が見つかった……。」
「え?大丈夫だったの?」
「いや、重い病気で……。見つかった時点で余命僅かだった。亡くなる時に、お袋の力になって欲しいと頼まれたから酒の作り方勉強して仕事後に手伝っていたんだよ。……でも次はお袋が同じ病気で亡くなった。まったく、どれだけ仲良いんだと思ったよ……。」
「そうだったんだ……。だからお店を?」
「そんなんだよね、亡くなる前にあの店を頼まれて仕事辞めて継いだんだ。あの店は二人の思い出らしいから……。」
大輔の表情は硬くなる。親から継いだ店を自分の勝手で閉店させる。抵抗があった。
「……そっか……。仕事辞めてまで……。何のお仕事していたの?」
「いや!銀行勤めの旦那さんの前で言えないよ!」
「そんな事ないよ!どんな仕事でも立派だよ!」
「……ありがとう……、でも本当にただの会社員だよ……。高卒だから大卒の旦那さんに比べると給料も違うだろうから……。」
「そんなこと……。でも意外、会社員だったんだ?想像つかない!」
「よく言われるよ。」
大輔はただ笑う。
「まあ、その後バーを継いで俺は親父同様に料理出来ないからアルバイトの子に来てもらって、おつまみ作ってもらっていたんだ。……懐かしいな……。」
「へぇ、どうしてその後常連さん向けのダイニングバーにしたの?」
「え?ああ、おつまみだけじゃなくて料理出してくれって要望があったからだよ!ほら仕事上がりにお酒とご飯食べたいお客さん居るから!ほら単身世帯のアパート多いし!」
大輔は突然早口になる。早口になる時は誤魔化したい事がある時。……過去に不倫相手と間違われて殴られ、それがトラウマで変えたとは情けなくて佐和子には話せなかった。
「……佐和子ちゃんの料理がお袋に似てるんだ。和食が特に。だからうちで働いてくれたら親父達のバーの再現が出来て昔からのお客さんは喜んでくれるんだろうけどな……。」
大輔は佐和子を見る。
「ありがとう。でも適当だよ、出汁とか粉末だもん!」
「そんなのお袋もそうだよ。……でも素材の味を出していてやっぱりすごいなって。……うちに来て欲しいぐらいだった……。」
「……嬉しいけど、いつ転勤になるか分からないから……。」
「……そうだよね……。」
大輔は窓から外の景色を見る。
大輔の言葉はアルバイトに来て欲しいという意味ではない。しかし佐和子はやはり分かっていない。
大輔の表情はまた険しくなる。
「……大輔さん?」
「あ、いや、佐和子ちゃん、本当に大丈夫?これから、ちゃんと旦那さんに気持ち伝えられる?一人で抱え込まないか心配で……。」
「……うん。」
佐和子は俯き黙る。
「……佐和子ちゃん……。」
「大輔さんは!……大輔さんこそ一人で寂しくないの?」
佐和子は大輔を真っ直ぐな目で見る。
大輔は一瞬表情を変えるが、笑う。
「……寂しくないよ、俺は一人が好きだから。」
笑っているが、佐和子には無理して笑っているように見えた。
「大輔さん……。」
「……佐和子ちゃん居てくれたらもっと淋しくないけどね……。」
「あ……。ごめんなさい……。」
「上手く言ったつもりがだめかー。」
大輔はまた無理に笑う。
「さあ、そろそろ食べようかな。」
二人は食べようとするが、やはり苦しい。
「さあて。」
先程の女性店員が来たかと思えば、残してある食事を厨房に持って行ってしまう。
「ああ!まだ食べます!持っていかないで!」
佐和子が叫ぶが、構わず持って行ってしまう。
「……勿体無い事しちゃったな……。」
佐和子が悲痛な表情をしていると、先程の店員が戻ってきた。多数の食べれなかった食事をタッパーに入れてくれ、持って来てくれたのだ。
「ほら、帰っておあがり。」
「お持ち帰り出来たのですか!!」
二人は絶叫する。そうと分かっていたら無理して食べなかったのに……。
二人は魂が抜けそうな表情をする。
「いやあ、悪かったね……。」
女性店員はニコニコしながら二人から離れて行く。
その表情に大輔は気付く。……わざとだ。時間作ってくれたんだ……。
思わず顔が熱くなる。
「……帰ろうか?」
「うん……。」
お互い顔を見合わせ会計する。……1円までしっかりした割り勘で。
「……さすがにお会計少なすぎじゃないですか?」
オムライスの金額しか請求してこない事に二人は混濁するが、女性店員はこれ以上受け取らない。
「また来なさい。」とだけ言っていた。
二人は洋食屋を後にする。
「良いお店だったね。」
「ごめんなさい……、まさかあんなに料理出してくれる店だったなんて……。」
「いや、年配の夫婦経営って感じだね。食べさせたくて仕方がないのだろうね。……親父とお袋思い出しちゃって笑ってしまったな。」
「そうなの?」
「うん、うちも親父はやたら飲ませたがるし、お袋は食べさせたがるしでお客さんタジタジだったな。常連さんにいつも半分で良いと言われていたな。」
大輔は昔を思い出し笑う。
「なんか温かいね。……確かに東京も良い街だな……。」
二人が話している間にいつもの繁華街に戻ってきており、バーに続く細道の前に着く。
「じゃあ、指輪……。」
「うん。」
大輔はポケットから指輪の入ったケースを出す。それを握りしめたまま……。
「……バーに寄っていかない?」
その言葉に佐和子は大輔を見つめる。
「……ううん、帰る……。」
「……そう。……ところで、このご飯どうやって持って帰る気?」
「……え?あ!圭介!」
佐和子は持参しているビニール袋を見て叫ぶ。一緒に行こうと言っていた洋食屋に先に行った事が知られる。……それは嫌だった……。
「……大輔さん、えーと、食べてくれない?」
「いいよ、その代わりもう一件付き合って。」
「いや、さすがに……。」
「すぐ終わるよ。これ、バーの冷蔵庫に入れてくるから待ってて。」
「……うん。」
佐和子は大輔がいない間、ただ待っている。
……その様子を見ている人物は、それでも佐和子を連れ去ろうとしない。
「おまたせ。……誰か来なかった?」
「誰かって誰?」
「いや、まあ行こうか。」
二人は歩いて行く。
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