[完結] 偽装不倫

野々 さくら

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32話 川口圭介(3)

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── 東京に来てから俺は厳しい現実を知った。

家賃、物価が地元に比べものにならないぐらい高かった。……まあバイト代もその分高いけど、とにかく出費が多かった……。

家賃、光熱費、通信費、食費、日用品、とにかく生きて行く為にはお金がかかる。

平日は大学に行き、夕方から深夜まで週5でコンビニ、土日は居酒屋でバイトをしていた。……そうしないと生活が出来ないからだ。

そして深夜に帰ってきて予習復習をして寝る。睡眠時間平均4時間……、でも単位を落としたら奨学金は当然打ち切りだから必死だった……。

自炊の時間がないのと、憧れからファーストフードやカップラーメンを買って食べてみたがだめだった……。気持ち悪くて体が受け付けなかった。

本来なら居酒屋では賄い、コンビニでは廃棄の弁当がもらえたけど、やはり俺には受け付けなかった……。


だから時間がなくても結局自炊するしかなかった。作り溜めして少しずつ食べる、節約の為とはいえ毎日同じ物を食べるのは嫌になり、結局ご飯にふりかけが定番になった。……それでも嬉しかった、ふりかけすら買ってもらえなかったから……。

そして美味しく毎朝食べていたのは、小麦粉と砂糖で焼くホットケーキ。ベーキングパウダーや蜂蜜は高くて買えなかったけど、それでも美味しかった。子供の時は砂糖すらなかったから……。そして俺は、砂糖を食べる癖まで出来てしまった……。安価だから、つい……。止めれなかった。

そんな苦しい生活をしていても、俺は母さんへの振り込みは忘れなかった。……借金を返し、生活費を払わないといけなかったから……。

通帳を見て溜息が出る。稼いでも、すぐなくなるからだ……。それでも働かないと生活が出来ない……、本当にギリギリの生活だった。

……だって、余った金額を振り込むのではなく、最初から金額が決まっているのだから……。


── これだけ働いてギリギリだったら、体調不良とかクビとかで働けなくなったらどうなるのだろう?


考えただけで背筋が凍り付く。だから考えるのを止めた。


『……医大なんて絶対無理だったな……。』


医大は六年、研修医の期間もあると聞いていた。大学に行く片手間にバイトがあるのではなく、バイトに行く片手間に大学に行っているような現在の状態。この状態で研修なんて行けるはずもなかった……。

……でも、この振り込みがなければ医大いけたかもしれない……。バイト一つと奨学金で大学で勉強出来たかもしれない……。今更考えても無駄な考えが溢れてきた。


『あ、バイト!』

俺はバイト先に走る。物思いに耽る時間もなかった。


そんな生活が三ヶ月続いた時、佐和子が東京に来てくれた。俺は東京駅に迎えに行った。

『あ、渡辺さん。』

『……川口くん……。』

佐和子は小さく手を振りながら近付いて来る。

佐和子はふわっとした白のノースリーブ、黒の長いカーデガンを羽織っており、短パンにロング靴下、低いヒールの靴を履いており、大学で見かける女の子と同じような服装だった。また化粧しているのか、あどけない顔が大人になっていた。


── あ、可愛いな……、それに比べて俺は……。


佐和子は俺を見てもじもじとする。


『あ、えーと。……行こうか?』

『……うん』

俺は今日の為に少しだけ貯金していた。電車代と夕食を食べれるぐらいだったけどなんとかやりくりした。



『うわあ、東京ってすごい!』

若い女性が好きな服や鞄、靴などが売ってあるお店に来た。……大学の友人に聞いておいて良かった……。


『いつもこうゆう所来てるの?』

── え?……言えない、バイトと勉強ばかりで何もしていないなんて……。つまらない人間だと思われる……。


『うん……、まあ……。』

『すごい!じゃあ、次連れて行って!』

『……うん。』

変な嘘を吐くんじゃなかったと後悔した時には遅かった……。


俺が表情を変えた事により、佐和子まで不安そうな表情に変わる。

結局佐和子は見ているだけで買う事はなく帰る事になった。良かったのか聞くも、見ているだけで楽しいと笑っていた。

俺にはよく分からない感覚だけど、笑ってくれたから良かった……。


『じゃあまた明日。』

『うん。おやすみ。』

佐和子は近くの民宿に泊まりに行く。明日は観光地に行く予定だ。


── 宿代高いよな?

── そう思うけどさすがに泊まりたくないよな……?


そう思い俺は何も言えなくなる。


二日目、この日は東京の観光地に佐和子を連れて行った。佐和子はやはり喜んでくれた。本当に反応が良く連れて行きがいがある。こうして佐和子は帰って行った。

── 楽しかった……、でもこの先来てくれるだろうか?地元から東京は遠く時間と費用がかかる。

……もう、終わりなんだろう……。そう思った。しかし……。



『次は8月上旬ぐらいに行って良い?大学休みだよね?』

一ヶ月後、佐和子からまた連絡が来た。また来てくれるのかと胸が躍った。しかし……。

通帳と財布を見て溜息を吐く。……お金がなかった……。


あの時は大型連休のバイト代があった。でも今回は八月上旬。夏休みのバイト代が出るのは八月末、間に合わない……それにまた彼女がスーパーで働いたお金を使わせてしまう。それは嫌だった。だから……。

『ごめん、今回は出かける余裕なくて』

と送った。嘘は極力吐きたくないから、言葉足らずに送った。「お金がない」なんて言えなかった。

するとメールが返って来た。

『出かけなくて良いから、行ったらだめ?』と。


買い物も観光も行かないのに東京に来る意味が分からなかったけど、むしろ嬉しかった。俺は人が多いのは正直苦手。だから家でゆっくりする方が良い。

実家には居たくなかったけど、この小さなワンルームは俺の居場所。バイトが終わり帰って来た時の安堵感は大きかった。

『それで良かったら来てくれる?ゆっくり話をしよう』

そう送ると、佐和子は約束の日に来てくれ本当に家でゆっくり過ごしてくれた。一切出かけず、俺の出した質素な食事を美味しいと食べてくれた。佐和子の仕事の話や、裕太や小林さんの話、家族の話を話してくれた。

俺の大学での話や、バイトの話も聞いてくれた。彼女は服装は大人っぽくなり化粧をしていたが、中身は全然変わっていなくて安心した。

夜になるとまた民宿に泊まりに行き、次の日また遊びに来てくれた。俺はせめて食事だけはと思ったが大した食材はなく、やはりいつもの質素な食事になった。


『……ごめんね、せっかく来てくれたのにどこも行けなくて……。』

『……え?私出かけるのも好きなんだけど、家でゆっくりするのも好きなの。だから楽しかったよ。』

佐和子は笑って話してくれる。



── その言葉に思わず帰らないで……と言いそうになった……。でも、そんな事言えるはずはない。だけど、また来て欲しかった……。だから……。


『あ、あのさ……、次からうちに泊まっていかない?その方が安いしご飯も出せるし……、全然大した物じゃないけど!』


『え?』

佐和子は急に俯く。


── あ、さすがに嫌だよな……。どうしよう……!

『……うん。』

佐和子は頬を赤らめ頷く。


俺は嬉しかった……、また佐和子は来てくれると思い東京駅まで送って来た。

しかし……。

帰って来たワンルームは狭いはずなのに広く感じた。俺は、何故か涙が溢れてきた……。今まで地元に居て嫌な事ばかりだったのに、今はあの時の高校時代の記憶が溢れてきて涙が止まらなくなった……。

家は嫌だったけど、学校は楽しかった……。分かっていたのに分かっていなかった……。

でも東京に来る意志は強くあった……。もう引き返せない。突き進むしかない……。



九月、佐和子がまた来てくれた。前話していたようにうちに泊まってもらう。だから部屋を綺麗にした。……まあ、部屋に物は少なく片付ける物なんてなかったんだけど……。

こないだと同様に一緒にご飯を食べてゆっくり過ごした。俺の部屋にはテレビすらなく、やる事はないけどひたすら話をした。やはり話は楽しく尽きる事はなかった。

夜、佐和子には家に泊まってもらった。そうは言っても布団は一つしかない。佐和子にはそっちで寝てもらおうと決め、俺は床で寝ようとしたが佐和子が一緒に寝ようと言って来た。……床は硬く痛かった為、一緒に寝る事にした。


『狭くない?』

『……川口くんこそ……。』

『そんな事ないよ。』


お互いに黙り込んでしまった。部屋は静かになり、時計の時刻を刻む音だけ鳴り響く。佐和子に顔が向けられない俺は、横を向き目を閉じる。

── 不思議だった……。俺は女性が横に居るのに安心し切ってしまった。……俺は、覚えていないだけかもしれないけど、父さんとも母さんとも一緒に寝た事が無かったと思う。すぐに一人部屋で寝るように言われた記憶があるからだ……。夜怖いと泣いても誰も来てくれなかった……。そんな記憶が……。

だから佐和子は暖かかった……。一緒に居れて心地良かった……。そのままゆっくり寝た俺は、起きたら昼になっており、佐和子の帰る時間が迫っていた。


『ごめん!どうして起こしてくれなかったの!』

『疲れているみたいだったから。』

そう佐和子は笑ってくれた。


── 俺のバカ!せっかくの時間が……!

こうして夕方になり佐和子が帰る時間になってしまい、東京駅に送って行った。


── この時間が一番嫌いだ……。一人の家に帰るこの時間が……。一人になりたくない……。


大学にもバイト先にも友人は居た。良い関係が築けているとも思っていた。……でも何故か佐和子が居ないと淋しくて仕方がなかった。何故なのか、どれほど考えても分からなかった。





月に一度一緒に過ごす。そんな関係が一年半続いた大学生二年の冬、俺はとうとうやってしまった。


その日の昼、いつものように佐和子から連絡が来ていた。急だけど二週間後遊びに行って良い?かと。

その頃は、丁度試験が終わりバイトも休みを頼んでいた為、「うん」と返事をした。

その後、授業とバイトが終わり家に帰って来た時にその変化に気付いた……。


カチッ、カチッ。

電気のスイッチを入れても付かないのだ。


『……あれ?壊れた?あれ?……あ。』

俺は一気に青ざめる。……電気代……、払うの忘れてた……。督促状来ていたんだった……。

夜の為真っ暗な部屋。どうしよう……、これでは何も出来ない……。試験近いのに……。


俺は矢も得ず、勤務先のコンビニに向かう。


『いらっしゃいま……、あれ?川口くん?忘れ物?』

店長が驚いた表情をする。


『……あ、いや……。』


── どうしてバイト先に来るんだよ?こんな事で来るなんて……。


そう思いつつ、ろうそくを取り購入する。……いらない出費……、でも仕方がない……。


『……ろうそく……。何するの?』

『いや~、はは……。』

ただ笑うしかなかった。


『……何か困ってない?』

『いえ、全然大丈夫です』

『……そう。何かあったら言ってね。』


そう言ってレジを通したのにお金を受け取らず俺に商品を渡してくれた。

『あ、でも。』

『いいから、持って帰りなさい。あとライターも!……お茶とかお菓子とかいらないかな?』

『いえ!そんな!』

俺は断るが、店長は渡してくれた。


『あ、ありがとうございます。』

俺はそう言い帰る。

もらったろうそくに火を灯す。部屋は明るくなり俺は幾分か安堵する。そして現状確認をする。


── 電気代払えるお金がない……。


次の給料日は二十日後、それまで電気なしでの生活となる。ガス代と水道代は払っており一安心だった。

次は食材を出す。米と小麦粉はあった。これで生活は出来る……。


俺はとても夕食を食べる気にもなれず携帯を触る。……メールが来ていた。佐和子から、二週間後に来てくれる約束の内容だった……。


『しまった!来ないでー!電気止まってる!』

俺は断腸の思いで、忙しくなったと嘘を吐く。


『そっか』

『ごめん』

と送るしかなかった。


── お金がないなんて言えない。携帯代も払わないと止まる。佐和子ちゃんが心配する……。


上京して一年九ヶ月……、生活は変わらずカツカツだった……。


しかし、見かねたコンビニの店長がバイト中に携帯の充電をするように言ってくれた。その他にも、廃棄のお弁当や惣菜が食べれない俺に、賞味期限が近いからとお菓子をくれたりもした。バイト代の前借りまで申し出てくれたけど、それだけは強く断った。……借金だけは嫌だった……。

……店長も苦学生だったらしく、なんとなく分かると言ってくれた。

こうして店長のおかげで二十日過ごせた俺は電気代を払い、連絡をして電気をまた供給してもらえる事となった。


『……電気が付いた……。』

俺は肩の力が抜ける。これほど危機迫った二十日はなかった……。これからは支払い計画立てないと……。

そう思い、これまで以上の計画を立てる。


家賃、食費、日用品、電気代、ガス、水道代、通信代、仕送り……。やはり少しでも気を抜くと足りなくなるのは明白だった……。

そして、佐和子と出かけるお金がやはりない……。たまにはどこかに行きたい……。でも、捻出は無理だった……。本当は新幹線代半分出したいけど、出かけるお金もないのに無謀だった……。

これ以上バイト増やしたら単位落とす。奨学金が打ち切りになる……。それだけはだめだ……。


『……この仕送りが無ければ生活は楽なのに……。』

俺は思わず呟く。



年が明けた一月、佐和子が来てくれ一緒の時間を過ごす。でも今日はそれだけで終わらせる気はなかった。佐和子が以前よりイルミネーションが見に行きたいと言っていたので、俺は大学の友人からスポットを聞いていた。

前日どこに行きたいか聞くと、イルミネーションと答えたから次の日に佐和子を連れて行った。

佐和子はすごく喜んでくれた。雪が降る中の、木々や建物一面をキラキラ光らせる幻想的なイルミネーションに、ただ目を輝かせて無邪気に笑っていた。


── 本当はこうゆう所に来たいのだろう……。わざわざ東京まで来てくれているのだから……。


『……あれ?圭介……?』

大学での友人、清水さんが俺に話しかけて来た。

『……あ、清水さん……。』


『圭介も来ていたの?……ねえ、一緒に……。』

清水さんは黙り込む。


『……彼女?』

佐和子を見て聞いてきた。


『え?えーと……。』

俺も黙り込む。佐和子はどんな存在なのか……?俺にも分からなかった……。

結局俺は答えられず、清水さんとは別れた。その後も二人でイルミネーションを見回った。すると俺の中にある変化が訪れた。


── あ……、これまずいやつかも……。


体が震え始めた。俺は虚弱体質で長時間寒空の下に居るのが耐えられない体。全然平気そうな佐和子の姿に、自身の弱い体を恨む。


『……大丈夫?』

『うん、大丈夫だよ。』


『帰ろう。』

『え?でもまだ見回っていないよ。』


『いいから。』

佐和子が俺の手を引いて家まで連れて帰って来れた。


── 本当はもっと見周りたかっただろう……。俺の虚弱体質のせいで……。


帰って来た後も、佐和子はストーブを付けて暖まるように言ってくれ、わざわざコンビニにココアパウダーと牛乳を買いに行ってくれホットココアを作ってくれた。

そのココアは温かくて甘くて……優しい味がした……。


しばらくすると体が温まったのか、俺の震えも止まりやっと落ち着いた。


『……良かった、ごめんね……。』

『佐和子ちゃんが謝る事じゃないよ。……俺が弱いだけだから……。』


『ううん。私が……。あ!お風呂』

佐和子は慌ててお風呂のお湯を止め、入ってくるように言ってくれる。いつもは佐和子に先に入ってもらっているのだが、今日は俺が先に入るように佐和子が何度も言ってくる。それなので、先に入らせてもらった。

お風呂で温まった俺はすっかり元に戻り上がって来た。すると……。


ガタン!

佐和子が俺を見て驚いていた。


『どうしたの?何?この音……?』

『……あ、なんでもないの……。』

佐和子は明らかに俺から目を逸らし俯く。


『……そう?佐和子ちゃんもお風呂入って来て。今、お湯溜めてるから。』

『え!わざわざ入れ直してくれているの?』


『当然だよ。……どうしたの?』

『……あ、ごめんなさい……。』


佐和子は何か言いたそうな表情をするが、唇を噛み締める。そして、お風呂の準備をしてお風呂場に行く。


俺は少し気になり、どうしたのかを考えたけど見当もつかなかった。

待っている間、携帯のメールの確認をしようと鞄を探るが携帯がない。失くしたと思い慌てて探すと机の下に落ちていた。


『良かったー!失くしたかと思った!』

俺はメールの確認をすると、メールが数件来ていた。バイト先の店長からのシフトについての内容、高校の友人の裕太が送って来てくれている近況報告、そして先程会った清水さんからだった。

俺は清水さんからのメールに驚く。……何故かこれだけメールが開いていたからだ。何かの操作で開いてしまったのか?そう思いつつ、メールを開く。そこには……。

『圭介、さっきは偶然!なんかすごいよね?ねえ、それでなんだけどさ、今度圭介の家に行っていい?話があるの!』

と書いてあった。


── え?家?どうして?話なら大学でしたらいいのに?

そう思い返信するも、清水さんは家に来たいと何度も言って来た。理由を聞いても、「察して」とか「ゆっくり話したい」とか言ってくるだけ。……なんだろう?

俺は何か悩んでいるのではないかと感じた。……でも、家に向かい入れるのは嫌だった……。だから……。


『ごめん、今度大学で良いかな?』

そう打ち込んだ。するとメールは返って来なくなった。


── 傷付けたよな……、でもこれだけは譲れない……。


そう思っていると佐和子が上がって来た。女性は色々手入れがあるらしく、顔や体にクリームらしき物を塗っていた。

こうして、今日も一緒の布団に入る。


『圭介くん……。』

佐和子は俺を見て話してくる。


『あ……、やっぱり狭い?』

『そうじゃなくて、さっき会った人は誰?』


『大学の友達だよ。』

『家に……。……なんでもないの……、あのね……。』

『何?』


『……私の事好き?』


『え?……うん。』

『……じゃあどうして?……私ってそんなに……魅力ない?』


『え?』

佐和子に言われている意味が分からなかった……。







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